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  • 西原CEO「悔しいですッ」 『マジェスティ』は単なる金ピカじゃない!

    片山哲郎
    1962年8月3日生れ。月刊誌GEW(ゴルフ・エコノミック・ワールド)を発行する(株)ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長。正確、迅速、考察、提言を込めた記事でゴルフ産業の多様化と発展目指す。
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    マジェスティゴルフは3月、40~50代向けのアスリート志向モデル『マジェスティ コンクエスト ブラック』を発売。コロナが猛威を振るう中、初動は計画の1・5倍の売れ行きを示したという。これにより『マジェスティ』は4本柱となり、戦略の幅が広がった。 周知のように『マジェスティ』は、ハイエンドブランドの代表格だが、購入者の7割が70代以上など深刻な高齢化に直面している。その意味で『コンクエスト』は、若返りを図るための試金石といえる。 昨年6月、同社へ転職した西原徹朗CEOがそのあたりの戦略を縦横に語る。

    各工程で全品検品

    各工程で全品検品 凄い建物(明治安田生命ビル・明治生命館)にオフィスが入ってますねえ。 「ありがとうございます。ここは終戦後、GHQが入っていたビルでして、国の重要文化財にも指定されています。石造りの柱やエレベーターも昔のボタン式など、歴史を感じさせますよね」 一昨年10月に入居したとか。重厚な造りで如何にも『マジェスティ』っぽいわけで、以前の電気街(秋葉原)のビルとは大違い。 「そうですか(苦笑)」 さて、西原さんのキャリアを簡単に教えてください。 「わかりました。わたしは20年以上この業界でお世話になっておりまして、他社でいろいろ勉強をした後、昨年の6月1日に当社とのご縁を頂きました」 他社というのはテーラーメイドやナイキですね。外資畑が長くてプロダクト担当だった。 「はい、駆け出しの頃はプロダクトでした。業界歴はテーラーメイドのゴルフクラブからスタートしまして、ナイキに移ってからはプロダクトとマーケティングを交互に担当。最後の3年間は営業の責任者をしていました。 で、昨年6月に営業担当の専務執行役員として入社、CEOになったのは昨年11月です。 入社前の『マジェスティ』に対する印象は、ラグジュアリーとクラフトマンシップが非常に優れて、いわゆる日本の匠という印象ですが、実際に中へ入ってみるとクラフトマンシップのレベルがもの凄く高くて、けっこうビックリしましたね。 以前の会社は中国で完全生産して、シュリンクが付いた状態で日本に来るわけですが、『マジェスティ』は仕掛りの研磨前で入荷され、それから何百何千と、全品検査するわけです。 そこから研磨、メッキ、塗装の工程に入りますが、ここからが本当に凄くて、研磨→全品検品、メッキ→全品検品、塗装→全品検品とやるわけですよ。これには本当に驚きました」 なんでそこまでやるんですか。 「わたしも初めて見たときに、なんでこんなことやってるんだと正直思いました。でも、」 無駄でしょう。 「いやいや。ちょっと聞いてください! でも、これがマジェスティゴルフなんですよ、この物作りへのこだわりが! 一つひとつやる意味と必要性があって、塗装を全品検品した後に、組み立てたらまた全品検品をする。他社に比べて『マジェスティ』は多少値が張りますが、それだけのことはやっていると自信をもって言えるんです。高いなりの理由があるんですよ」 西原さんも現場(松戸工場)に足を運ぶわけですか。 「はい。月単位で松戸に足を運んで定例会議に出席します。 わたし自身、現場が心底好きですし、ゴルフの世界にいると仕事でも幸せな気分になれるんですよ(笑)」

