つかまり過ぎず、振り遅れないクライムオブエンジェル『ROLLING SIX』を徹底検証

つかまり過ぎず、振り遅れないクライムオブエンジェル『ROLLING SIX』を徹底検証
永井 今回試打を行うのは、クライムオブエンジェルから新登場した『ROLLING SIX(ローリングシックス)』(各1本6万6000円)というシャフトです。 これ以外にも同社からは既に10モデル以上が発売され、過去に私も打っていますが、それぞれ独特の世界観を持ったコスメが印象的。ひとくちでいうと「カッコいい」―。 新製品の『ROLLING SIX』は、ハードヒッターを対象にしているとのことで、コスメの方もよりクールですねぇ、〝強さ〟がひしひしと伝わってきます。そのコンセプトは、〝ゆったり振って飛ばそう〟がキーワードのようです。 アマチュアゴルファーは飛距離や方向性を求めるばかり、硬いシャフトを選択しがち。『ROLLING SIX』はそんな既成概念を覆すシャフトといえ、まさに目から鱗でした。早速検証していきましょう。

まずは動画で

ROLLING SIXの第一印象は

永井 シャフト特性としては、80t高弾性シートを効率的に配置しながら手元側にしなりを感じる設計。一方、先端部分はスピード感を出していこう意図が伺えます。 「ゆったり振って飛ばす」というのが形になったシャフトといえそうです。今、私が手にしているのはフレックスⅤで、組み上がった状態の振動数は265cpm。これからⅣ、Ⅴ、Ⅵの全種類を打ちますが、まずは真ん中の硬度Ⅴからテストを進めたいと思います。

ROLLING SIX硬度Ⅴを実際に打ってみると

永井 シャフト重量は62グラム。最近の一般的な60g台は重量感があるので、同様のタイプと思いきや、重さはあまり感じません。 また、手元剛性をある程度緩くしつつ全体的な剛性が出ていて、エネルギー効率の良さみたいなところを訴えかけてきます。 実際に打ってみると、〝強靭にしなり戻るシャフト〟というのが正直な感想ですね。60g台ということで、その重さ以上にシャフトへ負荷をかけていった時にも、しっかり受け止めてくれる挙動です。 そういった意味で、ターゲットとしているパワーヒッターやスイングタイプ的にはもっとしなりを使って飛ばしたいゴルファーが見えてきます。 もう一球いきましょう。確かにゆっくり振っても球がつかまり過ぎず、振り遅れません。現代的な慣性モーメントの大きい大型ヘッドとも相性がいいんじゃないかな。 最初に手にした時の印象通り、シャフトの負荷を感じやすいので、クラブの動く方向などのコントロールもしやすい。さらにインパクト付近では、先端部のしなり戻りスピードの速さに加えて剛性の高さを感じます。 インパクトのエネルギー効率もよく、そのことはトラックマンの計測結果にもよく表れています。 [caption id="attachment_73460" align="aligncenter" width="503"] ROLLING SIX 硬度Ⅴのトラックマンデータ[/caption]

ROLLING SIX硬度Ⅳを打ってみると

永井 続いて『ROLLING SIX』硬度Ⅳに移ります。シャフト重量は61g、振動数は255cpm。軽量でしなりが増した分、先ほど打った硬度Ⅴよりも挙動がはっきりし、その分タイミングが非常に取りやすい印象。 特性はⅤと同じですが、Ⅳでより顕著に感じたのが、先端のしなり戻りに対して、ヘッドが左を向くという動きがかなり抑えられている点。 ズバリ、左側のミスを抑えるシャフトということでいいと思います。そういった意味で言うと、Ⅳという設定は一般的なSR層当ととらえていいのかな。 ですので、先ほど打ったⅤが硬度Sぐらいのイメージになる。硬度Ⅳはフッカー、スライサーでもストライクゾーンが広く、とにかく厚いインパクトが体感できるシャフト。まずは硬度Ⅳから打ってみることを推奨したい。 [caption id="attachment_73457" align="aligncenter" width="503"] ROLLING SIX 硬度Ⅳのトラックマンデータ[/caption]

ROLLING SIX硬度Ⅵを打ってみると

永井 『ROLLING SIX』硬度Ⅵの重量は65g、振動数は275cpm。ⅤとⅣの重量差は1gでしたが、ⅤとⅥの間は3gとやや開きましたので、スペック的にはハードな印象です。 実際に打ってみると、手元からエンドにかけてほとんど動かない感じで、ややセンター部分が反応してくれるフィーリング。対象ヘッドスピードというと、やはり50前後は必要でしょう。 私には手にした段階から、負けている感じがありましたが、明らかに全体的なシャフトのバランスが増しており、叩いてもチーピンになりにくい。左を警戒するゆったりとしたスイングタイプのハードヒッターには大きな武器になるでしょう。 [caption id="attachment_73461" align="aligncenter" width="503"] ROLLING SIX 硬度Ⅵのトラックマンデータ[/caption]

総括

硬度Ⅴ→Ⅳ→Ⅵの順で打ってみましたが、『ROLLING SIX』の対象者は、普段重量級のアイアンシャフトを使用していて、スイングテンポがゆっくりな方や球のつかまり過ぎを嫌う方にズバリ、ミート。高弾性シートを効率的に分散させた絶妙なタイミングの取り易さを是非体験してください。 デザインにばかり目がいきがちですが、よく考えられた設計で、あなたの全盛期の飛距離が取り戻せるかもしれません。 お問い合わせ:クライムオブエンジェル TEL03-5431-3875 https://www.coangel.tokyo/