一人二役パターTAKUMI JAPAN『TF-01 MIRAI』を最新解析センサーを使って検証する

一人二役パターTAKUMI JAPAN『TF-01 MIRAI』を最新解析センサーを使って検証する
兵庫県神崎郡市川町―。国産初の軟鉄鍛造アイアンが生まれた町である。その市川町で60年以上の歴史を誇る共栄ゴルフ工業。そのスピンアウトブランド「TAKUMI JAPAN」を展開するのがTK2だ。 今回、試打したのはパター『TF-01 MIRAI』。詳細は後述するが、今回は神谷プロに試打してもらい、世界のトップランカーが活用するパッティング解析センサー「CAPTO」を使って、パターの特質を分析してもらった。 [surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_kamiya.jpg" name="神谷幸宏" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1987年生まれ。13才からゴルフを始め、ゴルフ場での研修生、元賞金女王のキャディ、トーナメント運営を経験。大学卒業後、ゴルフ工房でクラフトマン、シューフィッターとして活動。その後、地クラブメーカーを経て、2015年独立。現在はゴルフコーチ、シューズアドバイザー、クラフトマンなどトータルアドバイザーとして活動中。合同会社ジョイナー代表[/surfing_voice]

1本でブレード型とマレット型の一人二役パターで状況に合わせる

TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター 『TF-01 MIRAI』は、それ自体は1本だがブレード型とマレット型に変形する形状変更型パター。 ブレード型の時は、ウイング構造がバックフェースの位置に納められている。一方でマレット型の場合は、ブレード型のバックフェース側に納められていたウイング構造が反転して、両翼が開いてマレット型に変形する。 TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター 特筆すべきは、ブレード型、マレット型のいずれの形状でも、何かしらの重量物を脱着することもないので、パターヘッドの総重量は変わらず、重心深度と慣性モーメント値が変化することになる。 速いグリーン、遅いグリーン、または、ロングパットが残りがちなコース、ショートパットが残りがちなコースなど、その日のコンディションに合わせて形状を選択できるパターだ。

神谷プロが『TF-01 MIRAI』パターを試打

ブレード形状はボールが捉まりアッパー軌道でラインに乗せやすい

TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター まずテストしたのはブレードの形状です。捉まる形状だと思います。様々な数値が計測されましたが特筆すべきは、「ローポイント」の数値ですね。「ローポイント」の位置が、ボールの手前6.9cmにありました。 「CAPTO」で表示される「ローポイント」は何ですか? 「ローポイント」とはストローク中のヘッドの最下点のことです。ブレード形状の時は「ローポイント」=最下点がインパクトよりも後方、つまりストローク中にパターヘッドが最下点を過ぎてインパクトを迎えやすい傾向が計測値に強く出ています。 理由はブレード型のヘッド形状もさることながら、ベンドシャフトが強く影響していると思います。 TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター インパクトをアッパー気味に迎える。そのメリットは何ですか? インパクトでの入射角が鋭角なゴルファーはボールの転がりが余り良くない傾向にあります。逆にアッパーに入る軌道であれば、インパクトロフトも増えて、ラインにも乗せやすいと思います。 また、この結果からボールを体の中心や右側にセットしたいプレーヤーなどにも合いそうです。

マレット形状はエネルギーロスが少なく、ショートしない

TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター 『TF-01 MIRAI』をマレット形状で試打したところ、「CAPTO」の計測結果ではエネルギーロスが少ない結果となっています。 エネルギーロスの少なさは、ボールの転がりなどにどのように影響しますか? ゴルファーがストロークをした分だけ、しっかり転がります。思った通りに体が動けば、そのストローク通りの距離や方向にボールは転がるということです。少し芯を外してトゥ側やヒール側でヒットしても、エネルギーロスが少ないですから、距離がショートしにくいですね。

「CAPTO」のデータから神谷プロの総評

[caption id="attachment_58567" align="aligncenter" width="788"]TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター CAPTOデータ[/caption] ブレード型 打ち出し角が1.9度の低めで、球の転がりの強さを感じられました。エネルギーバランスをみていくと、バックスピンではなく、トップスピンとのデータとなり0.2%プラスに働いています。 サイドスピン-0.4%のロスでかなり少ない範囲でおさまっています。ヒールヒットが影響して6.3%のロスをしてしまいましたが、この部分は練習でカバーできる部分だと考えられます。ローポイントの位置はボール手前6.9cm。 マレット型 マレット型の見た目の印象からか、ローポイントの位置がボール手前4.6cmとなり、思った場所に打ち出しやすくなった印象です。打ち出し角がブレード型からさらに低くなり、1.2度の打ち出し角となりました。より球の強さを感じられます。 初速もブレード型よりもさらに上がりました。それにはエネルギーロスが少なくなったことが影響しています。バックスピンのロスが-0.3%、サイドスピンのロス-0.5%、ヒールにあたったことによるエネルギーロスは-1.4%となりました。 ブレード型でもヒールにあたっていますが、マレット型の方がヒールヒットでもロスが少ないことがわかります。おそらく、トゥ側のヒットにも強いことでしょう。明らかに慣性モーメントが高くなり、ミスヒットに強くなったと考えられます。 TAKUMI JAPAN TF-01 MIRAIパター 商品のお問い合わせ:TK2 https://tajapan.com