マジェスティ ゴルフは10月、新ブランド『MAJESTY W-MOMENT』シリーズを投入した。「W」は「勝利」の意味で、スコアの決め手となるアプローチとパッティングを極め、ゴルファーに勝利の瞬間をもたらすという想いを込めている。
そこで同シリーズのパターをギアの賢者ソクラテス永井こと永井延宏プロが試打。「スコアメイクの鍵を握るのはショートゲームとパッティングと言っても過言ではない」と語るだけに、ソクラテス永井の目にはどう映るのか? その性能を徹底解説する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
動画で解説
永井プロが『MAJESTY W-MOMENT』パターを徹底検証

ヘッド形状は3種類ですが、いずれも慣性モーメントが6000g・cm2を超えています。この数字は通常、ネオマレットなど大きいサイズのヘッドに多いのですが、いずれもシャープな形状でそれを実現している点が大きな特徴です。
3種類を椅子の上に並べてフェースがどれだけ上を向くか、重心特性を見てみました。

「ブレード」は一番トゥが下がるので最もシャープな印象を受けます。
「マレット」は一番フェースが上を向きますが、完全なフェースバランスではなく若干トゥが下がるので、ヘッドを低く引きやすい印象があります。そして「ミッド」はちょうど良いボリューム感があることと、バックフェースとバックソールの継ぎ目にスリットを入れることで構えた時のスクエア感や打感にも寄与しそうです。
シャープ形状と構えやすさでロングパットを攻略する「ブレード」

構えてみると角がクリアな感じに仕上がっているので、非常にシャープで直線的なイメージでカップに合わせられます。ネックはスタンダードなクランクネックですが、意外とネックからフェースセンターまで距離があるので、ストロークする上で引っかけにくい効果がありそうです。
実際に試打しましたが、トゥヒールのウエイトが効いており、ヘッドの直進性とボールを押してくれるようなエネルギー感があります。転がりも良いですのでミドルやロングパットに威力を発揮しそうです。
フェースセンターを感じやすいネック搭載の「ミッド」

ネックがスラント型になっていますが、若干ヒール側に入っていますので、構えた時にシャフト軸の延長線がフェースセンターに近い所に入る工夫がされています。構造的につかまりの良いパターだということが見て取れます。
試打してみると、予想通りボールのつかまりが良いです。ヘッドの重心を感じながら振り子のようなイメージでパッティングする方には最適だと思いました。
エネルギー感と直進性でショートパットを攻略する「マレット」

ブレードやミッドと比べて明らかなヘッドのボリューム感がありますが、ソールを半円状にくり抜きフィンのような形状にしているのは現代的なデザインだと言えます。特徴的なのは最近トレンドのネック形状で、フェース面との繋がりを感じやすい点です。
試打したところ、3種類の中で最もインパクトのエネルギー感、球足の速さと直進性を感じました。トゥヒールのタングステンウエイトが3種類の中で最もフェース寄りに入っていることが転がりの良さに関係していると思います。特にショートパットが苦手な方には、小さい動きで直進的なタッチで入れられるのでお勧めです。
『MAJESTY W-MOMENT』パターまとめ

アマチュアゴルファーのパッティングのミスで一番多いのはテイクバックを低く引けず、ヘッドを上に持ち上げてしまうことです。それによって打点ブレやロフトを正しく使えないというエラーが起こります。
その点、このパターは3種類とも重心距離があるため、ヘッドを低く引く感覚が出しやすいです。また慣性モーメントがあることでスイートエリアが広く、フェースのミーリングによって打点ブレへの寛容性も感じます。また、手先で操作しがちなアマチュアゴルファーに合うように、グリップに角をつけて手元の中で面を感じやすいスクエア感を出
作性の良さも感じる太さに仕上げています。アマチュアゴルファーに何が起きており、どんなメリットが受けられるのかをしっかり研究して作られているパターだと思います。