    マスターズの優勝者を言えます

    マスターズの優勝者を言えます 個人的なゴルフ観を伺います。『マジェスティ』というハイブランドを展開するには、トップのこだわりが大事ですからね。どうです? 「まあ、かれこれ40年近くプレーしてますが、生活の中でゴルフが不可欠であることは間違いないです。仕事としても情熱を持って取り組んでますが、ゴルフに関することは全部興味があって、御寺巡りってあるじゃないですか、あの気持ちが凄く良くわかるんですよ」 寺巡りをするようにゴルフ場巡りをする。 「そうです。特に海外はゴルフ場にフラリと立ち寄れるので、プレーしないでゴルフ場の空気を感じたり、倶楽部ハウスの匂いを嗅げばそれだけでハッピーになれるんですね。足を踏み入れるだけで凄く感慨深いものがあります」 好きなゴルフ場はどこですか。 「やっぱり、一番はリビエラCCの10番ですよね。300ヤードちょっとのパー4で、プロだとチャレンジすればワンオンできる。失敗すると簡単にボギーが出ますけど、挑戦者の勇気に報いてくれるホールだし、凄くフェアな設計です」 ぼくもリビエラは好きですね。空気感に雰囲気がある。 「そう、ありますよねえ」 過去のマスターズ・チャンピオンも全部言えるとか。 「全部ではありませんが、過去40年ちょっとは言えますね」 40年前は誰ですか。 「1980年はバレステロスの1回目。2回目は83年です」 マルマンにちなんでウーズナムの優勝は? 「91年です。18番でトム・ワトソン、オラサバルと並んで、オラサバルが右にティショットを曲げてカメラが追いきれなかった。ウーズナムが1mのパーパットを決めて勝ちました」 ジャック・イズ・バックは? 「もちろん86年ですよッ。46歳で復活した。感慨深いものがありますよねぇ」 それらを暗記したわけですか。 「違います。いつもゴルフチャンネルが流れている家庭環境だったので、知らぬ間に覚えていた感じですね」

    マジェスティ・ソムリエ

    マジェスティ・ソムリエ ゴルフ愛がハンパじゃない。その上でめて尋ねます。『マジェスティ』とは何者なのか? 「なるほど、そういう話の流れですか(笑)。 そこは繰り返しになりますが、まずはクラフトマンシップであり、日本の匠の技を高いレベルで集約したブランドです。これ以外の表現はありません。 ただ、だからこそ悔しいのは、メイド・イン・ジャパンのイメージはミズノやホンマが非常に強くて、残念ながら『マジェスティ』は出てこない。ゴルファーの意識にそれが浮かばないんですよ。 もの凄いことをやっているのに伝えきれていませんし、さらに残念なのはゴルフショップにも伝わっていないこと。ショップは一般ゴルファーに伝える役割なので、ここに伝わっていないのは問題だし、これが凄く悔しいんです」 問題はどこにあるんですか。 「発信力が圧倒的に足りないことですね。そこでまずは『マジェスティ・ソムリエ』を軸にして、小売店対策を強化します」 マジェスティ・ソムリエ、そんな制度があるんですか。 「ご存知ないですか?」 知りません。 「・・・・・・・・・・。ショップ関係者に松戸工場に来て頂き、販売員の目で現場を確認頂くという活動を10年ほどやっていて、累計200名ほどがソムリエになっています。片山さんが知らないというのは・・・・。 とにかく製造工程を全部見学します。たとえばイオンプレートの鏡面仕上げですが、ツルツルにするとクラブ同士がぶつかってキズがつくので、ヘッドの角にマスキングをしてブラストを掛け、塗装が落ちにくい工夫をする。そのためだけに全品やります。 それだけじゃなく、木型のマスターモデルを作って、FWなら3、5、7番を並べて全ての角度からラインの整いを確認する。つまり、データとは違う熟練した人間の目でフローをきちんと揃えるんです。 木型も職人がヤスリで削るなど、とにかくこだわりが凄いんですよ。 基本的には日帰りで、座学では『マジェスティ』の歴史や考え方を勉強して頂く。ソムリエ在籍店を当社のHPでご紹介して、お客様をショップへ誘導する流れを作っていく。これを今後、強化します」 ソムリエ在籍店は特約店? 「とは違いますね。同じ特約店でもアンテナの高さやソムリエに対する感度が違うので、特約店だから一概に在籍店とはなりません」 ソムリエの更新制度はありますか。 「そこがやりっ放しで、きちんとフォローできていなかったんです。 大きな反省材料だし、今後きちんとフォローする中で『プロジェクト47』、つまり47都道府県すべてを巡回する意気込みでツアーバンを走らせますが、その陣頭指揮が杉山顧問で、去年は25回の稼働実績があります」 杉山健三最高顧問は御社の金看板です。杉山さんに会いたくて遠方から足を運ぶファンは多いですね。 「本当にありがたいことですね。杉山顧問のイベントで去年一番売ったのは、名古屋松坂屋の3日間で1000万円強。もう大変な賑わいです。 それだけではなく、ソムリエの認定を受けた店だけの専用スペックやサービスを含めてソムリエ・ブランドの価値を高めます。サービス内容は企画中ですが、これらを徹底してメイド・イン・ジャパンや匠の技を浸透させていきます」

    シニアのゴルフリタイアが直撃?

