行き過ぎた女性向けサービス?バリューゴルフ「女性1人目無料サービス」の問題に言及

行き過ぎた女性向けサービス?バリューゴルフ「女性1人目無料サービス」の問題に言及

「1人予約ランド」の女性会員比率は約2割

バリューゴルフは、一人でもゴルフ場に予約できるウェブサイト「1人予約ランド」を運営している。2017年10月にはサイトの会員登録数が40万人を突破するなど堅調に数字を伸ばしている。特徴は、女性の会員比率が約2割と多いこと。日本の女性ゴルファーは全体の10%程といわれるため、これに比べてかなり多いことになる。

なぜ女性会員が多いのか

実は「1人予約ランド」には女性が集まる仕掛けがある。たとえば女性1人目無料プランというサービスで、これは、その組における最初の予約者が女性の場合のみ、その女性のプレーフィが無料になるというサービスだ。タダでプレーは、女性にとって究極のサービスといえるだろう。 ただし、このような一見〝行き過ぎたサービス〟について、当のバリューゴルフ自身が「価格破壊を起こしかねない」と警鐘を鳴らすから不思議な話。同社管理部の戸塚茂樹課長がこう話す。 「〝女性1人目無料プラン〟がスタートした当初は、確かに集客力はありました。でもこういったサービスは麻薬みたいなもので、やり続けていると価格破壊を起こしかねないのです。ゴルフ場にとって本当に集客したい時期であれば問題ないでしょうが、過剰なサービスが日常になってしまうと、ゴルフ場が疲弊していくばかりになる。だから最近は、弊社として営業を控える動きになっています」 -今や〝女性1人目無料プラン〟の認知度も定着し、他社サイトでも同じようなサービスが展開されている中で、〝究極のサービス〟に消極的な姿勢を見せはじめた。とはいえ逆に、タダに慣れた女性会員の支持を得られなくなるのではないだろうか。 「確かに、長い目で見れば若い女性たちの参入は必要でしょう。若い女性が沢山くるゴルフ場は必然的におじさんも沢山来ますからね(笑)。そこを無視しちゃいけないのは当然だと思います。ですが、ゴルフ場にとってもゴルファーにとっても、対等の商売をしないと我々は長続きしないと考えます。一部の人達だけがおいしい思いをするサービスは、うちの本意じゃありませんしね」 -う~ん。では、どんな差別化策を図っていくのか。 「そうですねえ。『1人予約ランド』の一番のウリは、気軽にゴルフ場の予約ができることなので、女性に特化したサービスだけを強化するのではなく、このサイトのサービスが受けられるゴルフ場の数を増やすことで充実を図りたいと考えます。現在の約800コースを、3年後に約1800コースまで拡大することを目標とし、男女問わず会員の選択肢を増やすことに注力したいです」 [caption id="attachment_33793" align="alignnone" width="788"] インタビューに答えてくれた戸塚課長[/caption]

価格戦争だけでは女性ゴルファー創出に繋がらない

同社はあくまでも、ゴルフ場側の目線で商品開発を行うスタンスを変えない方針。一方〝女性ゴルファーを取り込みたい〟という思惑の中では、プレーフィを安くするだけでは本質的な解決にはならないと戸塚課長は話す。実際のところ「1人予約ランド」の女性会員は、現役を引退していてかつマイカーでゴルフ場に行ける、50代以上の女性たちが大半だとか。 車を持たない若い女性ゴルファーにとって、プレーフィの安さだけではラウンドに対するハードルは高いまま。女性にもっとゴルフをしてもらうためにまず必要なことは、ラウンドにかかる所要時間や移動手段など、〝ゴルフ界の普通〟を崩すことではないだろうか。 バリューゴルフWebサイト