ダイヤゴルフは12月15日、新しいパターマット『ダイヤオートパットHD』を発売する。
同社と言えば、累計販売数5000万本を突破するゴルフティー『エアロスパークティー』が思い浮かぶが、練習器具、とりわけパターマットもゴルファーから支持されている。
ウィズ・コロナのこれからの時代において「おうち時間」は一つのキーワード。そんな中発売される同パターマットの活用法を、ソクラテス永井こと永井延宏プロが様々な練習法と共に徹底解説する。アシスタントはGEWの大矢晃弘が務めた。
ショットも1打、パターも1打。グリーンを制する者はゴルフを制する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
あらゆる面で進化『ダイヤオートパットHD』の特徴とは?
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オートリターンが特徴[/caption]
大矢 ダイヤゴルフから『ダイヤオートパットHD』というパターマットが発売されますが、前作は2年強で3万個の販売実績があります。
永井 かなりのゴルファーに支持されたということですね。今回はさらに進化してるとのことですが。
大矢 はい。ちょうど前作と並べていますので、早速打ち比べていただけたらと思います。
永井 分かりました。まず前作を打ってみましたが表面がフェルト素材で、よくあるパターマットの感覚ですね。
大矢 そうですね。
永井 お!ボールが自動で戻ってきましたね。ボールを3つ用意していましたが、1つで十分そうです。
大矢 一番の特徴は「オートリターン」という機能です。
永井 ボール1つで練習できるので便利ですね。では今度は『ダイヤオートパットHD』の方で打ってみたいと思います。
大矢 お願いします。
永井 表面にアライメントが入っていて、ラインがイメージしやすいですね。打ってみましたが、速いですね。
大矢 前作と異なる点は、人工芝のパターマットという点です。
永井 確かに表面の人工芝も密度も高いですし、ベント芝のような転がりです。トーナメントコースのような高速グリーンという印象です。
大矢 高密度なのでマットを畳んだり丸めたりしても癖がつきにくいですし、フェルトのように表面が逆立って転がりが変わるということも起きにくいです。
永井 なるほど。お!前作よりも勢いよくボールが戻ってきましたね。
大矢 今作は電池のほかにUSB電源にも対応しています。
永井 電池切れでボールが戻ってこなくなるということがなくなるわけですね。
大矢 はい。10分間操作しないと自動で電源がOFFになる機能もあります。
永井 省エネ設定ということですね。あと気になったのが前作に比べてカップの入り口付近の傾斜が滑らかですね。
大矢 はい。前作は高低差が3cmだったのに対し、今回は2cmですので、よりフラットになっています。
永井 カップインさせるために強く打ちすぎてしまうということがないので実践的ですね。
大矢 はい。
永井 非常に工夫されているパターマットだということが分かります。この『ダイヤオートパットHD』を使ってパター上達のための様々な練習ができそうです。皆さんにその活用法と練習法を解説したいと思います。
活用法① 『ダイヤオートパットHD』×レンガ
永井 大矢さんはパターのストロークのイメージってありますか?
大矢 そうですね‥‥。振り子のような感じでしょうか?
永井 ほとんどの方がそういうイメージを持っていると思いますが、実は振り子ではないんです。
大矢 え!そうなんですか?
永井 それを解説するのにこのパターマットは最適です。ここに重さ1.2kgのレンガを用意しています。重めのパター2本くらいですかね。
大矢 どういうことですか?
永井 パターは形からして、どうしても振り子をイメージしてしまうのですが、ゴルフクラブはライ角がついているので、振り子で振るとインサイドに入ったりしてしまいストロークが安定しません。
大矢 なるほど。
永井 レンガを用意したのは塊としてボールにコンタクトする感覚を養えるからです。具体的にはカップから1mくらいのところに膝をつきます。そしてレンガを平行に低く動かして直線的にボールを打ってもらいます。
大矢 膝をついて重いレンガで打つと塊をイメージしやすいですね。
永井 ボールが自動で戻ってきてくれるので、立ち上がる手間もないからこそできる練習です。
大矢 確かに。
永井 塊で直線的に動かす感覚に慣れてきたら今度は膝をついたままパターで打ちます。シャフトの先端付近に目印をつけてありますが、そこがバランスポイント(=重心)です。
大矢 そこを持つのですか?
