ダイヤは4月、ロングヒット練習器具の『ダイヤスイング525』と『ダイヤスイング527』を進化させた新モデル『ダイヤスイングSS』(8800円)と『ダイヤスイングVS』(1万2100円)を発売した。
『ダイヤスイングVS』は、多くのツアープロが愛用している前作の『527』が進化した高性能練習器具だ。一方『ダイヤスイングSS』は、累計販売数20万本の『525』を進化させた製品となっている。
そこで多くのギアや練習器具に精通する永井延宏プロが『ダイヤスイングVS』の活用法を徹底解説。ゴルフタレントの宇水遥佳さんに同製品をテストしてもらった。
『ダイヤスイングVS』とは?
永井 『ダイヤスイングVS』は、全長70cmと短めに設計されているため、室内でも安心して振れる点が特徴です。特に各地を転戦するツアープロはホテルに宿泊することが多いので、室内でも振れるこの長さが重宝される理由だと思います。まさに「旅のお供に」といった練習器具ではないでしょうか。
もう一つの特徴はスイングの最加速点で「カチッ」と音が鳴るためインパクトがイメージしやすいことです。先端のウエイトについているダイヤルを回すことで予め最加速点のヘッドスピードを10から50の範囲で細かく調節できます。これによってドライバーからアプローチまで課題に合わせてスイング練習ができるというわけです。
【動画】『ダイヤスイングVS』活用法を永井プロが伝授!
まずは宇水さんに同製品をテストしてもらい、永井プロによる『ダイヤスイングVS』の効果的な活用法解説してもらった。動画で観てもらいたい。
一歩踏み込んだ活用法を永井延宏が解説
永井 まず現状のスイングを把握するために宇水さんにアイアンショットをしてもらいました。宇水さんは比較的ノーコックで始動するため、トップでフェースが開く方向にコックされてしまい、結果的にボールを掻き込むようにインパクトを迎える典型的なアウトサイドインの動作になっていました。また、その影響でダウンスイングの初期でタメがほどけて、クラブが遠回りするような軌道になっています。
実際に宇水さんに『ダイヤスイングVS』を振ってもらったところ、体の右側で音が鳴っていました。本来はタメを作って体の左側で音を鳴らせるようにすることが重要です。ただし単純に体の左側で鳴るようにしても形だけの矯正になってしまいます。多くのアマチュアゴルファーに多いこのエラーを本当の意味で改善するスイングがどういう仕組みになっているかを『ダイヤスイングVS』を活用して理解できると思います。
まずヘッドスピードの設定値は低めの10~15にします。次に右手一本で『ダイヤスイングVS』を持ってもらい、右足の前にセッティングします。次に左手の甲を、右の二の腕の外側に当てて壁を作ります。これがスイングの始動で重要な「フレーム」の役割になります。その状態のまま、今度は右腕だけを左足の前にセッティングし準備完了です。
始動で意識したいことは、左手で作ったフレームです。そのために『ダイヤスイングVS』を持った右の二の腕を左手の甲に当てていくように動かします。当たった反動で右手が甲側に折れていき、同時に体がフレームを維持しながら右に向いていくと正しいトップが完成します。
この際、実際に音は鳴りませんが体の背中側で『ダイヤスイングVS』が「カチッ」と鳴るイメージでアクティブにクラブを背中側に移動してあげましょう。体が右向け右するタイミングと、音が同時になるイメージを持つと良いです。
そのトップを維持しながら、今度は骨盤で体を左に回してあげます。かなりクラブが遅れて下りてくる感じがすると思いますが、そのまま骨盤が回転していくと遠心力でヘッドが自然と出てきて、最終的には体の左側でヘッドが走って音が鳴るようになります。
通常のアイアンを使って力のない女性がこのドリルをやると、手首に負荷がかかり過ぎてしまいます。そういう意味でも、70㎝と短く、低いヘッドスピードに調整できる同製品でしかできない練習法だと言えます。この動きに慣れて来たら次第にヘッドスピードの設定値を上げていき、パワーアップやスピードアップのトレーニングに入っていくこともできると思います。
弱点にドハマりした練習器具
宇水 今までアウトサイドインとタメが作れない癖を治したくても治せませんでした。それが『ダイヤスイングVS』で瞬時に改善できたのは驚きです。スイング中は自分の姿がどうなっているかを見ることはできないので、音が鳴るのは目安になって分かりやすい。今日の練習法をドリルとして繰り返していけばスイングもスコアも良くなっていくと思います。それとよく見るとシャフトに繊細なラメが入っていて高級感があります。女性にとってはビジュアルも重要なので嬉しいです。私の弱点にドハマりする練習器具だと感じました。