三菱ケミカルから『
Diamana TB』が発売されました。『TB』は「TRUE BLUE=本当の青」の略。
今回の特長は素材ですね。新開発の「#371レジン」、高性能炭素繊維「MR70」、そしてボロンと3つの素材で作りこまれたシャフトです。
構造的にも工夫されており、マンドレル(芯金)を従来モデルの2倍以上、カーボンシートを様々な形状に切り出して最適な位置に配置するパターンに3倍以上の種類のカーボンシートを用いることで、より精密にスペック展開を構築しています。
バット径や重量を最適化することで、各スペックの使用感が揃って比較試打も・フィッティングも正確にでき、クラフトにも好都合。早速、試打検証してみたいと思います。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
Diamana TBを徹底検証!

まずは60g台のSを打ってみます。色味ですが、鮮やかな青と手元側の白いグラデーションが特徴的です。シャフトの剛性分布を見ると、中間部から手元にかけて非常に滑らかな癖のない作りになっていることが分かります。その辺りは青マナを継承する分かりやすいシャフトだと言えます。
打ってみましたが、キャリーも出てトータル270ヤードを超えてきました。振り心地としては、剛性分布の特徴がよく出ており、手元から中間・先端までのしなり戻りを感じるシャフト挙動ですね。

従来はディアマナというと、強靭でヘッドスピードがある方向けのハードなシャフトというイメージでしたが、今回は非常にスピード感を感じます。スペックや重量帯が豊富に用意されているので、多くの方がこのスピードを感じることができるのではないでしょうか。
それと不思議なのは、これだけスピード感があるのに、あまり暴れる感じがないという点。
その辺りはやはり、ボロン繊維を使うことでしっかり感を出しているため実現できている部分だと思います。逆に言うと、粘り感や重量感があるボロン繊維を使いながらもこれだけスピード感のあるシャフトに仕上がっているというのは三菱ケミカルの素材や技術力がよく表れていることの裏返しだと思います。
手にした瞬間は非常にしっかり感を感じましたが、振るとアグレッシブなスピードを感じました。
続いて50g台も試打

続いて50g台のSを打ってみたいと思います。60g台に比べて多少軽くなり、スピード感が出た印象ですが、やはり今回の特徴である手元のフィーリングが確かにあまり変わらないですね。
シャフトというのは繊維の層が変わってきますので、当然重く硬いフレックスのシャフトの方が太くなり、軽く柔らかいフレックスのシャフトの方が積層が少ないため細身になるという傾向があるのですが、今回のシャフトは手元側の太さをあまり変えずにスペックの作り分けができています。
その効果なのか、スペックごとのシャフトのフィーリングやイメージの違いがほぼない印象です。
データからDiamana TBを見る

50g、60gとも打ち出しが高いので、シャフトのしなり戻りの大きさがあげられると思います。
しなり戻りが大きいということはヘッドのブレが起きやすいのですが、サイドスピンが少なく、球がねじれずに真っすぐ飛んでいるので、やはり先端の強さも含め、オフセンターヒット時の曲がりやエネルギーロスにも十分働きかけてくれて、効率の良い平均的な飛距離をもたらすシャフトだと言えます。
もちろん、非常にスピード感があるので、ここ一発のバカ飛びも期待できると思います。