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  • 月刊GEW5月号 「酷暑が迫るゴルフ界の夏対策」

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    ゴルフ産業誌「月刊GEW」は、5月号で業界の酷暑対策を特集した。特に危機感が募るのがゴルフ場で、夏には気温40度超えが珍しくない中、プレーヤーだけではなく、従業員の熱中症対策にも万全が求められている。 今年6月1日から、労働安全衛生規則が改正され、主に屋外作業員に対して熱中症対策を怠った結果、死亡等重篤な事態に陥ると事業主に対して拘禁刑、または罰金刑が科せられる。この改正自体、知らないゴルフ場関係者が多いため、情報の共有と事前の策が求められる。 その際、ゴルフ場が日々どのような暑熱環境にあるのかを把握するのがWBGT(暑さ指数)測定器だが、これを設置していないコースも目立つ。この指数は気温、湿度、輻射熱を総合的に測定するもので、熱中症への影響は単に気温だけではなく、むしろ湿度の影響が大きいことから測定器の設置は不可欠と言える。 酷暑対策の遅れが目立つゴルフ界に、異業種の参入が相次いでいる。カートに冷風機を取り付けるメーカー、コース内複数箇所のWBGT値をクラウドで一元管理するシステム会社、高品質人工芝をグリーン用に提案する会社など、夏を前に陸続とゴルフ市場に現れている。 その様子を含め、ゴルフ界の現状を特集した。なお、業界各所のトップにインタビューする「VIPの視点」では、日本芝草研究開発機構の田村和男理事長を取材した。夏枯れの芝対策や、コース管理スタッフの労働環境を含めて紹介している。 本誌の記事は一部を除き、当社のウェブサイトには掲載されません。見本誌をご希望の方は<a href="https://x.gd/tHwYN">コチラ</a>でお申し込みください。 満薗文博の人間稼業 紅白の幕と子どもたちの未来 編集会議 巻頭特集 去年より熱そう! ゴルフ界酷暑対策特集 INSIDE STORY  01 商工会議所がゴルフを活用 小田原・箱根の町興し作戦 02 緊急連絡先内蔵マーカー 高齢ゴルファー必須アイテム 03 年間58万円の節約も 練習場に広がる自動おしぼり機 04 百万円切りの後付けクーラー 新規参入で8月までに300台 05 適合モデルで再出発 新生「カタナ」の事業戦略 06 大手独占のカート市場に 「一人乗り」需要の開拓で挑む 07 リソルが150台導入 リフォーム会社の冷房カート 08 ママさん需要を開拓 夢はサウナ併設の練習場 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 芝はゴルフ場の命 酷暑と人手不足に喘ぐ「現場」の課題 特定非営利活動法人 日本芝草研究開発機構 理事長 田村和男氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 青春の散歩路 倉本昌弘の船中八策 大会スポンサーの多様な在り方 岡島成行のSDGsその本質と世界観 SDGs対応・外国のゴルフ場では リレー連載 GMAC通信 「ゴルフを遊ぼう!」ゴルマジの目指す需要活性 北徹朗のゴルフサステナビリティ ゴルフに親しむ人を増やすための6つの課題 -コースデビュー企画に10年間携わった立場からの提言- 大石順一の本質はなんだ!論 現代は、「VUCA時代」「思考を継続する力」が必要! リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた オーガスタの女神は見逃さない 特別寄稿  先端システムを世界へ輸出する韓国ゴルフ企業の挑戦が始まる 竹田慎 新連載 橋口杏のジャンヌ・ダルクの気合でやってます! 新連載開始です!インドアスクールをはじめたワケ インドアゴルフ増加で施工会社が警鐘を鳴らす『施主が知るべき注意点』 錠屋 ゴルフ練習場来場者月次報告 特別寄稿  特定サービス産業動態速報からゴルフ練習場が消えた カードシステムデータを活かせ! 山岸 勝信 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達  一般社団法人しあわせゴルフ研究所設立業界横断的にゴルフの魅力を訴求する 大野城スカイゴルフセンター 支配人 草場翔 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 姉妹で経営する神奈川クラウンGC 地域住民憩いの場で施設内に理髪店も 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 ゴルフで育むシニアの笑顔~ゴルフ寿命延伸に取り組む団体の挑戦~ 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 カードからLINEへ練習場DXの変遷を考える ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 桜ゴルフ 佐川八重子 井手口香の徒然日記  珍客到来「全部忘れて来ちゃった。どうしたらいいですか?」って……… 西村國彦の世界のゴルフ場百景 ケープ・ウィッカム・リンクス 新連載 佐藤伸彦の生態系の世界からみる社会とゴルフ 環境保全の観点から振り返る日本のゴルフ場開発 飯島敏郎のRe-Conceptの流儀 リコンセプト目線による女性ロッカーRoomリノベーション 谷水大祐の上を向いて歩こう ゴルフ場の価値を高める挑戦記 2028年日本女子オープン開催に向け「神功皇后」をプロモーションモチーフに ゴルフ場を救う!アイテム特集 キャディを酷暑から救う!『Misa(ミーサ)』の猛暑対策キャディウェア エムズ USPGAツアープロが続々導入  プロ施工の本物のグリーンを人工芝で実現!「Celebrity Greens®」 日本上陸!  ファイン BRAND NEW GOODS GEWセレクト マジェスティ ゴルフ 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! 日米で戦う岩井ツインズ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 贈る言葉「ゴルファーの視点で……」 マイカスタム  加齢で振り切れない女性に簡単ヘッドと棒みたいなシャフト S-one GOLF 代表 松成修一氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 27項目のデータを表示! 徹底的に「練習」にこだわった超高精度&高機能の弾道測定器『rangex』 ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 グリップ力・フィット感を求める女性ゴルファーのための高機能グローブ 02 必見!! 汗にも落ちにくい日焼け止め スポーツ化粧品『AthleteX』 ビビゴルフランキング
    (公開)2025年05月01日
    ゴルフ産業専門誌の「GEW」は4月号で、ゴルフ市場に商機を見出して雪崩込む、異業種参入企業のトップインタビューを複数掲載した。 ゴルフ市場は今、大きな変革を迎えている。団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年問題の只中で、シニア需要依存型の業界は若者需要の創造が急務だが、コロナ特需の余韻もあり、自ら有効な策を打ち出せていない。 過去20年間、ゴルフ産業研究を続ける武蔵野美大の北徹朗教授は、 「特にゴルフ場関係者は日々の仕事に忙しく、若者対策は大事だとわかっていても、後回しにされる傾向がある。そのうち崖が現れるでしょうが、そのときには新規需要を創造する体力が、業界に残ってない可能性もあります」 と、行く末に警鐘を鳴らす。 ところが、そんな業界の牛歩を横目に見て、異業種からのニューカマー群は軽快なステップで新たなゴルフビジネスを展開中。 その様子は、3月のジャパンゴルフフェア会場にも現れていた。これまで主役だったクラブメーカーが出展見送りやブース面積の縮小を迫られる中、シミュレーターやAIによるスイング解析、仮想現実のVR、リアルのゴルフとゲームを融合したNFT、ウェブ3を駆使したゴルフコミュニティの形成など、パッと見では何をしているかわからない業種に活気があった。 なぜ、参入群があふれているのか? 新技術の収益化を目指す際、ゴルフ市場は相性がいい。比較的富裕層が多いこと、コミュニティ形成がしやすいこと、健康・レジャー・ファッションなどタッチポイントが多いこと。参入企業群にとってゴルフ市場は「宝の山」に映るらしい。 各社はどのような来歴で、ゴルフ市場に何を持ち込み、どう変革しようとしているのか? 複数社とのトップインタビューを一気にまとめてみた。 また「VIPの視点」では、わずか4年で127店舗を出店し、今後3年で400店舗を目指すインドアのスマートゴルフを取り上げた。多くの業界関係者の目に「マジック」と映る早業の、タネ明かしを迫る。 なお、本誌の特集やVIPなどの記事は、弊社ウェブサイトに掲出しておりません。ご興味のある方は無料の見本誌を<a href="http://x.gd/Ssncy">コチラ</a>までお申し込みください。よろしくお願い致します。
    (公開)2025年04月01日
    ゴルフ市場活性化マガジンの「月刊GEW」は、3月7日発売号で「ゴルフ市場の地殻変動」を特集した。 今年は、ゴルフ市場を牽引してきた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入する「2025年問題」の年。シニアのゴルフリタイアが加速するため、業界では以前から若者需要の開拓が叫ばれていたが、遅々として進まなかった。 そんな折、ゴルフ場チェーンのPGMを子会社にもつ遊技機(パチンコ)メーカーの平和は昨年12月、アコーディア・ゴルフの買収を発表。PGMとアコーディアを合わせ、計321コースを傘下に収める世界最大のゴルフ場オーナー会社となった。 これにより、2社の年間来場者数は2000万人を突破、国内全ゴルフ場入場者の4分の1を占めることになる。特にアコーディアは、低価格路線でゴルフの「大衆化」を率先してきただけに、2025年問題の到来と合わせて新規ゴルファー創造への期待感も高まっている。 その一方で、単独形のゴルフ場は価格競争の再燃に警戒感を高めつつ、新たな生き残り策を議論しはじめた。その様子を、多角的に検証した。 なお、「月刊GEW」の記事は、弊社ウェブサイトに掲載されないものが多数あります。本誌の装丁や紙質、世界感を通してご一読頂きたく、よろしくお願い申し上げます。見本誌や、年間購読のお申込みは<a href="https://x.gd/Ssncy">コチラ</a>まで。 【月刊GEW3月号目次】 満薗文博の人間稼業 若い鳥たちの羽ばたき 編集会議 巻頭特集 地殻変動の予感 変わるゴルフ市場 INSIDE STORY 01 把握できないインドア市場 JGRA 調査で「微減」の理由 02 1兆円企業の住友ゴムが環境保全ボールに込める期待 03 ゴルフ場への送客機能 シミュレーションの新発想 04 昨年の用品市場2047億円 酷暑の影響を値上げでカバー 05 JGGA 馬場元会長叙勲 ゴルフ市場の過去と未来を語る INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 レッスン業界に喝 市場活性化目指すコスパ重視モデル 株式会社シーディアイ 会長 梯國彦氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 あの鐘を鳴らすのは? 倉本昌弘の船中八策 トーナメントの在り方を考える 岡島成行のSDGsその本質と世界観 環境問題と政治 リレー連載 GMAC 通信  更なるゴルフ振興を目指して  スポーツ庁 健康スポーツ課課長補佐 薄葉拓樹 北徹朗のゴルフサステナビリティ  大型扇風機の冷却効果検証-人工暑熱環境下での観察- 大石順一の本質はなんだ!論 スポーツは「ウェルビーイング」の向上に貢献 リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた 自然を愛でるのもゴルフの醍醐味 特別寄稿 中国のゴルフツアー会社が日本の主要都市に事務所を展開 竹田慎 橋口杏の女子プロの玉子市場 決めました! 新しい協会をつくります 目標は400店舗! 会員への付加価値と業界内連携を実現するSMART GOLF の未来像 SMART GOLF 地方の練習場が活性化! 「データ分析」が実現する練習場ビジネス改革 日本シー・エー・ディー インドアの「レッスン」&「練習」に「高付加価値」を与える! VOICECADDIE のシミュレーター『V2』の実力 ボイスキャディジャパン ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達  INEとQRを活用した一気通貫CRMシステムの展開へ‼ 多田ハイグリーン 代表取締役社長 野原 和憲 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 女性来場率が驚異の4割 横浜・パームスプリングスの独自色 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 超高齢社会で難問山積 「健康ゴルフ」で解決できること 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 コロナピークの2021年よりも2024年の方が好業績だった練習場 「練習場」「インドア」「ゴルフ場」「オフィス」のIT 全般をサポート! Knomak ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 井手口香の徒然日記我が道をゆくゴルファーたち 隣ホールに行ったら挨拶しましょうね 新連載 西村國彦の世界のゴルフ場百景 トランプ・ターンベリー・アイルサ 新連載 生態系の世界からみる社会とゴルフ  (公財)日本生態系協会の創設から「G認証」の立ち上げまで 飯島敏郎のRe-Concept の流儀 豪華絢爛なクラブハウスの使い道を考える 谷水大祐の上を向いて歩こう ゴルフ場の価値を高める挑戦記 ゴルフ場設計者の思考のプロセス〜18ホールズの楽曲を描く~ 国内一貫生産のエラストマーグリップ『GMASTER』で新規参入、OEM にも注力 佐々木製作所 『ELYTE』アイアンのテクノロジーを大解剖! 進化した「Ai 10x FACE」弾道補正力の真実 キャロウェイゴル アドウェルが海外初進出! 韓国ゴルフ&パークゴルフ市場を席巻する『ハドラス』旋風 アドウェル 今度のECCO は一味違う! 待望のNEW 高機能モデル『BIOM H5』の全容 大沢商会 ついに登場! ZAMST のゴルフ用インソール『Footcraft AGILITY GRIP for GOLF 』が使われるワケ 日本シグマックス GEWセレクト 中条カムイ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 多様な業界団体が一致団結を困難に 地クラブの神髄 Vol.29 TAKUMI JAPAN マイカスタム 昔の飛距離を取り戻せ ダウンブローを活かす組合せ ダブルイーグル横浜元町店 店長兼クラフトマン 山田直人氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 TGLがいよいよ開幕、オンライン対戦で描く国内インダオの青写真 Foresight Sports×Bushnell GOLF  2大メーカーの新サービスがもたらすショップ&インドアの好循環戦略 アンプラス 「VRゴルフ」に多くの企業が注目!『EnonoGolf』が担う事業拡大&地方活性化戦略 アビックシステム イクメンマーケッター・桑木野洋二の14本の次は距離計測器 特別編 ①阪神交易 ② EENOUR ヴィクトリアゴルフシューズランキング ショップの女性店員が語る! 進化したNEW『オノフレディ』の魅力 グローブライド 女子部 BRAND NEW GOODS 01 見やすい画面と軽量設計で女性ゴルファーにもおすすめのゴルフGPSウォッチ 02 花粉症女子、GOLF NEXT 24に集合! 03 「最高の選択で、飛びを叶える。 NEW ONOFF LADY」 04 「NEW ONOFF LADY EQUIPMENT(OB7925)」 05 右向き・左向きのクセをスマートに矯正 韓国でも人気急上昇中「エイミングビュー」 ビビゴルフランキング
    (公開)2025年03月07日
    キャロウェイとテーラーメイドは2月7日、その前日にピン。米国大手3社がニューモデルを同時発売して、春商戦が盛り上がっている。その舞台裏を前編につづき後編で見ていこう。 ゴルフクラブは試打をして買うのが一般的。そのためメーカーは試打クラブをゴルフショップに供給して、店内での打ち比べで他社品との優位性を競う。 そんな中、新たな試打システムを立ち上げたのがテーラーメイド。同社はドライバーのフェース面6か所に反射型のフィッティングマーカーを内蔵した「試打専用ヘッド」を開発し、有力専門店に供給している。 インパクト前後のヘッド挙動を実測するもので、打ったボールの挙動から推計する弾道計測よりも正確だと強調している。 「計測には『GCクワッド』と『クワッドMAX』という計測器が必要です。カスタム販売比率が高い大手専門店に限定して、約500個の専用ヘッドを無償で提供します」(高橋ディレクター) 無償提供の栄誉にあずかるのは61店舗で、そのうち11店舗は同社の直営店。今後の課題は、直営以外の50店舗で『GCクワッド』を設置しているのは13店舗しかなく、残り37店舗が未設置なことだ。どうするのか? 「高額な計測器なので、当社が購入して貸し出す予定はありません。未設置店には当社のフィッティングチームが巡回して、計測器を持ち込むイベントで訴求しようと考えています」 新たな施策に困難は付き物。今後何らかの対策を講じるかもしれないが、アルペンの岡本常務は試打クラブの細分化についてこう話す。 「各社とも1モデルで4タイプ前後のヘッドをラインアップしているので、試打に手間が掛かり販売効率は下がります。反面、ターゲットが細分化されて、マッチング結果は良くなっている。きちんと対応できる売場が顧客の信頼を得られるでしょう」 同社はフィッティングの自社システムをもち、日々溜めたデータも分析できる。このあたりは大手の強みと言えそうだ。 仕入れが厳しい小資本の専門店 その一方で資本力が小さな専門店は、厳しい選択を迫られている。一時期に各社の人気商品が発売されると、仕入れコストが一気に膨らむ。都内世田谷区のゴルフステージ成城は今回、キャロウェイの仕入れを試打クラブのみに絞ったという。吉田朋広店長の話を聞いてみよう。 「我々のような単独店は大手とは違い、前月、前々月の売上によって当月の仕入れが決まります。メーカーはショップに対し、過去の売上実績を基に仕入れのパッケージを提案してくれますが、無理はできません。今回は顧客との相性を考えて、仕入れるブランドを絞りました」 同様の声は、地方の専門店からも聞こえてくる。大都市のようにインバウンド需要があるわけでもなく、人口減も加速する。話題の新商品が店頭に並ばなければ顧客はECに取られてしまう。かと言って無理な仕入れは禁物だ。前出のダンロップ林本部長は、そのあたりの難しさをこう話す。 「3社同時発売で市場が賑わう反面、資本力が大きい売場は沢山仕入れ、小さなショップは無理できない。無理して入れれば経営が傾くので、大きな懸念事項だと思います」 大型店圧勝の市場になると、価格競争に着火したときの激戦は過去に痛いほど経験している。様々なタイプの小売店がバランス良く存在している市場が理想的。林本部長の懸念は、そのあたりにありそうだ。 <h2>値上げが消費を鈍らせる</h2> 今年のクラブ市場はどうなるのだろう。春先の話題性は十分だが、一般景気の動向を含めて今後の商況に興味がわくが、見方は様々に分かれている。トゥルーテンパーの伊能社長は楽観的な推測をする。 「コロナ前の2019年を100とすれば、コロナ特需の数年間は170~180で絶好調でした。今年は130ぐらいでしょうか。当社はクラブメーカーにシャフトを供給する立場ですが、アイアンとウエッジ用が堅調です」 前出の有賀社長は異なる意見。 「コロナ前に戻った感じです。クラブ販売は昨秋以降、特に10月に悪化してから低迷中。大手3社の販売量も、仮に1社1000本とすれば合計3000ですが、皮膚感としては2600~2700のイメージです」 ダンロップの林本部長は、 「今年の市場は数量減、金額増を予想します。数量減は、ゴルフリタイアする高齢者の数を新規ゴルファーが埋められないため。金額増は、商品の値上げが理由です」 無論、値上げは消費行動を鈍らせる。前出の二木ゴルフ岡田次長は、 「値上がりは懸念材料ですね。不透明な社会情勢ですが、新製品の定価が下がるとは思えない。買い替えサイクルの長期化が予想されます」 市場に蔓延する不透明感は、その材料に事欠かない。特にトランプ米大統領が連呼する関税率の引き上げは、メキシコへの25%案がゴルフ界でも課題視されている。脱・中国の流れでメキシコへ工場を移転した企業は多く、記者発表で来日したテーラーメイドのエイブルスCEOは、 「第一に言えることは、今日現在(1月8日)その問題はまだ起きていません」 と前置きして、こう続ける。 「仮に起きても我々は、世界中に柔軟なサプライチェーンを有し、常にあらゆる事態を想定・分析しています。メキシコや中国の関税率が上がった場合のインパクトも当然分析してますが、その場合、消費者の負担増も懸念されます」 1994年にNAFTA(北米自由貿易協定)が発効されてメキシコは米国の安価な生産拠点となった。が、不法移民問題が障害となって両国の関係は悪化。トゥルーテンパーは中国工場を閉鎖してメキシコに移転しただけに、伊能社長は複雑な表情を浮かべる。 「トランプ政権の1年目は、かなり不安定になるでしょう。政治の不安定化はビジネスに大きな影響を与えますが、特に為替です。1㌦90円の時代は売れば売るほど利益が出ましたが、円安はその逆。トランプ大統領でどうなるのか……」 市場には不透明感が漂っている。 <h2>輸入クラブはピークの7割減</h2> クラブ市場特有の不透明感も無視できない。実は、国内のクラブ市場は供給量や滞留する在庫量が不透明で、濃い霧に包まれているのだ。原因のひとつは試打→フィッティング販売が定着して、輸入クラブ本数が曖昧になったこと。さらに中古市場の肥大化が旧品と新品の混在を招き、現状把握が困難になっている。市場規模がわからないという、歪な構造なのである。 輸入統計(財務省貿易統計)を見て驚くのは、過去四半世紀で年間の輸入本数が「7割減」になったことだ。ピークは1990年の1139万7114本(米国368万本、台湾686万本、中国8万本等)で1000万本の大台を超えていた。 それが2023年には329万8179本(中国238万本、ベトナム50万本、台湾31万本、米国7万本等)で、ピーク時の71%減。最新の2024年11月期累計も264万9561本と300万本に届かない。 なぜこんなに激減したのか? ここには統計のマジックがある。2000年代にヘッドの脱着機能が普及して、店頭でシャフトとヘッドを組み立てるフィッティング販売が定着、「ヘッド単体」で輸入するメーカーが増えた。 輸入クラブは完成品の最終組立地が「原産国」となり、ヘッド単体は統計に表れない。ゴルフ用具は95類(玩具・運動用具等)の属性だが、クラブヘッドは「その他」に分類されて「㎏」で表示される。つまり7割減のかなりの部分が「本」ではなく「㎏」に化けてしまったのだ。 ピンの吉原清貴ディレクターは専門店の在庫リスクについて、 「当社は一貫してフィッティング中心の客注比率が高く、販売店にも浸透しています。客注は売場の在庫リスクが少なく、売上にもプラスなのでネガティブな声は聞かれません。今後も同じ方針で適量を供給し、存在感を示したい」 近年は同様のメーカーが増えた。試打→フィッティング→国内組立の流れはヘッドの単品輸入を加速させ、市場の流通量は藪の中。 <h2>中古と新品が混在する</h2> もうひとつ、中古市場の隆盛も不透明感の一因だ。商品サイクルが速く、新旧商品に明らかな性能差を感じにくいゴルフクラブは「陳腐化」するのが遅いため、リユース市場と相性がいい。その中古ショップはニューモデルの領域にも手を広げている。 「当社は中古クラブが中心ですが、新品販売も大事です」 と前置きして、ゴルフ・ドゥの孫本本部長が舞台裏をこう話す。 「新商品の発売時期は、大量の中古クラブを買い取る好機です。1~2か月経つと同じモデルの新品と中古が店頭に並ぶ。新品にはメーカー保証が付くメリットがあり、中古は安いというメリットがある。双方異なるメリットで相乗効果が生まれ、モデルによっては専門店の過剰在庫が中古店に流入します。市場全体で新旧のクラブが循環するのです」 大手3社の同時発売は中古店にとって刈り入れ時だが、大型専門店も中古ビジネスに積極的。これにネットを介した個人売買が加わって、さらに経済発展著しい東南アジアのバイヤーが来日、大量に中古を仕入れる動きもある。こうなるとクラブ市場の実態は誰にもわからない。前出の有賀社長は、 「市場規模は、想像できません」 と腕組みをするが、それも当然の話なのである。 市場が曖昧模糊とした中で、春商戦は幕を開け、店頭では熱心な試打販売が展開される。 その一方でゴルフ歴42年、日本ゴルフ場経営者協会の大石順一専務理事、御年75歳はこう話す。 「流行や値段を知るため、いろんなゴルフショップに足を運びます。一言でいえば、値段も性能も何が正しいのかわからない。同じクラブが店によって違う値段で、性能を説明されても理解するのが難しい。試打席に入るのは恥ずかしいし……。素人に、もっと優しい業界になってほしいかなぁ」 そんな声を乗せながら、巳年のクラブ市場が走りはじめた。