永井 はい。バランスポイントを持つことで、レンガ同様、塊として直線的にストロークできると思います。
大矢 確かに芯に当たります。
永井 これを繰り返した後で通常と同じように立ってパッティングすると、振り子ではない直線的なストロークができます。ゴルフ場のグリーンでは膝をつくことはマナーの問題でできないので、このパターマットだからこそ成せる業です。
活用法② 『ダイヤオートパットHD』×ミニカー
永井 このパターマットですが非常に滑らかに転がってくれるので、「タッチ」の理解に繋がる活用ができそうです。車の運転をイメージしてもらうためにミニカーを用意しました。運転する時、まずは何をしますか?
大矢 アクセルを踏みます。
永井 次に目的地であるカップにちょうどよく止まるためにはどうしますか?
大矢 手前から徐々に減速していきます。
永井 つまり、ブレーキを踏む前にアクセルを離しますよね?
大矢 はいそうですね。
永井 アクセルを離した後は惰性で走りながら目的地まで徐々に減速していきます。パッティングもこれと同様で、アクセルを踏む(=ボールをヒットする)→アクセルを離す(=ボールが減速し始める)→惰性で走る(=惰性で転がる)→停車(=カップイン)となります。重要なのはアクセルを離した後の惰性も含めてトータルでデザインすることです。換言すると、アクセルを離す地点を明確にイメージし、そこに向かってしっかりボールを転がすことが重要です。
大矢 なるほど。
永井 その感覚を掴むには5番アイアンを使った練習が効果的です。実際のグリーン上ではグリーン保護の観点からできませんが、これだけのクオリティがあるパターマットなので、実際のグリーンと同じ効果が得られます。
大矢 アイアンだとキャリーが出てから転がるので、アクセルを離す地点までしっかり打つイメージがしやすいですね。
永井 それが「タッチ」ということになります。それと、一般的にパターマットのカップ付近の傾斜はネガティブにとらえられがちですが、このパターマットの傾斜は最後の一転がりの感覚がイメージしやすく、ほど良い傾斜だと思います。
活用法③ 『ダイヤオートパットHD』×アライメントライン
永井 『ダイヤオートパットHD』は中央に2本のアライメントラインが入っています。おそらくパターのヘッドを線に沿って真っすぐ引いて打つ練習をするためだと思うのですが、違った活用ができると思います。
大矢 どのような活用法ですか?
永井 先程同様、シャフトのバランスポイントに目印をつけたパターを用意しました。アドレスした時にその目印を2本あるラインのうち、手前のライン上にちょうど重なるようにセッティングしてみて下さい。
大矢 ヘッドをラインに合わせるわけじゃないんですね?
永井 はい。ヘッドではなく目印をライン上に沿って真っすぐ引いて真っすぐ出します。するとヘッドが緩やかな弧を描くと思います。
大矢 自然とローテーションしてますね。
永井 バランスポイントに対して平行に打ち出すことが全てのパッティングの基本ですので、このアライメントラインでその感覚を養えます。
大矢 これだと直にカップインはできなさそうですね?
永井 この練習の目的はカップインすることではないので問題ありません。それにカップインしなくてもこのパターマットはカップ周りの傾斜で必ずカップインして、自動返球されるように設計されていますので便利です。
大矢 心置きなく練習できそうです。
永井 この練習で球が左右に散らばる場合はそもそもの向きが正しく取れていないということになるので、そのあぶり出しにも有効です。
大矢 パターマットからミスの根本原因が分かるということですね。
活用法④ 『ダイヤオートパットHD』×返球距離調整機能
大矢 『ダイヤオートパットHD』の便利な機能として、返球距離を調節できる機能があるんです。
永井 カップの上にあるつまみで調節するんですね?
大矢 はい。これでショートパットの練習も楽にできます。
永井 面白い機能ですね。これを練習ドリルに応用できそうです。
大矢 というと?
永井 1m強くらいの距離を空けて2人1組でやる練習ですが、相手が自分に向かってパッティングしてきた速度と同じ速度でボールをパッティングして返してあげるドリルです。
大矢 止めずにそのまま打ち返す感じですね。
永井 はい。手先で打っていると同じ速度で返すことができないので、体幹を使ったストロークが身につく練習法です。
大矢 やってみると真っすぐ返すのが難しいですね。
永井 はい。本来は2人いないとできない練習なのですが、自動返球されるうえ、その距離を調節できるので1人でもできます。
【動画】これでパター名人!『ダイヤオートパットHD』活用法
永井 『ダイヤオートパットHD』の様々な活用法を紹介しましたが、通常私が生徒さんに行うパターレッスンが全て網羅できて、価格も私の1時間のレッスンと同じくらい。非常にコスパが良いと思います。ゴルファーにお勧めできるパターマットだと思います。
■製品価格
1万3000円
●商品のお問い合わせ:
ダイヤ株式会社
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https://www.daiya-idea.co.jp/golf/