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  • 「GEW」2003年7月号を振り返る 住友ゴムから分社してSRIスポーツ誕生の秘話と野望

    片山哲郎
    1962年8月3日生れ。月刊誌GEW(ゴルフ・エコノミック・ワールド)を発行する(株)ゴルフ用品界社の代表取締役社長兼編集長。正確、迅速、考察、提言を込めた記事でゴルフ産業の多様化と発展目指す。
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    大手企業がゴルフ事業をやる場合、社内の事業部か、それとも子会社をつくって専業でやるかの二通りある。2003年7月、住友ゴム工業は「1本社8子会社」体制に移行して、その流れでスポーツ事業部を分社。ゴルフ・テニスを主業務とするSRIスポーツを立ち上げた。

    その後同社は上場を果たし、さらに上場を廃止して、住友ゴムの社内事業部に戻っている。一連の経緯を考えると、企業はナマモノであり、時代に合わせて千変万化の様相だ。

    ともかく当時、住友ゴム取締役スポーツ事業部長の馬場宏之氏がSRIスポーツの社長に就任した。業界注視の中「大きな権限と大きな責任」を得た。

    馬場氏は「市場を大きくすること」を念頭に置く。リーディングカンパニーならではの巨視観と静かな野望をたぎらせていた。外資系メーカーにはない、国内大手ならではの矜持といえる。

    ちなみにSRIは、スミトモ・ラバー・インダストリーズの頭文字。

    GEW2003年7月号の主な記事

    • 消費の「黒幕」を狙え!女性に冷たいゴルフ市場の汚名返上なるか
    • 「世界の工場」を直撃 SARS禍に揺れた中国最新情報(月間マーケット時報)
    • 中古専門店のチェーン化目指す二木ゴルフ、7月に1号店オープン

    2003年7月の主な出来事

    • 3月3日大和銀行とあさひ銀行が合併し、りそな銀行発足
    • 3月19日営団半蔵門線水天宮前駅 - 押上駅間開通
    • 3月24日宮崎駿監督「千と千尋の神隠し」が第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞

    覚悟はしてます

    いよいよ、ですね。 いよいよ...です(笑)。年初から分社に向けていろんな作業をやってきましたが、ようやく体制が整いました。まあ、特別な気負いはありませんが、独立会社として「結果責任」が厳しく問われるので、身の引き締まる思いですね。 今回の分社化はスポーツ事業に限ったことではなく、住友ゴムの全体構想によるものですね。 おっしゃるとおりです。 それで8社誕生した。化成品の「SRIハイブリッド」(資本金25億円)、タイヤ販社の「ダンロップタイヤ」(同1億円)、ユニークなのは研究開発本部が独立した「SRI研究開発」(同1000万円)もあって、実に細かく分解しました。 資本金65億円の「SRIスポーツ」は筆頭子会社の位置付けです。 ええ。 中身はのちほど伺うとして、まずは大きな流れを教えてください。なぜ再編だったのか? これは時代の流れもありますが、住友ゴムグループとしてどのような組織が望ましいのかを様々な角度から検証したんです。オーツタイヤとの合併があったし、ブランド管理会社の役割だった「日本ダンロップ」の解散もありました。 それぞれの事業が売上や利益を効率良く伸ばすためには、個別の市場に迅速かつ的確に対応する必要があったわけです。 別の言い方をすればですね、これまでは住友ゴムという「全体最適」の中で物事を見てきましたが、今後は個々の最適値を探らなければ時代の変化に対応できない。そういった構想が原点です。 スポーツは子会社の中で最大規模。それだけに責任も重大ですね。 まあ、規模の大小は別にしても、権限と責任は比例しますでしょ。覚悟はしてます(笑)。 肝心な話、分社でスポーツ事業の何が変わるんですか。 一言でいえば、販売、開発、生産が同一会社になったことですよ。親会社の住友ゴムはタイヤの製造販売以外にも、グループの本社機能を持っていて、それは間接部門を束ねる役割でもあるわけです。 人事、総務、経理、システム、知財などを本社が統括して、これを除く実ビジネスの部分を専門会社に委ねていくという感じですね。 従来は企画開発と工場が違う組織だったので、いろんな不都合がありましたが、それを改善して利益責任を確立する、さらに個別事業で利益追求をするためにベクトルを合わせるということです。

    工場の属性はどこ?

