中条カムイはこのほど、熟練ゴルファーに飛距離を与え、パワーではなく、クラブで球を上げ、飛距離を提供するアイアン『XP-03』と、本格的な形状、軟鉄鍛造でありながらやさしさが特徴の『KP-105』を発売した。ともに中条カムイの長年培われた技術力が結集したクラブだ。
今回はギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロが2つのアイアンを検証した。
まずは動画で
『XP‐03』第一印象
ヘッドは、やさしさが一目で分かる形状で、フェースには飛び系の素材「カスタム455マレージング」が採用されていますね。バックフェースはアンダーカットが深く、上下左右の慣性モーメントが高い構造が分かります。ソールも丸みを帯びていて、ヌケの良さもありそうです。
そして番手毎に施されたフェースミーリングは状態の悪い芝で機能して、ストロングロフトでも深低重心でボールを上げてくれそう。
『KP‐03』試打インプレッション
永井 まずは普通に打ってみたいと思います。7番でロフト28度ですから、飛び系アイアンになりますが、強くスイングしなくてもトータル185ヤード。飛びますし、弾道の高さが際立っていますね。特徴的なのは、レベルブローにインパクトを迎えているにも関わらず、ヘッドの深低重心でボールが高く打ち出し、マレージングフェースでパーンと打ち出す。飛距離と球の高さは抜群ですね。
飛距離性能の高い『XP‐03』をギアチェンジして打ってみた
永井 強く打ってみても飛距離は、良い意味で変わらないですね。入射角はほぼレベルですが、ヘッドが動いてくれてボールがつかまる、ボールが上がる。それをヘッド自体が行ってくれます。熟練ゴルファーが想定使用者ですが、クラブが積極的に仕事をしてくれますね。
『KP‐105』第一印象
永井 『KP-105』は、軟鉄鍛造で『XP-03』とは対照的で、飛距離を刻むアイアンという印象です。とはいえ、幅広ソールやバックフェースのキャビティ具合はやさしい軟鉄鍛造アイアンというイメージ。低重心設計と肉厚などを見ると、ボールの上がりやすさと厚い打感をイメージできます。
『KP‐105』試打インプレッション
永井 ストレートネックとリーディングエッジの繋がりや、ネックの懐の部分は、ボールのつかまりの良さを感じます。7番ロフト32度ですが打ってみると、飛距離性能も高く、軟鉄鍛造のアイアンとしてはインパクト効率も1・41と高い。そしてインパクト時の当たり負けを感じません。バックフェースの肉厚部分が機能して、厚い打感。ラインも出しやすく、操作性も抜群です。
厚い打感の『KP‐105』をレベルブローで打ってみた
永井 今度は少し入射角を浅くして打ってみましたが、レベルブローでもミート率は1・41と高い。入射角が浅い分、高弾道になりました。若手女子プロの弾道に近いですね。やはり、当たり負けしないヘッドで、フェースの向いた方向にボールをつかまえて、押していく挙動。レベルでボールにコンタクトしても、ソール形状で抜けてくれます。結論からいえば、現代的なスイングでも、打ち込んでも理想の弾道が得られますね。
総評
永井 『XP-03』はヘッドが仕事をしてくれるので、軽量長尺がひとつ見えてきます。逆に短く重めでシャープにスイングするセッティングもアリですね。
一方で『KP-105』は職人的なアイアン。球を操作する、弾道の高低を打ち分けるアイアンですが、やさしさもある。レベルに打ちたい人は動くシャフト、打ち込みたい人には粘るシャフトが合うと思いますね。
お問い合わせ:中条カムイ TEL 0766-24-5622
http://kamuipro.co.jp/