ゴルフ場で幻想的な夜を「天体観測 in GOLF」

ゴルフ場で幻想的な夜を「天体観測 in GOLF」
見てくださいこの幻想的な夜空。ここがゴルフ場だと言ったら驚きませんか? マグレガーカントリークラブ(千葉県夷隅郡)にて、星空を見ながらキャンプをしようという企画の第1回テスト実施が11月18日~19日にかけて開催されました。 この試みは、ゴルフアミューズメントパーク(GAPK)の事業の一環で、最終組のホールアウト後、〝夜のゴルフ場〟に、ゴルフプレー以外での収益が成立するか、実証実験したものです。 これまでも、夜のゴルフ場での天体観測ツアーなどは、ホテルを併設しているゴルフ場などでは、夜のアトラクションとして既に開催されている所もありますが、今回改めてそのような企画がビジネスモデルとして成立するのか実証実験を行ったのだそうです。

専門家による天体観測講座!

当日は雨が降り続いていました。その間クラブハウスでは、ミザールテック株式会社の伊藤守さんによる天体観測講座を開催。子供達も興味津々の様子です。ミザールテックは天体望遠鏡や双眼鏡など光学レンズ製品メーカーなのですが、この伊藤さん、何と星座早見表を作ったすごいお方なのです。クラブハウスを有効活用し、ただ星を見るだけではないイベントに付加価値を感じます。 19時にもなると雨も上がり、7番ホールのティーグラウンドにテントを7張り設営。バンカーでの砂遊びもアイディアに上がったそうですが、お手洗いなどを考慮して、コースの管理棟が近くにある7番ホールのティーグラウンドに決めたのだとか。 ゴルフ場に馴染の無いキャンパーからすると、「ティーグラウンドのような平らな芝生の上にテントを張れるなんて、まるで天国だ」というほど感動ものだそうですが、同ゴルフ場の理解と協力の元、ティーグラウンドへのテント設営が実現。実際のところ、子供たちが走りまくっても芝生の損傷などは全く無かったとのことです。

ゴルフ場は絶好の天体観スポット

日が落ちると、アウトドアのヘッドライトなどの世界的なブランド、レッドレンザージャパン株式会社が貸与したヘッドライトを身に付け、たき火を囲みながら暖をとります。勿論、たき火台を使用しているので、芝生への影響はありません。そして火の取り扱いは慎重に。 画像はM42オリオン大星雲。この日は1時間に4~5ヶの流れ星と遭遇できたそう。「遮蔽物もないゴルフ場はよく星が見える」と、ミザールテックの伊藤さんも大変驚いていたとのことです。 ゴルフの遊びも忘れていません。「LEDゴルフボール」を使って、真っ暗闇なフェアウェイにナイスショット!ボールが美しい放物線を描きながら暗闇に消えていく様子、わかりますか?子供たちは、光るボールを嬉しそうに追いかけていきます。広いゴルフ場は、子供たちにとっても最高の遊び場ですね。

「天体観測 in GOLF」事業化に向けて

イベントの参加人数は業界関係者と3家族の合計22名で、費用は大人1人5,000円、子供1人3,000円。そのほとんどはテントや寝袋などのキャンプ用具のレンタル代。GAPKの理事を務める、同社 企画開発部 松下健課長は、「既存のゴルファーが、ラウンドのプラスαとして楽しむ分には大いに可能性はあり、ゴルフをしないキャンパー達にも、こんな良い条件はなく喜んでくれると思います」 ただ、キャンパーに場所だけ提供するのであれば、ゴルフ場が十分な収益を得られるとは考えられません。 「ゴルファーとキャンパー、どちらにアプローチしていくのか検討をしなければなりません。逆に、キャンプ未経験のゴルファーに商品提供するとなると、ゴルフ場側がキャンプ用具一式を常備し設営までしなければならず、その負担は大きくなります。ターゲットと売り方の検討が今後の課題です」 GAPKは今後、「天体観測 in GOLF」事業化に向けて、いくつかのゴルフ場でテストを重ねていきたいとのことでした。家族と一緒に参加することで、奥さんがゴルフに対する理解を深めてくれ、子供たちがゴルフに興味をもってくれるかもれません。ゴルフ界の将来を繋ぐであろうこのイベント、ゴルフ界でも話題になっています。 この企画が事業化され、沢山のゴルフ場で実現すれば、ゴルフがもっと身近な存在になるでしょう。このような固定概念を取り払ったエンターテイメントをゴルフ界に取り込むことは、ゴルフ市場活性化には不可欠なのかもしれません。 「ただ一つ言えることは、大人も子供も〝上がってた〟。夢のような夜でした」松下氏は、11月の星空にそう想いを馳せていました。