今回は、サロンパスカップ(茨城県・茨城ゴルフ倶楽部西コース)から、今季女子ツアーで使用されるウッドのシャフトの報告です。
三菱ケミカルの三好氏によると、同社のシャフトでは、女子の中でもヘッドスピードの速い選手が目立って使用しているとのことです。同社は素材メーカーの強みを活かしてシャフトを供給しており、使用されるモデルは幅広いです。テンセイCKホワイト(穴井詩/今季2勝)、テンセイ1Kホワイト(西郷真央、小祝さくら、菅沼菜々)、ディアマナWF(大里桃子)です。
テンセイ1Kホワイトでは、手元の調子を調整するためにカーボン素材を慎重に選び、シャフトをしなやかにし、パリッとした打感を実現しています。
一方、CKでは先端部分にケブラー1Kクロスを使用して補強し、手元の調子を作りました。素材によって色合いの異なるシャフトが完成しました。他にはディアマナGT、PD、テンセイオレンジも使用されています。
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グラファイトデザイン 辻本氏[/caption]
グラファイトデザインの辻本氏によると、新モデルのCQは多くのプロがテスト中で、グリップ下部を硬くすることでグリップ部分を動かす技術を提案しています。このシャフトは手元だけでなく、先端部分も動かすことができます。近年、ヘッドの慣性モーメントが大きくなり、飛ばすための低スピンヘッドが増えたため、適切な打ち出し角とスピン量を確保することを目指しています。天本ハルカが使用中です。
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USTマミヤ 鈴木氏[/caption]
USTマミヤ・鈴木氏によれば、現在ツアーではDAWSとアッタスV2が中心です。DAWSは、先端部の強度を補強する代わりに、トルクを制限することで先端部を安定させるためにM40Xを使用しています。このシャフトは永井花奈が使用しています。
一方、アッタスV2はクセのない中間調子を目指して開発され、同様にトルクコントロールのためにM40Xを先端部に使用し、方向性を向上させています。このシャフトはリ・ハナが使用しています。また、藤田光里は実績のあるアッタスKINGを使用中です。
日本シャフトの常山氏によれば、同社はレジオフォーミュラーB+、MB+、M+を展開。このシリーズは80tの高弾性カーボンを全長にわたって使用し、スイング中のシャフトのしなりと戻りを最速で行うモデルです。
現在、稲見萌寧はM+を使用しています。このモデルは中間部から手元をしっかりと固定し、先端が少し柔軟になるように設計されています。藤田さいき、森田遙、横峯さくらはMB+を使用。このシャフトは中間調子であり、ダウンスイング時の切り返しをコントロールしやすくなっています。
スイングタイプによって、慣性モーメントをコントロールするための手元調子と、過度に低スピン化したヘッド対策の先端調子があります。これらの組み合わせと最新の補強技術により、幅広いニーズに対応できるようになりました。ヘッド特性とプレーヤーのスイング特性に合わせて、細かなフィッティング方法が考案されています。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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