たった3発でクラブ診断、ブリヂストンソリューションシステムの中身とは?
ブリヂストンスポーツは8月、ひとりひとりのゴルファーに「最高のゴルフ体験」を提供するための『ソリューションサービス』を開始する。ソリューション? 直訳すると「解決」の意だが、その狙いについて楳本富男社長が熱弁する。
「目的は、ひとりひとりのゴルファーの多様化するニーズを汲み取り、ゴルファーと生涯向き合うこと。医療でいう総合病院の役割を我々が担うイメージですね。複合的なサービスにより、ゴルファーをサポートしていく」
具体的には、広尾(港区)のBSゴルフアカデミーを総本山に東京、大阪、名古屋、福岡の全国4拠点へ直営のクラブフィッティングセンター「ゴルファーズストア」(約100坪)をオープン。
その核となるのが新開発の「スイングシミュレーションシステム」だ。たった3発の試打で、約7000種類のヘッド、シャフトの組み合わせから、最適クラブが選べるという触れ込みで、ブリヂストン総合研究所と共同で5年の歳月をかけて完成したという。
フィッティングは、同社認定の「マスターフィッター」が行うが、市販のカスタムシャフトのほか、独自開発の新シャフト『FIT-B』(計26本、各1本4万円)の取扱いも開始する。
装置は、スイング中のシャフトの動きを映像で確認する「シャフトカメラ」や「モーションセンサー」を使用。そこで得たスイングデータをもとに、一連のシステムが仮想試打、弾道予測を行う仕組み。1本あたりにかかる時間は約6秒。従来のように多くのクラブを打たなくて済むから再現生も高いのだとか。
フィッティング料金は7500円(60分以内)。現在はドライバーのみだが、アイアン、ボールも順次展開予定で、ここで得たデータを新製品開発へ役立てる方針。今秋投入されるパーツ販売を目的とした「J015」シリーズのヘッドデータも随時追加される。
以下楳本社長との一問一答。
―楳本体制後、スクール事業をゴルフ事業へ統合しましたが、イントラは現在何名?
「約260名。直営にはインストラクター→エグゼクティブ→マスターの3つのライセンスがあり、マスター資格保持者は現在4名のみです」
―マスターになるには?
「ティーチングに加え、顧客の資質を見抜ける人。解決に至る実地試験をはじめ、筆記試験をクリアしながら昇進し昇給していく。トップオブトップの育成は命題であり、士気高揚にも繋がる」
―なぜ試打は3発なのか?
「個々のスイングは人の指紋と同じで、基本的に変わりません。約200人のスイングデータ実証により明らかになっています」
―現在、直営店のみですが、流通への販売計画は?
「あります。店舗は多くの試打クラブを用意しなくて済みますし、説得力も増す。工房機能があることを条件に、アライアンスを組んでいきたい」
近い将来、流通や工房へBSインストラクターを派遣することもありえそうだ。