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  • 第11回 「利他主義」を企業文化とする

    礒﨑博文
    株式会社ウィルトラスト 代表取締役社長 2013年、株式会社ライフルから独立。多重債務を抱えたゴルフ練習場の運営事業を引き受け、事業再生に。現在はゴルフ練習場2店舗に対し、新たな業態、『Golf&Entert...
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    この連載も11回目となり、いよいよ次回が最終回となりますが、改めて私の経歴をご紹介します。 弊社の代表に就任する以前は、不動産ポータルサイトのHOME’Sを運営する株式会社LIFULL(ライフル)に勤めていました。在任期間は2007年から7年間で、この間は従業員数が100名弱から約1000名に増えるなど、急成長していた時期で、学生の人気企業ランキングでは常に上位でした。 同社には「日本一働きたい会社プロジェクト」がありました。人事部が制度を作るのではなく、他の社員がプロジェクトリーダーとなり、どんな会社であれば社員が幸せになれるのかを考えるプロジェクトです。当時私も立候補し、「組織を作る」という業務を担当しました。 このプロジェクトには井上高志社長(ライフル創業者・現社長)も参画。我々は起業の想いや様々な経験談を直接耳にしながら、会社をより良い組織に構築することを考える貴重な時間を過ごしました。 そして、この時の経験から「社長のリーダーシップ」「人財が集まる風土」「人が育つ教育プログラム」の重要性が、今の私をつくる大きな学びとなり、その学びから当社は以下の3つを大切にしています。 1)ビジョンの共有と徹底 組織においてビジョンやミッションは重要だが、単なるスローガンで形骸化するケースも見られる。自社にとって何のためのビジョンなのか? ゴルフ業界が厳しい時代を迎えるからこそ、業界の課題を理解した上で活性化に寄与できる組織運営を遂行する。それに必要なのがビジョンであり、スタッフ全員にその本質の理解を徹底させる。 「地方創生×ゴルフ市場の活性化」 これが当社のビジョンであり、地域資源を活用しつつ、より多くの人がゴルフの楽しさを感じるきっかけをつくることで「地域経済とゴルフ業界」の活性化に貢献する。 全ての活動の判断軸に、上記のビジョンを明確に据える。 2)『利他主義』 これは私自身の理念であり、コーポレートカルチャーとなるもの。スタッフ、お客様、お取引先様、その他当社に関わるすべての人に、我々と「出会ってよかった」と感じて頂ける行動をするという揺るがない指針が「利他」である。どの企業でも社員の組織に対する貢献意欲に濃淡があり、一枚岩になりきれないという課題があるが、当社では「利他主義」を行動基軸として解決に導く。 4つの利他 ・会社からスタッフへの利他 スタッフを採用する際、当社で働く「2つの価値提供」を約束する。 会社の利益を上げることで給与を上げること/仕事を通じて自身の成長の機会を提供すること 会社全体の利益が上がっているのに、人件費を抑制することは絶対にしない。スタッフ本人の真摯な努力は「給与待遇の向上」と「自分自身の成長」という2つの報酬につながり、成果を上げたスタッフには必ずそれを提供する。 ・スタッフからお客様への利他 すべてのお客様に「出会ってよかった」を感じて頂くために、スタッフ全員が心を込めてご案内する。当たり前に聞こえるかもしれないが、これを実行し続けることで「利他の心」が当社の企業文化となる。 ・スタッフ同士での利他 スタッフ全員が協調性をもって円滑に仕事をすることはとても難しいが、スタッフ同士のコミュニケーションでは相手が求めていること、感じていることを察して行動する。 ・会社からお取引先様への利他 発注元がお取引先様に対し、上から目線で接する場合があるが、当社は「発注元だから」という考え方ではなく、双方の関係は対等であり、その上でどうすればお取引先様が当社に対して、より良いものを納める為に頑張りたいと思って頂けるかを第一に考え行動する。 何よりも、会社が全スタッフへ利他主義を実践すれば、スタッフ→お客様→お取引先様という形で利他が循環するため、ロイヤルグリーン水戸に来てよかった、株式会社ウィルトラストの仕事を担当できて良かったと、プラスの循環ができ、自社の成長につながると信じている。 3)夢を尊重したスタッフ教育 会社経営で最も大事なのは、人財教育であると考えている。特に当社は「サービス業」(装置産業ではなく)なので、最後の決め手は人になる。どんなにすばらしい戦略や理論を構築できても、また、店舗をお洒落で華美にリニューアルしても、そこに関わるスタッフがいなければ成功に導けない。 当社のスタッフ教育の基本はやりたいことをさせ、自ら成長の機会を得たくなる仕組み作りを意識。そのために半年に一度、社員面談で各人の夢を確認しながら半期を振り返り、評価を行った上で、次なる課題と目標を設定する。 その夢が当社で実現できそうなことであれば、会社も一緒にその実現に向けて準備を進め、当社ではなく違うフィールドに移るならば、そこに向けて必要なスキルを当社の業務で養えるよう指導する。 個人が判断する集団 以上が、前職の学びから構築した当社の組織作りの根幹です。私が代表取締役に就任して今年で10年目を迎えます。初めは私の考えや方針に対して否定的な声も聞こえましたが、根気強く、ブレずに続けた結果、スタッフの考え方に変化が見られ、今では一人一人が仕事を楽しみながら取り組んでいる手応えを感じます。 とはいえ、課題は沢山残されています。私が目指す組織は、上司が管理しなくても、自分自身で制度や状況を把握、試行錯誤しながら個々に意思決定できる集団です。今後はプロジェクトの担当を任命せず、自ら手を挙げた者をリーダーとする。一度任せたら、そのリーダーを徹底的に信じ、やり遂げるまで見守る。失敗の責任は私が取る。そんな方針で組織を作っていく考えです。 「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」 この言葉は、私の大好きなアフリカの諺ですが、今号のテーマに「組織づくり」を選んだのは、前職で経験した仕事内容と、ゴルフ業界の現状にギャップを感じる部分があったからです。ゴルフ練習場の多くは人件費率に目標を設定し、省人化を目指していると思います。「人財」への投資を積極的に行う企業も見られますが、それでも急成長中の他業界との差は大きいと感じます。 私自身、ゴルフ業界の既定路線を踏襲すれば、経営効率を考えて人件費を抑え、利益体質の企業を目指すべきと考えることもあります。しかし、既成概念に囚われず、業界に風を吹かせ、新たな価値創造を実現することが自分の志と心得ます。 そのため、あえて組織を大きくし、たとえ目先の利益が多少薄くなったとしても、新しいことに挑戦できる盤石な組織を作っていきたいと考えています。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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