アイルランド最高裁、男子専用ゴルフクラブを是認
アイルランドのダブリンにある高級ゴルフクラブが、先の米国ケースと同様、男子専用クラブに対する人種差別としての抗議で提訴されていた、その男子専用(女人禁制)方針を許可されるとの判決が、11/3日、アイルランド最高裁判所から出された。
賛否が3対2に別れた末多数決で決まったその判決で、アイルランド最高裁は「ポートマーノック・ゴルフクラブの(男子専用)方針は、2000年反人種差別法が男女専用クラブを例外として認めていることを理由に、アイルランドの男女同権法(Equal Status Act)を違反していない」と裁定した。
この裁判は、アイルランドの男女同権団体(Equality Authority)が、アイルランド女性会議を代表して提訴していたもので、2002年、米国オーガスタナショナルGCの男子限定メンバー制に対する同様のケースとして裁判が進行していた。
しかし、判事の多数、3人のアイルランド裁判官(一人は女性)は、アイルランドの法律がメンバーに男、又は女(単一性)の限定を許可している事に言及、クラブの主目的が特定の性の優遇ではないとして、この方針はポートマーノック市の目的である社会友好活動(fraternization)を含んでいると判決を下ろした。
同クラブの弁護士も、そのメンバー制度方針は男性優遇となっているが、男女同権法はこの例外を認めていることを前面出して勝訴を得ている。ちなみに彼等は、女性が週の内の特定の日や時間にビジターとしてプレーをすることが可能であることを認めている。
この判決に異議を唱えていた判事の一人、スーザン・ダーハム女史は、「同僚判事は"今やゴルフが女子より男子をより必要とすることは無くなった事実"を過小評価しており、そのためゴルフクラブが特定性のメンバーを認めているのだ」と話している。同女史は「ポートマーノック・ゴルフクラブはその名が示す通り、ポートマーノックに存在するゴルフクラブで、男と女を異なる方法で処遇している」と、これは正しく男女差別だと主張していた。
同国女性会議の役員、テレーゼ・マーフィー女史は、議員(立法者)は「この逃げ道を塞ぐ必要がある」と話している。同女史は、ゴルフクラブは男女を問わずビジネス関係の有力者達の関係に必要な場所だったと話す。同女史は「ゴルフをプレーするよりもっと多くのことがゴルフクラブの中で起きている。それは仲間意識のネットワーク作りだ」と言う。
アイルランドの放送局、RTEは、この判決を歓迎している匿名のポートマーノッククラブ会員を取材したが、この人物は「女性はプレーのスピードが遅くするので、女性がコースに入るのは望まない」と発言している。
人口420万人のアイルランドには現在約1,000コースのゴルフコースがあり、ポートマーノックはその中でも最も高級な1,300人のメンバーを持つクラブで、1ラウンド(18ホール)のビジターフィーは180米ドル-300米ドルに決められている。
このアイルランド独特の風が強いリンクスコースは1894年に創立され、三方を海に囲まれている。このクラブで唯一の女性メンバーは、アイルランドの象徴、マリー・マカリース大統領だけだ。
ちなみにオーガスタナショナル(米)も、女性のメンバー禁止を継続しており、全米女性組織会議(The National Council of Women's Organizations)が2002年にこの男子限定メンバー方針に抗議しているが、訴訟まではしなかった。(AP - PGA.com 11/4)
2016年オリンピック種目決定の際、IOCに対し女性ゴルファーの増加や男性専用クラブの減少傾向を強調していたゴルフ団体だが、この判決はその論議を再燃させる火種になりそうだ。
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福岡県出身慶應義塾大学商学部卒後、大手タイヤメーカーに就職、系列ゴルフ用品メーカーに転籍後、海外事業、広報部門を担当。退職後、ゴルフ関連フリーライターに転身。 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

