2021年11月9日、サザンヤードCC(茨城県)で新規ゴルフトーナメント「サトウ食品presents DSPE INVITATIONAL sup-ported by GDO」 が開催され、LPGA会員プロ、非会員プロ、アマチュアなど、総勢63名が参戦。
優勝賞金は150万円(賞金総額400万円)だった。企画運営は2020年3月よりツアーでの活躍を目指す若手女子ゴルファーを支援する活動「DSPE(Dead Solid Perfect Entertainment)プロジェクト」を行っている「株式会社サジッドメディア」。
当日の模様はGDOオフィシャルYoutubeチャンネルでライブ配信を行ったほか、「GOLFTEC by GDO」のYoutubeチャンネルでは、サブチャンネル展開を実施。辛口コメントでファンが急増中の「ミタナラバコウタロウ」でおなじみの、ミタさんこと三田貴史とコウタロウこと吉田幸太郎が出演し、番外編として選手情報や使用ギア、おすすめアイテムを「忖度なし」のスタイルで紹介。後半は、お得な情報を提供するライブコマースを実施した。
当日は、早朝より大雨の悪天候で、天気予報を考慮し18ホールが9ホールプレーに短縮した形で大会を実施。しかし次第に雨が強まり、悪化するとの予報から大会の中止を判断。実際プレーを中継したのは、2時間30分程度となってしまった。
2019年度から、LPGAプロテスト、LPGAクォリファイングトーナメント(QT)の制度が変更になり、QTの受験資格が「LPGA会員」のみとなったことで、プロテストに合格をしないとレギュラーツアー、ステップアップツアーで戦うことができなくなった。
そこで、真剣勝負を望むすべての女子ゴルファーのために、開かれたツアーの場を提供していきたいという思いのもと、サトウ食品株式会社の特別協賛が実現。
DSPE運営事務局は、「トッププロを目指すゴルファー達に垣根を取り払ったフィールドを提供すること、そして彼女達の姿をリアルタイムで配信することが、日本のゴルフ界の更なる活性化・発展につながる」と考え、2022年以降も継続的にトーナメントを開催する意向だ。
インターネットでゴルフのワンストップ・サービス(見る・買う・行く・楽しむ)を展開するGDOでは、オンライン通販とライブ配信を組み合わせた「ライブコマース」に着目し、試合という「エンターテイメント」と「ライブコマース」を掛け合わせることにより、どのような結果が得られるのかという効果検証を行うことを目的として、プロジェクトへのサポートを決めた。
さらに、GDOが2018年より全国のゴルフ練習場に導入を進めている「トップトレーサー・レンジ」でスピンオフ企画を実施。DSPE契約選手の鈴木絢賀、小野星奈、高野あかりとマンツーマンで1時間「バーチャルゴルフ対決」や「レッスン」を楽しめるスペシャルイベントへ無料で15名を招待。
イベントは12月に「岩本山ゴルフ練習場(静岡県)」「チボリゴルフセンター(兵庫県)」「第百ゴルフクラブ(神奈川県)」で開催。
ブランディング推進室の加藤岳久は「大会が中止となり残念だった。全体の座組はまだまだ見直しが必要だが、内容的には特にクラブなどのギア系に関して、新たな販売チャネルの糸口になるのではないかと可能性を感じられた。
初めての試みで、色々と準備が大変だったが、またやってみたいと感じた。今回実施して見つかった課題を解決し、新たなゴルフ中継の楽しさを確立したい」と語った。
■コメント
新規試合中継をより一層楽しめるコンテンツづくりを目指し、新たなる試みに挑戦したスタッフに話を聞いた。
神代結衣(UXD本部UX推進部CRM企画チーム)
GDOではYoutubeコンテンツが増え煩雑になってきていることから、昨年7月より各部署から代表を選出し、定期的にミーティングを行い、企画内容や配信予定を話し合っています。今後、初心者向けのコンテンツを強化していく上で、出演者としても経験が必要だと思っていたので、2日前に声をかけられて急遽出演することになりました。今回は新規トーナメントのライブ配信と並行して、GDO本社からサブチャンネルを配信。現場では、緊張はしませんでしたが、ちょっとした時間差が生まれることによる、難しさや面白さを実感しました。視聴者とリアルタイムでのコメントのやり取りは楽しかったですね。
三田貴史(GDOゴルフテックTQ&サービス開発チーム)
編集ができないライブ配信への出演が決まってから、関係各所から失言に気をつけるよう再三連絡があった(笑)。「忖度なし」「辛口コメント」がどこまで通用するかの勝負だと思ったが、やはり口数はいつもより少なめになってしまい、あらためて生放送をするための技術が必要だと実感した。自分のとがったキャラクター設定も、すべては「ゴルファーを助けたい」という思いから。これからも、ありきたりのつまらない企画はしたくないし、ユーザーにささるコンテンツをまじめに伝えていきたい。
吉田幸太郎(GDOゴルフテックTQ&サービス開発チーム)
今回の企画は「エンタメ×エンタメ」の効果検証。「ミタナラバコウタロウ スペシャルLIVE 〜ふざけないでヤル9時間生配信~」と題して、大会ライブ中継と連動したトークライブ、ライブコマースを実施できた。中継映像を見ながら、スイングだけでなく「使用ギア」の視点でも解説、紹介をすることで、視聴者とのやり取りも生まれたのはライブ配信ならでは。ゴルフテックではウェビナーやライブレッスンをすることも多いので慣れてはいるが、アニキ(三田)のギリギリを攻めるコメントにはヒヤヒヤした。コロナ禍で人とのふれあいが減っている中、Youtubeの視聴者から「フィッティングイベント」をやって欲しい、などの声をもらい、インターネットを介してでもユーザーとつながったことを実感できたのがうれしかった。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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