    (公開)2025年02月10日
    キャロウェイとテーラーメイドは2月7日、その前日にピン。米国大手3社がニューモデルを同時発売。三役揃い踏みは初めてのことだけに、ゴルフショップの期待感は高まっている。 「毎年注目度が高まる2月の外ブラニューモデルに、今年はピンが入って三つ巴です。顧客を巻き込んだ業界の盛り上がりを期待します」 二木ゴルフ営業部の岡田泰明次長は、春商戦に気合を込める。一方、有賀園ゴルフの有賀史剛社長は1月初旬に始まった先行予約の状況を、こう説明する。 「26店舗とEC11サイトで予約を受けてますが、3社横並びの状況ですね。特にピンは去年の『10K』が前シリーズの追加モデルだったから、『G440』は2年半ぶりのニューモデル。注目度は高いです」 近年は、中古ショップも新製品の販売を手掛けている。中古チェーン大手のゴルフ・ドゥ商品本部、孫本瑞穂本部長も期待感を膨らませる。 「3社の同時発売は過去に例がありませんし、市場は賑わうと思います。いずれも魅力的なクラブなのでゴルファーは購入に悩むはず。販売員の知識が決め手になるでしょう」 ゴルフ流通最大手の座をゼビオグループと争うのがアルペンのゴルフ5。その責任者、岡本眞一郎常務はマーケットの初動を次のようにイメージしている。 「3社の大型商品が一度に店頭に並ぶだけに、ゴルファーは先入観なく、同時に試打できるメリットがあります。その分、接客時間が増えるのは悩ましい。近年は発売の1か月ほど前に先行予約が始まるので、販促に関わるメーカーとの協業がやりやすい。各メーカーとも、初速(発売直後の売上)にこだわる姿勢が強まっています」 このコメントにあるように、メーカーが「初速」にこだわるのはワケがある。毎春製品が登場するため、秋口にはマークダウン商戦が始まるからだ。 マークダウンは、メーカーが今年のクラブを大幅に値下げすること。これにより店頭在庫を一掃して、翌年の新製品を並べるスペースを確保する。ショップ側も次回作を仕入れるキャッシュを生み出せる。この流れを知っているゴルファーは「マークダウン待ち」をするために、夏場には当年モデルの売上が鈍る。鈍る前に少しでも高く売りたいのがメーカーの事情だから、発売直後の春商戦に勝負を賭ける。 岡本常務が指摘する「初速」は、その意味だ。 三者三様の性能特性 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/02/Qi35.jpg" alt="" width="788" height="788" class="size-full wp-image-86275" /> テーラーメイド『Qi35』 ゴルフクラブの「華」はドライバー。他人より遠くへ飛ばせば優越感を味わえるため、ゴルファーは競って飛ぶドライバーを買い求める。メーカーにすれば、最初にドライバーで顧客をつかみ、その流れで自社のFW→UT→アイアンの販売につなげたい。そんなわけで米国3社の同時発売は激しい攻防が展開されそう。 以下、三つ巴の顔ぶれを紹介しよう。 <strong>■テーラーメイド『Qi35』</strong> 「自分史上、最も信じられるドライバーへ」 ヘッド4機種(税込9万9000円)。フェース面重心位置を低く設計してフェース上部の有効打点エリアを拡大。60層カーボンのツイストフェース、貫通型スピードポケットのほかヘッド前後2か所に13gと3gの可動式重量を搭載。 <strong>■キャロウェイ『エリート』</strong> 「これが、禁断を超えた未来だ。」 ヘッド4機種(10万7800円)。成形しやすく高精度で製造できるサーモフォージドカーボン採用。「Ai10ⅹフェース」等の性能で前作比最大8ヤードアップ。3Ⅾプリンターの導入でチタンボディを75回試作して、空力構造も向上させた。 <strong>■ピン『G440』</strong> 「ピンがブレた?」 ヘッド3機種(10万7800円)、『G440HL』ヘッド2機種(同)。過去の『G425』と『G430』は日米の発売時期がズレたが、『G』シリーズ20年目の今作は世界同時発売。飛距離追求のため重心ラインにこだわり、慣性モーメント(MOI)は『G440』3機種で9000g・㎠超。 三者三様のコメントを聞こう。テーラーメイドのハードグッズ担当・高橋伸忠ディレクターの話。 「基本的には『Qi10』の流れを汲んでますが、今回の『Qi35』はフレームの肉厚やヘッド形状、余剰重量を生み出して深・低重心設計を進化させた。フェース面上部の有効打点面積は非公開ですが、社内基準でその部分のCOR値を定めてます。飛び性能と寛容性が高まったモデルです」 キャロウェイの原哲史マネージャーも自信を見せる。 「今回の進化はフェースに集約されます。当社はAIによる設計を逸早く取り入れ、こうして話してる今も本社では『エリート』の試打データが間断なく蓄積されます。AI設計のソフトウエア、AIを使う人間の技術、コードを打ち込む速度を含めて進化は日々止まりません」 ブレた?ピンについて、プロダクトマーケティングの山崎力氏は、 「当社は一貫して低重心と高MOIを追求してきましたが、今回は飛距離追求型なので『ブレた?』と表現しています。こだわったのは重心ラインですね。このラインはフェースセンターから後方へ垂直に引いた線上のこと。今回は一気に重心を下げて、理想とする重心ラインに48%近づけることに成功しました」 以上のコメントで明らかなのは、訴求点が三者三様で異なること。違いを理解して接客する販売員の苦労は大変だろうが、各社の違いは製品性能に限った話ではなく、発表形式にも表れていた。 <h2>限られた経費をどこに振り向ける?</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/02/ELYTE.jpg" alt="" width="788" height="788" class="size-full wp-image-86276" /> キャロウェイ『エリート』 派手好きのテーラーメイドは、今年も新製品の登場を力強く演出した。1月8日、都内の会場に約260名を集め、その8割がインフルエンサーを含むメディア関係者。生配信も行って、同時視聴は1700アカウント。そのステージで、毎年雄弁をふるうのが前出の高橋ディレクターだ。性能説明のパートを任され、時折会場の笑いを誘うなど、堂に入ったものである。同氏は記者発表会の重要性をこう話す。 「他社の事情は知りませんが、発表会はとても大事だと思っています。我々のメッセージを正確に、熱量を込めて伝えられる。たしかにコストは掛かりますが、報道資料だけでは共感を得られず、受け手によって様々な印象や解釈が生まれてしまう。ニューモデルの立ち上げには熱量と勢いが必要なので、同時に、同じ温度感で伝えたかったのです」 派手な映像と音響で演出するのが同社の十八番。米本社デビッド・エイブルスCEOの「グッド・アフタヌーン! 英語ではグッド・アフタヌーンと挨拶します」という、初級英語の「解説」で始まったイベントは、昨年6月に日本法人の社長に就任した比留間育洋氏の自己紹介を含むスピーチ、高橋ディレクターの製品説明と続き、契約プロの中島啓太、山内日菜子、新垣比菜のトークショーで計1時間半。その印象を前出の有賀社長は、 「アップルの社長が新商品発表のステージで、ヘッドマイクを付けてウロウロ歩く。そんな光景をテレビで見ますけど、テーラーメイドもまったく一緒。ハイテクメーカー並みの雰囲気が好印象でした」 一方、ピンは動画配信で発表したが、異彩を放ったのがキャロウェイだった。新ブランド『エリート』のデビューをプレスリリースの配信のみで済ませている。同社の喜田慎シニアマネージャーは、 「以前からアメリカで年始早々、先に情報が出ています。にも関わらず日本では、発表会終了まで情報開示ができない問題がありました。そのタイムラグをなくすことと、ゴルファーが既に知ってる情報を発表会のコストを掛けてやるべきなのか。そこの経営判断でしょう。今後もやらないということではなく、適宜適切な方法を模索します」 実は、発表に関わる「経営判断」は年々シビアになっている。長年、習慣的に行ってきた発表イベントのコストを見直すのは、他の予算確保を重視する各社の懐事情と無縁ではない。 今回の3商品は、いずれも税込10万円程度の価格帯に設定された。以前は住友ゴムのロングセラー『ゼクシオ』の「8万円」がハイエンドの基準だったが、コロナ禍でサプライチェーンが止まって品不足に陥り、材料原価の高騰と円安で、メーカーは徐々に値上げをしてきた。それでも利益の圧迫要因は解消が難しい。 世界最大のシャフトメーカー、トゥルーテンパースポーツ日本法人の伊能新吾社長によれば、 「大手クラブメーカーの米国価格は、ドライバーで1000㌦前後です。為替をそのままスライドすれば日本価格は15万円ほどですが、現状では10万円程度に抑えている。我慢する部分はあると推測します」 <h2>試打クラブの有償化</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/02/G440-MAX2502.jpg" alt="" width="788" height="788" class="size-full wp-image-86277" /> ピン『G440』 当然、各社ともコスト配分を厳しく見直すことになる。記者発表は会場費のほかPR会社等のコストも掛かり、前出の高橋ディレクターが重視する「熱量の共有」も効果査定が難しい。どこに予算を振り向けるかは各社の経営判断で、その判断が売場での販促に直結する。 「現状、試打クラブの量はキャロウェイが一番多いんです。店頭では大手3社の打ち比べで、特定のブランドファンだったゴルファーが他社に移る可能性がある。ライバルの顧客を奪うチャンスだし、3社同時発売はそれが起きやすい。当然、豊富なスペックの試打クラブがカギになるはずです」(有賀社長) 発表会を見送ったキャロウェイの経営判断は、試打クラブの充実だった。そんな見方も成り立つだろう。 メーカーはかつて、取引先の専門店に無償で試打クラブを提供していたが、近年は有償化が進んでいる。コスト高の影響が大きく、住友ゴムの販売子会社ダンロップスポーツマーケティングの林浩行本部長によれば、 「試打クラブは有償ですが、格安で卸しているので当社の負担も無視できません。用意できる量は限られ、潤沢に用意できないスペック等は貸出しています。小売側は、後々試打クラブを中古で販売するかもしれませんが、その分在庫金額は上がるはず。試打クラブはフィッティング販売に必須だけに、量の確保は大事ですが、対応はなかなか難しい」 後述するが、試打クラブの供給を巡って小売サイドには悲喜こもごもの感情が漂っている。メーカーにすれば、大量に販売する大型店を優先したい。資本力の小さな専門店は3社同時発売で仕入れコストが一気に膨らみ、これに試打クラブの仕入れも載ってくる。市場が盛り上がる一方で、算盤勘定に頭を抱えるのだ。 「後編」は<a href="https://x.gd/pae0N">コチラ</a>
    (公開)2025年02月06日
    ゴルフ市場活性化マガジンの「月刊GEW」は、2月号でキャロウェイ、テーラーメイド、ピンの大手3社が、2月初旬にニューモデルを同時発売することを特集した。キャロウェイとテーラーメイドは2月7日、ピンはその前日。3社の同時発売は初めてだけに、小売市場では盛り上がりを期待する声が高まっている。 首都圏中心に26店舗を運営する有賀園ゴルフの有賀史剛社長は、 「ピンは2年半ぶりの新製品ですが、これまで同社はキャロウェイ、テーラーメイドと間隔を開けて発売してきた。今回の同時発売によって、店頭では一斉に3社の試打が行なわれ、これまで特定メーカーのファンだったゴルファーが他社にシフトするかもしれません。ライバルから顧客を奪うチャンスなので、各メーカーとも気合が入ってます」 その気合の入れ方は、大型店に大量の試打クラブを供給したり、専用の試打システムを展開するなど三者三様だが、一方では円安や材料原価の値上がりなど、クラブメーカーの懐事情も楽ではない。資本力の小さな専門店は、仕入れが一時期に集中するため取引メーカーを絞り込むなど、様々な悩みも生じている。 キャロウェイは「エリート」、テーラーメイドは「Qi35」、ピンは「G440」。いずれもドライバー1本10万円程度の価格帯で投入。当ウェブサイトでは近日中に、本誌特集の要約版をアップする。 「見本誌」のお申込みは<a href="https://x.gd/Ssncy">コチラ</a>まで。 【月刊GEW2月号目次】 満薗文博の人間稼業 女子駅伝。冬の華も美しい 編集会議 巻頭特集 米三大メーカー同時発売 どうなる巳年のクラブ市場 INSIDE STORY 01 研磨機を販売するために「未完のヘッド」を商品化 02 米大手に挑むダンロップの戦略は「専門店と環境に寄りそう」 03 外資祭りの影で奮起 春商品に賭ける日本メーカー 04 東南アジアで需要急増 在庫不足に悩む国内中古市場 05 若者を支援するミニツアー 全国で続々誕生の背景 06 コラボキャラがPR 大使に NFT の付与で収益も期待 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 見えない巨大市場 NFTとゴルフの融合で新価値創造 ワンダーウォール株式会社 代表取締役CEO 小松賢氏 三田村昌鳳の白と黒の風景刹那を切り取る 倉本昌弘の船中八策 トップオフ5%でJGTOの財政強化 岡島成行のSDGsその本質と世界観 国際的なパートナーシップ リレー連載 GMAC 通信 「第59回ジャパンゴルフフェア2025」を開催 北徹朗のゴルフサステナビリティ ヘルシーエイジングとゴルフ 大石順一の本質はなんだ!論 GDPの伸展も包括しつつ成熟社会を目指そう! リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた マウンティング、ダメぜったい 橋口杏の女子プロの玉子市場 マネジメント会社の役割を考える ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 毎年5月5日はフィールドを開放 地域住民に愛される「PALM 祭り」 株式会社グリーンクロス 代表取締役 相原裕太 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 首都圏最大級の施設で「ゴルフ村」目指す 埼玉・ウィンズゴルフステーション新座 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 スポーツとしてのゴルフが社会に貢献できること 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 「価格変更」した効果を「通常時」との比較で検証する(後編) ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 桜ゴルフ 佐川八重子 井手口香の徒然日記「モリガン」じゃなくて「マリガン」でしょ! 新連載 西村國彦の世界のゴルフ場百景 サニングデール・ゴルフクラブ 飯島敏郎のRe-Concept の流儀 リコンセプトの意味と着眼点を考える 谷光高のゴルフ「開放」奮戦記 ゴルフ場でドッグランのイベント開催 39店舗のマルシェも大賑わい 『MODUS(モーダス)³』が新章突入! PGAショーで初披露『 N.S.PRO MODUS³ TOUR 110』の全貌 日本シャフト BRAND NEW GOODS GEWセレクト ピンチをチャンスに変えるゲームチェンジャーが誕生 和宏エンタープライズ MYSTERY「235MF」ウェッジ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 長尺問題で痛感した業界団体の体質の違い マイカスタム ダウンブローで開いた当たりからマッスルでつかまえて重心に当てる 4plus Fitting Labo & Golf Salon プロフィッター 吉川仁氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 リーズナブル、軽量で持ち運べる トラックマン連動の足圧計 スイス発「Smart2Move」 桑木野洋二の14本の次は距離計測器。 VOICE CADDIE TL1(ひさいスポーツ) ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 華麗に飛ばす。美音で攻める。 ビビゴルフランキング
    (公開)2025年02月01日
    ゴルフ市場活性化マガジン「月刊GEW」は、1月号で業界15氏の本音コメントを特集した。団塊の世代が後期高齢者になる2025年は、ゴルフ業界にとって鬼門と言われてきたが、これをどのように乗り越えて、新たな市場構造を生み出すのか? その覚悟と知恵を本音で語ってもらった。 発言者は、ゴルフ場、練習場、インドア、用品、新規参入企業など、できるだけ広範にチョイスした。ゴルフ場業界は、PGMの親会社がアコーディアを買収して、321コースの巨大ゴルフ場会社が誕生。その影響をどのように考えるのか? また、出店を加速するインドアや、相続税問題等で毎年数十施設が閉鎖する屋外練習場の今後。酷暑対策を商機としてゴルフ市場に参入するニューカマーなど、幅広く業界の「本音」を集めた企画。新年度のゴルフビジネスを、いち早くイメージできることを念頭に置いて取材した。 なお、この特集を含むいくつかの記事は、GEWのウェブサイトに掲載致しません。本誌をご一読頂ければ幸いです。「見本誌」のお申込みは<a href="https://x.gd/Ssncy">コチラ</a>まで。 【月刊GEW1月号目次】 満薗文博の人間稼業 「おめでとう」と「さようなら」 編集会議 巻頭特集 巳年に賭ける業界の覚悟 本音コメント総力特集 INSIDE STORY 01 世界最大のゴルフ場会社誕生 321コースで鶴翼の陣形 02 稼げないプロに光明? チャットレッスンで副収入も 03 狙いは百貨店の外商顧客 インドアが目指すクラブ販売 04 試打ロボットメーカーが提案 地クラブ共同開発センター構想 05 来季4増4減の男子ツアー カーセブン井上社長が提言 06 健康インソールで高齢者支援 医療分野からゴルフに本腰 謹賀新年 名刺広告特集 臨機応変 2025 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 星を見せる会社が描くゴルフ界との未来的な相乗効果 株式会社ビクセン 代表取締役社長 新妻和重氏 三田村昌鳳の白と黒の風景ささやかなレガシー 倉本昌弘の船中八策 激化するトップジュニアの囲い込み 岡島成行のSDGsその本質と世界観 ゴルフを教育に活かす 北徹朗のゴルフサステナビリティ 歌謡曲でみるゴルフの大衆化-近年急増する「ゴルフ」を歌う楽曲- 大石順一の本質はなんだ!論 「DX 経営」の基本は、「健全な懐疑心」 リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた コンペは競技じゃないんだよ 特別寄稿 苦境の中で光明を探す北京と香港のクラブ市場 竹田慎 橋口杏の女子プロの玉子市場 今年はインドアゴルフ業界を盛り上げたい JPDA が新たなチャレンジ 10周年でドラコンをエンタメへ「God 残響 GREAT OF DRIVERS」開催 日本プロドラコン協会 ゴルフ練習場来場者月次報 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 「競技」から「習い事」のジュニアまで幅広い環境設定でゴルフの入り口を広げたい 大野城スカイゴルフセンター 支配人 草場 翔 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 将来構想に施設の改修も視野 埼玉・武里ゴルフセンターの本気度 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 健康のバロメーター「歩行」をチェックし、ゴルフ寿命の延伸を図る 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 「価格変更」した効果を「通常時」との比較で検証する( 前編) コミュニティとゴルファーが繋がるゴルフコンペGOLF DAO CONNECT COMPETITION ゴルフダオ ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 井手口香の徒然日記とんでもないお客さんに付いた不幸な一日 新連載 西村國彦の世界のゴルフ場百景 ロッホ・ロモンド ゴルフクラブ 飯島敏郎のRe-Concept の流儀ピークからゴルフ場300コースがなくなった理由(後編) 新連載 谷水大祐の上を向いて歩こう ゴルフ場の価値を高める挑戦記ザ・クラシックGC(福岡)の大改修とその背景 BRAND NEW GOODS GEWセレクト 和宏エンタープ119 GEWセレクト ライズ、福山ゴルフ、WAOWW、HopeFul、コンポジットテクノ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新青天の霹靂だったスパイクレスシューズの禁止 マイカスタム つかまらない組み合わせで右プッシュの悩み解決 MORI GOLF 森裕起氏 地クラブパーツランキング UNEEKOR 六本木ショールーム誕生  クラシック社が東京港区に複合ラウンジをオープン 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 『GC』シリーズの最新モデルが登場!「 練習」「レッスン」「フィッティング」に活用できる弾道測定器『QuadMAX』 ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOOD 日本生まれのスポーツブランド「ザムスト」より、保温性に優れたコンプレッションスリーブ 「アーム/カーフスリーブ WARM EDITION」を新発売 天井高に制限されない! インドアゴルフ専用ティーアップ機 ビビゴルフランキング
    (公開)2025年01月01日
