大型ヘッドと組み合わせれば究極の安定感が手に入る
Check point!
- 爽快なメタリックサウンドが楽しめる
- 強さとしなやかさがあるから曲がらない
- 大MOIヘッドとのマッチングが◎
永井プロの試打インプレッション
とてもメタリックな感じで、きれいなコスメですね。そして、ロゴマークには切れ味のあるラインがあしらわれていて、商品名の 『Wボロン』を彷彿させるようなデザイン。しっかり飛びそうな印象を受けます。
打ってみての全体的な印象は、まず重量感ですね。今回は60g台のSフレックスを試打しましたが、やはり金属繊維のボロンがフルレングスにダブルで入っているせいか、実際の数字以上に手にズシリと重みを感じます。また、インパクトの衝撃が単一繊維のカーボンシャフトとは違い、メタリックな衝撃感が手に伝わってきます。打球音もちょっと破壊音というか、ボールが割れてしまうのではないかと思うほどの厚いインパクトの音ですね。
結果としていえるのは、非常に方向性がいいこと。ほぼフェアウェイを外さないようなフィーリングでスイングできました。実際の計測値もフィーリングとほぼ比例していますね。やはり、ボロンがしっかりとストレート層に入っているので、とても芯の強いシャフトだといえますし、それがヘッドのブレやシャフトの暴れをよく抑えてくれます。
『ゴーディス603Wボロン』の芯の強さとしなり量に驚愕する永井プロ
強さとしなやかさを併せ持つ不思議なシャフト
また、その強さは振り難さにつながるケースもあるのですが、『Wボロン』はそれがありません。ダウンスイングからインパクトにかけて、手元・中間・先端が均一にしかも滑らかにしなってくる。とても大きなしなり量を感じます。大きくしなるのに暴れないという不思議なシャフトですが、それが方向性の良さとエネルギー効率の高さにつながると同時に、打ち出しも高くボールもつかまるというやさしさも併せ持っています。
とはいえ、やはり金属繊維のボロンが入っているので、少し振った時にハード感はあります。だから、どちらかというとすごくシャフトに助けてもらいたいと思っているゴルファーには少しハードルが高いかもしれません。やはり、自分でしっかり振り切って、シャフトに負荷をかけてつぶしていけるスイングの人だと、このシャフトのレスポンスのよさ、安定感を自分の武器として存分に使えそうですね。
そういった意味では、シャフトに負荷をかけることができる、タメを利かして打てるハードヒッターに対しては、やや硬めのハードスペックで仕上げてあげると、本当にミスが少ない安定感の高いドライバーを提供できるでしょうね。
わたしが今回テストしたのはSフレックスでしたが、私のような速いヘッドスピードでもSで丁度いいと感じましたので、試打する際は、下から上、柔らかいスペックから硬いスペックまで試してもらい、どのスペックが自分に合っているか見極めることが肝心です。最適なスペックを選べれば、この『Wボロン』の良さを大いに活用できるはずです。
また、シャフトのコシの強さ、芯の強さで当たり負けしないということを考えれば、ヘッド重量の重いタイプ、200g以上であるとか、大型サイズ・大慣性モーメントのヘッドを装着しても、しっかりと負けずに受け止めてくれるシャフトです。そうするとシャフトの安定感で方向性もいい、そしてヘッドも大慣性モーメントで方向性がいいという、非常に曲がらないドライバーが作れます。そこで自分のパワーを活かして100%の力で叩いていく。現代のトッププロが見せるようなプレースタイル、スイングに近づけるのではないかと思います。総括すれば、自分のゴルフの可能性を、さらに引き出してくれるシャフトといえるでしょう。
シャフトのコシが強いのでトウダウンも少なく、ストレートな弾道でフェアウェイをキープできる。
商品DATA
『GODIS(ゴーディス)』シリーズでは、強度・剛性・弾性率に優れた金属繊維ボロンをフルレングスで使用し、シャフトの「しなり戻り」の特に「戻り」性能を高めることに成功。さらに、弾性率が高いために軽量化を図りながら、粘り強さをプラスでき、ブレの抑制にも貢献している。今回紹介している『603 Wボロン』 は、ボロンの量を増やすことで、従来品よりもさらにブレを抑制したモデル。とにかく、方向性の良さとミート率の高さで弾き飛ばせる革新的なニューシャフトだ。
撮影協力 アバイディング クラブ ゴルフ ソサエティ(PGM)、TRUE SPEC GOLF