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  • 異形ユーティリティ『UFO』でキャスコ阿部社長の考え方

    片山哲郎
    1962年8月3日生れ。月刊誌GEW(ゴルフ・エコノミック・ワールド)を発行する(株)ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長。正確、迅速、考察、提言を込めた記事でゴルフ産業の多様化と発展目指す。
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    キャスコは昨年1月、創業60周年を迎えている。『ドルフィンウェッジ』や『アカパタ』(赤パター)、『KIRA』ボールといったように、他社と一線を画した商品開発が持ち味だ。 現在はユーティリティ(UT)に特化したブランド『UFO』が快調な売れ行きを見せている。 阿部二幸社長が語気を強める。「当社は飛距離を追求する開発をやめました。ニッチャーの戦略でブルーオーシャンを泳ぎます」 その際、重要なのが新しい価値の「発見」だ。需要を自ら創造するキャスコ流に迫ってみた。

    企業再建で覚悟を決めた

    企業再建で覚悟を決めた 企業として還暦になって新しい周期に向かいますが、過去の歩みを簡単に振り返って下さい。 「ご存知のようにキャスコは高級ドレス手袋で創業した会社です。以後、ゴルフ市場へ参入して、試行錯誤はありましたが、今はニッチャーの戦略を重視します。競争が激しいレッドオーシャンではなく、独自の商品開発でブルーオーシャンを志向しています。 企業ミッションは『楽しいゴルフ宣言』というものですが、この60年間、いろいろありました。香川(さぬき市)にボール工場がありますが、一時はクラブの鋳造やグリップも自前で作りましてね。 総合メーカーを目指した時期があって、プロ契約も含め大手と同じような歩みをしたわけです。 ただ、今の市場環境で生き残る術を考えると、強みを生かしたニッチャーの戦略でやるしかないと。ですからマスでは戦わない」 マスで戦わない。すなわち独自市場の「発見」ですが、実はこれが難しい。 「おっしゃるとおりです。なのでゴルファーの困り事を常に探して、改善・改良しながら開発する。 『良品完成』を信条として、ゴルファーに喜びを提供することですが、そこに新技術、新素材、新発想がないとただの便利屋になってしまうので、そうならないためのエッセンスを如何に入れるかが勝負ですね」 最大の転換点は、事業再構築を経てマミヤ・オーピーの傘下に入ったことですね。 「はい、2010年にマミヤ・オーピーの傘下に入り、そこから自分達の特色を出して現在の姿になっています。昔の総花的なやり方ではなく、選択と集中に切り替わりました」 それだけを聞けば淡々とした話ですが、大変だったでしょう。当時は日本中でファンドによる企業のテコ入れが相次いだ。典型的なのがゴルフ場だし、御社も例外ではなかったですね。 「当社の場合は2006年ぐらいから再生スキームに入りまして、ファンドが再建をする中でマミヤ・オーピーがスポンサーに名乗りをあげたわけです。 ほぼ4年掛けて完全黒字化の体制を作り、現在の形になりました。当時は300名超の従業員に対して100名規模の人員削減に踏み切りました。以後、従業員数は200名規模でほぼ変わりません」

    毎年「40億円規模」の安定成長

    毎年「40億円規模」の安定成長 キャスコの持ち味は緻密な営業網ですね。 「おっしゃるとおりです。取引は4000口座ありまして、ゴルフ場の口座が多いんですね。ゴルフ場と練習場で5割を占めます。 グローブやボールなど消耗品が多いから、大手が行かない売場もフォローする。これは、当社の体質と言えるかもしれません」 リストラ前、ピーク時の営業所数はどれくらいですか? 「全国で20ありましたが、再構築で12まで減りまして、再度復活したところもあるから今は14です」 売上の推移はどうですか。 「前期は43億4000万円で、推移としては毎年微増です。5年前が41億9000万円なので、まあ、堅調の部類だと思ってます」 キャスコ UFO by powertornado クラブはユーティリティ(UT)の『UFO』が好調ですね。ヘッド形状はタコ焼きのバリというか、型押しではみ出た部分が特徴になっている。 「そうですね(苦笑)。まあ、大きな流れで説明すると『UFO』は『パワートルネード』の十代目で、初代は1999年に発売して30万本の大ヒットを記録しました。 当時はリョービの『ビガロスメディア』やプロギアの『ZOOM』など、UTに特化したクラブが引っ張りましたが、今は『ゼクシオ』のドライバー購入者は『ゼクシオ』のFWやUTを買う。 テーラーはテーラー、キャロウェイはキャロウェイといったように大手ブランドで揃える傾向が強く、UTを別枠で選ばなくなった。この流れを覆すためにはUTならではの個性を極める必要があって、それがあの『バリ』の形状です(笑)」 キャスコ UFO by powertornado UTならではの個性とは? 「UTの困った点の解決です。上がりにくい、つかまりにくいといった声を吸い上げて、これを解決するために特化した形状が個性になっています」 普通、開発の現場がユニークな発想をしても、上司に企画を上げる過程でどんどんつまらなくなっていく。承認する人間が増えるほど常識的な形状になりますね。 「そうなんです。ただ、そうならないために当社の開発チームは社長の直轄なんですよ。コンセプト段階からわたしが見るので、原型と完成品のブレは非常に少ないと思いますね。 『UFO』の場合は研究に2年、開発が5年、商品化までに計7年を費やしています。 ただ、この形状を商品化するにはかなり勇気がいりましたね。片山さんがおっしゃるバリの部分を当社では『ユニバーサルウイング』と呼んでますが、これを付けると重心が非常に深くなって、球が上がり、つかまりやすくなる。 限界までメリットを追求すれば異形状になるのは当然で、タコ焼きもバリの部分が美味いじゃないですか。『UFO』も同じなんですよ(笑)」 GEWの試打映像を見たら7番で9番の高さが出ていた。 「あの高さを出すのがバリでして、何番で打っても球が上から落ちてくる。ピンをデッドに狙えるから『上から攻める』というキャッチフレーズが生まれました。 実は我々も他社同様、飛距離を追求した時期があるんですが、UTに特化する決断をしたときにやめました。正確性が大事だし、飛び過ぎてもいけない。 高齢化が進めばアイアンを振るのが厳しくなるから、将来はアイアンの代替えとしてUTがもっと注目される。そう考えてスパッと開発方針を変えたんです」
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