ここ数年のゴルフ環境の変化は顕著で、コロナ禍でさらに加速している。
セルフやスルーでのラウンドが増え、ゴルファーに距離計測器が広く浸透してきている。そして、多くのゴルフ好きには「二刀流」が定着してきた。
筆者が二刀流を推奨するようになったのは、昨年の春、「イーグルビジョンACE」と出合ってからである。
当時はスマホ型の「イーグルビジョンNEXT」の色鮮やかな美しい画面に魅了され、レーザーよりもGPSが大切かも、と感じ始めていた。ただスマホ型の「NEXT」はズボンのポケットからの出し入れに少し煩わしさを感じていたのも事実である。
そんな時「NEXT」の多彩な情報を腕時計型に詰めた「ACE」が誕生した。ともにGPS距離計測器におけるシェアNo.1の朝日ゴルフのシリーズだから、これからはウェアラブル型に移行するのだなと感じた瞬間でもあった。
それ以前の腕時計タイプは黒文字で、残り距離の数字を羅列したシンプルなものが大半だった。面白みがなく、正直なところ筆者の興味が湧かなかったのである。
イーグルビジョン Watch5の進化
先日、朝日ゴルフから新しいウェアラブルタイプを発売する旨のプレスリリースが届いた。
「イーグルビジョン Watch5」がそれで、まさかの黒文字のみのシンプルタイプだった。「なぜにいま?あえて?」?マークがいっぱい溢れ、そのモヤモヤをすっきりしたくてデモ機の貸出を依頼した。
ゴルファー目線の開発
テストラウンドは、千葉県内房総にある上総富士ゴルフクラブ。東コースのトップスタート。
高低差が30m程度はありそうな凄い打ち下ろしの1番PAR3に到着。「イーグルビジョン Watch5」の左上パワーボタンを押す。ゴルフ場とコースの検索を始めた。米国GPS以外の日露欧の衛星からの補完信号を多く受信しているので検索も正確でスムーズだ。
早速NEWモデルの改良点を発見した。
ボタンが本体から出っ張っていない。腕時計タイプの欠点、ボタンの誤作動を抑えるアイデアだ。グローブに引っかかったり、手首の折れで当たったりすることがある。さりげない仕様変更だが、ゴルファー目線でよく考えられている。
形状ではもう一つ秀逸なアイデアがあった。ベルトループが付いていない。
長さを合わせた後、余った先端部分を内側に入れるようになっている。これによりプレー中にループから外れて邪魔になることが防げる。角をなくして通気性を上げた構造と合わせ、軽くて抜群のフィット感である。
また、標準より28mm短い女性向け交換用ベルトが標準で同梱してある。その時の総重量はわずか40g。女性ゴルファーも当たり前のようにGPS距離計測器を活用してラウンドする、きっかけになるかもしれない。
楽しさが加わる
新機能の最大の改良ポイントは、「ACE」で好評の「オートディスタンス機能」を取り入れたことだと感じた。
ショットの際の衝撃を自動的に感知し、次の地点まで移動するとそこまでの飛距離を教えてくれる仕組みだ。画面の上に「Dst.〇〇〇」と表示される。
7番ホール、やや右ドッグのPAR4。ここで今日一の会心の一打が出た。
早くボールの位置に移動して数値を見たくなった。わくわく。ずいぶん先のフェアウェイの真ん中に黄色いボールがあった。Dst.260。残りセンターまで82、フロントまで63の表示。
「おーっ、260ヤードも飛んでいる!」と嬉しくなった。楽しい。ゴルフの醍醐味の一つ、遠くへ飛ばすことを数値で明確に表してくれると満足度が高まる。単なる数字のみのシンプルなモデルなのに、筆者の中での評価が変わった。
まだウェアラブルGPS距離計測器を持っていないゴルファーは、「イーグルビジョン Watch5」から始めると良いと思う。市場では2万円を切る価格で販売されそうだから入りやすい。これを持っているだけで自信を持ってショットに臨めるはずだ。