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  • 完全無人化と地域コミュニティとの両立目指すインドアゴルフレンジ

    嶋崎 平人
    1951年生まれ。東京都立大学工学部機械学科卒業。ブリヂストン(タイヤ)入社後は主に製造技術畑を歩き、その後ブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発等を担当。クラブ開発に携わり、特許を二十数件出願している...
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    無人のインドアゴルフ練習場「オールデイゴルフ」は2020年7月、東京の世田谷区桜新町に1号店を開業した。その翌年5月にフランチャイズ(FC)を展開する株式会社オールデイゴルフを設立。現在、東京に4店舗、大阪支社を立ち上げて大阪に1店舗を展開中。 創業者は小野木幸雄代表取締役。同氏は1998年に慶応大学を卒業後、横浜ゴムの子会社・プロギアのゴルフ用品事業部に配属されて、商品企画・販売促進などを経験した。 「プロギアは他社に先駆け、動画解析による最適なレッスンでスイング、スコアを改善する『サイエンス・フィット』を始めましたが、その1号店の開業に企画から深く携わりました。その経験が今の仕事に生きています」 小野木代表は大学時代ゴルフ部に所属。2010年にプロギアを退職後、親族がゴルフ場経営に進出し、その事業運営に携わるなどゴルフとの縁が深い。そのコースは3年ほどクローズした案件で、メンテナンスして再生する事業だった。 なぜ、インドアビジネスを立ち上げたのか? 小野木代表は、 「ゴルフが好きだからです(笑)」 と前置きして、こう続けた。 「近年、都内の屋外練習場はどんどん閉鎖してますが、これだけ減ると練習場難民が出ると考えました。インドア練習場はどちらかといえば、スクール中心のイメージですが、レッスンよりも『練習需要』が増えると考え、打ちっぱなしみたいに自分のペースで練習できるインドアをつくりたかった。シミュレーターも進化しているので、自主練の環境はよくなると思います」 そこで2020年7月に3打席の桜新町店を開業し、その後新橋店、2021年9月の四谷店とつづく。「無人オペレーション」が特徴だから、コストを抑え、誰にも気兼ねなく練習でき、さらにコロナ禍で人との接触を避けたいという時代の要請にもマッチしている。

    スマホに開錠キーが

    筆者は四谷店の無人システムを体験してみた。初回体験は無料。HPで5店舗うち、自分の行きたい店舗で日時を予約する。その際、インドア練習場に入るドアの鍵を開けるシステムを、スマホのアプリにダウンロードする。当日、予約時間の10分前にアプリに電子キーが出て、それを使ってインドアの入り口を開錠する仕組みである。 この入館キーは練習開始予約時間の10分後まで対応し、10分を過ぎると対応しなくなる。練習時間は45分間で、終了5分前にチャイムが鳴り、ボールを自分で片づける。45分に2回目のチャイムが鳴って練習終了、退出という流れになる。 打席には弾道計測器が備え付けられ、ボールの飛距離を決める三大要素(ボール初速、打ち出し角度、バックスピン)等を計測して、自分の問題点を把握できる。また、ゴルフスイングを複数の定点カメラで録画し、その場ですぐに自動再生、スイングを確認できる。一連のスイングシステムは韓国製で、オールデイゴルフが日本で初めて導入したものだとか。来場者に話を聞くと、 「普通の練習場で何百発打つよりも、ここで自分のデータ、スイングを見ながら数十球打つ方が格段に身につきますね」 と、好評価だ。筆者も体験してみたが、同じ実感をもった。 今回取材した四谷店のFCオーナーは、綿半ホールディングという会社。同社は1598年の創業で、綿の商いから始めて400年以上の歴史をもつ。現在は小売業、建設業、貿易業と事業展開は幅広いが、その綿半がオールデイゴルフに興味をもった理由は、 「不動産活用の実験として着眼したのです」(経営戦略室・小貫浩氏) これを受けた小野木代表は、 「無人化オペレーションへのこだわりや、システムの構築にも尽力いただけました」 新興企業と400年以上続く企業のマッチングが、ゴルフを媒介に成立したことが興味深い。

    地域コミュニティの場

    展開店舗はいずれも2~3打席と小規模だが、事業採算について小野木代表に確認すると、 「1打席当たり、適正な会員数で運営することが重要です。多すぎると予約が取りづらくなるし、逆に少なすぎると採算が悪化します」 と、一般論を話すにとどまる。1打席当たりの適正会員数は非公開だが、基本は会員制で、四谷店の場合は入会金2万2000円、スタンダード会員で月会費1万1000円、1回あたりの利用料は550円。無人で人件費がかからないことを考えると、1店舗当たり月商100万円超で十分採算に乗ると推定できる。  大阪支社長の今泉良太氏に実際の来場動向を質問した。 「最近の若者はクルマ離れが進んでいます。そのため、街中にあり、電車や徒歩で来場できるインドア練習場はニーズがあると実感できます。来場者の年齢層は20代~70代と幅広く、頻度が高いのはゴルフにハマっている30~40代ですね。女性の来場者も増えています」 とのことである。
    オールデイゴルフ大阪支社長今泉氏
    オールデイゴルフは無人インドア練習場で、基本は個人練習だが、課題や練習方法をアドバイスしてくれるプロのマンツーマンレッスンもメニューにある。また、同じ店舗に集まるゴルファーがSNSを活用してコミュニティをつくり、ゴルフコンペなどで交流することも手助けしている。屋外の練習場よりは商圏が狭いと考えられ、その地域のゴルファーのコミュニティの場としての役割も担えそう。小野木代表は、 「アクセスの流れを含めて、このビジネスは都市型のモデルなんですよ。完全無人の店舗経営であれば、商業施設の空きスペースで展開することも可能です。今後の目標としては、年間5~10店舗の開店を目指したいですね」 ゴルフにはグローバルな広がりがあるので、ニューヨークなど海外進出も夢ではないかもしれない。これからの展開に期待したい。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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    インドア
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