check point
- ■スチールとカーボンのイイとこ取り
- ■1本1万円の低価格
- ■高い飛距離性能
商品詳細
三菱レイヨンが「FRANKI プロジェクト」より発売したアイアン用カーボンシャフト『OT iron』が面白い。これまでの中重量帯から高重量帯のカーボンアイアンシャフトは、「実際の振動数より硬く感じる」、「手元が軽く感じる」、「ピンピンした感触がある」など、スチールシャフト使用者がスムーズにリシャフトできないケースが見られたという。さらには、本数が多いアイアンをカーボンシャフトに替えるにはコストが高く、普及の妨げになっていた。そこで同社は、カーボンならではの設計自由度、性能を備えながら、スチールユーザーがスムーズにスイッチできるフィーリングや価格を条件に、『OT iron』を企画したという。その特長は製造技術、着弾精度の高さだそうだ。まず製造技術だが、通常のカーボンシャフトは、カーボン繊維を並べて樹脂を染みこませたプリプレグシートを筒状に丸めて成型している。しかし『OT iron』では、カーボン繊維の束に樹脂を染みこませた同社独自のトウプリプレグを組み紐状に組み上げて製造している。これにより、余計な変形を抑えつつ大きなしなりを生み、インパクトゾーンで安定したヘッド挙動を実現するという。つまり、高重量帯カーボンシャフトにありがちなハード感を払拭して、高い弾道と左右のバラツキの低減を実現したシャフトだ。ちなみに、「FRANKI」とは卵を温めて孵化させる「孵卵器」から名付けられているが、同社ではコストや生産性にとらわれず自由な発想のモノ造りを目指すプロジェクトと位置づけている。ラインアップは、80g 台の『i85(アイハチゴー)』と 90g台の『i95(アイキュウゴー)』を用意。どちらもフレックス R、SR、Sで構成されている。
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永井延宏プロの試打インプレッション
中~重量帯のアイアン用カーボンシャフトをつくると、問題点はパキパキ、ピンピンと表現されるフィーリングで硬くなりすぎること。そして、アイアンは本数が多く高額に感じてしまうことですね。そこに三菱レイヨンが挑戦したのでしょう。製法もカーボン繊維を束ねたものを編み込んで1本のシャフトに成型しており、しっかり感を失うことなく、コスト的にも1本1万円と低価格を実現しています。試打すると、分かりやすい表現ならメジャーなスチールシャフトのフィーリングに近く、金属繊維の特長である粘りを感じやすい。ですが、シャフト自体が仕事を積極的にしてくれます。極端に言えばスチールシャフトの粘り感はゴルファーが振った分だけしか飛びませんが、『OT iron』は粘りながらシャフトがボールを上げてくれます。シャフトがつくるインパクトの強さがあり、クラブを振らなくても初速が速くなります。コントロールショットでも、少しのミスショットでも飛距離が十分に確保されます。フィーリングはスチールシャフトで、性能はカーボンシャフト。スチールユーザーが新たな扉を開くことができるシャフトだと思います。