    ゴルフ市場活性化マガジンの「月刊GEW」は、12月号で「飛ばないボール」の影響を特集した。ゴルフ規則は2028年1月に改定・施行され、「適合認定」を受けるためのテスト条件が厳しくなる。その結果、ゴルフボールの飛距離性能が抑えられるという流れ。施行まであと3年の猶予はあるが、開発に時間がかかることもあり、業界ではざわめきが起きている。 深刻なのはゴルフボール市場の現状だ。長引く景気停滞と、ゴルフボールに大きな変革がなかったことで、都内の大型専門店では、 「ボール売上の約半分がロストボール」 という状況。「ロスト」は、OBや池に入ったボールを業者が回収して、クリーニングして再利用する。程度の良い物でも1個200円ほどと安いのが人気の理由だが、当然、ニューボールは売れ行きに苦しんでいる。 そこに「飛ばないボール」の話だから、泣きっ面に蜂とみる業界関係者は多いのだ。 ところが、今回のルール改定を大チャンスと考えるボール開発者が少なからずいる。すなわち、環境問題を視野に入れた素材革新に挑戦できるから、というものだ。その詳細を特集した。 なお、特集を含むいくつかの記事は、ウェブサイトでの公開予定はありません。「月刊GEW」12月号でご一読頂ければ幸いです。お申込みは<a href="https://x.gd/Ssncy">こちら</a> 【月刊GEW12月号目次】 満薗文博の人間稼業 佐々木朗希の野望と希望 編集会議 巻頭特集 規則改定で「飛ばないボール」 ゴルフ市場への影響は如何に? INSIDE STORY 01 ゴルフ場の減少止まらず 多様化する閉鎖の理由とは? 02 障害者ゴルファーの大会で BS がフィッティング会開催 03 自社中古品のEC 開始 ヤマハの多様な囲い込み 04 来春1000台出荷予定 一人乗りカートで経営改善も 05 『トラックマン』『GC』に挑む 販売実績500台超の弾道測定器 06 大日本印刷が業界参入 アニメのロゴをクラブに印刷 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 地域住民の寄合所 インドアを通じてつくる文化的価値 ツリーベル 代表取締役 森田晋平氏 三田村昌鳳の白と黒の風景マスターズのプラチナ・チケット 倉本昌弘の船中八策 誰一人、落ちこぼれなんていません 岡島成行のSDGsその本質と世界観 SDGsは未来を語る リレー連載 GMAC 通信  競技会開催とゴルフ未経験者への取り組み 日本パプリックゴルフ協会 部長 中村知則 北徹朗のゴルフサステナビリティ  手軽で簡単なゴルフ環境が欲しい:「ピクニックゴルフ」は素晴らしい 大石順一の本質はなんだ!論 人口減少下におけるゴルフ場事業の持続可能性向上 リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた ノーカンなんてものはない! 橋口杏の女子プロの玉子市場 一期一会を重ねて3周年を迎えました 最終回 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる  成功だった第1回大会の様子と今後の反省点 ザンダー・シャウフェレと複数年契約を締結 「ゴルフの魅力」を最大化する! ESGホールディングス代表取締役兼ステップゴルフ代表取締役CEO 榎本考修氏 ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 11月3日は「ゴルフ練習場の日」 ロイヤルグリーンで好評だった企画とは 株式会社ウィルトラスト 代表取締役社長 礒﨑博文 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 千葉のザ・ゴルファンが志向する「四位一体」の練習場経営術 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性  フィットネス業界から見た「ゴルフ×ヘルスケア」の価値 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏  マクロとミクロを組み合わせて来場者の動きを観察する ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 井手口香の徒然日記 打球を当てて病院送りにしておいて平気でプレーをつづける人の気が知れない! 新連載 飯島敏郎のRe-Concept の流儀 ピークからゴルフ場300コースがなくなった理由(前編) 谷光高の「ゴルフ開放」奮戦記 この素晴らしい世界を未経験者にも ゴルフと学童保育には高い親和性がある BRAND NEW GOODS 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! 2024LPGA 後半戦でのパター使用状況 種類の『オデッセイ』と感性の『ピン』 PXG10周年記念 ボブ・パーソンズ氏 特別インタビュー 次の10年も進化を止めず「PXG」の体験機会を増やす 武蔵野美術大学のゴルフ授業に密着!  Switchのパター練習ソフトがもたらす可能性 イマジニア 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 チタン含有率1%未満の「チタンウッド」…… マイカスタム 60歳代女性に5S のシャフト 女性だからといってレディスじゃない ブルーゴールドゴルフスタジオ CTO 武井幸喜氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 手首の動きを解析してシャフト4点の剛性で最適を見つける「IFC」 桑木野洋二の14本の次は距離計測器。 2024年を振り返って ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 ゴルフ専用ジュエリーThine が新たなアクセサリーをラインアップ 02 ゴルフに熱中したい‼ 女性の希望を叶える施設 ビビゴルフランキング
    (公開)2024年12月02日
    ゴルフ市場活性化マガジン「月刊GEW」は、11月号でインドアゴルフ市場で過熱するFC(フランチャイズ・チェーン)オーナーの争奪戦を特集した。 FCは、地域に根差した企業の経営者などがFC本部に加盟金等を払い、自己資本で出店していくスタイル。本部にすれば、他人の資本で店数が増えるためスピードが速く、市場シェアを重視する小売業などで活用するケースが多い。 過去数年、コロナバブルと事業再構築補助金で急増したインドアだが、ゴルフ好きの中小企業経営者などが趣味の延長で始めたこともあり、早くも閉店が相次いでいる。 その一方、運営技術を確立して、数十店規模に成長したインドアチェーンは、早くもシェア争いに突入。各地のFCオーナーに様々なアタックを仕掛けている。100店舗を超えたステップゴルフとスマートゴルフが代表的で、それぞれ異なるメリットを提示、FCオーナーに利益確保の優位性を働き掛けている。 また、50店舗規模のゼンゴルフレンジはこれまで、直営店を重視してFCには否定的だったが、今後100店舗を目指す上で、FCを活用するか否かの思案どころを迎えている。第2ステージに入ったインドア市場の過熱するFCオーナー争奪戦と、各社の事情に迫ってみた。 業界各所のトップに本音を尋ねる連載「VIPの視点」では、国内149コースを運営するPGMの田中耕太郎社長に、酷暑下のゴルフ場ビジネスの難所を聞いた。 天候が大きく左右するゴルフ場経営にあって、地球沸騰化による酷暑は大きなマイナス要因にほかならない。が、同氏は、 「来年も暑くなるでしょう。だけど、酷暑は我々にとってポジティブです」 と断言する。なぜか? ネガティブ要因をポジティブに変える戦術論が面白い。 なお、今回の「特集」と「VIPの視点」は、当ウェブサイトに掲載する予定はありません。本誌でご一読頂ければ幸いです。お申し込みは<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>。 【GEW11月号目次】 満薗文博の人間稼業 頑固な爺さんの「体育の日」 編集会議 巻頭特集 過熱するFCオーナー争奪戦 インドア市場の第2ステージ INSIDE STORY 01 「後付けクーラー」需要急増 新規参入で金脈を掘り当てた? 02 インドアからゴルフ場へ誘導 シミュレーション映像は宝の山 03 お仏壇のはせがわが製造依頼 仏具とクラブメーカーの親和性 04 ラフ用無人芝刈機をテスト販売 共栄社が睨む無人機市場の今後 05 レッスンと物販の融合に本腰 老舗スポーツ店がインドア挑戦 06 ゴルフで島興しに挑戦 観光客25万人目指す五島 07 テーラーメイド、ボール事業「150億円」投資の本気度 08 ゴルフアパレル全体は3.0%減、酷暑で男性用短パンが11%増を記録 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 来夏の酷暑は万全 若者需要の創造に三点セットで臨む パシフィックゴルフマネージメント 代表取締役社長 田中耕太郎氏 三田村昌鳳の白と黒の風景無防備の1カット 倉本昌弘の船中八策 PGA「女性分科会」で得られた反省材料 岡島成行のSDGsその本質と世界観 気候変動と発展途上国 リレー連載 GMAC通信 需要開拓のターゲットは大学生 北徹朗のゴルフサステナビリティ あまり検証されていない「袖なしファン付きウエア」の効果を観察する 大石順一の本質はなんだ!論 気候変動対策は自分の健康対策! リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた 褒め上手になろう! 特別寄稿 世界に通じるアジアジュニア選手の育成を日本で! 竹田慎 橋口杏の女子プロの玉子市場 職員室の前で泣き叫んだ高校時代のわたし 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる 記念すべき第1回大会を開催します! 2大練習場が語る! 「おしぼりふく蔵」による「顧客満足&業務効率」戦略 ウイング ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 部活動の地域移行を検証して持続可能な地域クラブへ挑戦! 多田ハイグリーン 代表取締役社長 野原 和憲 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 千葉県・昭和ゴルフの自慢は350ヤード防球ネットなしの爽快感 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 ゴルフを楽しみながら食生活リテラシーを高めよう! 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 マクロデータ分析から見る「自社商圏」の現状と将来予測(後編) ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 井手口香の徒然日記 あのでっかいパターカバー、わたしは大ッ嫌い! 新連載 飯島敏郎のRe-Concept の流儀 会員権価格が暴騰した社会的な構造 新連載 谷水大祐の上を向いて歩こう ゴルフ場の価値を高める挑戦記九州の地から大都市の商圏にアプローチする BRAND NEW GOODS 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! 強く、ボールを押し込んでも左に行かない 癖がなく、ねじれ、つぶれを制御できる『GC』 曲がらない、飛び、低スピン、寛容性が進化したスリクソン『ZXi』シリーズ ダンロップスポーツマーケティング くわっきー距離計セレクト 「記録を残して振り返る」という新提案がゴルフを変える!コースマネジメントに貢献するキヤノンのレーザー距離計 『PowerShot GOLF』 キヤノン 「OLED」距離計の二刀流! 「鮮やか」「フルスペック」「高コスパ」の最強コンビでコースマネジメントがレベルUP! 『THE GOLF WATCH GS501 / LASER CADDIE GL04』 グリーンオン GEWセレクト ブリヂストンスポーツ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 JGGAの地位向上を目指した「3原器」の成否 マイカスタム 打ち込んでドロップするシニアに高ロフトヘッドと4Xで飛距離UP ゴルフ工房MIYABI クラブフィッター 村田剛氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 ステップゴルフが100台導入 初の自社開発製品『GTRACK』を徹底検証 ヴィクトリアゴルフシューズランキング インドアゴルフレンジ特集 ゴルフランド/シーディアイ/UNEEKOR/ディオントーキョー/ディテクト/ BenQJapan/システム ディ/キャグ 女子部 BRAND NEW GOODS 01ピンのクラブでゴルフをやさしく、もっと楽しく♪ グリーン周りは“ChipR LE”で簡単寄せワン 02 女性の身体をキレイに見せてくれる1枚 03 レディース専用設計と豊富なカラーバリエーション 04 VIVA HEART20周年。この冬はレオパード柄で! 05 MAJESTYとResurrectionとのラグジュアリーなコラボレーションモデル新発売 06 ゴルフ観戦に最適! ビクセン双眼鏡「アリーナH+」 ビビゴルフランキング
    (公開)2024年11月01日
    ゴルフ産業の活性化マガジン「月刊GEW」は、10月号で酷暑のゴルフ界を幅広く取材。今夏の出来事と来夏に向けての課題をまとめた。 ゴルフ場の最大の課題は熱中症対策だ。避難小屋にクーラーを設置したり、カートに後付け送風機を装備するコースが目立っており、サマータイムの導入や「日の出スタート」の増枠など、各所で初めての試みも行われている。 練習場も、スポットクーラーを全打席に設置するところが現れたが、高額な投資なため、これは珍しいケース。別の練習場では施設内にカフェを併設してアイスコーヒーの無料券を配るなど、あの手この手で集客合戦を展開している。 ゴルフ用品市場には、アデランスがUVカットスプレーで参入するなど、夏対策商品でのニューカマーも目立っている。 昨夏も暑かったが、今夏はさらに輪をかけて酷暑に苦しんだゴルフ界。来夏の対策に向けて、各所では予算会議が早くも行われている。そのあたりの動きを総合的にレポートした。 また、スペシャル対談では、日本ゴルフ場経営者協会の手塚寛会長と、インドアゴルフ業界最大手・ステップゴルフの榎本考修社長の「酔談」を掲載。 人口減で、ゴルフ市場が縮小する中、27ホールのゴルフ場は、9ホールが余剰になりかねない。その使い道を、インドア業界に託すアイデアなどが自由闊達に話し合われた必読の企画だ。 【GEW 10月号 目次】 満薗文博の人間稼業 山寺の和尚さん ポンと蹴りゃにゃんと鳴く 編集会議 巻頭特集 「酷暑とゴルフ」を総点検 来夏に向けての課題と対策 INSIDE STORY 01 マーケ会社の本気のクラブ 変わるメーカーの参入形態 02 JGF強気の改革2案 出展コマと無料券に上限設定 03 苦境の練習場を買収・再生 1億弱の投資で売上倍増視野 04 キャロウェイのSGDGs 大学生に森林保全活動体験 05 新競技ゴルフトライアスロン ゴルフ場の硬直性を打破したい 06 まずは隗より始めよ! 若手プロ育成大会の効果 07 STM出身の才媛が「柔グリップ」で業界参入 08 猛暑で8割のゴルファーが「手汗」と「滑り」に違和感 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 9ホールで十分だ 文化産業論で描くゴルフ界再興の姿 さくら共同法律事務所 弁護士 西村國彦氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 死語となったホタル族 倉本昌弘の船中八策 PGAの会長時代に目指した3つのこと 岡島成行のSGDsその本質と世界観   人や国の不平等をなくそう リレー連載 GMAC通信 暑さ対策はナイターゴルフ?  日本ゴルフジャーナリスト協会 副会長 嶋崎平人 北徹朗のゴルフサステナビリティ  ゴルフプレー中における着衣の色と紫外線透過量の観察 大石順一の本質はなんだ!論  本の未来社会の姿「ソサエティ5.0」に貢献! リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた どこから打とうがパーはパー 最終回 ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話   ゴルフの種が芽吹きますように! 橋口杏の女子プロの玉子市場 わたし「現役復帰」しちゃいます! 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる  初めての「企画書」は鼻で笑われてしまい…… ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達  有田ゴルフガーデン 古賀千根 事業承継フェーズ3 課題の根本解決を目指して投資に挑戦 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える  時代の節目で挑戦してきた 大阪・桜宮ゴルフクラブの歴史 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性  社会構造の変化に対応すべくゴルフ業界がすべきこと 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏  マクロデータ分析から見る「自社商圏」の現状と将来予測(中編) ゴルフ場来場者月次報告 ゴルフ会員権市場 多様性の時代! コンペは新ペリアだけじゃない ゴルフ・ジニアス・ソフトウエア スペシャル対談 ゴルフ場とインドアは協力の余地が山ほどある! 株式会社朝日コーポレーション 手塚寛氏×ステップゴルフ株式会社 榎本考修氏 新連載 飯島敏郎のRe-Concept の流儀 リコンセプトの「原体験」を振り返る 谷光高の「ゴルフ開放」奮戦記 この素晴らしい世界を未経験者にも   地元中学生の「職場体験」でゴルフ場はいつも大人気 井手口香の徒然日記 親子三代ゴルフに羨望のまなざし BRAND NEW GOODS 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! LPGAの優勝シャフト 三菱のシャフトは「小さな差を感じられます!」 くわっきー距離計セレクト アプリで自分仕様にカスタマイズ! 美ディスプレイとサクサク動作でストレスフリーの超高機能ウォッチ型GPS距離計 ひさいスポーツ GEWセレクト ブリヂストンスポーツ/三菱ケミカル/藤倉コンポジット/マスターズ/中条カムイ/ルーツゴルフ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 温故知新 ジュピターは「三社協力」の産物です マイカスタム 球が散らばる低HSシニアに重軟シャフトとつかまるヘッド チューンアップスタジオ&スクール ティーチングプロ 中嶋毅氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 ボイスキャディがついに日本のインドアに上陸! 自前のソフト開発と柔軟な対応力がウリの「上達」できるシミュレーター 「FOURTEEN THE GAMES 2024」会場へ世界基準の計測器を導入 UNEEKOR ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 好評のバイターライトにレディスモデル新発売 02 人気№1GPS 距離計『ノルム II プラス』に女性ゴルファー向けカラーバージョンが新たにラインアップ! 03 秋に向けたオノフからこだわりのイクイップメント発売 ビビゴルフランキング 【こ購読をご希望の方】 弊誌は書店では販売しておりません、ご購読をご希望の方は<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>よりお申込みください。
    (公開)2024年10月01日
    ゴルフ産業の活性化を目指す「月刊GEW」は、9月号で「キャディ不足を考える」と題した特集を組んだ。 バブル崩壊後、ネット予約の広がりとセルフプレーの低料金化で、ゴルフの大衆化が進展したが、すべてが安きに流れたわけではない。 高収益のハイエンド型経営を目指すゴルフ場も多く、そのようなコースにとってキャディの存在は不可欠。単にボールを探すだけではなく、一日を快適に過ごす相手としても価値があるからだ。 そのキャディが各所で不足して、水面下では引き抜きも激化している。深刻な現状と対応策を特集した。 長寿連載「VIPの視点」では、公益社団法人 ゴルフ緑化促進会の木滑和生理事長を取材。酷暑下におけるゴルフ界の状況と、遅々として進まぬ環境意識に強く警鐘を鳴らしている。 【GEW 9月号 目次】 満薗文博の人間稼業 メダル娘と「知覧特攻記念館」 編集会議 巻頭特集 ゴルフ場の雇用環境 キャディ不足を考える INSIDE STORY  01 首都圏本部を横浜に集約 ゴルフ事業への「本気」示す 02 ゴルフ用具から練習場へ 抗菌で商機広げる『ハドラス』 03 グリップメーカーに衝撃 スチールシャフトの巨人参入 04 毎年開催、『ターフデザイン』 ディスプレイコンテストに込めた想い 05 オンラインレッスンもできる VRでゴルファー創出 06 リアルゴルフとゲームの融合 NFTを取り入れた新ビジネス 07 住友ゴムのスポーツ事業 円安で海外販売比率7割超 08 50店突破でプロの社員化を促進 ZENGOLFが描く青写真 INFORMATION BOX 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 ゴルフ業界唯一の環境団体に聳える資金と意識の障壁 公益社団法人 ゴルフ緑化促進会 理事長 木滑和生氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 時をかけるゴルファー 倉本昌弘の船中八策 ゴルフ団体トップが「名誉職」では改革できない 岡島成行のSDGsその本質と世界観 すべての人に健康と福祉を リレー連載 GMAC通信 公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟(JGRA)の活動報告 調査研究委員会報告 北徹朗のゴルフサステナビリティ プラネタリーヘルスとウェルビーイングに関する新たな報告書 大石順一の本質はなんだ!論 生産性の向上の手段は、DXだ! リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた ゴルフ業界の常識を疑え ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話 仕事が面白くなる魔法の言葉「ATI」 橋口杏の女子プロの玉子市場 女子プロの玉子たちのセカンドキャリアについて考える 新連載 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる  なぜ今、サステナブルツアーなのか? 温故知新 量販店との取引で景色が一変した BRAND NEW GOODS 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 天高不足を解消! インドアの可能性を広げるティーアップ機 『falcon R indoor』(ファルコン・R・インドア)とは? エクセル ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 東急あざみ野ゴルフガーデン 岩﨑 智 酷暑期の安定収益に欠かせない「スクール」の環境整備と多様性 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える スポーツのチカラで地域に貢献 千葉・ニッケゴルフ倶楽部コルトンセンター 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 ゴルフの上達&健康増進メソッドにみるゴルフ指導者の要件 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 マクロデータ分析から見る「自社商圏」の現状と将来予測 ゴルフ場来場者月次報告 井手口香の徒然日記 酷暑のキャディ業務に絶対欠かせない七つ道具 新連載 谷水大祐の上を向いて歩こう ゴルフ場の価値を高める挑戦記 本筋はゴルフコースに「磨き」をかけること 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! サポート体制で使用者増のボイスキャディ ルール変更後のレーザー距離測定器のその後 GEWセレクト オリムピック マイカスタム オーソドックスなヘッドとタメられるシャフトでスライス改善 プレミアムゴルフスタジオ フィッター 吉田智氏 地クラブパーツランキング 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 大型液晶タッチパネル新採用の『AIGIA(エイジア)』。AIでスイングを可視化した最新のレッスンシステムを徹底検証 ユニコーの高精度シミュレーターがスキルアップを促しリピーターを増やす UNEEKOR ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 軽井沢発祥のゴルフブランド この秋2つのイベントを開催予定! まるで自分だけのキャディ 進化した最先端のGPS距離計 熱中症対策と日焼け対策を1台で 日焼けアラーム機能付き黒球式熱中アラーム「TC-210」 ビビゴルフランキング 【こ購読をご希望の方】 弊誌は書店では販売しておりません、ご購読をご希望の方は<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>よりお申込みください。
