ゴルフはドライバー1本でプレーするわけではありません。トレンドを追いかけ過ぎると、ドライバーだけ極端な性能になりがちです。そうするとドライバーと他のクラブがつながらなくなる。
ナイスショットしても、次のクラブでミスしたら意味がありません。14本のクラブをどのように使うのか? シャフトでゴルフを良くしたい。『アーチ』が考えるシャフト哲学です。
こう話すのは『Arch』シャフト製造元・HopeFulの浅井淳一取締役だ。
設計及び監修は、シャフト作りのスペシャリスト村上雅一氏が行っており、高弾性繊維のノウハウと、そのメリットを活かした作り込みを得意とする。
そのアーチからドライバー用シャフト2タイプが投入された。50~60g台の『CA‐01』(23、24、25、26、27)、60g台『CA‐01P』(26、27、28、29)がそれで価格は各1本7万2000円。
そのArchが送り出すシャフトを、豊富な試打経験を持つギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロに様々な角度から試打検証してもらった。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
試打検証:Arch『CA‐01』
試打クラブに装着されている『CA‐01』(25)は、SR、R相当に位置し市場で最もニーズの高いシャフト。
実際に打ってみると、シャフト全体の剛性を感じ、バットからミッドにかけての
しっかりさとそこから下の部分、真ん中から先がやや動くというイメージ。完全に先が動くタイプではないので、自然なしなり戻りで気持ちよく振り抜けるのが特長です。
その振り心地はプレミアム感が満載。高弾性繊維特有の粘りとコシの強さがあり、インパクト時にバーンッと爆発するようなフィーリングがダイレクトに手に伝わってきます。
かつ、手元側の
しっかりさが担保されているので、ヘッドスピードなりにしっかり叩いていける。
ミッド部分から先のグーンっという爆発的なエネルギーで、ヘッドもしっかり戻ってきてくれるので、球がつかまる安心感もありますね。切り返し時のエネルギーとインパクトの手応えがハッキリと伝わってくるシャフトだと思いますので、打った後に「これはいったろ~」みたいな充実感が得られるでしょう。
『CA‐01』はコースで思いっきり振り抜きたくなるようなシャフトといえます。
試打検証:Arch『CA‐01P』
一方の『CA‐01P』(26)は、組み上げた時のシャフト振動数が260CPMということですので、硬度S相当の領域に入ってきます。
先ほど打った『CA‐01』(25)と比べるとスペック的にもやや
しっかりさと重量感が出てきて、HSでいうと一枚上のゴルファーがターゲットになりそう。では早速打ってみましょう。
手元側の剛性感がよりハッキリ出ている印象で、先端部がビューンっとシャープに動く挙動がありますね。
インパクト時にヘッドが戻ってくる感じやインパクトロフトを作りにいく時の挙動は、シャープで爆発的なスピードですので、どちらかというと身体の正面で打つタイプの方がシャフト特性を活かせると思います。
身体の動きに合わせてシャフトが戻ってくるというよりも、明らかに身体の正面でパーンとシャフトを使っていくようなイメージです。
Arch『CA‐01』『CA‐01P』はどんなシャフトか
アーチ『CA‐01』、『CA‐01P』の2タイプのシャフトを打ってみましたが、共通するキーワードは
①強靭さ、②スピード感、③爆発的なエネルギーの3点に集約されます。
『CA‐01』はやや硬めの硬度27までラインアップ、つまりSX、X相当ですが、近年の大型ヘッドや今年流行の重量のあるヘッドに合わせてアッセンブルすると、より飛距離増が見込めそう。
同社のフラッグシップモデル『16509』だと球が滑ってつかまえきれなかった人にも推奨したいですね。
一方、『CA‐01P』の対象者は上級者やプロゴルファーが見えてきます。ヘッドスピードがある程度あって叩ける人。スイングタイプ的には身体の動きに対してシャフトを戻してくるというよりも、身体の正面で叩くイメージが合います。
ですので、装着ヘッドはそれほど大型ではない、操作性の良いヘッドとの相性が良いでしょう。『CA‐01P』は『CA‐01』の対象者とは明らかに異なり、実際に打つとその差をはっきりと実感できると思います。また、『16609P』で球をつかまえきれなかった人にも是非試してもらいたい。
両モデルとも爆発的なしなり戻りのエネルギーは、思わず自分でウォーと叫んでしまうくらいゴルフの快楽を感じることができると思います。
塗装にも拘っており、一見するとIP(イオンプレーティング)のようですが、金属皮膜を塗装で表現。アーチイズムが随所に感じられる一品です。