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本間ゴルフ「熱意系HONMAはじまる」

本間ゴルフ「古豪の挑戦 ネオ原点主義のTOUR WORLD」

酒田工場全景

技の結集「酒田工場」の挑戦とこだわり         2013.11.26

日本最大規模のゴルフクラブ製造工場、本間ゴルフ酒田工場。ここ酒田工場には、手作りにこだわり、日々のゴルフクラブづくりに取り組む熟練の職人がいる。熟練の職人の技術と ノウハウを集結させることで開発・商品化に至った『TOUR WORLD』は、まさに現在のHONMAブランドを象徴するモデルといっても過言ではない。第二回は、技の結集「酒田工場」の 挑戦とこだわりを徹底レポート。「名匠」とよばれる匠職人が続々登場だ。

酒田工場の名匠たち 酒田工場の名匠たち 酒田工場の名匠たち

酒田工場作業風景

本間ゴルフ酒田工場

■ 住所:山形県酒田市宮海字中砂畑27-18  ■ 創業年:1981年
■ 敷地面積:163,000m²  ■ 建物面積:53,500m²  ■ 従業員数:387名

本間ゴルフが波に乗っている。2013年2月、「熱意系ゴルファー」に向けて投入した『TOUR WORLD』を外部の専門店へ供給開始。 ゼビオ(133店舗)、二木ゴルフ(54店舗)などで実績を作った結果、今年4~9月の営業収益は前年と比べて右肩上がりの成果を上げた。その性能も実証済みだ。 国内女子ツアーのイ・ボミプロ2勝を筆頭に、国内男子ツアーでは小田孔明プロ1勝など、ブランド誕生初年度から世界のツアーで通算8勝を挙げた『TOUR WORLD』。HONMAには、 ツアーでバリバリに活躍できる技術がある。その同社酒田工場の財産活用こそ、HONMAにだけに許されたアドバンテージといえよう。

「TOUR WORLD」の顔の良さは酒田の匠の技が生きている

  • 名匠:佐藤英一氏(ウッドマスター制作歴30年)名匠:佐藤英一氏(ウッドマスター製作歴30年)
  • 名匠:斎藤大輔氏(CAD設計歴17年)名匠:斎藤大輔氏(CAD設計歴17年)
  • 名匠:佐藤英一氏(ウッドマスター制作歴30年)作業風景
  • 名匠:斎藤大輔氏(CAD設計歴17年)作業風景

「構えた時にナイスショットを予感させる顔つきのクラブでなければ、プロたちは絶対使いません。どんなに高性能だといっても相手にしてくれません。このこだわりは熱意系ゴルファーも同じだと思います」 と話すのは、『TOUR WORLD』ドライバー開発チームの佐藤英一氏。同氏はウッドのマスターヘッドを削り続けて30年のベテランで、ウッドマスターの名匠でもある。 酒田工場は今も、原型となるマスターヘッドをパーシモン素材でつくる。パーシモンだからこそ、微妙な調整が可能になるわけだが、実際ドライバーの顔の良さはどこで決まるのか? 「それはクラウンのトゥ側の曲線頂点とサイド側の曲線の頂点、このふたつの頂点の位置で決まります。頂点の位置を1ミリでも変えると、顔の印象はガラリと変わります。だから、構えた瞬間に〝いい〞という顔は崩したく ないんです。これだけは絶対に譲れません」(佐藤氏) ベテランの、まさにクラブづくりの匠が施行錯誤を重ねて、キャリアのすべてを賭けて創りだした顔だといえる。 そして、完成したモックは3Dスキャンによりデジタル化。それをCADに取り込み、いよいよ内部設計に移る。CAD設計の名匠・斎藤大輔氏の登場だ。 「モックからデジタルへ落とし込む段階で、手作りの良さが損なわれがち。職人の作った形を崩さない、これを大前提に重心等、内部を作り込んでいきます。」 今回460cm³、455cm³、430cm³ 計3タイプのヘッドが投入されているが、このラインアップが構築された理由には、プロに対するHONMAの深い読みがあるようで、「見た目に大きい460は直進安定性を求め、 やさしく真っ直ぐそして球が高く上がる設計にしています。一方の455は、460とは僅か5cm³しか違いませんが、コンパクトに見えるギミックを施しました。こちらは直進安定性に加え、操作性を両立させたヘッドに なっています」(斎藤氏) たった5cm³でも、460との違いは明確に存在している。 そして430。小振りなヘッドとツヤ消しマット仕上げが目を引く430の特性は操作性につきる。狙ったラインへ正確にピタリとヘッドを合わせるには、通常のシャイニーな仕上げではなく、ツヤ消しで反射しないマッ ト仕上げが選ばれた。ヘッド塗装の名匠・土門尚充氏がいう。 「430は、アスリート向けのクラブということで、アドレス時のシルエットが綺麗に見えるよう、機能を兼ね備えた深みのあるブラックを採用しました。プロのニーズに応えるという部分では、構えた時の反射、眩しさを 解消。見え方もそうですが、光沢を無くすことで、アドレスがしやすくなり、ターゲットに対し躊躇なく構えることができる。そんな工夫を塗装で施しています」