    (公開)2024年09月02日
    毎月ゴルフ市場のホットニュースを配信している「月刊GEW」(ギュー)は、8月号で専門店が選ぶ「メーカー総合力ランキング」を特集した。今年23回目の長寿企画。 全国の主要専門店に、メーカーに対する「商品開発力」や「ブランド力」など6つの質問でアンケート調査したもの。単に広告宣伝が上手いだけではなく、メーカーの総合力が試される。 かつては国内メーカーの黄金期があった。特に「ゼクシオ」を擁する住友ゴムは、2018年まで7年連続「総合優勝」と磐石の勝ちっぷりを演じてきたが、近年は米国三強が上位独占となっている。 なぜか? その理由が、アンケート調査から読み取れる。 【GEW 8月号 目次】 満薗文博の人間稼業 きょうの「わかば」はつらい味がする INSIDE STORY 01 健康寿命延伸に寄与したい ステップゴルフが投じた一石 02 ロストボールの視点で見る ゴルフ業界の様々な課題 03 親子でゴルフ場体験に本腰 500名集める西武の想い 04 エラストマーグリップで新規参入“メイドイン茨城”で地方創生 05 改修後の施策連発で 千葉の練習場が売上倍増 06 インドアの希望コースを内蔵 シミュレーションの差別化策 07 アパレルのOEM 企業が 「ゴルフボディ」で業界参入 08 「10回来場」特典で リピート率向上を実践中 INFORMATION BOX 編集会議 巻頭特集 第23回メーカー総合力ランキング 今年も米国三強磐石 総合1位はピンが2連覇 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 韓国から日本上陸 インドアの本場で培った技術と勝算 ユニコージャパン VP of Business Development 押元辰郎氏 三田村昌鳳の白と黒の風景老夫婦の朝 倉本昌弘の船中八策 止まらない屋外練習場の閉鎖は大問題です 岡島成行のSDGsその本質と世界観 SDGsは多様な行動を求める リレー連載 GMAC 通信 エンジョイ~競技まで:研究対象として魅力的なゴルフ産業 有識者会員・北徹朗 小林誠の地球的視野で考える自然環境×ゴルフ産業 広がる「生物多様性」への前向きな取り組み 北徹朗のゴルフサステナビリティ プラネタリーヘルス(地球の健康)と言う考え方 大石順一の本質はなんだ!論 オーバーツーリズムから考える持続可能性とは? リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた 可能性の芽を摘むことなかれ ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話 ビジョンを掲げ、ゴルフの未来を変えていく 橋口杏の女子プロの玉子市場 選手と企業に意識差があるミニツアー 新連載 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる ミニツアーは年間100試合以上にまで拡大中 GEW 主催ビジネス交流会  酷暑対策テーマに業界内外33社参加 温故知新二木一夫さん、男でしたなぁ…… GEWセレクト 日本ウェルミックス/コンポジットテクノ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 BRAND NEW GOODS 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! ヨネックスレディスのジュニア選手権 本戦へ繋がるジュニア大会の意義 マイカスタム しなりを嫌う68歳男性に上級者ヘッドと超硬シャフト  フィッティングスタジオゼロ チーフアドバイザー 金子正哉氏 地クラブパーツランキング 特別対談 ゴルフ・ジニアス・ソフト・ウエア&鹿沼グループ 競技推奨と新たな楽しみ方を提案する鹿沼GとGGSのトーナメント・マネジメント・システムは相性抜群!? ゴルフ場来場者月次報告 谷光高の「ゴルフ開放」奮戦記 この素晴らしい世界を未経験者にも 数値に表れないゴルフ場の魅力 市内7コースの「ゴ朱印めぐり」スタート 井手口香の徒然日記 マナーを知らないゴルファー急増中! ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 大野城スカイゴルフセンター 支配人 草場 翔 初心者にはまず「ゴール」を体験させる早期ゴルフリタイア防止に向けた活動 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える グループ会社の強み生かす ベストゴルフ水戸の経営ポリシー 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 商品としての「打席の売り方」を考える(後編) 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 ウェルビーイングな社会実現に向けてゴルフ業界が出来ること 『PAL GOLF SHOP &amp; STUDIO』がインドア併設 UNEEKORが寄与する施設総合化 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 プロ野球選手の屋内打撃練習場で朝活⁉ 「ドリームゴルフ明治神宮外苑ゴルフレンジ」へ潜入⁉ イクメンマーケッター・桑木野洋二の14本の次は距離計測器 LASER CADDIE GL04(グリーンオン) ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 次世代の酷暑対策アイテム「フローズンベスト」で夏のプレーを快適に 02 ウェアと一緒に帽子洗濯機で洗えちゃう! キャップ専用選択ネット ビビゴルフランキング 【こ購読をご希望の方】 弊誌は書店では販売しておりません、ご購読をご希望の方は<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>よりお申込みください。
    (公開)2024年08月01日
    ヨネックス元社長の米山宏作氏が5月4日、永眠された。享年87歳だった。その「お別れの会」が7月24日、都内のホテルで開催され、多くの関係者が別れを惜しんだ。 同氏は新潟県三島郡に6人兄弟の5男として生まれる。長兄の稔氏が1946年、ヨネックスの前身となる米山製作所を創業。宏作氏は1997年、二代目の社長に就任し、中興の祖としてヨネックスを成長させた。 GEWは2001年10月号で宏作氏のインタビュー記事を掲載したが、その内容を改めてウェブに再掲する。 カーボン技術を搭載した『カーボンアイアン』で業界参入を果たしたものの、構造上の問題でルール違反と判定された。その後、適合の新型を発売したが、日本ゴルフ協会(JGA)の関連競技では「紛らわしいから禁止」となる。これを不服としたヨネックスは1985年9月、JGAを相手取り東京地裁へ訴えて和解。前代未聞の闘争だった。 そんな武勇伝を含めて、「国内工場堅持」への強い想いなど、企業経営の本質論が込められている。(聞き手・片山哲郎) <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/BP-60C26_20240729_111429.jpg" alt="" width="1000" height="669" class="aligncenter size-full wp-image-82265" /> <h2>2001年『サイバースター』絶好調</h2> <strong>それにしても12万本とは凄いですね。『サイバースター3000』の販売目標は当初7万本だから大幅アップ。秋口に『360』『ツアーモデル』『レフティ』を加えて完全に陣容が整いました。</strong> 「12万本はね、単なる計画ですよ。そこまでいけるかどうかわからんし、ライバルメーカーも強力な商品を出してくる。『調子に乗ってる』なんて書かないで下さいよ(笑)。 だけどまぁ、うちにとって間違いなくNO1ヒットだし、出荷ベースで毎月9000本は出ています。外資メーカーの攻勢に対抗するとまでは言えないけど、土俵に指が掛かるくらいにはなったのかな」 <strong>『サイバースター3000』だけで45億円ですか。</strong> 「もうちょっと少なくて、42億〜43億といったところでしょう。うちのゴルフ事業全体で47億〜48億の計画だから『サイバースター』に一極集中だし、 裏返せばこれしかない(笑)」 <strong>なぜここまでやれたのか、という理由のひとつに、御社のケンカ慣れがあると思うんですが、どうでしょう?</strong> 「ん、どういうこと?」 <strong>御社は1985年、「カーボンアイアン騒動」でJGAを東京地裁に訴えた。そんな武勇伝があるだけに、高反発性能のアピールが他社より頭ひとつ抜けてます。</strong> <strong>テレビCMでも競技委員をからかうみたいなシーンを流してますが、かなり思い切りよくやってますね。</strong> 「別にからかっちゃないですよ(苦笑)。あのCMは飛びの優位性を表現するための手法でね、『反発係数』は作り手の言葉じゃないですか。そうじゃなくて、消費者に広く正しく知らしめるための演出なんです。 まあ、ケンカ慣れという意味じゃそうかもしれません。『カーボンアイアン騒動』は、ゴルフ業界における我々の原体験になっていて、消費者への対応、社員の結束、ゴルフへの取り組み方。そんな諸々を徹底的に鍛えられた。 非常に厳しい環境の中で全員が腹を固めたわけで、当社の歩き方を決した面もありますから」 <strong>腹の固め具合はどの程度でした?</strong> 「徹底的に! ですよ。うちがゴルフ市場に参入したばかりで、ゴルフ事業の売上は当時たったの8億円。にも関わらず『カーボンアイアン』のヘッド交換その他で12億円以上費やした。違反ヘッドの指定を受けてから3か月で97%回収して、間髪入れずに適合の新型ヘッドに切り換えたんです。 なぜそこまでやるんだと、みなさんから聞かれましたがね。だけどやらなきゃ駄目なんです。テニス、バドミントンのユーザーはゴルフへの流動性を持っていて、約3割が重複している。ヨネックスブランドの威信にかけても『俺は知らん』とは言えないでしょ? それ以上にゴルフマーケットへの真剣さをアピールする必要もありまして、逃げるわけにはいかなかった。徹底的に、というのはその意味ですよ」 <strong>当時、ゴルフ事業の販売構成比はどの程度ですか。</strong> 「そうだなぁ、1割未満。たしか7〜 8%だったと思います」 <strong>すると主力のラケット部門から突き上げもあった? 「だから言わんこっちゃない、ゴルフなんかやるべきじゃなかった」とか。</strong> 「そうじゃないッ、そうじゃないんですよ。ゴルフの痛手を全社挙げて取り返すんだと、みんな形相が変わりましたよ。ゴルフの痛手を挽回するために、テニス、 バドミントンのラケット事業も必死にシェアアップを目指したし、ゴルフの老舗メーカーからも『ほら見たことか』って中傷されたじゃないですか」 <strong>ラケット屋がおもちゃのクラブを出したからだ、とか。</strong> 「そうそう(笑)」 <strong>反骨心に火が点いた。</strong> 「そうですよ。その頑張りが報われて、翌期には倍以上売りましたし、翌々期は60億に手が届くまで成長した。ラケットで培ったカーボン技術による飛び性能は、特に年配者に評価されましてね、その意味ではゴルフ振興にも一役買ったと自負している。 まあ、いろんな意味で『カーボンアイアン』は我々の原点です」 <h2>「禁止マーク」900枚を専門店にばら撒いた</h2> <strong>『サイバースター3000』のアイキャッチは道路標識の「侵入禁止」をかたどったデザインですね。社内で「禁止マーク」と呼んでるそうで、主要店に900枚ばら撒いたとか。</strong> 「ほお、よく知ってますなあ。数までは僕も知らなかった(笑)」 <strong>あのマークはかなり刺激的ですね。高反発規制は2008年からだけど、それをわざわざ先取りしている。</strong> 「うん。先ほどもちょっと申し上げたように、わかりやすさが大事なんですよ。わざわざ『禁止』と書かなくても(高反発禁止が先行した)アメリカでは使えない、それがあのマークですぐわかる。 テレビや新聞でアピールしても売り場でやらなきゃ浸透しない。それが『禁止マーク』の配布ですよ」 <strong>「咀嚼する」ということでしょうか。いろいろ言っても仕方ない、噛み砕いて要点だけをポンッと出す。</strong> 「あのお、機能訴求の時代がね、長らく続いたと思うんですよ。これは大事。クラブは機能商品だから、他社と比較した機能の優位性じゃなく、明かに違った物を出すことです。 でも、だとしてもね、それは作り手の事情であってお客さんは違うじゃないですか。冷え切ったゴルフ市場に活力を与えるには話題性が必要で、それはお客さんの感性をつかむこと。 機能説明をダラダラ言っても買いません。感性を刺激した価値観をどのように創造するかが要点なんで、『サイバースター3000』はここに物凄くこだわってます」 <strong>感性って何でしょう。</strong> 「わかりません。僕もわからないで言っている(笑)。だけどその大切さは認識してますよ」 <strong>どのように?</strong> 「うん。例えばうちはウォーキングシューズにも力を入れてますが、これ、スポーツ医学の先生に言わせれば非常に優れた物なんです。スッと足を入れた瞬間に何とも心地良い感触がして、みなさん軽いと言ってくれる。 軽いのは誰でもわかるんです。そうじゃなくて、心地良さを言葉にできないものか。これまではウンチクをごちゃごちゃ並べてましたが、それを止めろと言っている」 <h2>おばあちゃんの涙</h2> <strong>ヒトは他人からごちゃごちゃ言われると耳を塞ぎたくなります。いくら正しいことを言われても拒否反応を示してしまう。</strong> 「そう。僕はそれを、作り手とお客さんの本質的なギャップだと言ってるんですが、作る側はいろんな苦労を重ねてきたから全部言いたくなるんですよ。取捨選択できないんだな。だけど消費者は要点だけを聞きたいんです」 <strong>苦労話なんか聞きたくない。</strong> 「そうですよ。ならば思い切って捨てる作業が必要だし、それを一言に込めるのが表現力じゃないですか。コミュニケーションを図るには咀噌して集中させること。 それで最近、こんな話があったんですよ。 自宅のそばに本屋さんがありましてね、そこのお婆さんが歩けなくなっちゃった。見てて痛々しいんですよ。それでサイズを聞いたら僕の家内と同じだから、すぐに持って行ってあげたわけ。 そしたらみるみる回復して、海外旅行へ行っちゃった。僕の顔見ると嬉しそうに一々報告してくれるんです」 <strong>それを言葉にしたい?</strong> 「そうなんです」 <strong>「涙が出ます!」とか。</strong> 「う〜ん・・・・・」 <strong>センスがない・・・・。</strong> 「一言に込めるって難しいでしょ?(笑)」 <h2>機能訴求から「感性訴求」へ</h2> <strong>最近コカ・コーラが「ノーリーズン」というキャッチフレーズでやってます。何だかわからないけど飲みたい、という心境なんでしょうが、そもそもコーラって健康飲料じゃありませんから感性でやるしかないですよね。</strong> 「なるほど」 <strong>面白いのはテーラーメイドです。新商品の発表を大画面を使ってやりましたが、商品写真が切り替わるたびにブルガリやモンブラン、ジャガーの写真を挿入する。言葉では説明しないけど、自分たちのポジションはここなんだと。</strong> 「それは面白いねえ。従来のテーラーメイドとは全く違うし、おそらく(親会社の)アディダスの影響じゃないですかね。アディダスのにおいがぷんぷんします。 海外メーカーはこれまで、機能訴求を徹底的にやってきたけど、今の話にもあるように、最近はかなり違ってますね。感性に対する取り組みが目立つんですよ。 残念ながら我々は、そこまで行けてない。広告代理店のセンスを含めて遅れてる事実は否めませんなあ」 <strong>だけど、御社にも感性訴求らしき動きはありましたね。去年『サイバースター2000』のコマーシャル映像で、CGを使った竜巻にオペラ歌手の歌声を被せた。大袈裟だし、ゴルファーの感性に訴えた?</strong> 「違います。アレもやっぱり機能訴求ではありましたね。というのも『竜巻』はボールのスピンを連想させる試みで、飛距離へのイメージを狙ったんです。だけど結果的には反省があって、常に議論はしています」 <strong>なるほど、いろいろ難しいんですねぇ。</strong> <h2>ミケルソンと切れたのは悔しかった</h2> <strong>ゴルフ事業の売上は当期47億~48億円ということですが、最盛期はいつですか。</strong> 「8年前に96億(連結)まで行って、その後ズドンと落ちてしまって、前期は44億を切りました。これが最低です。 だけど理由があるんですよ。余分なものを整理するため徹底的に絞り込んだ。散漫にやると売り場もメーカーもお客さんも、みんな混乱するじゃないですか。それを避けるために絞ったわけですが、絞れば売り上げも減りますでしょ。そういったことでした」 <strong>御社は「熟年市場」へのアプローチが中心ですが、これまで看反選手はずーっとフィル・ミケルソンでした。その彼と、絞り込みの過程で契約切れになったことはよかったんですか?</strong> 「いや、傍目にはどう映るかわからんけども、我々の基本線はアスリート志向だし、ミケルソンと切れたことはやっぱり残念ですよ。彼とはアマチュア時代からの付き合いで、世界市場ヘヨネックスを印象付けるのに多大な貢献をしてくれた。でもね、要求額が・・・。 我々の年商が500億クラスならともかく、うち程度じゃ歯が立ちませんよ(苦笑)」 <strong>要求額は複数年で110億超ですか?</strong> 「具体的な額は言えませんが、 以前の3〜4倍に跳ね上がった。この金額をほかのプロモーションに振り向ければ相当なことができますので、結果的には断念せざるを得なかったんです。 もちろん悔しかったですよ。その気持ちをわかってもらえたのか、彼のお父さんからお手紙を頂戴しまてね・・。 ただ、金の切れ目が縁の切れ目ということじゃなく、今でも彼の活躍は楽しみだし、気になる存在ではありますね」 <strong>御社との契約期間は昨年末までありましたが、その前の11月にアクシネットが「ミケルソン獲得」を発表しました。あれは、</strong> 「そう、あれは問題ですよッ。本来なら訴えられても仕方ないぐらいだ。 うちとしては事を荒立ててもしょうがないのでグッと我慢しましたが、非常に残念なやり方でしたな」 <strong>ミケルソンがいなくなってグローバル戦略は小休止ですか?</strong> 「いや、それは全くありません。地道だけどプロ契約も進めてるし、常に世界を意識しないと逆に国内でやられてしまう。そういった感覚を磨くのは非常に大事なことなんです。 国内外の比重の掛け方は経営のバランスだから、臨機応変ではあるけれど、徐々に採算が取れるようにはなってます」 <h2>安易な海外生産は「命」を取られる</h2> <strong>御社は国内生産にこだわってますが、グローバル戦略を考えたときに国内生産のコストは重くないですか?</strong> 「そうねえ・・・まるっきり『NO』とは言えないけど、国内工場を堅持することは必要条件だと思ってます」 <strong>でも中国の労働コストは、日本の20分の1じゃないですか。</strong> 「だから一部中国へ依託もしてますが、国内工場をどうこうするという話にはなりませんし、長い目で見ればコスト差を補って余りあるメリットがある。僕はそう考えてます」 <strong>どういったことでしょう。</strong> 「うん。かつて日本にラケットメーカーは63社ありました。だけどいま何社残ってると思います? うち1社ですよ。 労賃の安い国へ技術移転して、ついでに命まで取られてしまった。つまりメーカーが自社生産を放棄した時、それはメーカーが終わる時なんです」 <strong>倒産して、自殺者も出たんでしょうねぇ。命まで取られた。</strong> 「そりゃね、すぐ隣に安く作れる国があれば、そこを使わない手はないと考えるのが普通ですが、メーカーは自分で物を作るのが基本じゃないですか。それを見失うとまずいということを、我々はラケットで散々経験してるんですよ。 ひとつ例を言いましょうか。例えばウエアの話です。ひとつの商品でS、M、L、Oと4サイズ揃えます。すると経験則的にSが5%になるという。1万枚の生産計画でSを500枚作って、結果100枚しか売れなかった。すると残った400枚は無駄になります。 ゴルフクラブもまったく同じで、経営の最大の圧迫要因は『見込み生産』なんですよ。 でね、これを回避するためにはジャスト・イン・タイムしかありません。いろんな調査データを見たところで意味がないとまでは言わないけど、需要予測をパーセンテージで見るんじゃなくて、日々の本数で追いかけるのが一番大事なことなんです」 <strong>市場予測を机上で議論しているうちに、現実の市場はどんどん変化する。だから机上論ではなく、現実の動きに如何に瞬時に対応できるか。そのほうがよっぽど大事だと。</strong> 「そう。うちもチタンヘッドは中国でやってますが、中国はあくまで材料としてのストックです。材料は1.5か月分、商品は0.7か月分で、これをきっちりと守っていく。 このあたりを全て外注すると、事前に先方の生産ラインを抑えなきゃならないので、日々の現実の動きに対応できなくなる」 <strong>つまり「見込み」をしなきゃいけなくなる。</strong> 「そう。対応できない、ということが命取りになるんですよ」 <strong>低コストへなびくのは近視眼的だと。</strong> 「少なくとも僕は、そう考えます。もちろん中国の技術進歩は素晴らしい。後発が有利なのは、その時代の最先端の技術からスタートできるじゃないですか。新しい技術の吸収が早いから、成長性も見込めます。 だけどそういったことを前提にしても、国内工場は絶対に堅持すべきなんです」 <strong>そこはもう、思想というか哲学ですね。</strong> 「そんな立派なもんじゃありませんが(笑)、うちは『計画と仕入れ』について方程式を持っていて、常に3つの角度から検証してるんですね。常にメールでやり取りして、本数をしっかりと追いかける。 たしかに『サイバースター3000』は猛烈な勢いで売れてますが、せっかく作ったブランドも過剰供給になれば在庫処分で安売りになる。ブランドなんかすぐに崩壊しちゃうし、せっかく買ってくれたお客さんに残念な思いをさせてしまう。 そうさせないのが我々メーカーの責任なんだッ。でしょ?」 <strong>わかります。</strong> 「一見合わない国内生産のコストもね、結局は帳尻が合うようになっている(笑)」
