数あるGPS距離計の中で、異彩を放つのが『ショットスコープV3ウォッチ』だろう。通常の時計型GPS距離計というだけではなく、ショットトラッキングのセンサー16個がセットになっている。そして価格も3万4980円とリーズナブルなのだ。
機能も充実しており、ハザードやグリーンのフロント/センター/バックまでなど正確な距離測定はもちろん、ショットトラッキングのセンサーを装着すれば、各クラブでのショットの飛距離を自動で記録。そして、その記録から衛星写真でホール毎のショット軌跡を確認することができる。
特筆すべきは、米PGAツアーでも活用され、ゴルファーのスコアアップに繋がる統計データ「ストロークゲインド」を含めて、専用アプリを活用することでクラブ毎の飛距離やフェアウェイキープ率など100以上の統計情報を提供する機能だ。
今回はギアの賢者・永井延宏プロが「ストロークゲインド」を含めて『ショットスコープV3ウォッチ』を検証する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2017/05/photo_nagai.jpg" name="永井延宏プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞[/surfing_voice]
動画で検証
GPSウォッチとしての使用インプレッション
永井 最近2週間で5ラウンドほど使用しましたが、距離測定の精度はレーザー距離計に遜色ありません。それにスタートホール直前にコース選択を行っても直ぐにコース情報を受信してティーオフできます。
そして距離もピンセンター、フロント、バックと色分けされて表示されるので大変見やすいですね。シンプルですが、すぐに起動する、見やすい、そして高精度というのが、ゴルファーには大きなメリットになると思います。
専用センサーでショットを記録スコア直結の統計データを提供
GEW 先述の通り『ショットスコープV3』は、専用センサーをクラブエンドに装着することで、使用クラブ毎の飛距離と位置情報を取得。それによって、クラブ毎の平均飛距離、最大飛距離はもとより、フェアウェイキープ率やパーオン率もデータ化される。その中で特筆すべきは、「ストロークゲインド」の指標が提供されることだろう。
例えば、同じ1パットのバーディーでも、ロングパットを沈めたプレーヤーはパッティングがストロークを縮めた(ゲインド)要因となる。一方で、ショートパットでバーディーをゲットしたプレーヤーは、その前のアプローチで寄せたことになり、アプローチショットがスコアを縮めた要因になる。そのような指標がラウンド中のショットの記録から分析される。
これらについて、永井プロに分析してもらった。
平均飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率
永井 特にクラブ毎の平均飛距離は、練習場でのゴルファーが認識してる平均飛距離と、ゴルフ場での平均飛距離とでは差があると思います。そしてフェアウェイキープ率、パーオン率ですが、これらもゴルフ場でしか知ることができません。
最近では弾道測定器でゴルファー自身が飛距離や弾道特性を知ることができますが、同じように『ショットスコープV3』によってゴルフ場でショット毎のデータや統計データを知ることができます。ショットに関する測定器をゴルフ場に持ち込んでいるようで、これらのデータを活用することで、プレーが進化すると思います。
ショートゲームの統計データから見えるもの
永井 右の画面を見てみると、ショートゲームでアイアンの7番、8番、9番、PWでのパーオン率がデータ化されています。ここで興味深いのは、通常、クラブが短くなればなるほど、ショット精度が向上するはずですが、9番アイアンでパーオン率が急激に下がっています。想像できるのは、9番アイアンだけライ角やロフト角、またはクラブの総重量など、クラブがゴルファーに合っていない可能性があるということです。
そのようなことが分かることで、スコアを縮めるには、スイングなのか、あるいは体力なのか、あるいはクラブなのか。改善点が分かるのが最大の特長だと思います。
永井プロもクラブ調整に『ショットスコープV3』取得のデータを活用する
永井 実は今回、先の5ラウンド以外でパー4を1ホール、パー3を1ホールだけプレーしたんです。パー4の2打目とパー3は同じ距離で、どちらも7番アイアンでしたが、ショートしました。アイアンを新調して、長めのクラブ長にセッティングしているのですが、この2打のデータから少しクラブの調整が必要だということも分かりました。
その意味で、『ショットスコープV3』で得られるショットデータからの「ストロークゲインド」などのデータ分析は、クラブ毎の課題やクラブの調整のヒントになります。これらデータの活用次第では、スコアを伸ばすことができるはずです。
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