プロからの意見をフィードバックしたシャフト「VIZARD」

  • 池田毅氏(シャフト設計歴15年)池田毅氏(シャフト設計歴15年)
  • 名匠:高橋将人氏(カーボンシート巻付歴28年)名匠:高橋将人氏(カーボンシート巻付歴28年)
  • 作業風景

この3タイプのヘッドとともに『TOUR WORLD』を語る上で外せないのが、専用開発されたシャフト『VIZARD』だ。 HONMAのオリジナルシャフトにはARMRQがあるが、軽量重視モデルで、プロや熱意系は特に軽さを求めていない。むしろ、重量感があり、しっかりとした高弾性のシャフトを好む。 「そこで、重量は55gから78.5g に設定し、中調子の弾き系『VIZARD TA』と手元調子の粘り系『VIZARD TZ』の2タイプを開発しました。TAは中間から手元側の剛性を上げて高強弾道の飛距離重視型、TZは先端部をしっかりさせ、 手元側がしなる設計。スイング中のへッド位置を感じられる、コントロール重視のシャフトになっています。テストと失敗の繰り返しを重ね完成した『VIZARD』シャフトですが、プロからのフィードバックにより、 改良を加えていった経緯があります」(製品開発部池田毅マネージャー) そのプロトタイプの製作から完成までに要する時間は僅か1日というから驚きだ。契約プロが『VIZARD』を装着する理由も頷ける。一貫生産の強みがシャフト製造にも活かされている。 なかでも一番苦労したポイントは、スパインの位置を6時に揃えた点だという。スパインはカーボンシートの重なり部分で、いわば背骨。本間ゴルフでは、すべてのクラブで、このスパイン位置を正確に6時の方向 (構えたプレーヤー側)に設定することで、ヘッドのトゥダウンを最小限に抑えている。 この任にあたるのが、カーボンシート巻きの匠・高橋将人氏である。 「『VIZARD』に使用するのは、超高弾性のカーボンシート。繊維を折ったり、シワにならないよう、丁寧かつスピーディーにマンドレルの形状に沿って巻きつけていきます。正確に指定された箇所へシートを 配置する。これがスパインを安定させる秘訣です」

アイアンは1/100ミリの重心設計

  • 名匠:佐藤巧氏(アイアンマスター製作歴21年)名匠:佐藤巧氏(アイアンマスター製作歴21年)
  • 名匠:川村満氏(アイアンライ・ロフト角調整歴13年)名匠:川村満氏(アイアンライ・ロフト角調整歴13年)
  • 名匠:川村満氏(アイアンライ・ロフト角調整歴13年)

アイアンのマスターヘッドは、合金により整形。ウッド同様、こちらも〝顔〞が大前提である。M、V、Pの3タイプのヘッドはアイアン開発の名匠・佐藤巧氏の手に委ねられた。 「スパッと構えられるように、フェースからネックの繋がりを重視。ちょっとした削りの違いでフックやスライスに入って見えてしまう。ここが一番苦労しました。特にエッジのストレート部分からソールの抜けといっ た細かい部分に気を配りました」 そして、アイアンもウッドと同じく、マスターから3Dスキャンへ移る。CADデザインの名匠・斎藤大輔氏に再登場願おう。 「アイアンはセットで展開するクラブですので、スペックのバラツキは許されません。もっとも難しかったのは、100分の1ミリ単位の重心設計でした。プロがツアーで戦うためのアイアンですから、極端なやさしさに はせず、全体の流れを大切にしながら、3タイプそれぞれの違いを明確に出したかった」 〝顔ありき〞の本間ゴルフにとって、機能を後付けしていく作業は半端でなかったに違いない。 ライ・ロフト角の指定注文が続々 正確にボールを飛ばすには、自分の技量や体格にあったフェースアングル、ライ角、シャフトのしなり性能が重要だ。その意味では、クラブフィッティングがキーになってくる。 『TOUR WORLD』シリーズの販売好調を決定づけるのが、顧客からのオーダー品。現在、酒田工場はアイアンのライ・ロフト角の指定注文が殺到し対応に追われている。ライ・ロフト角調整の名匠・川村満氏に聞いてみた。 「アイアンの調整で気をつけているのは、曲げるときにメッキ割れと歪みをおこさないこと。ですので、お客様の希望の数値に合わせる作業は非常に神経を使います。特に『TOUR WORLD』発売後は、ライ・ロフト角の 指定注文がかなり増えてきまして、スピードと正確性の両方が求められています。数値にこだわるのはもちろんですが、構えた時の違和感がないよう日々心がけています」―。 職人達の戦いは、終わらない。

「名匠」認証制度とは?