    (公開)2024年07月29日
    「月刊GEW」は7月4日、都内で「酷暑対策」をテーマにしたビジネス交流会を開催した。ゴルフ場、練習場、夏対策用品メーカーなど33社41人が参加して、酷暑下でも安全にゴルフを楽しめるよう、様々な情報交換を行った。日本ゴルフ場経営者協会の手塚寛会長は、冒頭にこう挨拶した。 「地球温暖化の影響で、年々暑さが厳しくなっています。すでにプレーを中止する動きも出ており、業界としては熱中症対策に力を入れる必要がある。啓蒙ポスターもつくったので広く周知して頂きたい」 また、全日本ゴルフ練習場連盟の横山雅也会長も、 「実は今日、神奈川でゴルフをしたんですが、酷暑でプレーが中止になった。今年は去年にも増して暑くなるという予報なので、市況も厳しくなるでしょう。とにかく、事故なくプレーを楽しめるよう、業界全体が連携して環境を整える必要があります」 会場には、業界団体が作成したばかりの熱中症予防ポスターが貼られた。ゴルフ関連15団体が連名したもので、手塚会長は、 「数日前、このポスターのURLを各団体経由でゴルフ場や練習場、ショップへ配信したばかり。プリントアウトして、それぞれの現場に貼ってほしい」 印刷したポスターを配布するのではなく、データを拡散して現場でプリントアウトする手法は、コロナ禍における感染予防ポスターで行った手法。印刷費や配送費を削減できるだけではなく、迅速な対応が図れる。各所で必要な枚数も把握できるため、全カートに貼って注意喚起したゴルフ場も多かった。今回の熱中症予防ポスターもコロナ対策に倣ったもの。 下記のURLからダウンロードできるので、関係企業は各施設に掲示。また、一般ゴルファーはゴルフの前に改めて確認、コンペの主催者は参加者に配布して注意喚起を呼び掛けてほしい。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/2024_6netsuchiusyo_POS_FIX_A2.jpg" alt="" width="1000" height="1414" class="aligncenter size-full wp-image-82020" /> ⚫️《A2サイズ(420mm×594mm)》  PDFダウンロードは<a href="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/2024_6netsuchiusyo_POS_FIX_A2-1.pdf" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>  JPEGダウンロードは<a href="https://drive.google.com/file/d/16hEHq0_1RGRyC-6UXREsx9xaV57DlR6W/view?usp=sharing" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a> ⚫️《A3サイズ(297mm×420mm)》  PDFダウンロードは<a href="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/2024_6netsuchiusyo_POS_FIX_A2-1.pdf" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>  JPEGダウンロードは<a href="https://drive.google.com/file/d/1_teLC2ZrN7OMaLYOPXDHL7hBpXxLhAeC/view?usp=sharing" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a> 熱中症対策の啓発にご活用ください。
    (公開)2024年07月06日
    <strong>武蔵野美術大学の北徹朗教授(医学博士)は、ゴルフと熱中症の関係を調査・研究している。とはいえ同氏がユニークなのは、ゴルファー向けというよりも、むしろ「ゴルフ場目線」に立っているところだ。</strong> <strong>キャディの歩数や「深部体温」を計測したり、支配人の意識調査を行うことで、熱中症対策の現状と課題、解決策を提示する。「月刊GEW」6月号に掲載したインタビュー記事をウェブ用に再掲する。</strong> <h2>なぜ熱中症の研究なのか?</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_4.jpg" alt="" width="1000" height="750" class="aligncenter size-full wp-image-81927" /> <strong>大学の体育教員で医学博士でもある北さんが、なぜ「ゴルフと熱中症」の研究を始めたんですか。</strong> 「ゴルフの熱中症には専門のメディカルドクターもいらっしゃるので、私から専門的な発言をするべきじゃないとは思いますが、それを前提に申しますと、ゴルフは屋外で4時間半ぐらい日に当たるし、高齢者も多いじゃないですか。 なので、単純にリスクが高そうだから調べてみようと思ったわけです。ただ、そもそも熱中症とは別に、ゴルフ場でキャディの歩数を調べたんですね。ゴルフ場スタッフの労働環境を調べる目的でした」 <strong>あれは骨粗鬆症がテーマだった?</strong> 「いえ、骨粗鬆症というか、鶏と卵の話と似てるんですが、そもそも骨が強い元気な人がキャディをやっているのか、それともキャディをやってるから元気なのか・・・。ほかの調査では、ホテルで荷物を運ぶポーターも骨が強い人が多いんですね。骨は刺激が加わると強くなるので。 それで、女性の場合は50歳を過ぎるあたりで骨が弱くなりますので、キャディの場合はどうだろうと。ふと思ったのがキャディの歩数調査の動機です」 <strong>ふと閃いたわけですね。研究テーマの発見は思いつきが多いわけですか。</strong> 「だいたいそうです」 <strong>学者の本分は研究して論文を発表することだから、テーマの「発見」が生命線になる?</strong> 「そうですね。まず、思いついて、それからほかに誰がどんな研究をしているのかを調べます。昔は図書館で丸一日調べたものですが、今は世界中のデータベースがネットで拾えるから比較的楽なんですよ。で、スポーツ分野でゴルフ関係の研究は、そもそも事例が少ないんです」 <strong>それは、ゴルフを研究する学者が少ないという意味ですか。</strong> 「というか『日本ゴルフ学会』には、過去30年の研究動向を調べた査読付き論文が百数十篇載ってるんですが、断トツで多いのがバイオメカニクス的な研究なんです。要するにスイングの動きなどが中心で、さっきの骨とキャディ業務の関係みたいな研究はあんまりないんですね」 <strong>すると、北さんみたいに産業の視点でゴルフを研究する学者はいない。独壇場ですか?</strong> 「いえいえ(苦笑)。でもまぁ、自分で言うのもアレですけど、新しいことを思いついたら大半は最新の研究になりますので」 <h2>熱中症の症状はどのようなもの</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_5.jpg" alt="" width="1000" height="1028" class="aligncenter size-full wp-image-81929" /> <strong>とにかくキャディの歩数を調査した。それから熱中症という流れですが、どんな経緯で熱中症に?</strong> 「キャディの歩数を調べて驚いたのは、もの凄く歩くんですよ。私の調査結果では一日2万1606歩で、それ以上に驚いたのがコース管理の人。なんと4万3629歩も歩いてました。 ただ、問題は歩く時間帯なんですね。コース管理の仕事はお客さんを入れる前の早朝とプレー後の夕方に歩数が極端に増えますが、キャディは日中のもろに暑い時間に歩くので、当時出したレポートにも『キャディ業務は心配だ』と書いている。それが熱中症に着想したきっかけです」 <strong>肝心な話、熱中症というのは何ですかね。</strong> 「・・・ん?」 <strong>熱中症はヤバいと言われるし、僕もそう書いてますが、実は何がどうヤバいのかよくわからない。</strong> 「なるほど。私は専門家ではありませんが、授業で学生に説明する資料がありますので、まずはこれを読んでみます。 熱中症とは、高温多湿な環境で体内の水分及び塩分、すなわちナトリウムなどのバランスが崩れたり、循環調節や体温調節など、体内の重要な調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。 目眩や失神、筋肉痛や筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛や吐き気、嘔吐、倦怠感、意識障害、痙攣、手足の運動障害、高体温などの症状が現れます」 <strong>う~ん、長いですねぇ。</strong> 「すみません、もうちょっとです。症状は、いわゆる立ち眩みの『熱失神』、こむら返りや筋肉の痛みの『熱痙攣』、脱水が進行して嘔吐などが起こる『熱疲労』、それから意識障害や全身の痙攣などが現れる『熱射病』に分類されます。 このような症状が重症度によって軽症のⅠ度、中等症のⅡ度、重症のⅢ度に分類されるんですが、重症になると脳や内臓障害も起きますし、最悪の場合は死に至ってしまうわけです」 <strong>なるほど・・・。</strong> 「熱中症になるには3つの条件がありまして、『環境』と『行動』と『からだ』です。 まず環境ですが、これはWBGT(暑さ指数)の要素になっている『気温』『湿度』『輻射熱』(日射・放射等周辺の熱環境)で、近年WBGTが気温よりも重視されてますが、これは気温が高くても風が吹いていたり、湿度の関係で身体への影響が変わるからです」 <h2>WBGTの構成要件を考える</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/vip3.jpg" alt="" width="1000" height="667" class="aligncenter size-full wp-image-81928" /> <strong>気温はわかりますが、湿度はなぜマズいんですか。</strong> 「人間は汗を出して深部体温を下げるんですが、ダラダラ汗をかかなくても毛穴から蒸散してるんですね。ところが、湿度が高いと皮膚にまとわりついて蒸散しにくくなる。それで深部体温が下がらないのが良くないんです。 熱中症で一番バシッと決まるパターンは、高温多湿の無風状態なんですよ」 <strong>3番目の「輻射熱」ってなんですか。</strong> 「あれはですね、地面のアスファルトからの照り返しや、近くにエアコンの室外機があったり、マンホールの鉄製の蓋があったりすると、」 <strong>反射熱みたいなもの?</strong> 「まあそうです。太陽からの強い日射や、道路や建物などからの放射で多くの熱をもらうんですが、これは気温に反映されなくて、周辺の物自体の熱なんです。 WBGTの測定器は気温、湿度、輻射熱が個々に表示できますが、3つ合わせたWBGTが気温よりも大事になるわけです」 <strong>今年4月の「改正気候変動適応法」で、WBGTが35を超えると特別警戒アラートが出ることになりましたが、この35は気温の目安だと何度ぐらいですか。</strong> 「気温約40度がWBGT35の目安ですが、環境省などが指針としてるのはWBGT31以上で35度以上。この場合、運動は原則中止という指針です。 28~31以上が31~35度で、激しい運動は中止。25~28が28~31度で、積極的に休憩をとるなど、それぞれのレベルに応じて指針が示されています。 ただ、ゴルフ場って広いじゃないですか。日向もあれば日陰もある。18ホールの場所によってWBGTは大幅に変わるんですね。特に日陰で風通しの良いホールは数字が低くなるでしょう」 <strong>WBGTの測定器をスタート室前のアスファルトの上に1台だけ置くゴルフ場もありますね。それで「35」だからヤバいとなっても、実際にはコースの場所によってまったく違う。</strong> 「おっしゃるとおりです」 <h2>「からだ」について考える</h2> <strong>以上が「環境」の話ですが、「からだ」についてはどうですか。</strong> 「熱中症に関わる『からだ』の要因としては、激しい労働や運動によって体内に著しく熱が生じたり、暑い環境に対応できないことが挙げられます。 特に身体の調節機能が衰えた高齢者や、肥満、糖尿病、精神疾患をもっていたり、下痢などで脱水症状や二日酔い、あとは寝不足も、WBGTが高くなくても熱中症のリスクは高くなります」 <strong>飲酒はなんでマズいんですか。</strong> 「まず、脱水症状になりますよね」 <strong>なんで?</strong> 「アルコールは利尿作用があるのが大きいです。寝不足で酒飲むと物凄く酔っぱらうじゃないですか。寝不足と二日酔いは大敵です」 <strong>3番目の「行動」は?</strong> 「これは、激しい運動などで体温を上げるような活動です。上腕を曲げると片方が収縮してもう一方は弛緩しますが、筋肉の動きが激しくなると体温は上がる。体温の上昇と調整機能のバランスが崩れると、身体にどんどん熱が溜まってしまうんです。 身体の奥の『深部体温』は、健康時に37度前後に保たれてますが、これが上がるといろんな不調が生じるんです。意識が朦朧とする、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が出た場合は、深部体温の上昇によって脳や消化器官、肝臓に影響が出ている可能性がある。 あるいは全身の痙攣や意識障害を起こすとか。身体の奥底の温度は普通、そう簡単に上がらないので」 <strong>深部体温は、内臓や脳の温度とも言えるわけですか。</strong> 「そうですね。これを正確に測る方法としては直腸や膀胱、血液もありますが、一番簡単なのは耳の穴に1cmぐらい検温器を入れる鼓膜温の計測があります」 <strong>先日NHKの番組で、脳は非常にデリケートだと。1度上がるだけで大変だと話してました。</strong> 「そうですね。個人差はあると思うんですが、一般的には0.5度上がっただけでも影響があると言われるので、1度上がったら相当なことだと想像はできますよね」 <h2>真夏のキャディは過酷な労働</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_2.jpg" alt="" width="1000" height="750" class="aligncenter size-full wp-image-81930" /> <strong>北さんは2021年8月に、冒頭の「歩数調査」とは別にキャディの「体温変化」を調べてます。これ見ると、けっこう厳しい数字が並んでます。</strong> 「そうなんです。この調査はキャディの『着衣環境』を調べたもので、8月の別の日に首都圏のふたつのゴルフ場でやりました。 Aコースの被験者は51歳の女性で、当日の気温は29.6~41.8度とかなり高かった。湿度は38.7~67.2%、WBGTが27.7~33.9、風速は0.1~3.49m。 それからキャディ服はポリエステル95%と綿5%の長袖で、背中は通気構造で内側はメッシュ素材、帽子はヘルメットという条件です。 驚いたのは、キャディ業務の前と後で鼓膜温が約3度上がってたことなんですよ。業務前が36.3度で後が39.2度という結果だったので、」 <strong>えっ、3度上がるって凄いですよね。</strong> 「かなり凄いです。一般的に深部体温が40度以上になると、脳機能に障害が起こる危険があって、これが続くと脳だけでなく、肝臓など全身の臓器に障害が起こる可能性も指摘されますから」 <strong>キャディ帽というか、ヘルメット内の温度はどうなっていたんですか。</strong> 「大きくふたつのピークがありまして、正午前の温度が44.3度、午後2時前が38.9度でした。 キャディ帽は一見、ツバが広くて白いから涼しそうに見えるんですが、中はヘルメットだし、頭に汗止めのタオルを巻いてからヘルメットを被るキャディもいますので、もの凄く暑いんですよ。 ユニホームも長袖で首までしっかりボタンをしているのと、化繊の白い手袋をするのも問題です。クラブ持って動き回るから運動量も非常に多い。ですから夏のキャディ業務は、極めて過酷な労働なんです」 <strong>もうひとつのBコースは?</strong> 「Bコースのキャディは27歳で、当日の最高気温は36.8度、WBGTのピークも31.7だったので、Aコースよりは楽な条件でした。鼓膜の深部体温も前と後で同じ35.5度だから、全然変わらなかったです」 <strong>今年の夏は去年よりも暑そうだし、仮に熱中症でキャディさんが亡くなったら一大事です。ただでさえ人手不足なのにキャディの成り手がいなくなる。ゴルフ場側も責任を問われる。</strong> <h2>WBGT計測器の保有率約1割</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/vip4.jpg" alt="" width="1000" height="667" class="aligncenter size-full wp-image-81931" /> <strong>厚労省は企業に対して、暑熱下における職場環境の改善を指示してます。この点について北さんは、ゴルフ場支配人の意識調査も行ってますね。</strong> 「はい。2022年3月に支配人の意識調査を行いまして、225コースにアンケートを送り81コースから回答を得ました。 まず、厚労省が出した『職場における熱中症予防マニュアル』についてですが、このマニュアルを『知ってるが読んだことはない』が20.3%で、『知らない』は22.0%。合わせて4割以上の支配人が中身を知らないという結果が、当時は出ています」 <strong>だけどそれは2年前の調査でしょ。今はもっと意識が高まってるんじゃないですか?</strong> 「だといいんですが・・・。この調査をした2022年は暑さ問題がもの凄く言われた年なんですね。2019年の5月26日に北海道で観測史上最高の39・5度を記録して、道内のゴルフ場で36歳の男性が熱中症の疑いで亡くなってます。 この年、ファン付きウエア市場が急拡大して、ゴルフ場でも目立ちはじめている。ですから2022年の段階では、もっと意識してるだろうと思って調べたわけですが、」 <strong>支配人の意識は低かった?</strong> 「はい」 <strong>となると、今の意識も2年前と大して変わらない?</strong> 「どうでしょう、かもしれませんが・・・」 <strong>同じ調査で深刻なのは、ゴルフ場のWBGT測定器の保有率です。これが当時8%で、9割以上が持ってなかった。今も同じならかなり問題ですね。</strong> 「今の保有率はわかりませんが、ただ、熱中症はゴルフ場にとって自分事になってないような気はしています」 <strong>測定器の保有率は論外としても、ゴルフ場がやれる熱中症対策はいろいろあるんじゃないですか。</strong> 「そうなんです。9割以上のゴルフ場は一応、会員制が建前なので、メンバーの心象を害さないためのドレスコードがありますが、ウエアを外に出すと4度涼しくなるという調査結果もありますので、シャツインが必須というドレスコードが変わってくれば、もっと楽になるのかなぁと」 <strong>色の調査もありますね。</strong> 「あれはうちの大学院生が中心になって調べたんですが、色によって温度は変わります。様々な色の帽子を屋外に並べて帽子内温度を測ったところ、綿ポリ製の薄いピンクが38.4度で一番低かったです。 次が黄色の40.2度、白の40.3度と続くんですが、帽子の表面温度は白が圧倒的に低くて、これは日射反射率や吸収率が原因だと思います。 それと、去年から日本の紫外線量が急激に増えて、オーストラリア並みになってますが、紫外線については黒っぽい色が通しにくいので、一概に白がいいとは言い切れない面もありますね」 <h2>考えられるキャディの対策</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_7.jpg" alt="" width="1000" height="750" class="aligncenter size-full wp-image-81935" /> <strong>キャディの熱中症対策はどうですか。</strong> 「キャディ対策という意味では、頭部が熱くなるのが一番問題なので、ヘルメットの構造を、通気性が高いものにするのが効果的だと思います。 それと、温度計付きヘルメットはどうでしょう? ヘルメットに温度インジケーターを付けて、青は大丈夫で黄色は注意、赤は危険とか、外からわかると休息させる目安になるじゃないですか。とにかくヘルメット内は高温なので、そのあたりの工夫が必要でしょう」 <strong>冷却機能付き手袋というのも商品化されてますね。</strong> 「はい。すでにデサントも商品化してますが、実は手の平は深部体温を下げるのに効果的だという研究結果が出てるんです。 よく、脇の下を冷やすといいと言われますが、手の平には動脈と静脈が入れ替わる動静脈吻合血管がある。手の平を冷やすのを『手掌冷却』と言いますが、これがとても大事なんです。 冷やす適温は12度で、運動を開始する30分前のプレクーリングが有効だと言われています」 <strong>すると、キャディがナイロン製の白手袋をしてるのは逆効果?</strong> 「おっしゃるとおりです。ゴルフ場によっては接客マナーとして白い手袋を義務付けたり、キャディ本人も日焼け止めのつもりかもしれませんが、手掌冷却の観点では逆のことをしているわけです」 <strong>なるほど、知らないっていうのは怖いですねえ。</strong> 「そうなんです。プレクーリングの観点で言えば、プレーヤーはスタート30分前に練習グリーンにいることが多いじゃないですか。ジャストアイデアなんですが、12度に保たれる冷感グリップがあれば夏のヒット商品になるかもしれませんね」 <strong>グリップメーカーに提案しておきましょう(笑)。</strong> <h2>ゴルフ場ができる対策は沢山ある</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_1.jpg" alt="" width="1000" height="750" class="aligncenter size-full wp-image-81934" /> <strong>ほかにゴルフ場ができる対策は?</strong> 「それが、まだまだあるんですよ(笑)。たとえば複数のホールにクーリングエリアを設けて、大型扇風機を置くのもいいですよね。大学の体育授業でも使ってますが、タイマーを1分ぐらいにセットして風に当たる。1台13万円ほどで買えますが、凍らせたペットボトルを扇風機の前にフックで掛けると効果的です。 クーリングエリアにはアイスボックスを置いて、冷たいおしぼりや氷などで手掌冷却するといいかもしれません」 <strong>なるほど、簡単にできることはけっこうあるんだと。