昨今、AIの骨格解析技術により様々なスイング解析アプリが登場している。骨格表示や関節の角度、手の軌道や重心位置まで表示できるものもあり、スイングを科学する時代に突入している。
そんな中ブリヂストンスポーツは2月、公式アプリにゴルフスイングの撮影と診断機能を加えた。スイングを撮影し動画をアップロードすることで、同社独自の解析技術によってゴルファーのスイングを診断するものだ。利用料は無料となる。
クラブメーカーの公式アプリでスイング解析機能ができるとあって期待が膨らむ。「スイング×フィッティング」で推奨クラブがより明確化できそうだ。そこで新機能をGEW記者が体験した。
アプリから撮影するだけ
スイングの撮影はアプリを開き、「撮影・診断」タブから「動画追加」をタップ。すると撮影するか、自身のスマホのギャラリーから動画を追加するかを選べる仕様だ。
ただ、正確な診断のために撮影のやり方にわりと細かい決まりがあるため、ギャラリーからの追加よりもその場で撮影する方が良さそうだ。また、フレーム数などの制約があるため特にAndroidでは非対応の機種もあるという。ちなみに記者は念のためAndroidとiPhoneを両方持参したが、iPhoneにしか対応していなかった。
多くのゴルファーが気軽に使えるようにすることを考えると非対応機種があるのは残念だ。ただAndroidのOSは様々なメーカーの端末に使われているため、解析精度を担保した上でその全てに対応するのは難しい作業と聞いたことがある。今後に期待するしかなさそうだ。
撮影は後方からと、正面からの2パターン撮影する。撮影後にアップロードすると早速解析と診断が始まった。
アドバイスや練習ドリルまで

解析動画を観ると、骨格やクラブ軌道が可視化された状態になっており、アドレス、トップ、インパクト、フィニッシュの4か所をワンタップで観ることができる。
診断結果を見ると、体の部位ごとに〇や△でレベルが表示され、それに対する詳細な分析結果とアドバイスを見ることができる。

記者の場合、後方からのスイングでは下半身の動きを指摘されているのが分かる。確かにインパクトでアドレスの時よりも腰が前に出ているため手元が浮いてしまっている。

前方からのスイングは手打ちを指摘されている。下半身先行を意識すると手元が遅れてフェースが開くため、最近では腕から先に動かす意識をしていた。その結果下半身が止まっている点を指摘されたようだ。
その結果を元にチェックポイントといくつかの練習ドリルの動画が表示された。こちらももちろん無料で視聴可能だ。

以上、新機能を体験したが、現在巷には多数のレッスン動画が溢れており、情報過多になっているゴルファーも多く、自分の本当の課題とズレた動画を観てしまうと逆にドツボにはまりかねない。その意味では、スイング動画を解析し、そこからあぶり出された課題を元に改善用のドリルが観られるのは効率が良い。
解析には一定の時間がかかるため、今後は解析速度の速さや対応機種が改善されてくれば、より実用度の高いアプリになりそうだ。練習ドリルの動画に、同社のボールを使用するタイガー・ウッズや契約プロの宮里藍などが出演したらさらに使用するゴルファーが増えるかも? 今後のアップデートに期待したい。