第52回ジャパンゴルフフェア2日目、一般社団法人大学ゴルフ授業研究会によるシンポジウム「課外授業でコース体験1000人突破 ぼくらが『ゴルフ』を選んだワケ」が開催された。
シンポジウムのトリは現役大学生による「ゴルフ座談会」で、一橋大学、東京工業大学、慶応大学、法政大学、中央大学、武蔵野美術大学、学習院大学、亜細亜大学から計18名が登壇。司会の片山哲郎氏(ゴルフ用品界社代表)の進行で活発な質疑応答が行われた。
学生たちは4つのグループにわかれ、それぞれの立場でゴルフとの関わりを紹介した。
例えば体育会系ゴルフ部に所属する男子学生は小学生の頃からゴルフに親しみ、その印象を聞かれると「ゴルフにはスポーツ以外の楽しみがあります。帰路、温泉に寄ることが楽しみです」と話した。
サークル系の女子学生はスポーツクラブで1年間のレッスンを受けた経験があり、海外でゴルフを楽しむことが多いという。その理由は「低価格なプレー費」で、国内ではコースまでのアクセスに時間がかかることを指摘。
体育の授業でゴルフを体験した学生は「握り方ひとつで飛び方が違う」と自己分析しながら、授業以外で取り組むには「お金と時間がかかる」と話した。
ゴルフにまったく触れたことがないグループからもお金や場所の問題、父親世代がやるというイメージ、テレビを観てもゴルフ用語がわからない等々、ゴルフに対して消極的な発言が続出した。
体育会系、サークル系の学生からはゴルフ練習場で地域住民との交流や、家族とのコミュニケーションに役立つとの声が多く、世代間ギャップを埋めるのにゴルフは有効と考えているようだ。
私は彼らに質問をした。「ゴルフ場のドレスコードで『シャツをズボンの中に入れてください』とあるが、それについてどう思う?」。
私は否定的な回答を予想したが、意外にも大半の学生は理解を示し、すんなりと「従う」との答え。もちろん「馴染まない」という意見もあったが、これは少数派だったように思う。
かつてない面白い意見交換の場となった。座談会終了後の懇親会で先生たちの悩みを聞いた。
授業で使用する「ゴルフボールが足りない」と話すのは、大学ゴルフ授業研究会代表の北徹朗氏(武蔵野美大准教授)。そこで私は、SNSでゴルフ場関係者に処分するボールを授業用に寄付してほしいと呼びかけたところ、数コースから協力したいとの申し出を受けた。
このような試みが、ゴルフ場と大学の連携やゴルファー創造につながると信じている。
さて、最後にゴルフ授業を履修している女子学生3名の声を紹介しよう。
「大学からゴルフをやるって、実は遅いんです!」―。金銭面を含め、親の理解がないと体験できないスポーツがゴルフであり、余程のキッカケがない限りゴルフに触れることなく社会人になっていくのだという。
ヒトは、人生のどのタイミングでゴルフと触れ合えば、その後のライフスタイルにゴルフが自然と溶け込めるのか? そのことを真剣に考えてみる必要がある。
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この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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