    SRIスポーツはどういった組織になりました? 7つの部に分かれます。具体的にはゴルフ営業部、テニス営業部、海外営業部に、スポーツ企画部、業務部と、各営業部に横串を通す技術部、それから工場との橋渡しをする生産技術部。さらには市島工場です。取締役はわたしを含めて6名になります。 マーケティング部がありませんが、これを担うのは企画部ですか。 戦略は全社で練りますが、色合いとしてはそうですね。企画部は宣伝とプロ関連の仕事が中心です。 広報も企画部ですか? いや、広報は本社でカバーしていきます。間接部門は本社機能というのが基本的な考えですから。 う~ん……。 なにか? 少し微妙な感じがするんです。広報機能は単なるアナウンスではなく、企画なり販促の支援活動の意味合いが強い。つまり専門性が求められる。 これをですね、タイヤ中心の本社広報でカバーできるのか……? たしかに広報活動は大事ですが、組織のどこに帰属するのかというよりは、中身の問題だと思うんですよ。 広報活動は営業と違って数字に表われるものではありませんが、レシーバーは明確じゃないですか。記者一人ひとりの顔を思い浮かべ、どうやって話題を提供するか。開発の裏話やストーリーを発信する役割でしょ。 意思疎通をしっかりやれば本社業務でも大丈夫、だと思いますね。 同じことは人事もなんですよ。SRIスポーツは人事機能を持ちませんので、学校の先生から入社の問い合わせを受けても、それは住友ゴムが窓口ですと。 もちろん本社に要望は出しますよ。こういったキャリアの人間をこれだけください、と。でもこれらは全て間接部門の範疇なんです。したがって広報や人事をSRIスポーツで持つことは考えていません。逆に伺いたいんですが、どう思われます? 先日、他社の広報担当とゴルフをしたんですよ。帰りに業務用のハイエースで送ってもらいましたが、これがまあボロボロで、もの凄い音なんです。 それで車中大声で話す。大声で、新商品の苦労話とかを話す。そういった話が記事になるかは別として、記者の頭や心に擦り込まれますね。専門職としての広報マンはそういった仕事だと思いますが、本社の業務でやれるのか……。 なるほどねぇ。そのあたりは心にとめておきますが、要はやる気だと思ってます。

    工場獲得で対話が生まれアイデアが生まれる

    組織づくりをする上で、工場の帰属も議論になったんじゃないですか。ひとつの工場でゴルフボールと産業品を作るケースがある。これをどこに帰属させるのか。 市島工場(兵庫県)はゴルフ専用ですが、インドネシア工場は一部ボール、加古川工場(兵庫県)は一部テニスボールを作っている。どうやって分類するんですか? あのね、そんなに難しい問題じゃないと思いますよ。その工場の実態を見れば明らかじゃないですか。 たとえばインドネシア工場はスミトモ・ラバー・インドネシアの中でタイヤとボールを作っていますが、だから住友ゴムエ業に帰属する。同様に、加古川工場はSRIハイブリッドに入ります。 加古川やインドネシアで作った製品をSRIスポーツが購入するわけですか。 そうなります。 すると、冒頭おっしゃった製販一体が未完成になりませんか。 なぜです。そうはなりませんよ。 我々は今回の再編で市島工場を得たわけだし、工場長がインドネシアと密接に連絡を取り合えばいいことじゃないですか。わたしの命令系統で一本化されて、緊密な対応を図れるんです。 これまではそうじゃなかったんですよ。設備投資をしたくてもボールビジネスの採算だけでは決断できず、住友ゴムの全体最適から断念したこともありました。 でもね、新組織は違います。あくまでSRIスポーツの判断で、我々が必要だと思ったら投資できますから、これは非常に大きいんです。

