ヨネックスは6月17日、日本長江ゴルフクラブにて初のドラコン大会「ヨネックスカップ ドライビングコンテスト」を開催した。
当日は同社初のドラコン用ドライバーヘッドでヨネックスフィッティングスタジオ限定モデルの『EZONE GT 455 DEEP 7』(ロフト角7度、定価5万5000円)も披露された。
はたして新作は猛者達の飛距離アップに寄与したのだろうか? 白熱したバトルの模様と共にレポートする。
【動画】『EZONE GT 455 DEEP 7』でぶっ飛び連発!?
まずは当日の大会の模様と猛者達のマン振りドライバーショットの数々を見てもらいたい。
ヨネックス初開催のドラコン大会をレポート
大会当日、日本長江ゴルフクラブは晴れ空と猛者達の熱気に包まれた。同大会は年齢や性別問わずエントリー可能な「オープン」、45歳以上の「シニア」、55歳以上の「マスターズ」、そして「ウィメンズ」の4カテゴリーで争われる。当日は飛ばし自慢の男女計60名がエントリー。芸能界きっての飛ばし屋であるタレントのユージも出場した。
まずは試合開始前の11時より、ドライビングレンジにて新作『EZONE GT 455 DEEP 7』の試打会を開催。ヨネックススタッフに加え、大会を運営するラフサイドのドラコンプロ・岡部健一郎氏らが出場者にフィッティングし、わずか1時間で8個のヘッドが売れるほど好評だった。また全出場者の内8名が新作の試打会を経て、即実践投入。それだけ完成度の高さを物語っている。
そして13時過ぎ。347ヤード、打ち下ろしの10番ホールで決戦の火蓋が切られた。
予選は各カテゴリーにつき2セットの勝ち上がり形式で行われ、飛距離自慢達による300ヤード超えのドライバーショットが次々と放たれた。
決勝には以下の選手がそれぞれ進出。
「オープン」6名(高橋一樹氏:363ヤード、村上涼氏:356ヤード、落合基樹氏:355ヤード、福田淳氏:354ヤード、坂中亨氏:346ヤード、保條芳彦氏:342ヤード)。
「シニア」3名(清水宏児氏:347ヤード、入川龍司氏:333ヤード、猪又毅氏:325ヤード)。
「マスターズ」3名(入川龍司氏:329ヤード、菅嶋誠一氏:305ヤード、小野誠氏:298ヤード)。
「ウィメンズ」3名(嘉数舞美さん:274ヤード、佐伯響子さん:269ヤード、鈴木真緒さん:264ヤード)。
そして小休止を挟んだ後に迎えた決勝戦。
第一回目の優勝者には「オープン」落合基樹氏(355ヤード)、「シニア」入川龍司氏(332ヤード)、「マスターズ」入川龍司氏(337ヤード)、「ウィメンズ」佐伯響子さん(277ヤード)がそれぞれ輝いた。
出場者を唸らせたヨネックス新作ヘッドの実力とは?
実は以前よりヨネックスのドライバーとシャフトはドラコンプロから支持されてきた。今大会も約25%がヨネックスのクラブを使用していた。特にカスタムシャフトの『REXIS(レクシス)』シリーズは同社のカーボン技術を結集したモデルで、特性やキックポイントの異なる豊富なラインアップが多くのドラコンプロの要望を叶えてきた。
そして満を持して発売したのが今作の『EZONE GT 455 DEEP 7』。開発段階からドラコンプロの意見を注入した意欲作で、標準ロフトは7度ながら、可変式スリーブで5.5〜8.5度の間で調整可能。浅重心かつディープフェースで、ハードヒッターが好むモデルに仕上がっている。
以下で同モデルを試打した出場者の声を紹介しよう。
岡部健一郎氏
昨今の大手メーカーのヘッドは深重心かつシャロー形状のヘッドばかりでドラコンプロやハードヒッターには選択肢が少ない状況でした。深重心のヘッドは確かにつかまりは良いのですが、ドラコン大会に出るようなハードヒッターにとっては、ダウンスイング時に右斜め後方にヘッドが捩れてトルクが余計にかかり、プッシュスライスに繋がってしまうんです。その点、今作は自分のフィーリング通りにヘッドが動き、球が飛んでくれる。こういったクラブを真剣に作ってくれるヨネックスには感謝したい。ハードヒッタ―は浅重心を求めているんですよ!
坂中亨氏
最近のヘッドはフェースがかぶっているモデルが多いですが、今作は極めてスクエアでバランスが良い。飛ばしと方向性の良さを兼ねている印象です。試打会で新作ヘッドと『REXIS KAIZA-L』(7X)を試して、即その組み合わせで出場することに決めました。『REXIS』シリーズはシャフトの外側はソフトでしなるのに、中はしっかりと芯があるような感覚で、仮に振り遅れてヘッドが後方に残っても、インパクトで「ビン!」とヘッドが戻ってくる。振れば振るほどパフォーマンスアップが期待できそうです。
鶴田賢氏
私は元々ヨネックスのクラブとシャフトを使用してドラコンに出場しています。ヨネックスのクラブは真っ直ぐ飛ぶので気に入っているのですが、今作は浅重心でより直進性が増した印象です。
ユージ氏
今までシャフトは『REXIS KAIZA-L』を使っていましたが、試打会で新作と『REXIS KAIZA-H』の組み合わせを試して調子が良かったので、そのまま使用して出場しました。惜しくも決勝に進めませんでしたが、ロフト7度のヘッドにスイングをアジャストできなかったのが理由です。それでも337ヤード飛ばせたのは自分の中ではまずまず。すごくポテンシャルのあるヘッドなので、次回はこのモデルでスイングを作り込んでリベンジしたいです!
松山謙史氏
今作は開発段階から私も色々意見を出させていただいたのですが、実際にでき上がったクラブはドラコン選手や飛ぶ人、小さなヘッドを求めている人にかなりヒットするモデルに仕上がっているなと思いました。これを使って多くの人がゴルフを楽しんでくれたらいいなと思いますね。
大会出場者の声
最後に熱き戦いを繰り広げた猛者達の声を紹介する。
深貝尚子さん
今日の結果(257ヤード)は納得がいっていませんが、課題を克服して次に繋げたい。試合でしか分からないことがあるのでこういう場を作ってもらえるのはありがたいですね。
猪又毅氏
ドラコンはまだまだマイナーですが、たったの6球打つだけでもすごく体力を消耗するので、健康にも良いスポーツだと思っています。今回のようにクラブメーカーが主催して盛り上げてくれるのはとてもありがたいですね。
保條芳彦氏
私はゴルフは上手くありませんが、そんな方でも一撃だけで輝ける可能性があるのがドラコンです。ドラコン界が発展するにはクラブメーカーの協力が不可欠です。これからもヨネックスには是非大会を継続してドラコンを盛り上げてほしいです。
武田勇樹氏
今回は出場と運営の両方を担いました。自分の結果は残念でしたが、出場者みんなが楽しそうにしていたので良かったです。ヨネックスの新作を使ってもっと練習して次回に臨みたいです。
大村信行氏
今大会では運営とMCを担当しましたが、皆さん楽しんでもらえたのは主催してくれたヨネックスのおかげです。選手達が必死に戦う姿に魅力を感じて、20年以上ドラコンを運営していますが、ここ4~5年で日本のレベルも急速に伸びている。いつかドラコンがオリンピック種目になって、日本人が世界の飛ばし屋と戦ってくれる日を夢見ています。そしてドラコンを、普段ゴルフ場に来ない方でも気軽に観戦できるものにしたいと思っています。