にも関わらず、ゴルフ場は熱中症対策に消極的だと映ってしまう。なぜですかね。</strong> 「まず、知らないこともあるでしょうし、変える勇気がないのかもしれません。大袈裟に騒ぐと、お客さんが離れるんじゃないかと心配になるとか」 <strong>知らないから過剰に身構えるんでしょうね。WBGT計測器の保有率もそうだけど、ヘタに置いたらプレー中止を迫られるとか。でも、測り方によって安全な場所も沢山ある。</strong> 「知ればお金を掛けずにできることは沢山あるわけですよ。環境省や食品メーカーのウェブサイトには熱中症対策にお勧めの食事がいっぱい出てるし、塩キウイスムージーも良いと言われるので、これを朝食や茶店で出せば、1杯700円ぐらいで売れると思うんです」 <strong>世間に情報は山ほどある。</strong> 「あります。それから熱中症は本人の自覚が大事なので、それを促す方法としてはチェックインシートも考えられます。 シートには前夜の睡眠時間や飲酒、朝食の有無といった項目を設けて、チェックすれば本人の意識づけになりますし、ゴルフ場も『この組は注意しよう』と把握できる。 あと、コースマッピングも有効だと思うんですね。ゴルフ場はホールによって高台や窪地、池や林といったようにWBGTが違うので、WBGTが高いホールはスコアカードに簡単なマークを付けて、ここはムリして歩かないでカートに乗ろうとか。 熱中症は本人の気づきが大事なので、社内でPOPやポスターを作って目立つところに貼っておく。それだけで大分違うと思います」 <strong>食堂のメニューに「熱中症に塩キウイスムージーをどうぞ」とかね。</strong> 「そうですよね。以前GEWに、ゴルフ場の農園でバナナをつくってるという記事が出てましたけど、それと同じ発想で、熱中症に効く果物を自分の農園で栽培して、大々的にPRするとか。 健康志向の高まりで農薬を気にする人もいるでしょうが、『無農薬の〇〇スムージーです』って提供すれば喜ばれると思うんですよ」 <strong>それはいい発想ですね。地産地消に取り組むゴルフ場のレストランはこれから増えるだろうし、熱中症に効くとなれば一石二鳥。</strong> 「ですよね(笑)」 <strong>熱中症というと危機感ばかり先に立つけど、前向きに社内で議論すればいろんなアイデアが出て、むしろ会議が楽しくなるかもしれない。</strong> 「それって非常にいいことですよね。会議を通じて社員の意識も高まるし」 <strong>言い足りないことはありますか。</strong> 「まだまだいっぱいあるんですけど」 <strong>いっぱい書くと散漫になるので、ポイントだけでいいでしょう。</strong> 「じゃあ、大丈夫です(苦笑)」 <h2>学者の「机上論」と言われたくない</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/Gchalle_3.jpg" alt="" width="1000" height="750" class="aligncenter size-full wp-image-81933" /> <strong>最後の質問です。北さんは学者として、社会に役立つ研究をしてますが、その研究は論文を書くための机上論として満足なのか、それとも社会の現場に落とし込むのが目的なのか。「現場」は学者の領分じゃないのかな?</strong> 「あのぉ、自分で言うのもおかしな話ですが、ここまでいろいろ考えてる大学の教員は少ないと思うんですよ。ですから、たとえばゴルフ場経営者の方に『机上の空論だよ』って片付けられるのは、正直、そうじゃないって気持ちは強くあります。 それと、私が現場を大事にするのは、現場の方と話していると、より現実的な落としどころが見えてくるんですね。今度、あるゴルフ場チェーンの経営会議に参加して熱中症対策を話すんですが、幹部や支配人がいらっしゃるので、僕の話を一方的にするんじゃなくて現場の声に耳を傾けたい。それが今から楽しみなんです(笑)」 <strong>学者の世界は「象牙の塔」と言われますね。社会と隔絶されたところで研究に没頭する。つまりこの言葉には「学者バカ」みたいなニュアンスがあるじゃないですか。</strong> 「あのぉ、僕の場合はあくまで、実社会に役立つことをやりたいんですよ。ゴルフ産業の研究は2003年頃に始めまして、いろんなアンケート調査をしたり、海外のゴルフ場を調べたり、沢山研究をしてきました。 でも、誰にも読まれず無視されて、苦しい時期があったんです。もうやめようと思って最後に出したプレスリリースを、GEWが取り上げてくれたじゃないですか。2015年のことです。 それをきっかけに注目されて、ゴルフ業界の人脈もできました。ですから、僕の研究が注目されて、ゴルフ産業発展の一助になればとても嬉しいし、もの凄くやり甲斐を感じているんですね。 とにかくゴルフ業界に還元したい。社会の役に立ってこその研究だと思ってますから」 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2024年07月02日
    ゴルフ産業のトピックを毎月リポートする「月刊GEW」(ギュー)は、7月1日発売号で女性ゴルファーを増やすための業界の取り組みを特集している。 日本ゴルフ協会(JGA)は今年から、ゴルフ関連団体に呼びかけて、年間通じてレディス対策キャンペーンを展開中。男女トーナメント会場での女性向けレッスン会や入場無料のほか、全日本ゴルフ練習場連盟(JGRA)は、154施設がそれぞれ独自の女性向け企画を展開中。 とはいえ、ただでさえジェンダーギャップが大きいこの国で、ゴルフ界は特に「男目線」が目立つ。ゴルフ場の女性ロッカー数は男性用の3割程度が一般的で、「生理用品も置いていない」「妊娠→出産→育児でゴルフの中断が迫られる」など、女性ゴルファーの声も紹介。 女性特有の事情について、ゴルフ場の女性支配人、ゴルフ場プロデュース会社、調査会社のコメントを交え、多角的に検証した。 日本では「ゴルファー」の定義が曖昧だが、この点についても「社会生活基本調査」(総務省)のデータから女性ゴルファー17%の実態も明らかにする。 <h2>【GEW 7月号 目次】</h2> 満薗文博の人間稼業 郷愁 ああ「運動会」 INSIDE STORY  01 「エネオス」にインドアを出店 主戦場はガソリンスタンド 02 老舗単独店のコトブキが「アマ全国大会」を開くワケ 03 ウェルビーイングって何? ゴルフ場経営の新たな指針 04 自動車向け金属加工部品の知見と経験を『練習器具』で描く杉江精機 05 コンペ賞品に高級食パンを「銀座に志かわ」ゴルフ場営業 06 ゴルフ&テニスの合同催事で「DUNLOP」を訴求する意図 07 「猛暑需要」で市場参入 気象計の元祖が描く販売戦略 08 売上48億円のシステム会社 インドア本腰の拡販戦略 INFORMATION BOX 編集会議 巻頭特集 どこまで本気? ゴルフ界のレディス開拓 求人情報 名刺広告 広告索引 編集余録 VIPの視点 スチール誕生百年 シャフトの巨人がシェア獲りに邁進 トゥルーテンパースポーツインクジャパン 代表 伊能新吾氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 straw hat &amp; wine 倉本昌弘の船中八策 それでも期待したいのがJGAの「組織力」です 岡島成行のSDGsその本質と世界観 生きものがいなくなる リレー連載 GMAC通信 ゴルフネットワーク 代表取締役社長 木村秀行 小林誠の地球的視野で考える自然環境×ゴルフ産業  生物多様性保全で期待されるゴルフ場の役割 北徹朗のゴルフサステナビリティ  暑さに強い着衣デザイン研究事例 ‒児童用帽子開発のパイロットスタディ‒ 大石順一の本質はなんだ!論 新しく創設された「森林環境税」を知っていますか? リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた センセイはカミサマじゃない 新連載 ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話 現状のデータを受け入れて、明るい未来を仕立てたい。 橋口杏の女子プロの玉子市場 会員との絆深めるレッスンスタジオ開業します 新連載 加藤陽のわたしの野望!ミニツアーマーケットをつくる 私が歩んできたゴルフ人生 温故知新 裏庭で始めたレッスン会…… 猛暑対策アイテム特集 ゴルフ場スタッフを熱中症から守るクールウエア! 「涼しさ」+「消臭」を実現した『空調風神服』を現役キャディが徹底検証 サンエス 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 BRAND NEW GOODS 3つのアーチタイプで全ゴルファーに最適インソールフィッティング!  ZAMSTを神谷幸宏が徹底検証 日本シグマックス 笑顔と感動に包まれる『TURF DESIGNディスプレイコンテスト』に込めた想い 朝日ゴルフ 特別寄稿 円安に苦しむ中国のゴルフショップ 日本で買うクラブとの価格差深刻 竹田慎 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! 自分で情報収取して書き入れる! 2024年度変更されたグリーンリーディング資料の影響 マイカスタム 男性用を使用中の女性競技者に規格外の軽量ドライバーで距離UP T-LABO仙台富谷店 代表 竹井次郎氏 地クラブパーツランキング グリップ特集 いま売れてるグリップを徹底解剖! 太さ、形状、重量で無限大の組み合わせ 進化した『ZENERGY』は感覚も重視 ライト 滑らない、柔らかいノンスリップ凸形状の『ダイヤカットグリップ極』 トライアル さあ、あなたらしい選択とは? ロイヤルコレクション ゴルフ場来場者月次報告 井手口香の徒然日記 芸能人Bさんのキャディーバッグには20本…… ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達 株式会社ウィルトラスト 代表取締役社長 礒﨑 博文 「山本道場」と協同でティーチングプロを養成する 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 帝王ジャック・ニクラスの名前を冠した 茨城県つくば市のゴルフセンター 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 商品としての「打席の売り方」を考える(前編) 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 「ゴルフ×ヘルスツーリズム」で2025年問題を乗り切ろう 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 第82回 自社開発ソフトウェアでメンテナンス万全、カメラセンサーも一新した『SWING NAVI Ace』の実力は? ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 距離を測るだけじゃない! キヤノンのレーザー距離計 ビビゴルフランキング <h2>【こ購読をご希望の方】</h2> 弊誌は書店では販売しておりません、ご購読をご希望の方は<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>よりお申込みください。
    (公開)2024年07月01日
    ゴルフ産業の現状を毎月リポートする「月刊GEW」(ギュー)は、6月1日発売号で円安によるゴルフ業界のメリット・デメリットを特集した。実質賃金が24か月連続マイナスなど円安による物価高が深刻化する中、ゴルフ業界にも「苦しい」との声が広がっている。 その筆頭は輸入ゴルフクラブ。生産拠点の中国では製造コストの高騰に加えて円安が響き、輸入単価が大幅に跳ね上がった。また、ゴルフ場では化学肥料の原材料費等が高騰して、経営の圧迫要因になりつつある。 その一方、円安を経営改革のテコに活かす動きも。栃木県のセブンハンドレッドクラブは「レストランで提供する食材の8割以上を地産地消にシフト。輸入冷凍食品から脱することで円安のデメリットを回避している」という。海外からの訪日ゴルフ旅行の現状を含めて、円安の状況を幅広く取材した。 連載「VIPの視点」では、武蔵野美術大学の北徹朗教授を取り上げた。同氏はゴルフ場の労働環境について調査研究する第一人者。「炎天下のキャディ業務」に関わる調査では歩数や深部体温を測るなどで過酷な実態を浮き彫りにしている。夏のゴルフにおける問題点と解決策をインタビュー形式でまとめた。 満薗文博の人間稼業 懺悔。「初老」と「見た目の初老」 INSIDE STORY 01 「ふたつの調査」で浮き彫りに 40代ゴルファー減少の可能性 02 ISPSの日欧共催大会で 半田会長が語るJGTO改革案 03 アイアン発祥地の兵庫市川町 PRトラックで地クラブを宣伝 04 ゴルフアプリが続々登場 アップルに集約されるワケ 05 『ラムダ』投入でカテゴリーに厚み ゴルフシューズで描く円安戦略 06 販売実績100万足 インソールでゴルフ市場参入 07 売上4兆円のキヤノンが参入 レーザー距離計に新機能搭載 08 ゲームソフトの開発者が パター上達ソフトを商品化 INFORMATION BOX 編集会議 巻頭特集 円安のメリット・デメリット ゴルフ界が向き合う課題 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 熱中症対策の遅れ目立つゴルフ界に対応策を提言する 武蔵野美術大学 教授 医学博士 北徹朗氏 三田村昌鳳の白と黒の風景 マジックアワー magic hour 新連載 倉本昌弘の船中八策 JGTO副会長に就任して考えたこと 岡島成行のSDGsその本質と世界観 持続可能というキーワード リレー連載 GMAC通信 ゴルフダイジェスト社 専務取締役 木村正浩 小林誠の地球的視野で考える自然環境×ゴルフ産業  豊かな生物多様性の確保が人類存続の基盤 北徹朗のゴルフサステナビリティ ゴルフ場マネジメントにおける暑熱対策の具体例(3) 大石順一の本質はなんだ!論 拡大から調和への時代を乗り切る リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた なんで怒られてるんだろ? 新連載 ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話 見立ててはじまる需要活性!「ゴルマジ!」の場合 橋口杏の女子プロの玉子市場 玉子たちの課題は、挨拶・礼儀・ビジネスマナー 温故知新 「星は十倍、我れまず二倍」・・・ GEWセレクト ジェージーイー/コンセプト インドアゴルフレンジ特集  アンプラス/ゴルフランド/UNNEKOR/シーディーアイ/ディテクト 2024年 ARGOLF PUTTING STUDIO 本格的展開の計画を聞く ARGOLF 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 BRAND NEW GOODS 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! プレー後の疲労がなくなりました! 選手の体調をサポートする「バネインソール」 マイカスタム 初級者マッチョに中空アイアンと重量級シャフトで振りづらさを提案 ティームス クラブフィッター 徳嵩力一氏 地クラブパーツランキング 特別対談 ゴルフ・ジニアス・ソフトウェア&紫カントリークラブ GGSのトーナメント・マネジメント・システムだからこそできるNEWゴルファーの囲い込み ゴルフ・ジニアス・ソフトウェア ゴルフ場来場者月次報告 谷光高の「ゴルフ開放」奮戦記 この素晴らしい世界を未経験者にも 学習イベントとしてのゴルフの価値 井手口香の徒然日記  シニアプロAさんの天然で面白い話術 ユーチューブもじわじわ増えて10万人とか 導入店舗を徹底取材! インドアに「DX化」と「高収益化」をもたらす『STORES 予約』の実力とは? STORES ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達  ICカードからの脱却とカードレスシステム導入への挑戦! 多田ハイグリーン 代表取締役社長 野原 和憲 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える ツアープロとその家族が経営する 千葉・美里ゴルフセンターのポリシー 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 長期的経営に不可欠な「安定化率」を考える(後編) 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 「ゴルフ×発声トレーニング」で楽しく健康寿命を延伸 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 第81回 屋外使用可能なコンパクトサイズ『EYE MINI』を徹底検証 イクメンマーケッター・桑木野洋二の14本の次は距離計測器 SILLAID VOYAGE/VOYAGE PRO by EENOUR(イーノウ) ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 日本生まれのスポーツブランド「ザムスト」より、首用氷のう「アイスバッグ 首用」が新たにラインアップ ビビゴルフランキング こ購読をご希望の方はこちら 弊誌は書店では販売しておりません、ご購読をご希望の方は<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>よりお申込みください。
    (公開)2024年06月04日
    <strong>GEW 2024年3月号掲載</strong> <strong>2023年12月、本間ゴルフの社長に小川典利大氏が就任した。ニューヨークの会計士事務所を振り出しに、帰国後は日本コカ・コーラ、アディダスジャパン副社長、2019年4月にデサントジャパン社長へ、と聞けば怜悧なビジネスマンを想像するが、ストレートな物言いで飾りがない。54歳。山形の酒田に工場を構える『ホンマ』の復活ストーリーを、縦横に語り尽くした。</strong> 「GEWのインタビュー記事は1年分、しっかり読み込んできましたので、準備はOKです(笑)。何からいきましょうか?」 <strong>それではまず、経歴から簡単にお願いします。</strong> 「わかりました。わたくしは大学時代に野球一筋でしたけど、体を壊して断念して、最終的には経営者になりたかったのでテキサスの大学院にMBAを取りに行ったんです。そこを出て、ニューヨークの公認会計士事務所で3年働きました。 日本人の強みは『数字』じゃないですか。経営にはファイナンスが必要なので、そこで勝負しようかなと。それが渡米の動機です」 <strong>アメリカはM&amp;Aが日常茶飯事ですが、そういった案件にも関わった?</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/2403VIP_main.jpg" alt="" width="1000" height="902" class="aligncenter size-full wp-image-81572" /> 「Ⅿ&amp;Aの案件自体はありましたが、当時はペーペーですからね、重要な仕事は任せてもらえません(笑)」 <strong>ペーペーがやる仕事って何ですかね。</strong> 「基本は会計監査なので、数字の正しさを照らし合わせる仕事ですね。今みたいにデジタルの時代ではありませんから、膨大な資料を毎日のようにチェックしてました」 <strong>毎日数字を睨んでいると、粉飾とかピンとくるんですか。数字がなんとなくコソコソしているとか、勘が働くとか。</strong> 「いやぁ、当時はペーペーなのでそこまで勘は働きませんが、今は20年近く経営をやってるので、見えますね。人間、どうしても隠すことがありますから」 <strong>怖いですねえ。で、帰国した理由は何ですか。</strong> 「会計事務所って、第三者の仕事を見るわけじゃないですか。そこに物足りなさを感じて帰国して、最初はコカ・コーラに入ります。自分はスポーツマニアなので、ゴルフやサッカー、卓球とかを観戦して、分析するのが趣味なんですね。 コカ・コーラはスポーツイベントのスポンサーとして世界一。それで1998年の長野五輪を担当したくて、入社したという経緯です。基本はファイナンスのサポートで、膨大な商品を配ったり、自販機を設置したり、全社総出で長野に集中しましたので、それらに関わる収支関連の仕事です。 五輪が終わって、次は2002年の日韓W杯サッカーです。これをマーケティングの立場でしっかりやって、終わった瞬間、次はアディダスジャパンへ転職しました」 <strong>アディダスジャパンではどういった立場ですか。</strong> 「広い意味ではマーケティング全般を見る副社長の立場で、商品企画から営業まで全体を見てました。アディダスはもともとデサントと契約してたんですが、日本では1998年に独立します。当時の売上はかなり小さかったけど、W杯でサッカー文化やスポーツの観戦文化が日本に根付いたこともあって、その後急成長するんですね」 <strong>観戦文化って何ですか。</strong> 「そうですねぇ、一番わかりやすいのは装いでしょうか。僕らの言葉だと『トラックトップ』と言いますが、要するにジャージです。海外の人は国のユニフォーム着て応援するのが当たり前だけど、2002年を契機に日本もそうなり始めて、2005年以降は目に見えてビジネスも拡大しました」 <strong>何倍に成長した感じですか。</strong> 「そうですねぇ。入社した2002年を起点にすると3倍ぐらいで、辞めたときは4倍ぐらいの規模でしょうか。ブランド認知と商品企画と商品の拡充を徹底して、全社一丸で走りましたが、もう最高のメンバーに恵まれて本当に楽しかった(笑)。最高の時間を過ごせました」 <h2>10人で全体を動かすのが理想</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/2403VIP_sub3.jpg" alt="" width="1000" height="667" class="aligncenter size-full wp-image-81573" /> <strong>小川さんの話を聞いてると、時代の波に乗るのが上手いですよね。そんな印象を受けますが、ご自分の中で「運」と「実力」について、どうやって切り分けて解釈してるんですか。</strong> 「・・・まず、僕の場合『運』の要素はありますし、絶対に大きいです。だけどポイントは、大きな流れをどう捉えて、実行できるかだと思うんですよ」 <strong>「運」を呼び込むには、時代の潮目を見極める眼力が大事だと。</strong> 「だと思います。例えば当時のアディダスは、どこ行っても『サッカーブランドでしょ』と言われましたが、ランニングやトレーニングウエアにも注力して、大型店との取り組みを深めました。 同時に、現場の社員の声をしっかり聞いて、経営に取り込むこともやりました。おっしゃるように『運』は絶対あると思うんですよ。その運を右側に置いて、」 <strong>右側ってなんですか。</strong> 「右脳と左脳の『右』ですかね(笑)」 <strong>運をつかむのが右脳なら、現場の声に耳を傾けて戦略を練るのが左脳かな。仮に社員の声が10あったとして、採用するのは何割ぐらいですか。</strong> 「う~ん。感覚的には1、2割でしょうか」 <strong>すると、8割9割の声は捨てる?</strong> 「捨てるというか、10ある声の中には同じような意見も多いじゃないですか。僕のビジネスの進め方は選挙と同じで、51%取ればいいって話なんですよ。