ツアーサポートの舞台裏「トーナメント会場サービスレップ、試打するプロに帯同できない苦労」

ツアーサポートの舞台裏「トーナメント会場サービスレップ、試打するプロに帯同できない苦労」

9月8日(水)日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯(JFE瀬戸内海GC、岡山県)

今回は日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の会場に来ています。今季はすでに5試合が実施されていますが、その中で見えてきたクラブフィッティングの状況を報告します。 コロナ感染症対策として無観客試合が行われ、同対策としてツアーサービス、各メーカーのレップも練習場やコース内での帯同ができません。 クラブメーカーのサービスレップは、 1)選手の傾向により最新のクラブと新商品のシャフトをくみ上げる 2)新製品のテストクラブを練習場で弾道測定器で測定、弾道高さ・スピン量等を調整 3)練習ラウンドに帯同して、テストクラブの弾道判断をして微調整して仕上げる 4)実際に本番で使用し、練習ラウンドではわからなかった点を微調整して仕上げ という方法でフィッティング調整を行いますが、現在はその微調整ができずに新商品のテストを行っている状況です。これは新製品で簡単に結果を出ていた昨年までとは状況が違い、各メーカーのクラブ担当者を悩ませています。 クラブデータや物理特性では前モデルより向上しているにも関わらず、昨年までの旧モデルをそのまま使ってしまう等の弊害が出ています。もちろんメーカー的には最新モデルの使用を推奨しますが、微調整ができずに結果が出ずに苦しい状況です。コロナ感染症のためとはいえ、メーカー、出場選手ともに苦労している現状です。 まだ5試合とデータも少ないですが、この世界で経験豊富なベテラン選手が自己判断の正確さで微調整依頼をして結果を出せているようです。また、近年増加するクラブ契約フリーの選手はベテラン勢が多く、結果を残せているのだと思います。 各メーカーの2020年モデルは非常に性能の優れたものが多いと思う反面、このような理由で微調整がうまくいかずに昨年までのモデルを使用したり、フリー選手では以前契約していたメーカーに頼らざるを得ない状況もあるようです。これは複数年選手と契約しているおかげで選手のスイングや癖、要望やニュアンスが言葉で伝わりやすいことで結果を出せているようです。 1)キャロウェイ・中島氏と福田侑子プロ新製品投入と、調整過程の打ち合わせで、マーベリックマックスとディアマナTBをテスト開始 「やはり、練習場でデータ計測し、コース内での使いやすさと微調整は、練習ラウンドに付き添っての最終調整が一番重要で、これができない現状では、前モデルを超えることはなかなか難しい状況です」(中島氏) 2)PING・浦山氏と須藤氏契約プロの要望にどのようなセッティングをするか相談「契約プロでも、弾道測定器で練習場での大まかなフィッティングと練習ラウンドでの目視で微調整を行うので、なかなか合わせきれないのが現状です。我々にも選手にも厳しい状況ですね」(浦山氏) 3)オデッセイ・本杉氏と藤田さいきプロ 実際に練習グリーン横に帯同できずにプロの要望をどのように判断して調整するか、プロも困っているとのこと。 「選手の要望に応えるには練習グリーンの横で転がり具合を見て微調整するので、いまは要望になかなか対応できない」 (本杉氏) [surfing_other_article id=63363]