メジャー制覇でスクエアドライバーが人気に
今年6月、ルーカス・グローバーが、ナイキSQ SUMO2 スクエアドライバーを使って全米オープンを制し、続いて7月にはスチュアート・シンクが同じドライバーを使い、全英オープンに優勝した。3年前、このスクエアヘッドのドライバーをナイキが発表した時、ライバルメーカーのテーラーメイドが、
このドライバーは3ヶ月も保たないだろうと評していたし()、ほとんどのツアープロもあまり評価をしていなかった。そのドライバーが、今年6月、7月に連続して全米、全英オープン、両メジャーを制覇したのだ。
ナイキゴルフの製品開発ディレクター、トム・スタイツ氏は「大変嬉しい。自分が悦には入っていることを許して欲しい」と、その快挙を喜んでいる。
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もともとスクエアドライバーは、真っ直ぐに飛ぶというその理論から、レクレーショナル(エンジョイ)ゴルファー向けに有効なアイデアだと思われていた。そして、一般ゴルファーは、キャロウェイとナイキ、二大メーカーが続けて発売したスクエアドライバーを購入してきた。
ゴルフ用品市場売上を追跡しているゴルフデータテック社の調査によれば、2007年にそれが発表されて以来、米国市場ゴルフショップ(コース、市中双方)での売上高は、キャロウェイ製品は5,300万ドル、ナイキ製品は3,600万ドルに至っているそうだ。
ナイキ製品はそれを使ったプレーヤにより既に世界のツアーで他に7勝を上げていたが、メジャー優勝はまた格別だ。スタイツ氏(前出)は「多くの場合、ゴルフ用品は世界のベストプレーヤーが気に入るまで流行しづらかった。グラファイトシャフトもそうだったが、多分スクエアドライバーも同じだろう」と話している。
ナイキゴルフのマーケティング担当者は、この成功を販売促進に活かす計画作成で大忙しになっており、それにはナイキアスリートの成果を褒め称えると同時に、スクエアドライバーの効果を積極的に大衆にPRすることが含まれている。
このスクエア設計は全く新しい物ではなく、1990年代、ピン社のカーステン・ソルハイムも同様な設計を試みていたが、市場で日の目を見ることは無かった。また、他の小さなメーカーも同様な経験をしている。
スタイツ氏は、この「ゴルフクラブのニュー・ジオメトリー(新幾何学)設計」と呼ぶ方法を長く検討し、軽量素材のチタンやカーボン素材の出現により、これまでの洋梨型ドライバーヘッドからの移行が容易になったと話している。同氏は「安定したゴルフクラブを作るには、他の方法も有ったが、スクエアが一番容易だった。スクエアヘッドから飛び出すゴルフボールは、劇的にフックやスライスをしなかった」と話している。
スクエア形状は、重心位置を深く低くすることを可能にし、より高い慣性モーメント(MOI)を生み出す。それは安定性を増すために低く広く設計されているスポーツカーの形状と同じだ。
この設計の欠点は、余りにも安定性が高いため、ボールをインテンショナルに左右に操ることが難しくなることで、これがナイキの看板スター、タイガー・ウッズが使用しない理由となっている。
スタイツ氏は「このクラブを活かせないプレーヤーはいるものだ。いくらかのプレーヤーは真っ直ぐ飛ぶことを求め、勿論、アマチュアはそれを望んでいる。そしてスチュアートとルーカスは、これで勝てることを証明してくれた」と話しており、グローバーはスクエアドライバーがよりコントロール性能があることを認め、シンクもボールに正しいスピンがかかることを評価していると付け加えている。
スタイツ氏は「自分は200人以上のプレーヤーと付き合っているが、スチュアートは正にそれ(スクエアドライバー)に関心を持っている。彼はスピンレート、打ちだし角度を知りたがっており、それら全てがボール弾道に影響を与えているのだ」と話している。(USA Today 7/22)
ナイキジャパンよりも7/21日、早速、スチュアート・シンクの「スクエアドライバーでの全英制覇」を伝えるリリースがファックスされてきていた。このスクエアドライバー連続メジャー制覇が、今後、どのように売り上げ不振の市場に影響してくるかだろうか。
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福岡県出身慶應義塾大学商学部卒後、大手タイヤメーカーに就職、系列ゴルフ用品メーカーに転籍後、海外事業、広報部門を担当。退職後、ゴルフ関連フリーライターに転身。 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