    シニアのゴルフリタイアが直撃? 昨年、団塊世代(1947~49年生れ)の第一陣が72歳を迎えました。団塊は約680万人の大集団で、ゴルフ市場を牽引したわけですが、72歳は日本人男性の「健康寿命」です。つまり、73歳から不健康になっていく。 するとゴルフリタイアが加速する。リッチシニアが主要顧客の御社にすれば、非常に怖い話ですね。焦りますか? 「たしかに我々の主要顧客と合致しているのは事実です。その上、少子高齢化は自明の理だから、団塊の世代が抜けた後、若年層がゴルフ市場に来なければ深刻な状況になるでしょう。 そういった中で我々ができることは、シニアに一日でも長くゴルフを続けて頂くことなので、そこに向けた活動として『オーナーズクラブ』を運営して、登録者(購入者)だけが参加できるコンペを昨年だけで9回開催しました」 開催コースは名門が多いですね。 「やはり『マジェスティ』のオーナーですから、それなりのコースで行っています。昨年の10月に集大成のコンペを千葉CC梅郷Cでやりました。参加者は約130名の借り切りです。 参加費はプレー代別で1万円ですが、個人的には継続は力なりだと思っていて、他社もこういった企画はありますが、2~3年で頓挫している印象があるんですね。 当社は20年ほど続けているので、それがひとつの価値ですし、オーナー数は累計4万2000人、かなりの人数になってます」 購入者の年齢構成比はどうですか。 「80代以上が25%で、以下70代45%、60代20%、50代8%、40代未満2%です」 まさにシニア依存型ですね。 「ですから、一日でも長くプレーを楽しむ喜びを感じて頂きたい。小さなことかもしれませんが、コンペの表彰式では80歳以上の参加者全員、名前を呼びあげてご紹介しています」 呼ばれた本人は嬉しいでしょうね。みんなから拍手をもらったりして。 「それが毎回15人以上いらっしゃる。本当にありがたいことだと思っています」 で、問題はその下の世代です。70代以上が7割は危険水域だと思われるので、60代以下を厚く取りたいですね。 「そうですね。ブランドの世界観はひとつなので、これを高いレベルに保ちながら如何に年齢を下げていくかが大事だと思ってます。 三本柱の販売構成比を見ると『サプライム』が1割で『プレステジオ』が5割、『ロイヤル』4割の比率ですが、感覚的には『プレステジオ』が70代で『ロイヤル』は60代といった印象もあって、今後は50代、さらに40代まで取り込める施策をどうやって打つか。そのあたりが大きな課題になってきます」

