2020年に地クラブ市場に登場したパーツブランドVATIC GOLF(バティック・ゴルフ)。工房・専門店中心の取り扱いながら、徐々にゴルファーの間に浸透しつつある。
そして9月、アイアンが登場した。先行して発売されていたドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド同様、ウエイトを自在に入れ替えることで、1つのヘッドで自在な球筋を実現できる機能を搭載している。
そこで、「セキゴルフクラブ目黒」を主宰し、クラフトマン、フィッター、レッスンプロの顔を持つ関浩太郎氏が『VATIC アイアン』をテスト。5、8、11番を試打し、自分自身に最適なウエイトポジションをガチンコ検証する。
軟鉄鍛造&ノーメッキの柔らかい打感
関 まずぱっと見てヘッドがブラックなので非常にシャープでカッコいいです。構えた時の顔ですが、ストレートでドローもフェードも打てそうなコントロール性豊かな顔をしています。
早速、7番を試打してみましたが、まず感じたのは打感の柔らかさ。あえて芯を外して打っても軟鉄鍛造・ノーメッキの心地良い柔らかさが手に伝わってきます。それでいて球が上がりやすい。特にフェースの下側で打った時にもしっかり球が上がってくれるので安心感があります。
1つのヘッドで自由自在に球筋を調整
『VATIC』シリーズは、ウエイトを入れ替えることで球筋をチューニングする独自機能「ローディングウエイトシステム」を搭載している。今作のアイアンにもこの機能が踏襲されており、トゥ側2か所、ヒール側2か所にウエイトを挿入できる。標準搭載は1g(アルミ)×2か所と5g(タングステン)×2か所だが、別売りで2.5g(ステンレス)、6g(タングステン)もラインアップしているため、まさしくフィッティングに最適なヘッドとなっている。
番手は5~11番。番手ごとにトゥ側のウエイト挿入箇所の角度と、ネックの長さを微妙に変えることで、全番手で理想的な弾道が出るように工夫している。
関 私がアイアンのフィッティングで最も重視するのは「重心高」です。簡単に言うと芯の位置ですが、ダウンブローに打つのか、レベルブローに打つのかによってフィットするアイアンは変わってきます。一般的にはダウンブローの方は高重心のアイアン、レベルブローの方は低重心のアイアンが向いています。まずはそれが正しく選べているかによってスコアはかなり変わってきます。
今作のアイアンは元からウエイトを調整できる機能がついているので、フィッターにとっては非常にありがたい。購入前、そして購入後にも自分で調整できるので、ゴルファー一人ひとりにとって打ちやすいアイアンに調整できそうです。
早速、私にとっての最適な弾道を求めて、5、8、11番を試打してみたいと思います。
【動画】『VATIC アイアン』を関プロが真剣フィッティング
関浩太郎氏にとっての最適なウエイトポジションはどうなったのだろうか? 動画で観てもらいたい。
番手ごとに最適なウエイトにフィッティング
関 5、8、11番を試打しながらウエイト調整しましたが、意外にも5番が一番つかまるポジション(ヒール側から5g、5g、1g、1g)にした方が打ちやすかったです。これには私自身も驚きましたね。
このように、実はそのゴルファーにとって打ちやすいアイアンのセッティングは番手によって違うということ。こういった細かいチューニングは一般的なアイアンセットで購入するとなかなかできません。そういう意味でも。『VATIC アイアン』は番手ごとに全く違う性格に変えられるヘッドです。
ゴルファーの皆さんに伝えたいことは、案外理論上とは違う結果になることがあるということです。『VATIC アイアン』は購入前はもちろん、購入後もその日のコンディションや球筋によって細かく弾道が調整できる。この辺りは是非皆さんにも体験してほしいですね。
■『VATIC』ウェブサイト
https://www.kascogolf.com/jp/vatic/