やさしく飛ばせるネオマッスルバックアイアン『F1 f-FORGED』を永井プロが試打検証

やさしく飛ばせるネオマッスルバックアイアン『F1 f-FORGED』を永井プロが試打検証

まずは動画で

『F1 f-FORGED』の第一印象は?

永井  バックフェースが前衛的で、従来のマッスルバックにはない独自のデザインが施されていますね。 ソール部は、エッジ中央部からラウンドさせたデザインを採用しており、頂点の高さがはっきり出ていて、ヘッドの抜けの良さをイメージさせます。 芝の上で『F1 f-FORGED』(#7、ロフト角:32度)を構えてみると、マッスルバックらしい小振りな形状。また、フェースのスコアラインの入り方もヒールのミラー部分がほとんどありません。 つまり、シャフト軸から近い部分にスコアラインが入っているので「シャフト軸の近い所でボールを打たせる」―。そんなイメージが湧いてきて、いかにもマッスルバックらしい。

#7(DG S-200)を実際に打ってみると

永井 熊谷GC10H、ピンまで残り160Yをフェアウェイから#7(ロフト角:32度)で打ってみます。 パシュッ! おっ、いい感触。 ソールの抜けの良さは印象通りですね。 クラブ特性としては、コンパクトヘッドですのでシャフト軸から近い所に重心を感じ、ヘッド重心の負荷によりシャフトを動かそうとしません。 近年のキャビティや中空ヘッドで重量級シャフト、例えばダイナミックゴールドと組み合わせると、ヘッドがシャフトを動かしてくれるんですね。 つまり、しなりやタイミングを感じやすくなるということですが、今回試打した『F1 f-FORGED』は、シャフト軸に重心を近づけてマッスルバックらしいフィーリングを操作性に繋げている。 球の高低やタッチで縦の距離感を合わせるのも容易でイメージ通りの挙動。飛距離も通常のマッスルと比べて1番手飛ぶ印象です。

シャフト軸の近くに重心があるメリット

永井 アマチュアの方がマッスルバックアイアンを使うメリットとは? ズバリ、ダウンスイング時に発生するトゥダウン現象を抑えられる点です。重心が深く重心距離の長いキャビティや中空アイアンは、トゥダウンが大きくなりやすい傾向にある。 スイングタイプでいうと、トップの位置が高く、ダウンスイングが鋭角に入る方はトゥダウンが起きやすい。そういった方は小振りなヘッドでミート率を上げることができ、球のバラツキをはじめダフリやトップといった大きなミスも減らすことができます。

ラフから打ってみると‥‥

永井 続いてラフから打ってみましょう。ピンまでの距離は先ほどと変わりませんが、フライヤーを考慮して#7から#8へ番手を落とします。 #8のロフト角は36度の設定。周知のとおり、アイアンの形状は#7から#8になるとウエッジへ近づいていくのが一般的です。 『F1 f-FORGED』の場合は、マッスルバックでも飛距離性能をイメージさせているせいか、#7に近い形状でフローさせています。 実際に打ってみると、とにかく初速が速い。グリーンをオーバーしてしまうかと思いましたが、スピンが空へ向かってフライヤーしていくような弾道ですので、グリーン上へストンっと落下してくれました。  フェアウェイ時よりも一番手落として打ちましたが、ラフからでも縦の距離が合いやすく、ライに対しても敏感に反応してくれる。「自分の振ったイメージ通りの球が出る」「レスポンスが良い」「素直な動き」の3つがキーワードになるでしょう。  ターフの入り方もいいですね。#7同様ソールの抜けも俊敏で、ラフからでもヘッドに球がくっつく打感と心地よさを感じます。これからの季節、ラフがどんどん強くなりますが『F1 f-FORGED』なら武器になるでしょう。

総括

永井 フェアウェイ&ラフから打ってみましたが、番手を変えることで特長を顧みることができました。 先述した通り、#7(ミドル)から#8(ショート)への繋がりは飛距離性能をイメージさせるヘッド形状です。 また、マッスルバックアイアンのやさしさがコンセプトですので、いわゆるスイートエリアが広いとか慣性モーメントといった数値といったことでなく、実際に打ってみて「操作性の良さ」「シャフトに対してヘッドが暴れない」といった部分をメリットとして感じるゴルファーが『F1 f-FORGED』の性能を享受できると思います。 ひとことでいうと「マッスルバック」という言葉にとらわれない新しい感覚、新世代のマッスルバックアイアン。私は新世代型のゴルフスイングを「ネオゴルフスイング」といっていますが、『F1 f-FORGED』はまさにネオマッスルバックアイアンです。