  • 佐藤雄一氏佐藤雄一氏
  • 酒田工場写真
  • 酒田工場写真

執行役員 酒田工場副工場長兼 酒田改革推進室
室長 佐藤雄一氏
―制度の目的は? 「酒田工場の職人技は伝承していかなければなりません。制度化することにより、社員のモチベーションが上がる→技術の向上→伝承される、という図式です」 ―名匠は現在何人いますか? 「 12名です」 ―名匠になるためには? 「勤続年数が10年以上で、優れた技術、知識、知能を持った方。年1回行う名匠検定に合格する必要があります」 ―今年の受験者数は? 「 今年は昨年より2名多い14名からの応募がありました」 ―選考基準は? 「大きく分けて、筆記と実技があります。ものづくりに重点を置いた内容となっており、期間は1ヶ月にのぼります。ひとつのマスターを作り上げるのに最低でも2週間はかかるためです。特にアイアンは4、7、9番から セットを仕上げるので、時間を要します」 ―合格率はどのくらい? 「 初めて実施した昨年は、自他ともに認める人達に受験してもらい12名全員合格。100%でした。今年もなるべく100%にしたいのですが、こればかりはやってみないと分かりませんね」

酒田工場の匠(名匠)

  • 名匠:高橋将人氏
  • 名匠:村上伸氏
  • 名匠:土門尚充氏
  • 名匠:川村満氏
  • 名匠:佐藤博之氏
  • 名匠:佐藤英一氏
  • 名匠:佐藤巧氏
  • 名匠:斎藤大輔氏
  • シャフト設計:池田毅氏
  • クラブ研究センター:五十嵐収氏

名匠:高橋将人氏(カーボンシート巻付歴28年)
「スパインが安定するよう、1本1本正確に指定された箇所へカーボンシートを巻付ることが重要なんです」

名匠:村上伸氏(シャフト塗装歴28年)
「塗料の出る小さなゴムの穴を見ながら、1本1本集中。リズム、スピードが一定じゃないと同じ色になりません」

名匠:土門尚充氏(ヘッド塗装歴32年)
「塗装やカラーリングで、フェースの見え方を変えたり、ターゲットに構えやすくすることができます。“色”は機能を兼ね備えているのです」

名匠:川村満氏(アイアンライ・ロフト角調整歴13年)
「『TOUR WORLD』発売後、指定注文が急激に増えました。数値にこだわるのはもちろん、アドレス時の違和感がないよう気をつけています」

名匠:佐藤博之氏(ウッドアッセンブル歴20年)
「グリップは1本1本検品し再計量を行ってからアッセンブル。バランス調整もチェックしながら、少ない公差で組み立てていくのがモットー」

名匠:佐藤英一氏(ウッドマスター製作歴30年)
「やはり“顔”ですね。そこに尽きます。“いい”という顔は崩されたくないですし、ここだけは絶対ゆずれない」

名匠:佐藤巧氏(アイアンマスター製作歴21年)
「プロは構えた時の顔がすべて。プロのフィードバックを投入しながら、近代的なモデルを作っていく」

名匠:斎藤大輔氏(CAD設計歴17年)
「職人が作ったマスターヘッドの形を崩さずに、機能を盛り込んでいく。大変な作業ですが、出来ない、やれないとは絶対いいたくないですね」

シャフト設計:池田毅氏
「プロの意見をフィードバックし翌日製品化。プロが『VIZARD』シャフトを愛用する理由はここにあります」

クラブ研究センター:五十嵐収氏
「オフシーズンに契約プロがフィッティングにきますが、酒田は雪‥‥。スタッフ総出で雪かきをして、芝から打てる状態にします」

総括 諏訪博士工場長

  • 諏訪博士工場長諏訪博士工場長
  • 本間ゴルフ酒田工場

「販売好調の背景には、①トーナメントにおける契約プロの活躍、②広告等メディアへの露出、③専門店への販路拡大(他社クラブとの打ち比べ)を経て、『TOUR WORLD』を選んで頂ける、というプロセスが出来上がってきたことでしょう。 我々の最大の強みは酒田工場の一貫生産ですが、プロが最高のパフォーマンスが出せる体制作りも万全。契約プロが日々感じたことを工場へフィードバックしてもらい、改良品を即製作して翌日には発送する。 また、従来、生産の第一線で働く職人には、販売状況や情報など入りづらい側面がありましたが、今は毎日ミーティングを行い『皆さんが作ったクラブはどのように売られているか?』を報告。 職人にも還元されることですからみんな喜んでいますよ。非常にいい雰囲気で工場全体がまわっています」―。

動画一覧

  • 「TOUR WORLD」の顔の良さは酒田の匠の技が生きている
  • プロからの意見をフィードバックしたシャフト「VIZARD」
  • アイアンは1/100ミリの重心設計
  • 「名匠」認証制度とは?
  • 酒田工場の匠(名匠)
  • 総括 諏訪博士工場長

本間ゴルフ

『GEW ゴルフ用品界 presents 本間ゴルフ「ネオ原点主義のTOUR WORLD」』

1.スペシャルトーク 本間ゴルフ×二木ゴルフ  |  2.技の結集「酒田工場」挑戦とこだわり  |  3.熱意系HONMA、次はボールだ。

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