アーチから待望の70g台ユーティリティ専用シャフト『UTR』がいよいよ投入。
すでに『UTL』、『UTM』、『UTH』の3タイプが発売されているが、その性能とは? トラックマン4を使って、ソクラテス永井プロに検証してもらう。
まずは動画で
永井 振り心地の良さで定評のある『アーチ』シャフトですが、今回はユーティリティ専用『UTR』(70g台、F4、F6)の徹底試打を行います。既に50~60g台の『UTL』、80~90g台『UTM』、そして100g台の『UTH』の3タイプ(計10フレックス)という多彩なラインアップでしたが、新製品の『UTR』はその中間に位置する70g台の4フレックス展開(F4~F7)になります。
基本的にアーチのUT用シャフトに対する考え方は、チップ径がアイアンと同じですので、アイアンの延長ととらえて設計が施されています。とはいえ、カーボン素材ならではの挙動も織り込まれていると思いますので、そのあたりを深掘りしていきましょう。普段UTを苦手としている方は必見です。
『UTR』(硬度F4)の第一印象は
永井 今、私が手にしているのは『UTR』(硬度F4)というモデルです。70g台ではF4が一番やわらかく、F5→F6→F7の順で重さが2gずつ増し、しっかりさが強調されていきます。アイアンのチップ径で設計されていますが、シャフトのカラーリングも精悍なブラックですので、非常に締まった印象。アイアンとの繋がりを五感に訴えかけてきます。
重量帯は70g台ですから、ドライバーでいうと普段50~60g台を使っている方にミートしそう。しっかりとした重さで、どのような振り心地を出してくるのか。早速打ってみましょう。
『UTR』(F4)を実際に打ってみると
永井 予想に反しインパクト付近でシャフトが動いてくれますね。普通に打つとアタックアングルはプラス表示、ダウンブローで抑え気味に打つと、マイナスに入ってきます。換言すれば、ヘッドを前に押し出してくれるので、「ボールの上がりやすさ」というのがキーになってくる挙動です。
70g台の重量帯でいうと、しっかり感があるタイプに属しますが、インパクト付近ではシャフトが仕事をしてくれる。7番アイアンを打つイメージで『UTR』を振ると丁度良く、ミート率1・47を獲得。ボールの高さも出ていますので、アイアンからUTに持ちかえた時に違和感がある人にズバリミート。コンセプトが分かりやすいシャフトです。
『UTR』(F6)の印象は?
永井 続いて『UTR』硬度F6(74g)を打っていきます。振動数は266cpmで、先ほど打ったF4は70gで247cpm。つまり、振動数で約20cpm、2gの重量差がありますが、いったいどのような挙動なのか。アイアン用スチールシャフトでいうと硬度Sのしっかり目に該当しますが、F4同様7番アイアンのイメージで打ってみます。
『UTR』(F6)を実際に打ってみると
永井 なるほど。F4よりもしっかり感が明らかに増しました。そういった部分では「狙った距離を打つ」という性能がはっきり出ています。
アタックアングルは0・5度で球筋は高弾道。シャフトが高さを補正してくれている印象で、振り心地としてはアイアンテイスト。また、これだけ重さとしっかり感が出てくると、アイアンは軽量スチールよりもやや重めを使用しているゴルファーが頭に思い浮かびます。
アーチのUT用シャフトには、『UTR』よりも重い『UTM』と『UTH』がありますが、今回試打した『UTR』は70g台ながら「振り心地のしっかり感」、「シャフトの動き」といった選択肢がさらに広がりました。
総括
『UTR』F4とF6はいずれも動きがはっきりしているモデルです。いずれも70g台ですが、振り心地はアイアンシャフトらしいテイストが出ていて、フレックスにとらわれずに試打してから購入することを推奨します。F4はシャフトの動きと軽さがスピード感へ繋げています。一方のF6は、重さとしっかり感が出てきて、さらに動いてくれる特性がある。
迷ったらフレックスよりも重量帯で選ぶと良いかもしれません。今回21度のヘッドで試打しましたが、ロフト角24、27度の短いシャフトでも『UTR』ならではの動きを是非体感してください。
重量帯が変わっても振り心地やシャフトの挙動に一貫性を感じ、使い方や振るイメージがアイアン的な人向けというコンセプトが明確で、その性能もリンクします。とはいえ、『UTR』はFWライクなスイングでも球を綺麗に拾ってくれます。
UTR(F6)のトラックマンデータ
UTR(F4)のトラックマンデータ
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