仮に会社に100人いて、100%取れれば最高ですが、それは現実的じゃないですよね。社内の大半はフォロワーだと思うので、10人で51%取れれば十分だと。 もっとシンプルな言い方をすると、私の考えを理解・共感してくれる10人が全体を動かせばいいということなんです。本当は全員をグッと巻き込む方がいいのかもしれませんが、僕はそうではありません」 <h2>デサントのブランド認知度は37%だった</h2> <strong>で、アディダスを辞めたのはいつですか。</strong> 「2015年のことですが、あとひとつだけ言わせてください。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、僕はアディダスドイツのために働いたんじゃなく、『アディダス日本』のために働いてきたんですね。なぜなら日本は技術大国だし、海外に影響を与えられるし、日本が大好きだから、日本からどんどん発信したいんです。 アディダスは当時、アメリカと日本とドイツで商品企画をやってましたが、我々とすればドイツの市場でも日本企画のアディダス商品を売ってほしいし、韓国や中国でも売りましたが、結局はドイツの会社なので押し切られるケースがあるわけですよ。日本は人口減の問題があるので、『天井』が見える部分もありますし」 <strong>「天井」というのは、日本のスポーツビジネスの限界点ですね。それはどのあたりですか。</strong> 「一般論として申し上げると、日本のスポーツ企業の場合は1000億って数字がひとつの天井だと言われます。で、2008年以降になると中国が北京五輪や上海万博でグッと持ち上がってきます。ゼロから一気に3000億って話になると、これからは『中国の時代だよね』って話になってくるんです」 <strong>すると面白くないですよね。</strong> 「はい」 <strong>そういったことを含めて、次はデサントに転じるわけですが、今日の取材はホンマがメインだからデサントは駆け足で行きましょう。どんな会社だったですか。</strong> 「デサントはアシックス、ミズノと並んで国内三強と言われたスポーツブランドですが、二強との差が大きかった。物作りは素晴らしいし、ブランドの魅力もありますので、古い体質を変革して挑戦できる会社にしたいんだと。事前にはそんな要望を受けたわけです。 当時は800人ぐらい社員がいて、1割ほどが課長以上。動きが鈍い組織だったので、最初の1か月は現場の話をよく聞いて、それから2年間はやる気のある若手を登用したり、とにかく社内の風通しを良くすることに努めました。 もうひとつの問題は、ブランド認知度が低かったことです。ナイキとアディダスは95%以上の認知度で、ほぼ全員が知ってるわけですが、当時のデサントは37%で4割に満たない。サンジューナナって数字だけは、今でもよ~く覚えています(笑)」 <strong>ブランド認知度の低さは、店頭需要の弱さとほぼイコールですね。</strong> 「そうなんです。特に大型量販店にはナイキとアディダスがあって、プーマ、コンバース、リーボック。その下にアザーブランドが山ほどあるわけです。この山を少しでも切り崩すには、アザーが仮に20ブランドあったとして、そのうち2、3ブランドの扱いを変えるタイミングを見計らって必死に斬り込むしかないんですよ。とにかく営業最前線で4年間、現場を徹底的に歩きました」 <strong>トピックとしては伊藤忠のTOBもありましたね。メディアでもかなり騒がれたけど。</strong> 「そうですね。デサントは企業体質が古かったけど、ブランドも商品も良くて、日本に4つ工場がある。筆頭株主の伊藤忠とすれば、潜在能力を生かす目的でTOBに踏み切ったわけですが、それもあって旧経営陣が一掃されて、若い社員が力を伸ばせたという流れがあります。最高益も出したので、そろそろいいかなって思いました」 <h2>決め手は最初の一言「あなたに任せたい」</h2> <strong>そろそろ本題に入りましょう。ホンマの社長になったのは2003年12月。そもそもなぜ、ホンマだったのか?</strong> 「個人的な思い出としては、親父が最初に買ったクラブがホンマだったんですよ(笑)。僕もゴルフをずっとやってきた中で、ホンマはいいブランドだなあと思っていましたしね。あとゴルフ業界という意味では、デサント時代に住友ゴムとライセンス契約をしていたので、当時からゴルフ市場には興味がありました。 で、そのゴルフクラブ市場では国内勢が外資3強にやられてる。ホンマは日本の名を残す希少なゴルフメーカーだし、酒田には立派な工場があるじゃないですか。そこで『日本のブランドをどうにかしたい』と強く思ったこと。それが一番大きいですね」 <strong>でも、他社からのオファーもあったでしょう?</strong> 「ありました。これはオフレコじゃなくて言いますが、いろんな人に『ホンマはやめたほうがいいよ』って、特にゴルフ関係者からめちゃめちゃ言われたんですよ(苦笑)。一番の理由は、クラブ市場は外資3強の圧勝だし、勝負するのは大変だと。だけどそう言われると『なにクソ』って思うのが僕の性分で、」 <strong>反骨精神に火がついた?</strong> 「そうなんです(笑)」 <strong>とはいえホンマのオーナーは中国人の劉建国さん。純血の日本メーカーとは言い難いけど、そのあたりは関係ないですか。</strong> 「全然関係ありませんね。オーナーがどこの国の人って話じゃなくて、純粋に『日本ブランドの復活』をやりたいので。劉さんとの面談は1回目がオンラインでしたけど、2回目は中国で直接会って決めました。歳は僕より一つ上の55歳で、とにかく相性が良かったんですよ」 <strong>相性って大事なんでしょうね。劉さんは白物家電で起業した経歴の持ち主だから、ファンドで金を回して大きくなった人とは違う。叩き上げの事業家です。</strong> 「それで気が合うというのは、ベンチャー精神やチャレンジ精神が、この人スゲーあるんだなって。開口一番『あなたにすべて任せたい』と言われたことも嬉しくて。それで、中国で2日間一緒にいて、」 <strong>ゴルフをやった?</strong> 「ゴルフはしませんでしたが、彼の自宅でみっちり話し合いました」 <strong>会話は英語ですか?</strong> 「いえ。私は英語で、英語と中国語を話せるCFOが通訳してくれたんですよ」 <strong>ファイナンスの責任者が通訳することで、結果的に「三者会談」になった。面談の中身はどんな感じですか。</strong> 「それで『新しいホンマをつくってほしい』と言われたわけですが、よ~く理解できたのは、彼は日本の文化が大好きで、しかも造詣が深いんですよ。自宅には日本の陶器が沢山あって、京都も奈良も酒田も好きで、日本文化に囲まれた生活なんですね」 <strong>白物家電で立身したことも関係あるんですかね。松下幸之助はアジアの経営者に人気があったし。</strong> 「なので日本の物作りへの共感がとても大きいし、歴史や文化、日本の古い陶器と同じように本間ゴルフを愛してる。そういった情熱を含めまして、僕自身とても共感できました」 <h2>「匠」の技術継承をどのように?</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/2403VIP_sub2.jpg" alt="" width="1000" height="667" class="aligncenter size-full wp-image-81574" /> <strong>ホンマのグローバルの業績は大体300億規模ですが、日本は大台で一本(100億円)に届く感じですか?</strong> 「詳しいことは言えませんが、否定はしません。日本もグローバルも、コロナが落ち着いてからは微増ですが、直近3か月は中国と韓国を含む全体でマーケットは鈍化傾向になっています」 <strong>鈍化傾向にも関わらず、東京のオフィスは六本木ヒルズに入ってます。ここの家賃、高いですよね。</strong> 「そうですね」 <strong>六本木ヒルズに本社を置くのは劉さんの肝いりで、ハイブランドはそれなりの場所に居るべきだという考えからです。だけど一方では利益も求められる。単に家賃の話じゃなくて、中国流の考えと利益追求の狭間に立って、衝突する場面も出てくるでしょう。</strong> 「ただ、僕は劉さんの考えに賛成ですね。中国流の考えというよりも、ホンマはハイブランドなので良い人材を投入したい。じゃないと廃れるじゃないですか。良い人材を確保するには良いロケーションのオフィスが必要だ、という考えには大賛成です」 <strong>コスト面で考えると一番重いのは工場でしょう。酒田から世界に向けて商品を出しているけど、工場のコストは日本につくから利益の圧迫要因になる。工場の従業員数は?</strong> 「生産と物流センターを合わせて270名(3月現在)です。年間の生産キャパは120万本ですが、今はそこまで行ってないので、人数の適正を考えると少し多い気はします。 ただ、国内生産はホンマの生命線だから技術継承はとても大事だし、年齢も上がってきてるので人探しは常にやってます。工芸品づくりを学ぶ専門学校にも当たってるんですよ」 <strong>有望な若者もいるでしょうね。高専の技能甲子園を観たことがあるんですが、鉄の丸棒に白ペンキ縫って、その上に赤ペンキを塗る。研磨で赤ペンキだけをきれいに削る学生が沢山いて、これはもう神業ですよ。</strong> 「そう、彼らの技術って本当に凄いですよね。ですから学校に働き掛ける一方で、ホンマは匠のブランドだから、今の人材をもっと生かす方法も考えています。同時に新しい機械も導入する予定ですが、工場長がその面で非常に長けているので、彼を中心に効率化も図っていきます。 ただ、何度も言いますが、匠の技術は大事だし、この部分を変えることは考えていません。ホンマの復活ストーリーの中で『数字』を一気に倍にするとかのイメージもありませんから、ヒトと設備のバランスは丁寧にやっていく方針です」 <strong>「数字」って売上のこと?</strong> 「そうです。今より上げなきゃいけませんが、数年かけて3割なのか、4割なのか・・・というレベルのイメージですね」 <strong>小川さんの責任範囲は日本だけ?</strong> 「韓国等の売上もかなりの割合を占めますので、ある程度の数字責任はこっちに来ますが、私が劉さんに話したのは『日本は今こういう状況だから、日本以外のことには極力携わりたくない』と。商品は日本から世界に出るので、両方に関わる部分はありますが、基本は国内だけだと考えてください」 <h2>自信ある『TW』が最優先課題になる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/2403VIP_sub1.jpg" alt="" width="1000" height="1500" class="aligncenter size-full wp-image-81575" /> <strong>次に肝心の商品計画ですが、これはどんな感じですか。</strong> 「4月から始まる新年度からは積極的にやるつもりです。本当は外ブラが新商品を出す前に新しい『ツアーワールド』(TW)を出したかったわけですが、納得いくものが間に合わなかったんです。これは私が入る前の話ですが、酒田工場や企画メンバーの全員が『勝負できる!』って物ができなくて、特に『TW757』は社内的にもあまり評価が高くなかったんです」 <strong>どの部分が?</strong> 「やはり、今のマーケットニーズは寛容性が大事じゃないですか。この春は『10K』の寛容性が注目されてますが、その寛容性のレベルの問題がひとつ。あとは、競技層のトップに集中しすぎた開発だったので、外資3社が強いアベレージ市場に対応できなかった。そこの戦略的な失敗は、数字にも明らかに出ています。 そういった認識を全員が共有して、匠からも『そこに当てすぎたよね』って言葉が聞かれますので、次回作はやり直そうと考えているところです。 『TW』はホンマの神髄の部分ですが、我々は直営を29店舗持っていて、お客さんの声や取引先の声も沢山聞いている。そこも判断材料になっています」 <strong>ブランドは『TW』と『ベレス』に加えて、アベレージ向けの『ビジール』もある。超高級品の『ベレス』は、特にアジアの富裕層に人気ですが、『ビジール』の扱いはどうするんですか。</strong> 「日本は『TW』と『ベレス』の二本柱に集中して、『ビジール』は韓国向けのブランドにします。柱はやっぱり『TW』なので、金額ベースだと6対4、普通にやったら7割ぐらいの感じになるでしょうか」 <strong>2ブランド戦略だと、住友ゴムが隔年発売している『ゼクシオ』と『スリクソン』のパターンになりますか?</strong> 「今のところ、僕の理想はそれなんですよ。外資系大手とガチンコしようとは思ってないので」 <strong>すると24年度は『TW』で25年度が『ベレス』になる。</strong> 「そこは、もしかすると24、25は両方とも『TW』にするかもしれません。満足いくものが完璧にはできなかった反省に立って、今年改良して完璧にしたい。そのモデルで一応完成形とするのか、それとも翌年さらに『完成の完成版』を出すのかを、頭の中でもの凄く思案している最中です」 <strong>『TW』のターゲットはどこですか。</strong> 「そこは『ゼクシオ』さんですね」 <strong>ちょっと意外ですねぇ。『TW』はむしろ『スリクソン』のイメージだから、かなり印象が変わってくる。</strong> 「あのぉ、固定ゴルファーが多いアベレージ層の市場って、どのメーカーにとっても非常に大事じゃないですか。ところが先ほどから話しているように、我々はそこの信頼を失ったと考えているんですね。 ここをなんとしても取り返したい。となれば必然的に『ゼクシオ』の層になりますし、『ゼクシオ』は女子プロも使ってるので決して違和感はないと思うんですよ。ただ、この部分は微妙な話なので、過激な書き方はくれぐれも・・・」 <strong>ホンマ新社長『ゼクシオ』に宣戦布告とか?</strong> 「とんでもないですッ。あれだけのブランドなので、私自身すごく敬意を払っておりますし、言い方としては『目指す世界がゼクシオです』と。実際、目標としているブランドから学ぶことは多いので、その点はよろしくお願いします(苦笑)」 <strong>その『ゼクシオ』もデビューから四半世紀経って、いろんな試行錯誤をしています。デビュー当時はトヨタの憧れのブランド戦略である「いつかはクラウン」を意識した。それで大手企業の部長以上に訴求しましたが、その団塊の世代がゴルフリタイアの時期にきて新しい居場所を探してる。</strong> 「わかります。だけど市場は外資3強の飽和状態が続いてるし、住友ゴムさんや我々が頑張れば、ゴルファーの意識が徐々に変わって『やっぱ日本のクラブっていいよね』って空気がつくれると思うんですよ」 <h2>最終目標はオールカスタム</h2> 「それと、僕はこの仕事で『メイク・フォー・ユー』『ジャスト・フォー・ユー』をやりたくて、『TW』も『ベレス』も最終的にはオールカスタムにしたいんです。そこに我々が酒田工場を持っている、直営29店舗を持っている最大の意味がある。直営店でフィッティングして、そのデータを酒田に送って、酒田から何日後かにクラブが届けば、お客さんはすごく嬉しいじゃないですか」 <strong>ゴルファーにとっては「特別感」があるし、御社にしても国内工場を維持してきた甲斐がある。</strong> 「おっしゃるとおりです。ですから我々の最終ターゲットは、外資3強のクラブは持っているけど、結局みんなと同じだから特別感がない。ならば酒田でカスタムを作ってもらおうと。職業的なイメージは、セレクトショップのオーナーやクリエーターとか。彼らは『昔のホンマはカッコいいけど、今はダサいよね』って思ってると思うんですね」 <strong>今はダサいんですか?</strong> 「と思われてるんじゃないですか。この層の意識を変えられれば、可能性が開けてくる。彼らはもの凄く真剣にゴルフをやっていて、周囲への影響力もある。実のところ、少しずつカスタムをやり始めているんですよ。クルマも同じで、欧州のこだわり系が好きな人って意外と多いですから」 <strong>小川さんが好きなクルマは?</strong> 「ぼくは、クーパー系なんですけど」 <strong>フィアット系に見えるけど。</strong> 「そうですか(苦笑)」 <strong>カスタムと言えばタイトリストが本腰を入れてます。クラブは大手3社に水を空けられたから、そこに活路を求めている。</strong> 「そう、めちゃめちゃ力入れてますよね。特にアイアンのカスタムは非常に素晴らしいやり方だと思うんです。量を追わず、一本一本大事にしている。『こだわり方の表現』が、本当に上手いと思いますね」 <strong>今の話を聞くと、ウツドは『ゼクシオ』でアイアンは『タイトリスト』を目指す感じがありますが、どうでしょう?</strong> 「実は、それを目指しているんです。タイトリストのクラブは一度沈んだけど、カスタムの表現で復活した。我々もそこを目指したいし、目指すにはブランドの再強化が最大の課題になってくる。 ポイントはふたつ。まずは直営店のスクラップ&amp;ビルドを明確にすることです。日本橋には45坪の直営があるし、新たに博多にも出しましたが、今後は都市部を中心に力を入れる方針なんですよ。 同時に卸先を見直して、選択と集中を進める中で、百貨店さんや量販店さんの協力を得てブランドショップやコーナー展開もやっていきたい。そこでホンマの世界観を訴求していきますが、もうひとつの課題は販売価格の安定化・・・。これがなかなか難しくて」 <h2>勝負は2025年末 匠の強さを磨き込む</h2> <strong>その価格政策は、具体的にどんなイメージですか。</strong> 「『757』が7万~8万円のゾーンなので、『TW』のドライバーは10万円の価格帯には行きたいと考えています。『ベレス』のゾーンは突き抜けてるので、価格の話はあんまり意味がないんですが」 <strong>課題は専門店対策ですね。『TW』で勝負するとなると、ショップの「鳥かご」(試打室)に持ち込む2、3本に選ばれる必要がある。各社ともユーチューバーの起用で商品訴求を行ってますが、購買の最終決断は鳥かごの中。ここに入れないと比較購買の土俵に上がれない。</strong> 「そこのハードルは本当に高いですし、正直しっかり考えきれてない部分なんですが、試打室に入らないと勝負できない・・・。逆に聞きたいんですが、どうでしょう?」 <strong>ポイントは店員に対する刷り込みでしょうね。各店にはエースフィッターがいるし、彼らにはファンも付いている。『ゼクシオ』や『Qi10』を指名する顧客に対して、比較購買のもう一本に『TW』が入るかどうかは、店員のジャッジによるところが非常に大きい。SNSの訴求は、その前段階の「撒餌」ですから。</strong> 「やっぱりそこですか。実はアディダス時代、サッカーからランニング市場へ食い込むことが勝負所だったんですよ。そこで販売スタッフへの刷り込みをやって成果をあげたんですが、ゴルフもやっぱりそうですか・・・。ちょっと真剣に考えてみます」 <strong>いずれにせよ、日本ブランドの復活を担う仕事は楽しみですね。</strong> 「あのぉ、コロナによってゴルフ市場が活性化したことは、改めてゴルフのポテンシャルの高さを証明したと思うんですよ。そういったゴルフの潜在能力を踏まえた上で、私は2025年末までが業界にとって勝負だと考えています。 我々はこの間、強みを徹底的に磨くこと。我々の強みは匠なので、去年ホンマに入った翌日にすぐ、酒田工場へ行ったんですよ。匠の皆さんと話したくて」 <strong>車座で酒を酌み交わした?</strong> 「はい、山形ですから『十四代』を(笑)。めっちゃ美味かったですよ。話も本当に楽しくて。それで今後、私から彼らに無謀な要求をすると思うんですね。そしたら『現場知らないくせに何言ってんだ』って反発されるんでしょうが、同時に『よしッ、やってやろーじゃねえかッ』て燃えてくれると思うんですよ。 それが匠の心意気だし、そこから本物のゴルフクラブが生まれてくる。僕と匠の真剣勝負だと思ってますので、ガチンコでやるつもりです!」
    (公開)2024年06月03日
    <strong>会長就任おめでとうございます。まずは新会長の簡単な経歴から教えてください。</strong> 「どこからいきましょうか?」 <strong>ゴルフを始めたあたりから。</strong> 「わかりました。ゴルフは20歳ぐらいに始めまして、もともと運動が得意だったのと、高校出て大学に行かず、家業の手伝いをしてたんですよ。それで周囲の大人に誘われたのがそもそもです。若かったし、周囲に比べて凄く飛んだから『プロになれば』って言われまして」 <strong>その気になった?</strong> 「そうなんです(笑)。それで『どうすればプロになれるんですか?』って聞きましたら、ゴルフ場に入ってキャディやりながら研修生になるんだと。それで岐阜の日吉ハイランド倶楽部の寮に入って、住み込みで研修生になったという経緯です」 <strong>で、どうでした?</strong> 「私は高知の出身なので、中四国ブロックの研修会で予選会に出てましたが、その上位者がプロテストに進むんです。プロテストは年2回、春と秋にありましたが、これがなかなか受からなくて。家業を継ぐ話もあったので、親から『いつまでやるんだ』と言われましてね。十何年かけて1992年の春にようやく合格(12位タイ)しました。 『これで最後にしよう』と思って臨んだのがよかったのかな。開き直れたというか。それとラッキーだったのは、テスト会場の伊豆下田CCのグリーンが高麗芝だったんですよ。それ以前のテスト会場はベントばかりで、予選会は高麗だから全然合わない。あのときのテストは高麗だから、感じがつかめたのが大きかったですね。 他の選手は1週間前から練習ラウンドに入ってましたが、私はレンタカー借りて温泉巡り。それも結果的によかったのかな(笑)」 <strong>苦労してようやくプロになった。で、そこからはどんなキャリアですか。</strong> 「特にツアーでの実績はないんですよ、そもそも家業を継ぐことになっていたので。家業というのは飲食業と、あとは母親が化粧品販売の会社をやってましてね。いわゆる化粧品メーカーの販売代理店で、私も本社で化粧品の研修受けたり、名刺持って動いてたので、ツアーの道を目指したい気持ちはあったけど、家業のことを全部振り出しに戻すわけにもいかなくて。 その後ティーチングの資格も取りますが、やっぱりプロですからシニアツアーへの想いも強くなる。それで何試合か出ましたが、ヘルニアで断念します。今は64歳で、仕事の中心はティーチング。5年ほど前にインドアを1店舗立ち上げました」 <h2>会長選で60票獲得した</h2> <strong>話を聞いて思うのは、明神さんは「等身大」のPGA会員という印象ですね。過去の会長はツアーでの実績が重視される傾向があったけど、明神さんの場合は一般会員と近い来歴だから現場の気持ちや事情に通じている。で、PGAの組織運営には以前から関わっていたんですか。</strong> 「そうですね。もともと地区(中四国)の代議員や委員をやってまして、資格認証やティーチングの仕事が長かったんです。そういった経緯もあったので、吉村前会長のときは資格認証担当の副会長を務めていました」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_9116.jpg" alt="" width="1000" height="1314" class="aligncenter size-full wp-image-81252" /> <strong>倉本昌弘さんが4期8年会長を務めて、そのあとが吉村金八さんだった。ただ、吉村前会長は任期中に定年の70歳を迎えるので、1期2年での退任は当初から織り込み済み。そこで今年3月の会長選で槙岡充浩さんとの一騎打ちになったわけですが、選挙の流れは?</strong> 「会長選は次期代議員が投票しますが、代議員は全部で102名。