夏芝が元気になってくる季節。ティーショットを曲げて、生い茂ったラフからセカンドショットというシチュエーションが増えてくるのではないだろうか。
そんな状況で強い味方になりそうなクラブがキャスコから登場した。『UFO Speed by POWER TORNADO』(UFO Speed)というユーティリティだ。
そこで新宿御苑ゴルフスタジオ主催の坂本龍楠プロと、万年アベレージゴルファーのGEW大矢が『UFO Speed』をゴルフ場で試打。果たしてアマチュアに寄与するのか?
【動画】アイアンVS『UFO Speed』!ラフからグリーンオンなるか?
コースでは実際に「PP」(42度)と「77」(30度)を使ってフェアウェイとラフから試打。アイアンが苦手なアマチュアゴルファーのGEW大矢はMYアイアンと『UFO Speed』を打ち比べた。動画で観てもらいたい。
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ラフからでも球が上がる『UFO Speed』の構造
キャスコはこれまでアマチュアゴルファーのお助けクラブにこだわってきた。初代『UFO』は、アイアンのストロングロフト化により球が上がらないゴルファーの悩みを解消するため、ユーティリティで楽に球を上げグリーンを狙えるようにした。
2代目の今作『UFO Speed』はそれをさらに進化させ、夏の元気な「ラフ」からでも球を上げられる構造になっている。
トンボと熊手をイメージしてほしい。それぞれを芝の上で引っ張った場合、熊手の方が設置面積が少ないため芝をかき分けて抵抗なく進んでいくことがイメージできると思う。それを応用し、ソール面に2枚のブレードを設置。ラフをかき分けてインパクトできるようにした。
さらにドライバーとパター以外を全て『UFO Speed』でカバーできるように、全9番手をラインアップした。しかも「PP」や「AA」といったアプローチ領域もユーティリティで用意している点がユニークだ。
坂本 フェアウェイとラフから「77」を打ってみましたが、とにかく球が上がりますね。最高到達点が非常に高いので球を見上げていると首が痛くなってしまいそうです(笑)。ラフからのショットは前足上がりという左に曲がりやすい状況だったのですが、真っ直ぐ飛びつつしっかり上がってくれました。
アイアンのストロングロフト化で、7番アイアンでも打てない生徒さんが私のスタジオでも多い。特に女性は球が上がらず悩んでいる方が多くて、ユーティリティでの代用を勧めているのですが、なかなかロフトバリエーションが少ない。『UFO Speed』はロフト角30度を超える番手が多いので、特に「PP」(42度)などはかなり重宝すると思います。
次に意図的にターフを多く取るように打ち込んでみましたが、そこまで取れないですね。この辺りはブレードと、ソールの面の斜めのカットが効いていると言えそうです。午前中の雨で地面が湿っているのですが、ソールが滑ってくれて引っかかることがないので安心感があります。ソールが斜めにカットされていることで、アドレス時のクラブの座りも良く構えやすいです。
それとブレードの構造を見ると、下駄のようにくっついているわけではなく、ソールをくり抜いてクラブの容積の中に収まっているので、芝の抵抗が出ないようにしていることが分かります。
ピッチングの距離が出る「PP」
坂本 次に「PP」を試打してみました。ピッチングの距離感になるとプロはアイアンで打った方が確実に距離感を合わせやすいので、正直言うと懐疑的でした。
ところが実際に打ってみると、ピッチングと同じ距離になってくれます。ユーティリティだと飛び過ぎてしまうのではないかと心配していたのですが驚きました。新感覚のユーティリティですね。
ヘッドスピードが遅い方などは楽に打てて良いのではないでしょうか。
アマチュアにもたらす『UFO Speed』の恩恵
坂本 大矢さんのアイアンショットは、アマチュアゴルファーに典型的な「すくい打ち」です。そのため、つま先上がりのラフではダフっていましたし、しっかりコンタクトできてもボールが上に飛んでしまうから距離をロスしてしまっていました。
一方、『UFO Speed』はソールが滑ってくれるのと、シャフトがヘッドを前に押してくれるので、かなりカバーしてくれていました。すくい打ちでボールの手前に入ってしまう方や、球が上がらない方には最適なクラブです。
それとロフトバリエーションも9種類と豊富なので、自分の苦手な番手を『UFO Speed』に入れ替えやすいと思います。特に『77』や『88』(34度)辺りはお勧めだと思いますね。