ゴルフの技術やスコアの良し悪しは評価に直結するものではありません。当たり前の話ですが、まず『人として』どうなのか、なのです。マウント取ったり、ニギりの無理強いをしてはいけません。ゴルフが上手くてもなんにも偉くありません。ゴルファーにとっての最高の賛辞は「また行きましょう」と言われること。そのために避けるべきは『へぼ』じゃなく『やぼ』。ゆめゆめ油断なさらぬよう。
【センセイは選んでいいんだよ】
初心者の頃、同僚に連れていかれた練習場。場末のホスト感満載のセンセイはいきなり私の腕をねじ上げて「トップの位置はここだから」と宣言。さらに「ほら、今までこんなナイスショット出たことないでしょ」とご満悦。下手だから来てるのに下手であることを責められるとは、はて面妖な。十把一絡げに扱われるのも小馬鹿にされるのも業腹なので二度と行かなかったけど、どうやらこれは日本人のスタンダードではないようで。
A嬢はスクールで、センセイにストレッチ名目で激しく引っ張られたせいで首を酷く痛めたものの「やめるのもなんか悪い」から治ったらまた通うという。B氏は十年同じセンセイに習ってスコアが全く縮まってないのに「ずっとお世話になってるしねえ」ということでこれからも継続するらしい。嗚呼、美しきニッポンのココロ。って、そんな悠長な。人生一度きり。ダメならドライに『チェンジ』が吉です。ゴルフってもっとずっと楽しいんだから。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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