スパコンもってます!エピックフラッシュのAI活用術

スパコンもってます!エピックフラッシュのAI活用術
キャロウェイゴルフは2月1日、『エピックフラッシュ』ドライバーを発売した。一昨年に発売した『GBBエピック』の後継機種で、開発にAIを使ったのが特徴だ。 『GBBエピック』はフェース裏側に「二本の柱」を装着した「ジェイルブレイク」を打ち出していたが、今回の新作はこれに加え、ボール初速の向上を図る波型形状の「フラッシュフェース」を採用している。これをAIに設計させたことから「AIドライバー」のキャッチフレーズで注目を集めた。 参考:完成まで34年?『エピックフラッシュ』はさらなるボール初速を求めて生まれた 今回なぜAIを使ったのか。そして、その効能をどのようにゴルファーへ伝えていくのか。流行り言葉のAIだが、実のところ本質を理解しているゴルファーは少ない。まずは、この点を庄司明久副社長が説明する。

基礎研究のスタッフがAIを熱く語る

キャロウェイによれば、世界で初めてゴルフクラブの開発にAIを活用したというが、その陣頭指揮を執ったのが米本社の開発担当ジム・セルーガ氏だ。 キャロウェイは、予算と時間に制限を設けず、自由な発想で常識を破ることを目的とするイノベーションチームを編成するが、セルーガ氏もそのひとり。約150名の開発部隊とは別に、将来の製品の在り方を研究する。ここから生れたのが「ジェイルブレイク」であり、今回の「フラッシュフェース」なのだという。 キャロウェイは数年前から数億円を投じたスーパーコンピュータを使って開発しており、機械学習にテーマを与えてフェース裏側が不定形の渦巻き状になる構造を設計。テーマは「ボール初速の向上」「反発規制のCT値を超えないこと」「耐久性」の3点だった。セルーガ氏いわく、 「AIは自分が何を設計しているのか知りません。与えられたテーマを解決するだけ。そのため現時点では、ヒューマン要素が入ります」 また、2045年には全人類の知の総和をコンピュータが超えるとされるシンギュラリティが到来するが、その時、ゴルフクラブがどうなっているかについて、 「正直なところイメージできませんが、クラブ開発には人間の要素が深く関り続けると思っています」 このあたりを含め、「フラッシュフェース」開発の経緯をセルーガ氏に聞いてみた。 以上、庄司副社長、セルーガ氏の動画インタビューをお届けした。キャロウェイの物作りは、創業者エリー・キャロウェイ氏が掲げた「明らかに優れていて、その違いを楽しむことができる」に集約されるが、今後の課題は複雑な開発背景をわかりやすくゴルファーに伝えること。伝達・説明能力が試される。 [caption id="attachment_52723" align="aligncenter" width="788"]EPIC FLASH(エピックフラッシュ) エピックフラッシュ スター[/caption] [caption id="attachment_53004" align="aligncenter" width="788"]エピックフラッシュ サブゼロ エピックフラッシュ サブゼロ[/caption] [caption id="attachment_53005" align="aligncenter" width="788"]エピックフラッシュ エピックフラッシュ[/caption]