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  • 「GEW」2012年7月号を振り返る 新品5割引きの安売りクラブ市場で「ゴルフ5」が他店徹底対抗!

    片山哲郎
    1962年8月3日生れ。月刊誌GEW(ゴルフ・エコノミック・ワールド)を発行する(株)ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長。正確、迅速、考察、提言を込めた記事でゴルフ産業の多様化と発展目指す。
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    発売即5割引き――。ゴルフクラブの新製品が叩き売り状態になったのは、2011年3月に起きた東日本大震災の影響があった。「ゴルフなんかしてる場合じゃない」という空気が蔓延して、それ以前から激しかった安売り競争に拍車をかけた。

    理由は震災だけではない。2008年秋のリーマンショックが日本のゴルフ市場を直撃したこともあった。米国で売れ残った大量のクラブが、その捌け口を日本に求めて雪崩れ込んだ。

    また、同年1月に飛ぶクラブを規制する「高反発規則」が施行されたことも「新商品が売れない大きな理由でした」。2012年の取材当時、アルペンの村瀬一夫常務(現副社長)はそう言って渋面をつくったものだ。

    スポーツ小売最大手の同社は取材当時、「アルペン」(74店舗)、「ゴルフ5」(188店舗)、「スポーツデポ」(102店舗)を展開。スポーツ小売り最大手として年商1982億5700万円(昨対4・5%増)と手堅く伸ばしていたのだが、販売比率の3割を超えるゴルフ事業は2007年のピークから下降局面が続いていた。

    その苛立ちもあり、同社は2011年春、他店の安売りに対する「徹底対抗!」を宣言したから、業界に大きな緊張が走ったものだ。

    メーカーもショップも誰も儲からない安売り競争はなぜ起きたのか? そのことを様々な角度から問い掛けたインタビューだった。なお、文中の数字、役職、経営方針等は取材当時のままで現状とは異なる面があることを留意願いたい。

    GEW2012年07月号の主な記事

    • インドア施設が新たな局面を開く?三位一体の販売手法が台頭するワケ
    • 大小競い始めたカスタムに市場の将来性を感じる ガゼックス・カンパニー 代表取締役 赤木脩康氏
    • ゴルフクラブがない専門店!ゼビオがはじめたセレブなアンテナショップ

    2012年07月の主な出来事

    • 7月1日食品衛生法により生の牛レバー(レバ刺し)の提供禁止
    • 7月3日日本航空系格安航空会社「ジェットスター・ジャパン」就航
    • 7月23日オスプレイが岩国基地に到着

