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  • 第5回 ROYAL GREEN、若者来場者激増中!

    礒﨑博文
    株式会社ウィルトラスト 代表取締役社長 2013年、株式会社ライフルから独立。多重債務を抱えたゴルフ練習場の運営事業を引き受け、事業再生に。現在はゴルフ練習場2店舗に対し、新たな業態、『Golf&Entert...
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    梅雨の明けた7月末現在、茨城県水戸市のゴルフ練習場「ROYAL GREEN」は猛暑の影響もあり、新規来店数、総来店客数も落ち着きましたが、リニューアルオープンから4か月、累計約6000名の来店客がICカードに登録しています。 そこで今号では、当店の新たな施策と4か月間の顧客動態を分析します。ちなみに我々は施設を「店」と呼びます。業界では「場」もしくは「施設」と呼ぶのが一般的だそうですが、私には「店」と呼称するほうがシックリします。 さて、次の数字は当店会員登録者の年齢構成比です。 20代=19% 30代=17%40代=21% 50代=17%60代以上=16% 合計90%となったのは、10代の登録者と生年月日未記入が数%あったためですが、いずれにせよ、20~30代で36%を占めたことは特筆に値すると思います。周知のようにゴルフ人口は高齢者が多く、確たるエビデンスはないものの、平均年齢は60代前後とされています。 日本ゴルフ場経営者協会による入場者実績(ゴルフ場利用税調査による実数)では70歳以上が25%となり、これに照らしても当店の顧客年齢の若さが際立っています。コロナ禍による20~30代ゴルファーの増加は、同業経営者との情報交換でも実感できます。 ただ、そのような情勢はあるにせよ、当店がリニューアルの際に企画した新たなコンセプトやサービスが若い世代にウケたという感触があり、最大の要因はトップトレーサー・レンジ(TTR)の導入を核にした様々な施策にあります。 TTRはゴルフとエンタメを融合したシステムで、2018年9月、米国から日本に上陸。現在、国内では約40の練習場が導入しています。それ以前、私はTTRを導入して人気だったラスベガスの「トップゴルフ」を視察して、衝撃と感銘を受けました。そこでは音楽、飲食、ゴルフとハイテクの融合で素晴らしい空間演出をしていたのです。この経験が、当店のコンセプトとTTRの導入を決意させました。 とはいえ、我々のコンセプトは「トップゴルフ」の模倣ではありません。『ゴルフボールを打つという時間に、楽しさを加える空間デザイン』にこだわり、TTRの機能を最大限に活かすための議論を重ねました。リニューアルオープンから4か月、成果は着実に現れています。

    TTRを活かす発想術

    TTRには大きく分けて二つのモードがあります。1人利用で練習の質を高める「セルフモード」と、誰かと一緒にゴルフを楽しむ「グループモード」です。通常のゴルフ練習場にTTRを導入するとセルフモードの利用が主となり、グループモードはその価値を最大化できません。 そこで当店は「1階エリアをセルフモード」「2階エリアをグループモード」の利用を推奨し、二つの価値を最大化することを決めました。その結果、セルフモードの利用率が全体の65%なのに対し、グループモードが35%と、想像以上にグループ利用を促進できました。 これは、店舗スタッフがお客様一人一人にTTRの使い方、楽しみ方を丁寧に説明した成果です。具体的には、練習がメインのセルフモードは「フリー計測モード」と「クラブ別計測モード」があり、特に後者はマイクラブの練習データ(球数や平均飛距離等)をアプリに保存できるため、個人練習には最適です。利用者は日々の練習内容を記録して予習・復習に役立てられます。 新規ご来店のお客様には、打席までスタッフが誘導し、TTRの各モードを説明、アプリのダウンロードを促しますが、これには通信インフラが必要です。当店は1、2階合わせ全84打席にTTRを設置していますが、全打席でスムーズにつながるWi-Fiネットワークを新たに完備。 これが威力を発揮した結果、他のTTR導入施設のアプリダウンロード率は約20%なのに対して、当店は36%になっています。

    2階の新活用法で売上アップ

    次に2階エリアについて説明します。こちらは女性専用の6打席、グループ用4打席など4区画に分類し、女性用打席には1脚60万円のチェアを備えるなど空間演出に注力しています。夜間はチェアに内蔵される照明が灯り、幻想的な雰囲気を生み出しますが、2階はTTRのゲーム機能がメインとなる「グループモード」を推奨。このモードではシミュレーションラウンドやニアピン・ドラコン等のゲームが楽しめます。 本来は4打席設置できるスペースを2打席(通常の1打席幅2・5mを5m)にし、大型ソファのグループシートなどで最多4名までゆったりと利用できます。リニューアル前は1打席2名までの利用でしたが、現在は3~4名以上のグループ利用が増えています。 2名以上のご来店には必ず2階打席の利用を推奨するよう、社内ルールを徹底しました。むろん、強制はできませんが、一度2階エリアを体験すると、その空間に驚かれ、若い世代にはデートコースとしての価値も認めてもらえるようです。 収益面でのポイントは、1打席に4名入った場合、1人当たりの60分料金(1000円)は1階打席(1100円)とほぼ同額なので、打席売上は1打席60分で4倍になります。 従来は1階のニーズが高く、そのため2階の稼働率アップが改善ポイントでしたが、リニューアル前に比べて2階売上は約6倍に急伸しました。これはとても大きな収穫だと考えています。 また、2階打席の利用には、ゴルフ以外にもカフェでのドリンク提供やビリヤード・ダーツの利用料金も全て含まれ、そのことも高い顧客満足につながっています。 グループ利用の促進には、別の利点もあります。たとえば1階エリアに友人4名で来店され、4打席並びで確保できない場合、バラバラになります。場所が離れると会話をするため1打席に集まり、その間「空き打席」が生まれます。これでは満席時にほかのお客様をご案内できず、機会損失につながってしまう。 4名を2階のグループシートへ誘導すれば問題を解決でき、稼働率が高まるわけです。 ただし、一方では課題も浮き彫りになってきました。若い層が楽しく過ごす世界観は、練習に真剣に取り組む顧客から「うるさい」などのクレームになりやすい。その対策として、エリア別に色分けをして、グループ客は同じエリアへの誘導を徹底するなど、課題をクリアする必要性を実感しています。 とにかく、日々改善です。次号の誌上ライブ配信もお楽しみに!
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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