千葉県木更津市。住宅街の一角で営業するのがゴルフ・リミックス。一人で切り盛りする藤田典紀代表は、玩具のトイザらス出身ということもあり、商品の充実に余念がない。ヘッドやシャフトでも膨大な品揃えが特徴の工房だ。今回の「マイカスタム」は、スコア100前後、30歳の女性ゴルファーが主人公。悩みは縦の距離が揃わず、スコアに繋がらない。その女性ゴルファーにマッスルバックアイアンを薦めた。
多くのゴルファーが軽いクラブ だから飛ばないし安定しない
最近の傾向を藤田氏に聞くと、
「軽いクラブを使う、軽いクラブが良いという傾向が強いですね。それは間違っていると思いますよ」
藤田氏の語気が強まる。
「だって、ボールの重量は変わってないじゃないですか。女性でも男性でも、シニアもプロも、同じ重量のボールを使っっている。それなのに、そのボールにぶつけるクラブが軽いと、単純に負けますよね。それが分かっていないゴルファーも多いと思います」
さらに、
「もうひとつ、重いクラブを振ると体幹でスイングできるようになるんです。軽いクラブでは小さい筋肉しか動きませんし、それでは飛距離も出ない。女性だとバンカーから脱出できないですよね」
それを解決するために、重いセッティングを推奨するのだが、今回のケースは女性ゴルファーだ。彼女の悩みは、不安定な縦の距離が原因でスコアにならないことだとか。そこで、なんと、アーティザンのマッスルバックアイアン『LS★720MB』とクレイジーの『ARROWアイアン』を薦めた。
これにより、何が起きたのか?
軽いがシッカリした軽量シャフトとプロも絶賛のマッスルバック
今回のケースは、30歳、HS30m/s、プレー頻度は週2回だが、スコア100前後の女性ゴルファー。これまでは、高級国内メーカーのアイアンを使用していて、悩みは縦の距離の不安定さによるスコアメイクだ。
「アイアンの前に『アーティザン』のウエッジを購入された。その流れで、悩みのアイアンも『アーティザン』のマッスルバックにしました。これまで使用していたアイアンはレディス。スイングは体幹を使った良いスイングなのに、飛ばないし安定しない。そこで思い切って重たいヘッドにしたんですよ」
アーティザン『720MB』に、クレイジーの『ARROW』シャフトを挿した6番アイアンは347.5gで、以前のアイアンに比べて30g以上も重い。ロフトも6度は寝ている。装着したのはHSに合わせた40g台の『ARROW』だが、フレックスはSRだ。
「女性ならではで、ロフトが寝て球が上がり、ヘッド、クラブの重量でビッグボールが打てるようになりました。『ARROW』はシニア、女性向けの軽量シャフト。ただ、軽量ですがシッカリしたシャフトなんです。今回の女性はスイングがシッカリしているので、フレックスも硬めのSRにしたんです」
ヘッドスペック
女性だからこそ重いクラブをランで稼ぐゴルフからキャリーに
この組み合わせによって、ビッグボールが打てるようになり、クラブ重量でインパクトエネルギーが強くなった。それでアイアンでのキャリーが伸び、これまでつかまっていたバンカーも避けられるようになったという。
「女性は軽いクラブを使うため、球が上がらない。キャリーではなく、ランで距離を稼ごうとするからバンカーに入る。バンカーから出ずにゴルフが嫌になる。そんな女性ゴルファーは多いんです」
それに加えて、
「重いクラブを振ると、身体とクラブでコミュニケーションが取れるようになるんです。軽いクラブでゴルフをしてはダメですよ。ゴルフを続ける上で重要なことだと思います」
結果、30歳の女性ゴルファーは、アイアンの縦の距離が安定して、スコアも縮まっているというが、とはいえ、女性にマッスルバックと軽・硬のシャフトの組み合わせ。常識を覆すマイカスタム。しっかりした体幹を見極めての着想だ。
シャフトスペック
メーカー担当者コメント
アーティザン輸入代理店 インフィニットゴルフ 秋山 弘充氏
「ソール幅、そしてスイートスポットが狭いため、アスリート向けに見られがちな『720MB』ですが、アスリートからアマチュアまで幅広く愛用してもらってます。今回、女性ゴルファーに選んでもらったのも、そういう先入観がなかったからかもしれませんね。幅広いゴルファーに使ってもらいたいですね」
ゴルフ・リミックスとは
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