    ゴルフは一番大きな事業ですよ

    昨年、ゴルフ用品市場は震災を機に前代未聞の安売り競争に突入しました。業界の誰も得をしない激安競争はなぜ起きたのか? まずはこの点から振り返ってください。 「まあ、我々の『他店徹底対抗!』の話をすればですよ、たしかに震災の影響は甚大でしたが、それとはまったく関係なく以前からその準備はしていたわけです。というのも、2007年をピークにゴルフ事業の売上が下降局面に突入して、前年割れがつづいてしまった。 大きな視点で考えれば少子高齢化やリーマンショックも深刻でしたが、一番はルール改定の問題ですよ」 ゴルフ規則を統括する英国のR&Aは2008年1月、高反発規制を施行して、飛びすぎるゴルフクラブの規制に走った。 「そうです。誰だって今使ってるクラブより飛ばないものを買うはずがない。当たり前の話じゃないですか」 それもあって、御社のゴルフ事業はピークの718億3100万円から、前期は644億6300万円まで落ちてしまった。 「どうあれ落ちることは容認できませんから、停滞局面を打開するために終始一貫、当社ではお客様に最適なクラブを提供するフィッティング販売に力を入れて、現状の打開に努めておるわけです。 社内では『サンカメ』(3台のカメラで計測)と呼んでますが、当社独自の計測器を活用して、結果論ではなく、その球筋が発生するメカニズムをきちんと掘り下げてお客様に説明している。スイング映像と数値の両面で、お客様に教育というか、丁寧に説明しておるわけですよ。 この間、当社に共感してもらえるメーカーとは計測販売の取り組みを強化してきたし、その姿勢は今後も変わりません。店頭における丁寧な販売で顧客満足度を高めるのが『サンカメ』を導入した狙いです」 御社と共同歩調をとるメーカーで代表的なのがミズノですね。ミズノはゴルフ5のフィッティング販売に合わせた商品供給や販促を展開している。 「そうです。以前GEWにも掲載されましたが、まずはミズノさんと『ライ角フィッティング』で協業して、コアなお客様にはコアな対応をしましょうと、両社の考えが一致したわけですよ。 これはレシピを綿密に記入してオーダーするもので、販売後1年間は微調整のアフターサービスも行っています。当社の工房で働くクラフトマンの技術レベルや、ミズノの養老工場の供給体制もありますから、当初は系列の10店舗から始めたんですが、徐々に水平展開で広げてきたんです」 店頭の販売方法にメーカーが合わせるのは画期的で、ミズノは国内工場を持っているから対応できたわけですね。 「それで現在、当社の工房設置店は150を超えましてね、90〜150坪の店舗を除く300坪以上の標準店には、すべて工房を設置しています。クラフトマンは通常2名、繁盛店の場合は3名体制なんですが、このような活動をみてもわかるように、我々は手間暇かけて販売をしてるんですよッ。 御社の先月号でギアサージ(兵庫県の有力専門店)の梅田社長がインタビューに答えておられましたよね。『極端な安売りに走りたくない』と。それでWGH(ウエスト・ゴルフ・ホールディングス=関西以西の有力専門店7社が集まった共同仕入れ構想)を立ち上げられたわけですが、ウチもね、WGHの方々と思いは一緒なんです。 特に広島ゴルフさんは販売方法にいろんな工夫をされていて、安売りに走らない努力をされている。あの姿勢は理解できますし、大いに共感できることですよ」 WGHの各ショップと御社の系列店は地域ごとに激しい局地戦をやってますが、無益な安売りには走りたくない、と。 「当然ですよ」 御社のゴルフ事業の販売構成比は34・5%で、ウインター事業(9・3%)よりも遥かに大きい。つまりゴルフは大切な市場だし、安売りで破壊したくない。 「当たり前じゃないですかッ(笑)。昔はね、ウインタービジネスが当社で最大だったけど、今はゴルフが一番大きい。ゴルフは単純なスポーツではなく、レジャーの要素が入りますし、プレー寿命が長いからライフスタイルスポーツだと言えるわけです。 だから我々は単に物を売るだけじゃなくて、大型の450坪店ではPGAのインストラクターによるゴルフ5アカデミー(10校)も開校するなど、ゴルファーの創造にも取り組んでいる。ゴルフ市場を大事に育てている。そういった活動もきちんと見てもらいたいですよ」

    「徹底対抗!」の値段勝負

    ここで改めて、価格競争の功罪を伺います。まず「功」ですが、売価が安くなることで需要喚起の効果はあるんじゃないですか? 「まぁ、そのあたりの判断は難しいところなんですが、安くなって販売数量が増えたのはたしかでしょう。販売単価の下落は問題ですが、昨年10〜12月は数量ベースで増えたので、需要促進になったとは言えるでしょうな」 経営の指標として、金額と数量、どちらを重視するわけですか? 「うん。どちらが大事とは単純に言いきれませんが、数量の減少はお客様の減少を表わすひとつの指標だから、こちらのほうがダメなのかな、という考えにはなるでしょうね。金額面のマイナスは競争原理における現象なので、仕方ない面もありますよ」 ゴルフ専門店はどこも同じようなメンタリティなんですかね? 昨秋のピークでは市場価格が禁断の5割引きに突入して、二木ゴルフも御社の「徹底対抗」に応戦したし、他店も軒並み参戦しました。 「そう、深刻な状況だったですよね」 つるや、ヒマラヤの綱引きも激化して、誰かが白旗をあげるまで止まらない。そんな危機感が蔓延していたし、その中心がゴルフ5だったという見方もあります。 「いやいや、我々はね、どこかが白旗をあげるまでとか、そんなことはまったく考えておりませんよ(苦笑)。 だってね、昔のウインタースポーツ・ビジネスは競争が激しくなりすぎて、倒産や企業売却にもつながったじゃないですか。その点への反省はもちろんあるし、だからゴルフを二の舞にしてはいけないと強く思っているんですよ。誰も儲からない市場に未来はありませんから」

