1. 練習場・インドア

ゴルフパートナーが仕掛ける 三位一体のゴルフ練習場

練習場・インドア 嶋崎 平人

千葉市緑区土気町に、ゴルフパートナーの千葉土気練習場店・千葉ショートコースはある。外房線の土気駅より徒歩15分で車がなくてもアクセスでき、千葉東金道路中野ICより5分の好立地だ。ゴルフパートナー直営の練習場で、72打席200ヤードの施設に加え、10ホールのショートコース、ゴルフパートナー店を併設している。

ショートコースは1418ヤードのパー31で、最長は210ヤードのパー4である。今回は同施設のマネージャーであり、ゴルフパートナー練習本部直営練習場運営部スクール事業課も兼務する、毛塚久人氏に取材した。毛塚マネージャーはPGAティーチングプロB級の資格を持つ。学生時代は日大経済学部の学部ゴルフ部に所属。

「ゴルフ関係の仕事がしたい」

と、新卒で2011年に同社へ入社。八重洲北口店で副店長、宝町昭和通り店では店長も務めた。

「でも、クラブの店頭販売だけで本当にお客様のニーズに応えられているのか。そんな疑問を感じていたとき、社内にスクール事業課ができ、同課に移りたいと希望しました」

丁度、新潟の燕三条店でショップを併設したインドアゴルフ練習場のスクールでプロが退職、人員が必要となりそこに異動した。赴任中にティーチングプロB級の資格を取得。新潟で3年、その経験を生かして川越のR16川越インドア練習店のスクール立ち上げを行った。

ショップ、練習場、スクールの経験を積み、2019年から現職。マネージャーとレッスン事業を兼務する。現在全国に30あるゴルフパートナーの、スクール運営統括も担当している。

ゴルフパートナー千葉土気練習場は、1985年に地元有志が共同でゴルフアリーナとして立ち上げた。当時から200ヤードの練習場と10Hのショートコースで、今も基本的な構成は変わっていない。ゴルフパートナーが運営を始めてから14年が経過。同氏の役割は一義的に、

「スクール、ショートコースを活用して練習場の売上を上げること」

だという。練習場の料金は基本的に時間内の打ち放題で、平日60分1200円、120分1500円だ。ショートコースは平日10Hプレーで2000円、休日3000円。

また、1カ月間のフリーパスで練習場・ショートコースを使い放題で1万8000円のプランもある。女性は平日のみ1万円のフリーパスが人気だとか。スクール専用の6打席があり、月謝を払えばスクール受け放題。複数のプランがあるのだが、平日昼間のみ6600円、全日全時間帯9900円である。

楽天とも協働する

年間10万人が来場し、スクール生は200名近く在籍している。練習場、スクール、ショップが一体となったワンストップ型であり、ショートコースまで併設する「四位一体」の施設は、ゴルフパートナー系列でここだけだ。ゴルフ練習場の一つの理想の姿ではないかと思う。

「スクール、ショップ、練習場に加えてショートコースもあるので、運営上、様々なチャレンジが出来るのが面白いところです」

また、ゴルフ未経験者へのアプローチとして、ゴルフパートナーには「はじめてのごるふくらぶプロジェクト」があり、これに登録すればクラブを1本無料でくれる。スクール、ショートコース、おまけにゴルフクラブも安価に手に入る総合力はほかに例がないだろう。

それだけではない。練習場からゴルフ場へジャンプするには、初心者にとって多くのハードルがある。その壁を取り払うため、特に若者世代と相性が良い楽天GORAを通じて、平日「20代~30代限定プラン★廻り放題+60分打ち放題」で税込み2000円のプランを提案している。毛塚マネージャーは、

「新規ゴルファーの創出は、来場した若い世代をリピーターにできるかが鍵で、3回リピートしてもらえればゴルファーとして定着します。そのために、このプランで来場した若い人に、仲間と一緒に使える割安クーポン券を配り、仲間と再来場を促す施策を行なっています」

自社だけで完結せず、他社と協働することにも前向きだ。

若い世代がゴルファーとして定着するには、「上達」が不可欠とされている。上手になれば楽しくなり、練習やプレー頻度が高まって、用品用具への支出も高まるという、相乗効果が期待できる。上達を促すのがスクールであり、毛塚マネージャーはこの点について、

「通常、練習場はその支配人が管理運営し、スクールは教えるプロが中心で運営されることが多いんです。練習場とスクールが一体で運営される施設が理想的ですが、実際には少ないのが現状です」

ゴルフパートナー千葉土気ショートコース

ただし同氏は、ゴルフパートナーのスクールを統括しており、自身もティーチングプロB級の資格を持つ。この「土気」の練習場でマネージャーを兼ねながらレッスン業務にも携わる毛塚マネージャーの体験が、今後ゴルフパートナーのスクール展開に生かせるのではないかと思われる。同社の直営スクールは30あり、成功事例を増やしながらノウハウを蓄積し、フランチャイズでのスクール展開を胸中に描いているようだ。運営数と内容の双方で、世界一を目指したいという。

ゴルフ練習場の課題について、「ひとつは、50代後半以降の男性常連客への対応がマンネリ化しています。いかに新鮮・目新しさを演出できるかが大事。もうひとつはコロナ禍でゴルフを始めた若い世代、子育てがいったん終わった世代にもゴルフを楽しんでもらいたいですね。上手く世代交代しないとゴルフ業界の先は厳しいと思う。今後はディズニーランドが競争相手になってくると思いますが、ゴルフの敷居を下げるためにも施設で『音楽を流す』など、もっと遊べる環境に生まれ変わることが必要でしょう」――。


この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。

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ライター紹介 ライター一覧

嶋崎 平人

嶋崎 平人

1951年生まれ。東京都立大学工学部機械学科卒業。ブリヂストン(タイヤ)入社後は主に製造技術畑を歩き、その後ブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発等を担当。クラブ開発に携わり、特許を二十数件出願している。日本ゴルフジャーナリスト協会副会長。

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