ビクセンは9月29日、第3弾目となるレーザー距離計『VRF1000VZR』(4万4000円)を発売した。
今作は同社がこだわる「見やすさ」「測距速度」に加え、プロや競技志向のゴルファーが満足できる製品開発に注力した。
そこで、昨年発売された『VRF1000VZ』を普段の試合でも愛用している女子プロの卵・芳賀幸瞳さんと、ゴルフタレントの高沢奈苗さんが新製品をゴルフ場で逸早くテスト。実戦での使い心地を徹底解説する。
【動画】芳賀幸瞳&高沢奈苗が『VRF1000VZR』をテスト
まずは芳賀幸瞳さんと高沢奈苗さんによる、『VRF1000VZR』のインプレッションを観てもらいたい。
さらに見やすさが向上する2色のOLED
今作の第一の特徴は、赤・緑の2色のOLEDが搭載されている点だ。実際にコースで使用すると赤色の表示が非常に見やすい。また距離が測定されると、中央に緑色の四角い指標が出て点滅し、バイブレーションでも知らせてくれるので、測れたということが直感的に分かるため便利だ。さらに明るさを5段階調整できる機能もついているため、例えば晴天の日は明るくするなど細かい調整ができる。
また同社は1作目の『VRF800VZ』の時から徹底して「見やすさ」にこだわってきた。ファインダーを覗いた瞬間の映像のクリアさは秀逸で、天体望遠鏡シェア日本1位の技術を取り入れている。今作もその視認性の良さは受け継がれており、2色のOLEDが加わったことで、さらに見やすさに磨きがかかったと言える。
テストしたホールは千葉セントラルゴルフクラブの394ヤードのミドルホール。ちょうどピンを見渡せるロケーションなので、試しにピンを測ってもらった。
芳賀 (約400ヤード先と)遠いのにとても明るく綺麗に映って、正確な距離も出るのですごく良いです。
高沢 赤色の表示は見やすいので早朝の暗い状態でもピンを当てやすそうです。それと明るさ調整を試してみましたが光度2でも十分見やすい。光度3からはかなりはっきりしてきますね。
測距スピード約0.1秒&直線モードランプ
今作のもう一つの特徴は測距速度にある。2作目の『VRF1000VZ』は約0.3秒と、実際に使ってみるとかなりの速さを体感できたが、今作ではそれを約0.1秒まで短縮した。
プロや競技志向のゴルファーにとって測距速度も重要な要素。プレーに集中するためにも反応が遅いことでストレスを感じることは避けたい。今作は事前にテストを重ね、幾度となくソフトウエアを微調整した。「見る」ことにこだわってきた同社の意地が注入されている。
また前作同様、本体前面にランプを搭載。直線モード使用時にランプが光る仕様になっている。高低差モードの使用を疑われることもないのでプロ、競技志向のゴルファーには嬉しい機能だ。
芳賀 試合で使う上で、こういう機能がついていると不正を疑われることがないので助かります。
高沢 私もアマチュアの競技に出ることがあるのですが、中には高低差モードの使用がNGの時もあります。ただ、高低差モードを使っているかいないかは外からは判別できません。以前、実際に問いただされてペナルティを受けている人を見たことがあります。そういう意味でもランプがついていることで堂々と測定できるので実践的だと思います。
進化した専用ケース&新搭載のマグネット機能
ビクセンの距離計で特徴的なのは、付属の専用ケースの設計にもこだわっている点だ。一見おまけのように見えるケースだが、これまでの2製品もケースの開閉角度や出し入れのしやすさまで細かく調整してきた。
今作ではFIDLOCK社製のマグネット式バックルを採用。かぶせる部分を上にスライドさせることで、簡単に取り出すことができ、手を放すと自然にロックされる仕様になっている。出し入れのストレスを極限まで抑え、競技に集中させたいというメーカーのこだわりを感じさせる。
とは言え、中には腰にケースをつけることを嫌うゴルファーも多い。特にプロや競技志向のゴルファーは後ろポケットに距離計を入れたり、測る時だけ持ち出し測った後は芝の上に置くケースも多い。
そういったゴルファー向けに今作ではマグネット機能を搭載した。カートのフレームやクラブにつけられるので、ショット後に芝の上から距離計を拾い上げる動作が不要になる。
芳賀 パー5の3打目を打った後にウエッジを持ってグリーンまで歩いて行って、グリーン周りに距離計を置いたまま忘れちゃうというケースがプロの場合は多いと思います。マグネットがついていれば、ウエッジのシャフトにくっつけたままグリーン周りに置いておけるので忘れることもなく便利だと思いますね。
抜かりなしの高機能レーザー
その他の機能として、IP54準拠の防水性能に加え、対物レンズと接眼レンズには撥油コートを施して水切れを良くしている。またタイプC充電にも対応しているのは嬉しい点。
また測定ボタンを長押しすることで複数の対象物を次々と測定していく連続測距や、背景にある木や建物など複数のターゲットの中から一番近いもの(ピンフラッグ)を見つけ出して測定するピンシーク機能など、前作を踏襲する機能もついている。
芳賀 前作から変わったなと感じるのは測定ボタンの押しやすさだと思います。ボタンのタッチが軽いので、押す時の手振れも起きにくく当てやすいです。それとファインダーも明るくて見やすいですし、防水機能がついているのは突然の雨でも安心ですね。早速試合でも投入できそうです。
高沢 今日一日使ってみましたが、第一印象としてすごく見やすいですし、モード切替の操作なども簡単です。それと自分の距離計が見当たらなくなって困っている人を見かけるので、マグネット機能は本当に便利だと思いました。専用ケースは開け閉めが簡単ですしティーも挿せるので便利ですね。