    ボールパッケージの齟齬

    新組織への再編成は、売上や利益の伸長を狙ったものでしょうが、なぜそうなるのか、具体的なイメージを教えてください。 まず、企画開発を含めた製販統合が実現すると、社内に共通の考えが生まれやすくなります。工場も営業も同じ会社の社員だから、従来は工場の生産性だけでものを見ていた人達も、営業や企画との対話によって新しい発想ができるようになりますよね。 たとえば……? 一例を申し上げるとボールのパッケージです。あるいはボールのスタンプでもいい。 営業は最初にボンッと売りたいから派手なパッケージを要求する。工場は、「こんな金掛けてしょうもない」って内心面白くないわけです(笑)。だけど両者が対話すれば安い方法で効果的な作り方ができるじゃないですか。 ゴルフクラブはキャロウェイさんが抜けて、『ゼクシオ』を立ち上げたことで強固な一体感が生まれましたが、ボールはそこまで至らなかった。要するに、クラブとボールには温度差があったわけですよ。 なるほど。御社は長らくキャロウェイを輸入販売していましたが、キャロウェイが日本で独り立ちしてライバルになった。 その危機感がクラブ事業の一体感を生んだわけでしょうが、ゴルフクラブを100とすればボールとの温度差はどれくらいですか。 う〜ん、それは難しい質問やけど……70ぐらいじゃないですかねえ。あくまで感覚的にですが、3割の対話不足があったように思います。

    販社の資本を考える

    SRIスポーツの社員は250名ですが、これは工場も含みますか? ええ。市島工場の約100名が入ります。 となると各地の販売会社は別ですね。販社はSRIスポーツの全額出資子会社ですか。 いえ、全額出資は東京と大阪に本社機能を持つダンロップスポーツと、二木さんやヴィクトリアさんなど広域販売店をカバーするダンロップスポーツNSの2社です。 それ以外に6つの地域販社がありましてね、ダンロップスポーツ北海道や中部などは、ほとんどの場合地元資本との折半出資になっています。 販社スタッフは何人ですか? 総勢500名を超えるんですよ。なのでSRIスポーツと販社を合わせて総勢800人規模の組織になります。 全額出資の直系販社と折半出資の地域販社は、売上比率でどれくらいですか? 6対4で前者が多いですね。なんか、質問が細かくなってきましたねえ(苦笑) なんせ、大きな組織改革なので、組織図を具体的にイメージしたいわけです。で、すべての販社が純血資本ではないということが、今後ハンディになりませんか? なるほどね。そのあたりの話ですか(笑)。仮にすべてが全額出資の販社じゃないとしても、それがハンディになることは全くありません。 おっしやりたいことはわかりますよ。意思統一でどうなのか、管理面でどうかといったことでしょうが、全く心配はございません。この業界、ピークに比べれば6〜7割の規模感になっているじゃないですか。 ゆえに命令系統をしっかりして、一枚岩でやらなきゃ展望が開けない。そういった危機感は各社共通の意識だから、資本の性格がどうであろうと求めるゴールはひとつです。

