三菱ケミカルは7月14日、『TENSEI Pro Blue 1K(ワンケー)』シリーズを発売した。
『TENSEI』と聞くと「上級者用」「ハードヒッター用」というイメージを持つゴルファーも少なくない。歴代の『TENSEI』はPGAのトッププロや、海外メジャーチャンピオンが愛用しているためだ。
しかし今作は癖のない全体撓りが特徴で、スペックも50g台のRフレックスから計14スペックをラインアップする。キックポイントも中調子と、『TENSEI』ブランドながらどんなゴルファーでも使いやすいモデルになっているという。
そこで先頃行われたメディア向け試打会にGEW記者も潜入。様々なスペックを試打してきた。
『TENSEI』だけどマイルドな振り感?
今作の特徴の一つは振り感の「マイルドさ」。というのも、炭素繊維がメインで、カーボン独特の「ハリ感」がある同社の『Diamana』シリーズと違い、『TENSEI』シリーズは異素材を融合することで新しいフィーリングや性能を出すことをコンセプトに掲げている。
今作の製品名にも入っている「1K(ワンケー)クロス」がまさしくそれで、網織り状のクロスを手元側に搭載することで、単純なカーボンとは違うマイルドなフィーリングを実現した。こう聞くと、俄然ヘッドスピードの遅い記者も使えるのでは?と思えてしまう。
さらに1KはCKにくらべて、繊維同士の網目の幅が狭いので、スイング時の波打ちがより小さくなる(ドレープ性)。波打ちが小さくなることで、ヘッドにパワーを伝えるスピードが速くなり、シャフトのスピード感に繋がる。
記者も試打すると・・・
早速、試打してみた。記者のスイング傾向だが、
切り返し:速め
ダウンスイングのシャフト挙動:縦の動き多め
クラブ軌道:アウトサイドイン
ドライバーヘッドスピード:39~40m/s
ドライバー平均飛距離:キャリー 195~200ヤード
弾道傾向:左
ミスの傾向:極端な左への引っ掛け7、スライス3
マイクラブシャフトスペック:50g台のRもしくはSR
今回の試打スペックは、
①50S
②50X
③60S
④60X
意外だったのは①と③の振り心地が良く、弾道も安定したこと。『TENSEI』に対するハードモデルという先入観とは異なり、しなやかにしなってくれる振り感だ。弾道が安定することが分かるので、曲がる恐怖心が消え強振することができる。すると振った分だけシャフトが応えてくれて球を前に押し出してくれる。この辺りは単純に軟らかいシャフトとは一味違う感覚を得た。
一方、②になると記者には若干硬さが残った。ヘッドが戻り切らず、球も右への曲がりが出始めた。④になってくると明らかにオーバースペックのようで、ヘッドが手前に落ちてしまった。
①と③は、単純なスペックだけで判断すると普段の記者のスペックに比べてオーバースペックだ。ところが実際の振り感や結果は全く違った。このことからも、ゴルファーによって異なるかもしれないが、あえていつもよりもフレックスや重量を1段階上げてみるのも違った発見がありそう。まずは先入観を捨て、いくつかのスペックを試打した方が良さそうだ。