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  • 相続税問題を乗り越えた 東京・カシワゴルフの新業態

    嶋崎 平人
    1951年生まれ。東京都立大学工学部機械学科卒業。ブリヂストン(タイヤ)入社後は主に製造技術畑を歩き、その後ブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発等を担当。クラブ開発に携わり、特許を二十数件出願している...
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    東京の立川市柏町にある「カシワゴルフ」は、10打席全てに最新のトラックマン4を設置した先進的な屋内ゴルフ練習場である。5月に新規オープンしたが、その取り組みで、デンマークにあるトラックマン本社からCOOが施設を見学に来たほどだ。 この「カシワゴルフ」を運営する豊泉興産株式会社の豊泉幸夫代表取締役に「カシワゴルフ」の取り組みについて話を聞いた。 豊泉家は立川で300年以上続く農家で、豊泉代表の父親の代まで農業を営んでいた。父親は、立川でウド栽培の先駆者であった。立川市のホームページでも、ウドは「東京うど」として紹介される名産だ。 武蔵野で行われていた室(むろ)での栽培方式が、立川の地質に適していたため盛んになり、生産量は立川市が東京で1位となっている。 立川は新宿から中央線で46分と利便性の高い場所にある。これがある意味災いし、農業の継続が難しくなった。 それは、1972年の市街化区域農地の宅地並み課税である。この法律施行により、300年続けた農業から事業転換して、父親の代でゴルフ練習場を始めた。1972年6月20日のオープンだったが、なぜゴルフ練習場に事業転換したのか? 豊泉代表の説明を聞こう。 「農業を継ぐつもりで、都立農林高校に通っていましたが、この法律が施行されると農業が継続できるのかと考え、大学は日大の農獣医学部に進んで様子を見ていたのです。大学に入学したのが1970年で、宅地並み課税されると、この近郊で農業をするのが厳しいこともわかってきた。また、父親がウド出荷のため築地に向かう際、高速道路から芝のゴルフ練習場を目にしていたんです。事業転換には何の業種がよいのか。自分もゴルフに興味があり、学部のゴルフ部に入りました」 そんな状況下、当時流行していたボウリング場などの案もあったが、 「自分がゴルフを始めていて、東京都心でもゴルフ練習場が成り立っているなどで、練習場への事業転換を決めたのです」 新事業の立ち上げに際しては、地域でゴルフに詳しい知人を含めて多くの協力やアドバイスをもらったという。練習場は2階建て48打席で170ヤード。ネット用の鉄塔は高さ35m、最大震度7、風速60mに耐えられる構造にした。 「カシワゴルフ」という命名は、 「立川市と合併する前、この地区は北多摩郡砂川町で、合併して立川市砂川町になり、さらに地名変更で1972年4月に砂川町がいくつかに分かれ、この地区は柏町になったのです。 それが練習場オープンの直前だったので、新しい町名を入れ『立川カシワゴルフセンター』としました。現在は『立川』と『センター』を取って『カシワゴルフ』です」 地元密着の想いがわかる。

    総投資額20億円

    1970年に尾崎将司がプロデビュー、ゴルフブームに火をつけて、男子ツアーの試合数も1971年の34試合から1972年には47試合に急増している。この年の「日本オープン」をNHKが初めてテレビ中継した中で、「カシワゴルフ」がオープンした。 豊泉代表が振り返る。 「当時、お客様の半分ほどが『カシワゴルフが出来たのでゴルフを始めよう』と来場され、1階は土の打席だったので、アイアン用のマットをダフって飛ばすお客様も多かった。ゴルフブームのおかげで事業は順調に推移しました」 その屋外ゴルフ練習場が「屋内」に業容変更した理由は、冒頭に触れた相続税が関係している。 「父親が2012年に亡くなりました。カシワゴルフの土地に将来住宅を建てられる『広大地指定』で相続税が減免される制度があり、相続税を支払うことが出来ましたが、2018年に広大地指定の相続税減免制度がなくなってしまい、二次相続について相続税が数億円になることが判明したのです。そこで金融機関や税理士、コンサルタントを交えたプロジェクトチームを立ち上げ、4年かけて資産売却も含め相続対策を検討しました。ゴルフ練習場の土地3600坪の内、2500坪を売却して、残りの土地で1階をテナント(スーパー)、2階を屋内練習場にする計画ができたのです」 練習場をやめる選択もあったが、 「ゴルファーが集まれる場所を残して、従業員の雇用も確保したい」 との想いであった。 そのころタイミング良くトラックマンの売り込みがあり、他の機器も検討したが、最終的にトラックマンを導入した屋内練習場の構想が固まった。資産売却、建屋建設、テナント探し等、再開発事業を手掛ける大和ハウス工業と組んで進めた。 2021年5月9日に50年続いた屋外練習場を一旦閉店。事前に近隣住民や顧客に閉店の旨を告げ、スムーズに新しい屋内ゴルフ練習場の建設へと移行。 2022年5月20日に新生「カシワゴルフ」が誕生した。資産売却、建屋建設、トラックマン導入、システム構築を含め、総額20億円のプロジェクトであった。 屋内練習場として建屋を建設したので、天井も高く、打席もボールが跳ね返らないように設計され、練習グリーンや工房も備えている。 「トラックマン4の導入で、300ヤード先の球の転がりまでわかります。今までの練習場より打球の行方が確認できるので、お客様からの評価も上がっています」 新生「カシワゴルフ」は会員制。10打席を効率よく活用するため、1コマ50分で、基本は予約日から起算して1カ月先まで6コマ限度で予約できるシステムだ。全日会員で月額2万5000円である。 「この予約システム、集金システム、レジ回りキャッシュレス等を構築するにあたり、トータルコーディネートを大塚商会にお願いしました。当初、スーパーの2階で気楽に屋内練習場を始めようと思いましたが、従来のノウハウでは対応できなかった。システム構築には数千万円を投じましたが、多店舗展開や24時間対応まで可能な、将来の広がりも考えたシステムです」 都市近郊の農家が法律の改正に柔軟に対応し、ゴルフに事業転換しながら更に事業継続している。 豊泉代表は関東ゴルフ連盟の競技委員会副委員長の経験もあり、ゴルフへの強い想いがあったからこそ、ゴルフ練習場を次の世代へ継承できる道筋をつくることが出来た。 都市部の練習場が閉鎖傾向にある中で、同社の新しいシステムがゴルフ練習場に新風を吹き込むことを期待したい。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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