そのうち総会に出席したのは88名で、一人棄権したので87名が投票した。その結果、私が60票を得たという流れです」 <strong>二人の争点は何ですか。</strong> 「そうですねぇ。私は槙岡さんが出るとは思っていませんでしたが、印象を言えば、槙岡さんはPGAが社会に向けてどうすべきかという大きな話だったのかな。私は2年間副会長を務めた経験から、具体的な課題を含めて現実的な主張をしたんですね。そのあたりが、」 <strong>わかりやすかった?</strong> 「かもしれません。本当のところは、選んだ人に聞かないとわかりませんが(笑)」 <h2>5900人全員が営業マン</h2> <strong>そもそも、なぜ立候補したんですか。</strong> 「なぜかと言いますと、2年前の会長選で我々は吉村さんを応援したんですね。その吉村体制の副会長を私と芹澤信雄さんが務めて、1期2年は決まっていたので、次に推すのは芹澤さんだなと、そのつもりでいたんですよ。ところが芹澤さんは仕事も忙しいから『次期会長は難しい』となりましてね。これまでの経緯を考えると、私が立たないわけにはいかないと。 我々は、吉村さんの考えに共鳴していたし、2年じゃ難しいこともわかってました。できなかったことは沢山あるし、副会長だったから細かい事情もわかっている。今は、引き継ぐのは自分しかいないという思いでいます」 <strong>で、肝心な話。明神さんが継承する吉村イズムって何ですかね?</strong> 「それは、約5900人(3月末現在5888人)のPGA会員全員が、営業マンになって走るということです。我々は公益社団法人なので、公益事業と収益事業のバランスが大事なんですが、改革することは沢山ありますね」 <strong>なるほど。改革の第一は何ですか。</strong> 「うん。『改革』って言葉自体はカッコいいけど、よくわからないところがあるじゃないですか。会員に周知するには丁寧な議論が必要ですが、その上で大きな課題は2018年以降『日本プロ』の冠スポンサーがいないことがあげられます。 日清食品さんを最後に冠がなくなって、今年も現時点で未定だから、ダメなら7年連続『冠なし』の状況になる。この問題はかなりデカイです」 <strong>無冠だと冠スポンサー料が入らない。金額的なダメージはどれぐらいですか?</strong> 「そうですねぇ。年にもよりますが2・5億~3億円だと思ってください」 <strong>それは大きい。</strong> 「大きいです。以前は電通さんが1社独占でスポンサー営業を頑張ってくれましたが、コロナもあったし、なかなか決まらないので、一昨年かな、オープンセールスに切り替えたんですよ。切り替えたけど、周知できてない面もあって、なかなか厳しいのが現状ですね」 <strong>オープンセールスに切り替えて、会員全員が営業に走る。会長自身の営業方法はどんな感じ?</strong> 「それが、私の場合はツアー経験もないので、大きな会社とのつながりがないんですね。以前の会長のようにはいかないので、5900人の会員みんなが営業できる体制を作りたいなと。 具体的な方策は固まっていませんが、イメージで言うと、もともと我々のツアーは会員のツテなり紹介でスポンサーを連れてきたケースが多いんですね。その意味でも先ほどの話、会員の力をもっと借りなければ」 <h2>コンサル会社との契約も視野</h2> <strong>スポンサーを連れてきた会員には成功報酬を出すんですか。インセンティブがつくとやる気が出るでしょう。</strong> 「そこは難しくて、PGAは公益社団だから、関係者に特別な利益を与えちゃいけないという原則論があるんですね。だけど我々は個人事業主の集まりだから、モチベーションは当然大事になる。特別な利益を与えることなく、モチベーションが上がる方法を模索してるんですが、」 <strong>今のところノーアイデア?</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_9099.jpg" alt="" width="1000" height="1086" class="aligncenter size-full wp-image-81254" /> 「んー、ないこともないけど、話せる段階じゃないんですよ。ただ、そういった話にも関連しますが、外部の知恵を集めるプロジェクトチームの立ち上げも改革案の中に入っています。我々プロゴルファーは業界の中の人間じゃないですか。我々の知恵が及ばないところもありますので、少し費用を掛けて外部コンサルに依頼しようかなと。 他のスポーツ団体を見ると、皆さん外部の知恵を積極的に入れている。我々の考えと世の中の考えが合致してない部分もありますし、合致させるには世間の知恵を借りて勉強しなければ」 <strong>業界の内側だけの話じゃなくて?</strong> 「そう、もっと大きな話をしていく必要があるでしょうね」 <strong>コンサル会社は決定済みですか。</strong> 「一応候補は数社あるんですが、名前はまだ出せません」 <strong>そのほかの改革ポイントですが、PGAはティーチング団体の色合いが濃いので、ここにも改革の余地があるんじゃないですか。</strong> 「おっしゃるとおりで、今やってる講習会はアナログな部分が残ってるんですね。ティーチングの会員はB級とA級がある中で、座学はeラーニングに変わってますが、改革の余地はあるでしょう。会員はそれぞれスクールを持っているので、学びの時間を取ることが難しいんですよ。 そこでPCなりタブレットにコンテンツを入れて、いつでもどこでも好きな時間に勉強できて、論文提出等でクリアできればいいかなと。あんまり先走ったことを言うと問題ですが(笑)、指導技術をもっと掘り下げる必要もありますよね。自分もインドアを経営して思うんですが、現場の技術ってもの凄く進化してるじゃないですか」 <strong>特にアプリ系の進化が凄いですね。スマホのカメラでスイング中の骨格の動きもわかるし、そのうちVRも来るでしょう。加速度的に技術が進む中で、申し訳ないけどPGAは遅れている。</strong> 「あのぉ、そのあたりは全部を肯定も否定もしませんが、我々はね、レッスン市場はPGAが主流だと思っているので、周辺環境をしっかり調べて、研究して、新しい部分のメリット・デメリットを見極める必要はたしかにある。 ただし基本は大事なんですよ。基礎は基礎として大事にしながら、プラスαの部分を専門的に考えていきたいということです」 <h2>進化するITへの対応策は?</h2> <strong>その話は、新しい科目を増やすってことですか。</strong> 「その方向性も否定はしません」 <strong>資格の更新制度はあるんですか。</strong> 「あります」 <strong>その更新の中に、最新のアプリやデバイスの使い方も入ってる? 最新技術を学ばないと更新できないとか。</strong> 「いえ、入ってないです」 <strong>じゃあ何を更新するんですか。</strong> 「今のところクルマで言う免許の更新みたいなもので、たとえば『日本プロ』やゴルフフェアもそうですが、いろんな関連イベントにボランティアで参加したり、地区のプロ会の手伝いやレッスン会に参加するとか、いろんなカテゴリーがあるんですよ」 <strong>そういうのに参加したらOKですよ、というのが更新制度?</strong> 「そうですね。ですからほぼほぼ更新できますし、普通にやってればまず問題ありません」 <strong>そうですか。会費はいくらでしたっけ?</strong> 「年間4万5000円です」 <strong>税別で?</strong> 「いや、我々の会費は非課税なんです」 <strong>いずれにせよ、PGAは会費が高いって話をよく聞きます。高い安いは個々の価値観ですが、高いという声があるのは、会員資格の費用対効果が低いと思われてる。そこをどうやって解決しますか。</strong> 「費用対効果の部分で今、具体的にお話しできることはちょっと難しいんですが、先ほど説明した部分を取り入れながら『会員参加型』のモノをつくりたいという思いはあります」 <h2>乱立するインストラクター団体</h2> <strong>コロナ特需でインドアが増えて、インストラクター不足が起きました。という中で、PGA資格を持たない人間が教えるケースが増えている。</strong> 「ええ」 <strong>代表的なのがステップゴルフで、首都圏中心に100店舗を超えましたが、ご存知ですか?</strong> 「いえ、知りませんでした」 <strong>ステップゴルフは店長一人で運営するワンオペで店舗網を広げてますが、自社で指導者を育成する中で、スコア100を切れない指導者もいる。ほかにもUSGTFとかNGF、あるいは無資格者を含めてアウト・オブ・PGAの流れが顕著になってますが、どうですか?</strong> 「もちろんそれは、我々の中でも出ている話ですし、なかなか難しい問題だと思ってます。プロかどうかわからない人がいっぱいレッスンしている現実は、世の中がそれを求めてるわけじゃないですか。なので全面的に否定はできないけど、我々にはPGAとしてのプライドがある。 会員はみんな難しいカテゴリーの中で資格を取っていますから、当然、ほかの資格とは違うと言いたいですし、信頼感だってあるはずですよ」 <strong>わかります。B級は筆記試験の正解率8割以上、実技は36ホール158打以内等で、195時間の講習がある。A級はB級保持が前提で、4学期110時間の講習が必須など、他団体に比べてハイレベルですから。</strong> <strong>その上で「レッスン資格発行団体」の過当競争が起きている。王道はPGAだけど、別にPGAの資格じゃなくてもいいじゃないか、という流れは深刻な問題になりますよね。</strong> 「あのぉ、ゴルフとほかのモノを一緒にはできませんが、例えば有名学習塾の中には家庭の奥さんが教えるケースもありますよね。これをゴルフに置き換えると、100切れない人に安く習って満足するのは最初だけで、上達を真剣に望む人はその上のレッスンを必ず求める。いずれきちんと習いたくなりますよ」 <strong>会長としては、アウト・オブ・PGAの流れはOKなんですね。</strong> 「ですからお客さんがそこに集まってる事実があるわけで、我々がそこまで全部入って行って『あなた(教えちゃ)ダメですよ』とは言えませんよね。繰り返しになりますが、上のレッスンを求める方に対しては、誰にも負けないスキルを身につけて、どこよりも深い知見と内容で勝負する。 そのためには現状に甘んじない研究も必要だし、今はトラックマン等の講習も行ってますが、今後は計測器を使ったレッスンをもっと深掘りしなければと思ってます」 <h2>社会活動としてのジュニア育成</h2> <strong>公益社団という性格上、社会貢献活動も大事ですが、特に世の中はSDGsが注目されています。このあたりの取り組みはどうですか。</strong> 「そうですね。全国15地区で会員がやってる事業が、数十から100ぐらいあるんですよ。例えば『SDGs地区事業』では、ジュニア育成事業や春休み親子レッスンにも注力しています。 SDGsって言葉自体、項目が沢山あって一言では答えにくいんですが、うちの練習場でも電気代を節約するとか、創意工夫で資源の無駄をなくすとか、いろんな活動をしてるんですね。当然、PGAにとっても大事なキーワードになってきます」 <strong>PGAの「ジュニアリーグ」なんかまさにSDGsでしょうね。17番の「みんなで協力」や4番の「教育」にも掛かってくるし。</strong> 「なるほど、そうですねぇ。ジュニアリーグは以前からありましたが、コロナで止まって、去年あたりから再度動かしているんです。いわゆるエリートジュニアじゃなくて、普通の子が、チーム戦のスクランブルゴルフで助け合う。そこが特徴になっています」 <strong>子供の集め方はどうやって?</strong> 「各地区の会員が主体的にやってるので、統一した方法はないんですよ。レッスンしてる方のお子さんやジュニアレッスンの生徒とか、いろんな形があると思います」 <strong>明神さんもチームを持っている?</strong> 「持ってます。僕の地元は高知だから、チーム名は『高知カツオ』で、いろんなチーム名があるんですよ(笑)。うちのメンバーは7人かな。基本は9~13歳の6人が2人1組のチームになって、その3組で相手チームと競います」 <strong>12人になったら「カツオ2」?</strong> 「そんな感じで、増えたら別にもう1チームつくればいい。一番大事なことは、チームの全員が試合に出られることですから」 <strong>試合以外の普段の活動はどういった感じですか。</strong> 「それもバラバラなんですが『高知カツオ』の話をすれば、普段は一緒に練習しなくて、大会になると集まるんですね。中四国の場合、去年は4チームで総当たりのリーグ戦が3試合。5チームの地区は4試合になりますが、このジュニアリーグが全国に12地区あって、総チーム数は60弱。個人的にはこの活動に力を入れたいんです。 ゴルフって個人競技だから、子供が協調性を学ぶにはよくないと思ってたんですよ、以前は。だけどスクランブルのチーム戦は違いますし、一人のミスをもう一人がカバーしながら励まし合えるでしょ? 僕は父親の立場もあるし、自分の子供や周りの子供を見てきた中で、ゴルフにはいいところが沢山ある。今の世の中、コミュニケーションが苦手な子は沢山いて、人と関わるのが不得意なんです。でも実際に接するとみんないい子なんですよ。野球じゃないけど番号つけて、同じユニフォーム着て、助け合いながら楽しくやっている。その光景を見るのが嬉しくて(笑)」 <h2>部活の「地域移行」との相性</h2> <strong>この活動は会員の手弁当ですか。</strong> 「そこが問題で、手弁当じゃ大変なんですよ。なのでジュニアリーグ自体に冠スポンサーを見つける動きをしてますし、個々のチーム単位でも募っています。 うちの例だと去年は50万円くらい、知人や地元の企業に年間5万~10万円ほど出してもらいました。企業名の入ったワッペンを5万円でウエアにつけたり、要するにコマーシャル代ですね。地元の子供を応援してくれる理解者がいますので、できればリーグ全体にも冠をつけたい」 <strong>ジュニアリーグはクラファンを立ち上げて、目標300万円を目指しています。1口5000~50万円ですね。</strong> 「そうやって原資を募って、現状の12地区・60チーム弱をどんどん増やしたいですよね。4チーム集まれば1デビジョンのグループができますから、47都道府県で各1デビジョンが目標です」 <strong>何年後ですか。</strong> 「んー、どうでしょう。イメージ的には4~5年で達成したいんですが、それにはゴルフ全体の人気が上がることも大事だし、大きな冠がつくと一気に広がる可能性もあるし、流動的な部分も大きいですね」 <strong>ところで、部活の「地域移行」が注目されてます。少子化と教員の過重労働から中学の部活が維持できなくなっている。そこで市内の複数の中学の生徒を集めて、市内の運動施設が中心になって運動部をつくる動きを国が進めてます。</strong> 「はい」 <strong>兵庫県の三木市が積極的ですね。市内に25コースあって、ゴルフ場利用税も6億円ある。その贖罪の意味かどうか、三木市長がゴルフ部に前向きなんですが、ジュニアリーグの話を聞くと、この流れにPGAも乗れそうですよね。</strong> 「あのぉ個人的に言いますとね、僕はそれをやってますし、僕の活動はそこから始まってるんですよ。第一期生は片岡大育で、地元の学校に掛け合ってゴルフ部をつくりました」 <strong>それは、市内の複数の学校で?</strong> 「いえ、単校でしたけど」 <strong>なるほど。教員以外の地域住民が部活に携わるのは、地域移行の原型になるのかな。</strong> 「最初は子供一人からでした。母校の高知中学の子で、一人だけ教えるのは面倒だから『誰か連れて来なさい』と。それで3~4人連れて来て、徐々に増えましてね、のちに全国大会や県アマで勝った子も出ましたけど、すると学校からも注目されて、学校に行って体育の先生を説得したんです」 <strong>部活には顧問が必要で、顧問は教員が前提だから。</strong> 「はい。最初は、ゴルフ場も練習場も指導者もいないって難色を示されたんですが、『僕が全部面倒見ます』って。おっしゃるように、学校の先生が顧問をしてくれないと部活ができないので、学校に行って掛け合ったんです」 <strong>で、部費の予算は学校から?</strong> 「出ました。最初は出ませんでしたが、徐々に認めてくれたんです。だけど、似たような話は全国のPGA会員が沢山やってると思いますよ。僕だけじゃなくていっぱいあります。いちいちPRしないだけで(笑)」 <strong>そこはPRしましょうよ。特に「地域移行」は大きな社会問題だし、SDGs活動になるし。</strong> 「そうですか(苦笑)。僕自身、ほかの中学に体育の選択授業でゴルフを教えてるし、小学校のスナッグゴルフを含めてね、全国の仲間は普通にやってます。言わないだけで。 我々のいいところは、個人事業主である会員が独自に普及活動をしてることなんですね。みんな一生懸命やってますよ。ジュニアの無料レッスンもそう、やればやっただけ、必ず自分に戻ってきますから」 <h2>赤字体質からの脱却も</h2> <strong>PGAの予算書を見ると、当期は「入り」が13億1000万円強で、「出」が15億8000万円弱。赤字予算の改善も必要じゃないですか。</strong> 「『入り』で一番大きいのは会費収入で、2億7000万円を超える程度です。各種事業の収入は講習会やプロテスト、大会等もありますが、事業関連は『入り』もあれば『出』もあるので、寄付金以外は入りっぱなしの事業はないんですよ。 それと、公益社団は全体の事業の中で公益事業が過半を占めなければいけません。収支が51対49以上という意味ではなく、公益事業、収益事業、その他事業を公益認定等委員会に申告しているので、活動のボリュームというか、存在の目的として公益が大きい団体なんですね」 <strong>とはいえ会長就任の挨拶で「毎年赤字予算は大変だ」と発言されたので、改善は必要でしょう。</strong> 「それは、そうです。とにかくPGAの一番の目的は一人でも多くゴルファーを増やすことで、増えれば会員の仕事が増えますし、そのためにはPGAだけではなく、ゴルフツアーや他団体との連携も必要でしょう。 ゴルフ界全体を盛り上げるにはJGAやゴルフ場、練習場や用品協会との連携も大事なので、これから入って行きたいと思ってますし、もっと勉強しなければいけませんね」 <strong>インドアゴルフの協会もあります。彼らには勢いがあるけど、新興団体だから主流の団体とは疎遠です。彼らと話し合う機会があれば?</strong> 「はい、全然OKです。ただ僕自身知らないんで、わからないものはコメントしようがないですよね。そういう団体があることを今日、認識しましたので(笑)、機会があれば情報交換したいですね」
    (公開)2024年05月06日
    ゴルフ産業の現状を毎月リポートする月刊GEW(ギュー)は、5月1日の発売号で、ゴルフ界の「猛暑対策」を特集した。 温暖化により灼熱化が進む中、屋外スポーツのゴルフ産業にとって事前の対策は喫緊の課題。しかし現状は、ゴルフ場におけるWBGT(暑さ指数)計測器の保有率が1割に満たないとの調査もあるなど、対応の遅れが目立っている。 4月1日、改正気候変動適応法が施行され、環境省は国民に、猛暑による危険を呼び掛ける体制を強化する。熱中症で、ゴルファーやゴルフ場従業員(キャディやコース管理作業員等)が重篤な事態に陥れば、「ゴルフは危険なスポーツ」とのレッテルが貼られてしまう。 一部ではサマータイム制の導入など、前向きな取り組みを見せるゴルフ場も現れたが、総じてゴルフ界の対応は遅い。 なぜ、対策は進まないのか。どのような解決策が考えられるのか? このあたりを総合的に取材している。 <h2>目次</h2> 満薗文博の人間稼業 惜別が明日への希望になれ INSIDE STORY 01 コンペ表彰式にキャディも参加 ゴルフ場の料理を一緒に食べたい 02 ゴルフ施設で医療費控除も国の「健康増進施設」認定制度 03 深刻化するゴルフ場「芝問題」 芝の専門集団が描く商機 04 場所づくりの専門集団が練習場経営参入で企画満載 05 プロキャディ団体を支援して距離計測器の認知度アップ 06 ゴルフ機能を無料でアップデート 国内で勢い増すHUAWEIの本気度 07 市場把握に重要な「特サ調査」 来年1月の変更で業界が困る 08 27年ぶりの社長交代で主力ブランドのイメチェン図る INFORMATION BOX 編集会議 巻頭特集 準備はいいかい! ゴルフ界・夏対策の出来具合 求人情報 広告索引 編集余録 VIPの視点 五千九百人の集団 新会長が振る旗は全員営業マン主義 公益社団法人 日本プロゴルフ協会 会長 明神正嗣氏 三田村昌鳳の白と黒の風景Banquet roomの光と影 新連載 倉本昌弘の船中八策 ゴルファーを生み出すためのツールとは何か? 岡島成行のSDGsその本質と世界観 命がけの自然保護 リレー連載 GMAC通信 株式会社リクルート マジ☆部担当 佐藤和香 小林誠の地球的視野で考える自然環境×ゴルフ産業  「自然共生サイト」の認定が続々決まる 北徹朗のゴルフサステナビリティ ゴルフ場マネジメントにおける暑熱対策の具体例(2) 大石順一の本質はなんだ!論  「生物多様性の保全」も「異常気象対策」も人間観の転換から リサオの粋なゴルファー講座 野暮だよあんた 続けてほしけりゃ放牧すべし 新連載 ゴルフを遊ぼう! 若者需要創出を実現したいゴルマジ!担当の話 ゴルマジ!と一緒に10歳、年を取りました。 橋口杏の女子プロの玉子市場 わたしが心底怒ったお話をします 温故知新 『J’s』の終焉、そして『ツアーステージ』へ GEWセレクト 三菱ケミカル/FST JAPAN/ゴルフジャパン販売 GEW距離計セレクト ひさいスポーツ 定点観測 リアルマーケットレビュー 輸出入統計 BRAND NEW GOODS 特別寄稿 中国のジュニアツアー拡大中 日本の中古FCも支援に乗り出した  竹田慎 長瀬貞之のツアーサポートの舞台裏を見る! 2024年、若林舞衣子のセッティング 飛び系アイアンのロフトを1度寝かせる マイカスタム 練習もミスもしたくない 超楽ヘッドに上級者シャフト 大蔵ゴルフスタジオ 代表 市川雄一郎氏 地クラブパーツランキング カートの運用コストを抑えながら、集客UPの切り札になるパーソナルカート『Auto Caddy BABEL』 GEAR ゴルフ場来場者月次報告 小林忠広の熱血タックル! ゴルフ界に新たな風を 「人への投資」が、ゴルフ場の「のびしろ」! 井手口香の徒然日記 カラスが鳴くじゃないかッて言われてもねぇ…… ゴルフ練習場来場者月次報告 ゴルフ練習場経営者リレー連載 脱・装置産業の挑戦者達  有田ゴルフガーデン代表取締役社長 古賀 千根 事業承継フェーズ2 マネジメントを強化し、会社の質向上につなげる! 嶋崎平人のシリーズ練習場ビジネス 課題と未来展望を考える 地域貢献活動に親子二代で取り組む 東京・武蔵野市イトーゴルフガーデン 小俣光之の進化するゴルフ練習場の舞台裏 長期的経営に不可欠な「安定化率」を考える(中編) 小森剛のゴルフ×ヘルスケアの多様な可能性 ゴルフと認知症との親和性を考える 片岡重勝のフィッティングツール「3点測量」 オープン・複数打席にリーズナブルなSDR FRESH ヴィクトリアゴルフシューズランキング 女子部 BRAND NEW GOODS 01 打ち易さに可愛さをプラス! レディスクラブセット「Tiara Niino」誕生! 02 小さい・軽い・ポケットにすっぽり入るコンパクトでオシャレな距離計 ビビゴルフランキング 購読申し込みは<a href="https://x.gd/Ssncy" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a>より
    (公開)2024年05月04日