    安売りのメカニズム

    そもそも論ですが、一連の価格競争はどのようなメカニズムで発生したわけですか? 「そうですねえ。まず、ここ数年の安売りはネットと中古ショップから始まったとみています。わたし自身、映画のチケットや乗車券はネットで買うし、ゴルフのネットビジネスにも利便性はある。ですから全否定するつもりはありません。 ありませんが、特にネット販売は構造的に試打ができないじゃないですか。フィッティングを含めた最適なクラブ選択ができない体質なんですよ。一方の我々は、先ほど申し上げたように『サンカメ』を含めてフィッティング販売に人材も機材も投資している。 だけどネット販売の購入者は、リアル店舗の設備やフィッティングを利用して、最適なスペックを教えてもらい、専門店よりも安いネットで買う」 となると、かなり頭に来ますよね。コストを掛けた設備をタダで利用して、肝心の購入はネットに行くわけだから。 「それがそもそもの発端ですよ。で、何が起きたのか。当初ECの影響は軽微だろうと考えておったんですが、リアル店でありながらフィッティング技術や適性クラブの推奨力をもたない店がネットの影響を受けました。 そのような店が過度な安売りに走ってしまい、次の段階では我々やWGHの方々も巻き込まれていく。そんな流れだったと思いますね。 2007年以降、当社に来店して、フィッティングは受けるけど購入は他店でするという傾向が目立ちはじめたわけですよ。で、いよいよ看過できなくなったのが去年の1月頃です。実態調査をしたところ、事態は想像以上に深刻でした」

    「また来るわ」が原因

    実態調査をやったんですね。それで、御社でフィッティングをするけど他店で買うというゴルファーはどれくらいいたんですか? 「それはねぇ……非常に企業秘密です(苦笑)」 明かせませんか? 「はい。いずれにせよ、お客様は自分のイメージに合うクラブを試行錯誤しながら購入されるわけで、ゴルフクラブってのは本来そういう商品じゃないですか。 だから接客も一人最低30分は費やしますし、接客は人件費と設備投資の塊でしょ。一生懸命接客した挙句に『また来るわ』でヨソで買われたら、これは野放しにできませんよッ。そこで一部の店で効果検証をはじめたんです」 どのような方法で? 「それはね、接客中にこちらから値段の話を挿入するようにしたんです。そうしたら当社での購入率が如実に高まるという結果が得られました。 それ以前は『価格保証』という消極的な姿勢で、これは当社の価格が他店より高い場合、高いと証明できるモノをお持ちであれば対応しましょうという姿勢でした」 顧客の求めに応じる消極的な姿勢だったわけですね。 「そうです。一方の『他店徹底対抗』は、消極的な姿勢から積極姿勢に転じたもので、我々が市場価格を調べた範囲内で競合他店が3割引きなら、お客様から値段交渉をしてこなくても、こちらから市場価格を出しましょうと。そのように変えたわけですよ。 誤解があるなら残念ですが、当社が率先してどこよりも安くということではなくて、あくまで対抗策として合わせたんです。震災から1年数か月経ちますが、この間広告で『○割引き!』という表現は、新聞、テレビ、チラシなど、一切やっておりませんから」 今の話を整理すると、そもそも「他店徹底対抗」は地区ごとの価格競争に対するエリア戦略であって、局地戦だった。 「それが全国に広がったのは、連鎖反応によるものですよ。A店は『おれはやってない』と言うかもしれんけど、申し訳ないけどB店はやっている。そのB店に我々が対抗すれば影響はA店にも及ぶでしょ。するとA店も黙っていられないわけで、そういった連鎖反応から全国に広がったわけですよ。まあ、このあたりは資本主義の必然と言えるかもしれませんな」 ただ、今は去年の最悪期に比べれば多少マシになっていて、激安競争は微妙に落ち着いた印象もありますが、御社は「徹底対抗」の旗を降ろしたわけですか。 「いや、降ろしてはいませんが、今は消極姿勢というか、おとなしくしているところです(笑)。我々もね、正常な状態に戻したいし、そのきっかけを各メーカーの2012年モデルに求めているんですよ。 その試金石としては『ゼクシオ』に期待したいし、テーラーメイドの『グローレ』やタイトリストの『VG3』にしてもですよ、我々が率先して安売りすることはないと申し上げて、一旦、矛を収めました。 だけど昨今の市場価格をみると、限界かなぁ。いよいよとなれば、ひるむことなく舵を切ります」 それは、いつ、どんな状況で起こりますか? 「現状、いつでも起こります」 う~ん。

