1. テーラーメイドがゴルフアパレル発売で「ライバルはデサント」

テーラーメイドがゴルフアパレル発売で「ライバルはデサント」

社長の記事 テーラーメイド
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テーラーメイドゴルフは、来年春夏物からゴルフアパレル市場へ参入するが、その背景にはアディダスとの「別離」があった。

今年5月、アディダスは子会社だったテーラーメイドを米投資会社(KPSキャピタルパートナーズ)に売却することを決定。日本市場ではこれまで、テーラーメイド・アディダスゴルフ(TMaG)として、クラブとボールをテーラーメイド、アパレルとシューズ等をアディダスゴルフが同一会社で展開してきたが、今回の売却を受けて10月に両社が分離された。

そのため、テーラーメイドが独自にゴルフアパレルを立ち上げることになり、日本と韓国で先行発売する。

気になるのは商品特徴だ。従来の経緯を考えれば、アディダスゴルフと同様の路線を歩むと考えられ、テーラーメイド・ファンにとっては、どちらを着ようか悩ましいことになりそうだが、

「いや、アディダスとは違うテイストですね」

と、大手ゴルフ専門店の幹部がこう話す。

「実は半年ほど前、テーラーメイドは非常にクローズな形で新アパレルの受注会をやっています。そのときに見た商品の印象を一言でいえば、アスリートゴルファーを対象にした無地の高価格帯で、テーラーメイドのロゴは胸にではなく、袖周りに付いていました。どうやら『デサントゴルフ』を意識しているようです。

仮にアディダスを意識したら、大半の契約プロはそのままアディダスを着用するので、プロを起用したトップダウン戦略は難しい。そのことも、アディダスと違う路線に踏み切った理由だと思います。今後の課題はゴルファーにどのように知らしめるのか、露出法が注目されますね」

テーラーメイドは田中秀道と契約していた当時、「アリ」(小さくて力強い)をモチーフにしたアパレルを販売していたが、大した成果は残せなかった。以後、アディダスの傘下に入る一方で、ゴルフアパレルの『アシュワース』も手掛けているが、こちらは同社の業績が上り調子だった頃に「拡大路線」の一環として買収したもの。

現在、『アシュワース』の処遇については売却を含めた様々な案が検討されている。

そう考えると、今回のゴルフアパレル参入は、同社にとって再挑戦といえるだろう。

成長に向けて人員増強中

それはともかく、「TM」と「aG」の分離によって、様々な動きが加速している。

端的にいえば、社員の異動や事務所の移転、在庫管理やネットインフラの整理など、世界各国のTMaGが忙しく動いているのである。

この点について、テーラーメイド日本法人のマーク・シェルドン-アレン社長に聞いてみた。

事業再編の具体的な行程を教えてください。

「各国の従業員は9月末を目処に、それぞれの会社に残留もしくは転籍する形で進めました。

また倉庫、ITインフラ、カスタマーサービスなど共有していたアセットは、各国の事情に合わせて分離します。日本では10月にアディダスゴルフが新オフィスへ移ります」

これに基づき人員削減も行うのか。

「今回の分社化に伴う人員削減は一切ありません。日本では分離したビジネスそれぞれを構築・成長させる準備のため、テーラーメイド、アディダスゴルフの双方とも人材を補強しています。

両事業とも今年の勢いを継続し、来年には一桁台後半の成長を予測しています」

テーラーメイドの今後の事業像は?

「革新的でゴルファーに圧倒的なパフォーマンスを提供する製品開発を行い、日本のゴルフ市場をリードしたいですね。

過去数年の事業再構築により、我々のビジネスはすべての品目で成長を加速できるよいポジションにあると考えます」

同社の売上は現在、日本市場で前年同月比約40%増、世界市場でも20%増と好調で、

「『Mシリーズ』だけではなく、『グローレF』が根強い人気で、今年から再注力した『TP5』等のボールは昨対300%以上の成長です」

と鼻息が荒い。この流れに新商品のゴルフアパレルが乗れるのか? 来年の「春夏物」に注目したい。

【関連記事】
https://www.gew.co.jp/column/518

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片山哲郎

片山哲郎

1962年8月3日生まれ、東京都出身。
「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行する株式会社ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長として、ゴルフ用品産業及びゴルフ界全般の動向を取材、執筆。2014年4月に日本ゴルフジャーナリスト協会の会長に就任(現任)。

ほかにインタラクティービ(J:COM)番組審議会委員(現任)、ゴルフ市場活性化委員会マーケティング委員(現任)、大学ゴルフ授業研究会理事(現任)。

信条は「人の至福は健康で長生きすることであり、これに寄与できるゴルフは『善』である。善なるゴルフ産業が健全発展するために、建設的な批判精神をもち、正確、迅速、考察、提言を込めた記事を書く」――。

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