    40、50代向けの『コンクエスト』

    マジェスティ『コンクエスト ブラック』発表!高感度なアスリート志向に捧げる そこで先日発表した『コンクエスト』が重要な意味を持つわけですね。40、50代向けのアスリート志向モデルという触れ込みで、ドライバー価格は『ロイヤル』と同じ12万円。 「おっしゃる通りです」 戦略を大いに語ってください。 「ありがとうございます。まず2年前、社名をマルマンからマジェスティゴルフに変えました」 そこからですか? 「ちょっと聞いてください(苦笑)。で、当社の強みを凝縮すると『マジェスティ』への特化となる。マルマン時代はリソースが分散していたので、現体制で『マジェスティ』に集中する下地が整いましたが、従来の3本柱に『コンクエスト』を加えて4本にしたのは『マジェスティ』へのエントリーモデルが必要だったからです。 価格は『ロイヤル』と同じなので、プレースタイルに合わせて選択の幅を広げ、いずれは『プレステジオ』をご愛用頂ければと。当面『コンクエスト』の販売構成比は1~2割の線を目指します」 以前パーシモンシェイプの『ヴァンキッシュ』を出しましたが、これの後継モデルですか。 「というか、アスリート志向のゴルファー向けなので、これまで真剣にプレーなさってきた方も40~50代になると力が若干衰える。そういった層に『マジェスティ』の性能で飛距離を取り戻して頂きたいと。 一方の『ロイヤル』はエンジョイ志向のテイストなので、そのあたりが『コンクエスト』との棲み分けになります」 『ヴァンキッシュ』は失敗したわけですか? 洋梨型の黒いヘッドはスポーツカー的でカッコよかったけど、やり過ぎてF1レベルまで行っちゃったのかな。 「ん~、失敗というか、かなりアスリートモデルだったですね。『ヴァンキッシュ』の場合はウッドがアスリートでアイアンがアスリート志向だったと思うんですよ。つまりちょっとした乖離があった。 今回の『コンクエスト』はアスリート志向に統一して、昔、軟鉄鍛造アイアンを使っていた40~50代が対象者になるイメージです」 先日の発表では「ライバルはゼクシオ」と話してましたが、もう少し絞ると『X』ですか。 「そうですね。『ゼクシオ』のユーザーはけっこう幅広いと思うんですが、わかりやすく伝える関係性としては『ゼクシオX』がいいのかなと」 ん~、それでも釈然としないんですね。仮に『X』がライバルとして、双方の価格差は4万円。これをどうやって乗り越えるわけですか? 「それは『マジェスティ』ならではの付加価値を認めて頂くしかありませんが、仮に『ゼクシオ』が8万円として、12万円の『マジェスティ』に手が届かないわけではないと思うんですよ、収入面で。『ゼクシオ』ユーザーは可処分所得も幅広いわけで」 ん~、どうも釈然としませんねえ。今ひとつライバル関係がピンと来ない。 「あのぉ、本音で申し上げてよろしいですか」 もちろんです。 「当社の『マジェスティ』は、極めて一部の尖った部分を攻めているので、どこかとガチで勝負するという発想がそもそもないんですね。どこかのシェアを取るぞ、とか」 でも、記者発表で「ライバルはゼクシオ」って言いましたよね。 「言いましたが、あれはわかりやすく伝える、ということです。まずは小売店に伝わらないとユーザーに届かないので、それで『ゼクシオ』という言い方をしたわけですよ。 強いて申し上げれば『ベレス』と被る部分はあるのかもしれませんが、『ベレス』とガチでという意識もないんです」 「匠」と「高級」がウリなら『ベレス』と丸被りする。それでも『マジェスティ』は違うんだと小売店に訴求する際、どんな言葉があるんだろうと。それをしつこく聞いてるわけですよ。 「なるほど、なるほど・・・・。それで言えば正直なところ、他社のことは気にしません。我々にとって大事なのは、我々自身が我々の価値観にこだわること。我々は何を大事にしていくのかに尽きると思うんですね。この思想においては微塵の揺らぎもありません」 なるほど。『マジェスティ』は孤塁を守るブランドだから、他社を気にすると線が細る。よそ見しないで突っ走るしかないんだと。 「じゃないと市場で存在感を得られないと思うんですよ。自分達の立ち位置を明確にしないと呑まれてしまうし、わたしに課せられた責務はですね、その基盤づくりだと思っているんです」 その基盤づくりは西原さんのゴルフ愛が支える部分もありますかね。マスターズ・チャンピオンの名前を40年分言える。好きなのはリビエラの10番ホール。そのあたりの感覚が大事になる。 「その部分を含めてですね、入社させて頂いたと思っています。ですから自分が価値を創出していかないと。 究極のクラフトマンシップによるラグジュアリー、これが『マジェスティ』の価値ですが、問題は、我々の基盤であるこのことが、まあ~ったく伝わっていないんです。我々の生命線を、我々自身が伝える努力を怠っている」 単に高いとか金ピカとか。 「ええ。ですからこの誌面を借りまして、小売店の皆さまによろしくお願いします(笑) 市況は今後、コロナウイルスの影響でもの凄く厳しくなると思います。コロナの広がりは誰にもわかりません。でも、いずれは終息しますから、我々が今できることは、やれることをしっかりやる。そのことに尽きると思います」
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