シーモアパター・カンパニー・ジャパンは3月末、『プラチナムシリーズM7Tourバレルクランク』を発売した。シーモアパターでは今後の一つの柱となるバレルクランクネックをデザインしたパターだ。
これまでのシーモアパターはセンターシャフト、ストレートネックが多く、独自の「レッド・ドット」を隠してアドレスする「ライフルスコープ・テクノロジー」が特徴。
その「レッド・ドット」をアドレス時に隠すように構えることで、アドレス時のフェースアングルとインパクト時のフェースンアングルのバラツキを軽減するほか、設計ロフトでインパクトできる、再現性の高いストロークを実現できるのが最大の特徴だ。
しかし、シーモアはセンターシャフトのストレートネックのモデルが多かったため、クランクネックを好むゴルファーには敬遠されがちだった。
そこで開発されたのが「レッド・ドット」の「ライフルスコープ・テクノロジー」を生かす「バレルクランク」というネック形状だ。
通常、クランクネックはブレード部分から垂直に立ち上がるが、「バレルクランク」はブレード部分からシャフトと平行に立ち上がる。それによって、違和感なくアドレス時に「レッド・ドット」が隠れるアドレスが実現でき、シーモアパターでもオフセット形状のパターを使用することができるようになるというわけだ。
今回は多くのシーモアパターを販売するゴルフ5プレステージ新宿店のパターフィッター山口凛氏に徹底的に分析してもらった。
ストロークの再現性が高い シーモア『M7Tour』パターを試打検証
パターフィッター山口の『プラチナムシリーズM7Tourバレルクランク』試打インプレッション
山口:まず、シーモアパターの中では「プラチナムシリーズ」特有のSUS303の重厚な打感が印象的です。
さらに、構えた時のヘッドのシルバーに対してブラックスチールシャフトが、全体的に締まったイメージで、ヘッドの輪郭を明確にしてくれます。反射等を軽減してくるという、パターにありがちなデメリットがない点が第一印象です。
吉村:グリップも特徴的ですね。
山口:そうですね。ガーセン製の「QUAD Tour」というモデルが装着されており、角が立って指が掛けやすく、打感を感じやすいと思います。
クランクネック仕様で「レッド・ドット」を隠してインパクトロフトが安定
吉村:それでは、サム・パットラボによる試打結果を見ていきましょう。
山口:5球ほど打ちましたが、特にインパクトロフトの数値が安定しています。
それぞれ、インパクトロフトは、①1.3度、②1.6度、③1.7度、④2.2度、⑤2.3度と、設計ロフトの2.5度に対して、そのバラツキは1度以内。それも徐々に設計ロフトに近くなっています。
「レッド・ドット」に慣れてくれば慣れるほど、再現性が高くなっています。
吉村:これがシーモアの「レッド・ドット」を隠してアドレスすることによる常に安定したセットアップから生まれる安定性ですか?
山口:そうですね。シーモアの特徴である「レッド・ドット」を隠して打つことによるフェースの向き、インパクトロフトの再現性の高さがうかがえますね。
吉村:アドレス時のフェースアングルに対するインパクト時のフェースアングルの再現性は?
山口:非常に高い再現性だと思います。ターゲットに対して0.1〜0.4度しかフェースアングルにバラツキがなく、これも「ライフルスコープ・テクノロジー」によるもので、常に安定したアドレスができることで、方向性の安定にも寄与していると思います。