和宏エンタープライズの『ザ・ミステリー』シリーズは、細かなディテールまでしっかりとした、完成度の高いモノづくりで全国の工房・ショップから信頼を寄せられているコンポーネントブランド。
この度『MYSTERY CF-435 series』から2タイプのドライバー『CF-435TOUR(ルール適合)』、『CF-435HC(高反発)』が新たに投入されたが、その実力は?
ギアに精通し、試打経験が豊富なソクラテス永井延宏プロがトラックマンを用いて検証する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
まずは動画で
第一印象は?
永井 新製品は435cm3とややコンパクトなボディサイズながら、安定感のある大きな投影面積を持つミッドサイズ・シャローバックモデルで、ルール適合とフェースを薄肉化した高反発モデルの2タイプをラインアップ。
実際に構えてみると、ややアップライトで球のつかまりをイメージさせるフォルムで、力みのないスイングを導いてくれそうです。そして、セミシャローフェースがボールの上がりやすさを感じさせ、フェース面もややバルジが入っていてターゲットに対して構えやすい印象。早速、適合モデルの『CF-435TOUR』から打ってみます。
適合モデル『CF-435TOUR』を打ってみると
永井 フェース素材は弾きのいいDAT55G、ボディ素材は6-4チタンを採用し、フェース面はミステリーお家芸のレーザーミーリング加工。ソールデザインも年々カッコよくなり、若々しいイメージが漲っています。
打ってみると、ドライバーらしいフェースの反発力が手に伝わってきました。DAT55Gの打感のやわらかさやヘッドの統一感、繋がりが出ていますので、打感にこだわる人へ是非推奨したい。バルジがやや入っているので、オフセンターヒット時の寛容性があり、操作性、方向性の部分でもプラスに導いてくれます。 全体的にやさしいヘッドとして位置付けられますが、球はつかまり過ぎることなく、左への引っ掛けミスが少ないのも特筆すべき点です。
トラックマンの計測値では、HS42・1でトータル飛距離244・7ヤード!
打ち出し角11・6度でキャリーは213・1ヤード。試打クラブはロフト角10・5度のヘッドでしたが、ボールスピン量は2350rpmと低スピン&中弾道でインパクト効率の高さを物語っています。 装着シャフトはFSPの「FM―191LT」。40g台の直進性に優れた軽量モデルで、ある程度振っていってもついてきてくれる挙動。自然にしなり戻る非常にタイミングの取りやすいシャフトだと感じました。
高反発『CF-435HC』を実際に打ってみると
永井 高反発モデルの『CF-435HC』では、スイートエリア付近の溝がなくなり、薄肉化して反発力を高めているのが目視できます。ヘッド体積は435cm3と高反発モデルにしてはやや小ぶりですが、フェースの見え方がすっきりしていて、ターゲットに対して非常に構えやすく、すわりもいい。
パシュッ
HS39・7、打出角9・°7、キャリー184・6y、トータル220・8yを記録。高反発らしい弾き感で、打球音も爽快そのもの。適合モデル『CF-435TOUR』よりもインパクト音がワンオクターブ高くなった印象で、明らかに初速が出ていると感じました。とはいえ、甲高い音でないので、練習場で打っていても気にならないでしょう。
スイートエリアも広いですね。打点がバラけてもインパクト効率が落ちません。トラックマンの計測でも明らかで、ミート率1・44かそれ以上と数値が裏付けています。重みが手に伝わって、球もしっかりつかまるから、安定したドローボールが打ちやすい。軽量シャフトと組み合わせれば、総重量が抑えられ、さらにHSのアップが期待できるでしょう。
試打クラブに装着されていたFSPの『MX-V(硬度f1)』は、5軸らしいしなやかさと復元力で、自然なタメから生み出される爽快感が持ち味。どちらかというとゆったりしたスイングで飛ばせるシャフトといえ、かつ、自分の思い通りにヘッドを動かしやすい挙動です。上げて下ろすだけでしなり戻りのエネルギーを体感できるので、HS40以下ゴルファーや体力の衰えてきた方が『CF-435HC』と組み合わせて使えば鬼に金棒でしょう。
■総括
永井 2モデルともヘッド体積を435cm3へ敢えて落としていますが、投影面積はかなり大きい印象で460cm3と比べても全く遜色ありません。また、長めの重心距離と大きな慣性モーメントを持つ反面、操作性を犠牲にしない小さめのヘッドローテーションも特筆されます。
実際のコースで直線的にキャリーで攻めたいゴルファーには『CF-435TOUR』を推奨します。フェース素材に採用したDAT55Gとの相性も良く、インパクト時の吸着感があるので方向性も抜群です。
一方の『CF-435HC』は、次世代的な高反発モデルに位置付けられます。高反発エリアを外してもびっくりするような球が出にくく、ヘッド体積と慣性モーメントのバランスをよく考えて設計されています。
お問い合わせ:和宏エンタープライズ TEL06-6390-6131
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