ガラス窓に叩きつける強風と凄まじい雨の音で夜中に目を覚ました。
慌ててネットで雨雲レーダをチェックすると、大きな渦を巻いた巨大な台風15号が関東に上陸する寸前で、眠気が一気に吹っ飛んだ。
テレビでは「不必要な外出は避けるように」と、繰り返し厳重な警戒を呼び掛けている。一瞬たじろいだが「必要不可欠」な理由で、わたしは身支度を始めた。
ちょうど一カ月前、ゴル友の谷口綾ちゃんからLINEで「ディライトワークス株式会社のゴルフ事業のお仕事をすることになった」と連絡があった。
「23区ゴルフ」「サマンサタバサ」を経てフリーランスで「OggiGOLF」を手掛けるなどパワフルな働きっぷりでいつも感心させられるゴルフ女子。次の一手は何だろうと実に興味が湧いた。
「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう。」という理念のもと、2014年に設立された「ディライトワークス」は、急成長中のゲーム企業として知られている。
日本から世界へ挑戦するアスリートを支援する活動「Athlete Support Program(ASP)」を行っており、所属プロゴルファー14名が活躍するための成長機会を提供している。
取り組みの一環として「太平洋クラブ益子PGAコース」(栃木県)で開催された「ディライトワークスASPチャレンジ」(JGTO AbemaTVツアー)のプロアマ大会は、台風の通過を待って4時間ほど遅れてスタートした。
フォーマットはプロ1名とアマチュア3名を1組とする24チームのスクランブル方式。アマチュア参加者70名のうち、なんと半数以上の37名が女性!キラキラと輝くインスタゴルフ女子が男子プロのやる気を一層引き出し、あちこちのホールで黄色い声が上がりイベントは盛り上がりをみせた。
パーティでは開催コースの太平洋クラブ韓俊社長が挨拶し、「“能力”に“個性”を加えてさらにファンを魅了してほしい」と若手男子プロにエールを送った。
「まずはゴルフから」と、数多くのスポーツからゴルフを選んでくれた、主催者の庄司顕仁社長には、JGTOの青木功会長が駆け付けてお礼を伝え、会場を沸かせた。
神レベルの技術で近寄りがたい印象の男子プロが、アマチュアに懇切丁寧にスイングを教えたり、自ら進んで楽しみながらSNSで発信したりと、「随分変わったなぁ」と感じた。
さかのぼること14年前、GDOは「プロとアマチュアゴルファーとが接する機会を作りたい」という目的でチャレンジツアーを主催した。
「ネット企業ならではのコンテンツや企画を」と意気込んだものの、時期尚早でもあり、夢半ばで大会運営が2年で終了したほろ苦い思い出が頭をよぎった。
来年に東京オリンピックを控え、体操、レスリング、テコンドーとスポーツ界の不祥事が後を絶たない。協会は選手ファースト、選手はファンファーストの連鎖が鉄則。改革は時間と痛みを伴うが、確実にゴールへ近づいていると信じている。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2019年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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