ダイヤゴルフは昨年11月、新発想の練習器具『ダイヤPRO AIの手(あいのて)』(8800円)を発売した。
今作はプロゴルファーの片山晋呉監修、同社アドバイザリースタッフでツアープロコーチの植村啓太考案となっており、両名との綿密な打ち合わせの元に開発された。特に片山晋呉は道具や練習器具へのこだわりが強いプロなだけにどのような効果があるのか気になるところ。
そこでアマチュアゴルファーの指導経験豊富な「もちけん」こと剣持江里加さんが『ダイヤPRO AIの手』を解説。アマチュアゴルファー代表としてゴルフタレントの高沢奈苗さんにテストしてもらった。
【動画】もちけん&高沢奈苗が『ダイヤPRO AIの手』を使ってみた
ダウンブローで高弾道を実現!フェース管理が自然にできる練習器具
『ダイヤPRO AIの手』は、一言で言うとクラブのフェース面を可視化したアイテムだ。ゴルフクラブは野球のバットと違い、シャフト延長線上に芯がない道具。そのため、フェース面のコントロールが重要になってくる。
同製品はグリップに手の平型の器具をつけることで、よりフェース面と手の平の一体感を感じやすいように工夫されている。手の平は表と裏が赤と青の2色に色分けされているため、スイング中にフェース面がどこを向いているか確認しやすい構造だ。
例えば一般的なストレートボールを打ちたい場合、バックスイングでは手の平の赤い部分が自分に見えた状態のまま上げられると、フェースがボールを見たまま上げられていることになるため、バックスイング初動でフェースが開いてしまうといったエラーが解消される。
一方、ダウンスイングでも自分自身に赤い面が見えるようにしたままインパクトを迎えることで、すくい打ちを抑制し理想的なダウンブローで打てるというわけだ。
『ダイヤPRO AIの手』でスイングは変わるのか?
それでは高沢さんの場合、アイアンでどのような悩みがあるのだろうか?
高沢 アイアンはずっと高さが出せない悩みを抱えています。それとインパクト時に手先でこねてしまい思ったよりも左に球が飛んでしまうことが多いです。
まずは『ダイヤPRO AIの手』をつけずに通常通りアイアンショットをしてもらったところ、そこまで引っ掛けた球は出ていないように見えたが、もちけんにはどう映ったのだろうか?
もちけん 高沢さんはダウンスイングを下半身主導でやろうと意識していて、考え方は正しいのですが、腕がスレンダーということもあり先行する下半身に腕がついていけず、右脇が開いた状態でダウンスイングしてしまっています。ダウンスイングで上半身が置いてきぼりになってしまうのは高沢さんに限らず、比較的力のない女性には多い動きの特徴です。
解消方法としては、ダウンスイングで腕も頑張って振って、右脇の隙間をなくすように右ひじを内側に入れてくると上半身もついていってスイングスピードも上がってきます。
ただ高沢さんもそうだったのですが、体の動きを意識し出した途端にフェース面の意識が疎かになって大半のケースはフェースが開いてしまいます。私はこういったケースで『ダイヤPRO AIの手』が活用できると考えています。
前述のように体の動きを意識したことで発生するフェース面の開きは、クラブの先端を見続けないとなかなか確認するのが難しいです。ただスイング中の目線はボールにあるから、クラブの先端を見続けるのは物理的に難しい。
その点、この練習器具はグリップに装着するので視界に入りやすく、フェース面の確認がしやすい。手の平が大きくてインパクトがあるので手元でフェース面を意識できるのが良いんです!
実際に同製品を高沢さんに装着してもらい数球打ってもらった。
高沢 まずアドレスの段階で、手の平が目に入ってくるのと、赤と青で色分けされているので見やすい。手の平の部分はスポンジになっていて軽いのでキャディバッグやシューズケースに入れて持ち運びもしやすそう。
製品を装着したまま体の動きとフェース面の動きを意識してシャドースイングを何回かしてもらい、最後に製品を外してボールを打ってもらったところ、球にバラツキはあるものの、最高到達点が15度から18度まで出るようになった。
もちけん 短時間で変化させるのは難しいですが、何球か球の高さに変化が見られましたね。高沢さんは右脇が開いたままダウンスイングすることで、インパクトで間に合わせようと手先を使って球を払い打つような動きが出てしまい、結果球が上がりにくい状況になっていました。
ですので、今回はダウンスイングで右肘を内側に入れてあげると同時に『ダイヤPRO AIの手』でフェース面を意識することで、しっかりとダウンブローに打ち込んで球の高さを出してあげることを意識しました。女性には比較的多いエラーだと思うので、この練習器具を使ってドリルとしてやっていただくと効果的だと思います。