    シェア2割の巨艦の悩み

    ネット・中古の台頭が安売りの導火線だったという話ですが、これは単に安売りの話ではなく、流通の多様化における構造的な現象でもあると思うんですね。ECの台頭は、リアルショップの欠点や穴を突いて市場での認知度を高めてきた。つまり、新たな利便性の提案です。 ところが御社は、ゴルフ用品市場でシェア2割を超える巨艦じゃないですか。巨艦は舵を切っても旋回に時間がかかりますが、それと同じで図体が大きいゆえに多様性への対応が不得意に見えます。そんな体質は? 「たしかにあります」 そのことを意識してるわけですか? 「だから自分たちの能力を最大限発揮するために、ミズノと協業をはじめたわけです。ピンやマルマンとも一部でやってるし、その成功例を見てほかのメーカーもアプローチしてきますがね。 ただ、各社のうちに対するアプローチは、必ずしも優れたものではありませんなぁ。少なくとも私の目にはそう見えます」 優れてない、とは? 「販売技術が低いゴルフショップにも同じ商品で対応するという姿勢ですよ。 あのね、誤解されたら困るんですが、我々はメーカーに対して『特別な商品をください』と要望してるわけじゃないんです。そうではなく、フィッティング技術を必要とする商品を提供してください、それを『我々の技術レベルで販売したい』ということなんですよ。 だから販売技術がない店でも売れるフィッティング商材が市場に蔓延すれば、この話はそもそも成立しませんし、一夜で崩壊するじゃないですか。『それでいいの?』と問いたいわけです」 なるほど。要はメーカーの覚悟ですね。メーカーとしては当然、ひとつのモデルで沢山の量を売りたいけど、販売量を求めると店によって異なる販売技術を許容することになる。その『技術差』を、御社はシビアに見るわけですね。うちは『サンカメ』を使ってる。あの店とはレベルが違うじゃないか、と。 「まぁそうです」

