三菱ケミカルは9月、『Diamana GT』シリーズ(4万4000円)を発売した。今作は『Diamana』シリーズ第5世代の3作目にあたるモデル。マトリクス樹脂の組成・構造を最適化する「Xlink Tech」(クロスリンクテック)を始め、第5世代に共通する材料使いや設計技術を踏襲し、よりしなやかな振り心地に進化させている。
そこでティーチングプロで整体師の資格を持つ常住充隆氏が同シャフトを試打。特徴を徹底解説する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2020/11/f3094e39fc573bbf84a8ab4e5b3c66a8-2.jpg" name="常住充隆プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1972年生まれ。千葉県出身。184cm。プロゴルファー、整体師、スポーツトレーナーとしての顔を持つ。今まで、1万人以上のゴルファーを上達に導く。運動医学、生理学やトレーニング論をベースに個々の骨格と筋肉の性質を見抜き、独自のゴルフスイング理論を提唱。[/surfing_voice]
【動画】『Diamana GT』を常住充隆が徹底解説
まずは常住プロによる『Diamana GT』の試打インプレッションを動画で観てもらいたい。
40Sを試打
常住 『Diamana GT』シリーズは『ZF』を進化させた後継モデルとのことですが、まず見た目はシルバーのベースに「Diamana」のロゴがホログラムで施されており、とても高級感のあるシャフトという印象です。
まずは40g台として、GT40のフレックスSを試打してみました。第一印象として手元の剛性感があり、ダウンスイングで自然にタメができる感覚があります。さらに先端の剛性もあるので、ダウンスイングからインパクトにかけてのヘッドの暴れが抑えられています。

一般的なゴルファー、とりわけダウンスイングで上下動が多いゴルファーというのは、手元が高い位置から降りてくるため、シャフトが縦にしなって、ヘッドがトゥダウンしてしまう傾向があります。しかし、このシャフトはそれが軽減されています。その証拠に、私は普段60g台後半のシャフトを使用しているため、通常の40g台だと大幅に左に飛んでしまうはずですが、『Diamana GT』はさほど左に飛ばず、弾道が安定しているのがデータからも分かります。
60Sを試打
常住 続いてGT60のフレックスSを試打しました。あえて40Sと同じタイミングで打ってみたのですが、重量が違うにも関わらずほとんど振り感に大差がなく、同じリズムで振ることができました。『Diamana GT』の特徴として、違う重量帯・スペックでも一貫性のあるタイミングで振れるというコンセプトがありますが、それを実感できた形です。

スペック上は62.5gで、手元の剛性を高めているとのことですが、実際は数値よりも若干軽めに感じます。表記上は中元調子ですが、手に伝わってくる感覚は中調子のようです。おそらくダウンスイングで自然なタメができ、インパクトまで一気に加速して振り抜ける特徴がその理由だと思います。
『Diamana GT』の対象ゴルファーは?
常住 インパクトで頭を残すゴルファー、体重移動を大きく取ってトップの位置を高くするゴルファーは、トゥダウンが強くなる傾向にあります。ですので、トゥダウンを軽減し、インパクト付近でしっかりとヘッドを押してくれる『Diamana GT』はマッチすると思います。
また、ダウンスイングの切り返し時に腰の回転と関節やリストを思い切り使うゴルファーは左への引っかけが強くなりますが、『Diamana GT』は手元と先端の剛性で、左への引っかけを抑えてくれるでしょう。

先述したように、重量が違っても同じタイミングで振れ、挙動も一貫性があるシャフトです。スペックも40のR2から80TXまであるので、フェアウェイウッドにも合わせることができそうです。『Diamana GT』がドライバーでマッチする方は、是非フェアウェイウッドまで一貫して揃えていただくことを推奨します。
それと意外と数値上の重さよりも軽くスムーズに振れる感覚があるので40のR2などは女性にも合うと思います。
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