    グループの総合力でゴルフライフを提案する

    以上、新会社のフレームを伺いました。ここでようやく馬場イズムというか、この組織を使って何をやるのかのビジョンを教えてください。 わかりました。冒頭で、今回の分社は住友ゴムグループの資源を有効活用することが狙いだと申し上げましたが、それはスポーツ事業も同じなんですよ。 我々には様々なシーズがあるのに、きちんと使いこなしてないという反省がありましたから、グループの機能を有機的に絡ませて、その結果ゴルフライフを提案し、ゴルフ人口を拡大したいと考えています。 たとえば御社の系列にDSE(ダンロップスポーツエンタープライズ)がありますね。ここはSRIスポーツの100%子会社で、トーナメント運営やスクールを展開しています。 ただ、外野席からの印象を申し上げれば、両者ともよそよそしい雰囲気がありますね。 まあ、そういった印象はともかくとして(苦笑)、連携が希薄だったのは事実だと思います。 我々メーカーは物を作る、それを販社のダンスポが販売する。DSEはソフト、つまり日本で最初のトーナメント運営会社として様々なプロモートをするわけです。同じく子会社のハイマックスは契約を含むプロ関連の仕事ですね。 実に沢山の機能をもっています。 それが、うまく連携してなかったわけですよ。 考えてみてください。我々がアプローチする先は、全部ゴルファーじゃないですか。ゴルファーが道具を買って練習する、トーナメントを観戦するし、ゴルフ場でプレーを楽しむ。 要はね、そういったイメージを持つことが大事なんですよ。統一したイメージを設定して、グループの総合力を高めることがまずは先決。それを実現してこそ、グループ経営と言えるんじゃないですか。 そのディレクションを、一本の命令系統でやっていく。それが大きな骨組になってきます。

    指揮者として描くイメージ

    そのコンダクター、指揮者の役割が馬場さんですが、どんなイメージでオーケストラを動かします? うん。たとえば練習場ですが、これまで我々にとって練習場はレンジボール(練習用のワンピースボール)を収める対象でしかなかったわけです。 でも、練習場の現場にはDSEのインストラクターがいるわけだから、彼らが自分の生徒さんを近隣のショップに送客できるじゃないですか。逆にショップさんの顧客をスクールに送ることもできますよね。 その橋渡しを販社のダンスポがやればいいし、ハイマックスが練習場なりお店に契約プロを派遣すれば、集客にものすごく役立ちますね。 こういったことをウチだけじゃなく、各メーカーがやっていけば自然とマーケットは広がりますよ。そうでしょ。それで市場のインフラが整えば、あとはそれぞれの商品力で勝負すればいいんです。 豚は太らせてから食え。マスマーケティングの鉄則ですね。 つまり、我々のグループシーズを使ってゴルフライフを提案することは、市場の競争原理に着火することもあるんです。これが先ほど申し上げたことの真意ですよ。 馬場さんは巨視観ですね。自分のところだけ考えるメーカーが多い中で、リーディングカンパニーの使命感を帯びている。 そんな偉そうなもんやないけれど(笑) かつてDSEは、プロトーナメントを興業として育てた実績がありますが、新しい分野への挑戦は採算度外視の面もあったわけですよね。ひとつ気になるのは、住友ゴムから独り立ちすると「親の金庫」をアテにできなくなる。だからアクションが小さくなるというか、リーディングカンパニーとしてダイナミックにやれない心配があるんじゃないか。 そんなことありませんよッ。たとえばダンロップフェニックスにしてもですよ、以前はスポーツ事業部で完全にカバーしていました。逆にタイヤ事業はフェニックスを営業接待や販促で利用するけど、そのために特別のバジェットを組んでもらったことはありません。 親をアテにできないから動きが小さくなる? そんなことないし、心外ですよ。 そんな親の金庫なんて話じゃなくて、むしろスポーツ事業で稼いだお金は我々スポーツできっちり使えるじゃないですか。そうでしょ。主体性を持って積極的にやれるわけだから、可能性はどんどん広がります。 なるほど。 市場の経緯を振り返りますと、構造は確実に変わってます。30年前にスターが出た。ジャンボさんや青木さんが登場して、メーカーが様々な仕掛けをした。 でも今は、状況が明らかに違います。ヒーロー待望や一極集中は若干の効果があったとしても、市場全体を底上げするにはどうでしょう。メーカーも進歩しているわけだから、いろんなやり方があるはずです。 スポーツの売上に占める『ゼクシオ』の比率はどうですか。 600億円超のうち5割程度を占めますね。 ほぼ一本足打法に近いですが、怖くないですか。 まぁ、いろいろ考えてますので、お楽しみに(笑)
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