    膨大な顧客データの活用法

    ゴルフ5が推進するフィッティング販売の領域に、いずれインドアゴルフが参入するでしょうね。それも多様性のひとつですが、対応策として、御社が駅前商圏で100坪ぐらいのフィッティング専門店を開くとか、そんな可能性はありますか? 「う〜ん、今のところそれはないでしょうなぁ。出店の余地がなくなってくれば話は別ですが、まだあると考えていますから。 それと、優先事項としては老朽化した90〜150坪の店舗ですね。これが30〜40店舗残っているので、スクラップ&ビルドを継続的にやる必要もあるんです。 アイテムが多い『アルペン』の業態だと300〜400坪は小さいので、これを『ゴルフ5』へ転用することを含めまして、テコ入れは常に必要ですから」 ところで、経営戦略の基本はシェア主義ですか? 「そこは企業ですからねぇ、成長を求めるのは当然だし、求めればシェアが高まることにもなるでしょうなぁ。とはいえ、シェアを取るために安売りをするという考えはまったくありませんよ」 シェア論について個人的な関心があるんですよ。 「うん?」 関心というのは、最大シェア企業の優位性についてです。これまでのシェア論は大量仕入れでコストを下げるとか、サプライチェーンを有利に抑えるといったように物理的な優位性が重視されましたが、今は情報戦略の面でもシェアが重要な意味をもちます。 「当然そうです」 市場シェア2割超ということは、ゴルファーの顧客情報を2割以上持っているわけで、いわゆるインテリジェント・リテーラーとしての優位性がありますね。これについてどんな構想をもってますか? 「そこはあんまり話したくないんだけど(苦笑)、我々の方針の中にあることは否定しません。おっしゃるようにシェア2割超という我々の生データは、我々だけの有益な資産ですから。 市場の2割以上を抑えると、顧客の購買動態や嗜好性が極めて明瞭につかめますし、現状では詳細な分析とまでは言えませんが、使えるところから順次活用してるんですよ。 例えば有力メーカー数社とは、年2回ほどビジネスミーティングをやってましてね、我々のデータの一部を叩き台にした議論をしています。このような活動を行いながら情報の有効活用を図っているわけで、メーカーとは具体的な話ができます」 情報収集はカード会員の囲い込みがベースになるんでしょうが、現状の会員数はどれくらいですか? 「そこは2種類ありましてね、ひとつはクレジット機能がついた『APグループカード』で会員は270万人です。これはゴルフ5を含む全店でポイント還元や様々なサービスが受けられるもので、全体の4割弱がゴルフ5を中心に購入される会員です」 つまり会員の4割近くをゴルファーが占める。 「まぁそうです。もうひとつはゴルフ5専用の『リライトカード』で、こちらは数十万人規模になりますかね。我々は『APグループカード』への変更を推奨してるんですが、以上が当社の抱える集団だと思ってください」 つまり、ゴルフ関連で百数十万人の購買データが把握できる。 「そういうことです。もちろん個人情報はきっちりガードしてますが、全体をいくつかのパターンで類型化して、年齢、ターゲット、技術や嗜好性を導き出せるんですよ。 あるメーカーがシニア用のクラブを開発したいと考えたとき、我々のデータを見れば細かな傾向がつかめるじゃないですか。どんなキャリアや志向のシニアに、どんな商品をどのように訴求すればどう動くのか。これはね、メーカーさんにしてみれば喉から手が出るほど欲しい情報でしょうなぁ(笑)」

    データはPBの開発にも有効

    そのデータをメーカーに販売するんですか。 「今のところは無償ですが、メーカーが我々のデータを生かして商品化したときにはインセンティブを求めます。慈善団体ではありませんので、対価を求めるのは当然でしょう」 御社はSPA(製造小売り)で自社ブランドのPB商品も開発・販売してますが、その際もデータは威力を発揮しそうですね。 「それは大いにありますよね。PBの販売比率は言えませんが、近年はかなりの手応えを感じているんですよ。商品の精度が高まって、フィッティングも512種類(ドライバー)からチョイスできるため、大手メーカーのNB商品以上に最適な対応が行えます。 それとPBは、ゴルフ5ならではの差別化を担う部分も大きいから、データを活用した開発は非常に重要だと考えています」 自社製品のPBはNBよりも利益率が高い。当然、PBの販売比率を高めたいわけですね。 「実は、PBとNBのバランスに適正値を求めるのは難しいんですが、たしかに利益率は高いので注力したいとは考えています。ただ、意外かもしれませんがPBは逆風なんですよ」 NBの方がブランド認知度が高いから? 「というか、『徹底対抗』をやったおかげでNBに割安感が出てしまったじゃないですか。それでPBの動きが鈍化してるんですよ。 NBの市場価格が安定すればPBの出番も増えるので、先ほどの話に戻りますが、そのような事情を考えても我々が価格競争を望んでないことはわかりますよね。市場全体の発展を考えても、値段競争じゃなく、むしろ販売技術を高める競争の方が遥かに健全だと思ってます」

    ゴルフ5はECに消極的?

    最後の質問です。 「どうぞ」 ゴルフ5はネット事業に消極的ですが、某EC大手の役員が「ゴルフ5のネット事業をウチでやらせてもらえないか? 話す機会があったら伝えてください」と言われました。つい先日の話ですが、どうです? 「どうですって言われても、そんなコトあるわけないでしょう、あり得ませんよ(苦笑)。リアルでフィッティング販売に注力している我々にとって、ネットとの相性はたしかに難しい課題もあります。 だけどすべてのゴルファーがリアルに来店できるわけじゃありませんから、そこをカバーする意味でもネットは必要だと思ってます。 それとね、今は消極的に見えるかもわからんけど、いきなり来月どーんとやるかもわからんし。やるとなれば当然自社でやりますよッ。先方さんにはそう伝えてください(笑)」
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