ブリヂストンスポーツは9月、Bシリーズの新ドライバー『B1ST』と『B2HT』を発売した。
今作の最大の特徴はフェース面のテクノロジー。そこで今回はティーチングプロの常住充隆氏に、あえて製品の説明を事前にせずに試打してもらった。
【動画】『B1ST』&『B2HT』を常住充隆が徹底試打
まずは動画で2モデルの打ち比べ&インプレッションを観てもらいたい。
『B1ST』を試打(ロフト:9.5度、シャフト:VENTUS BS6)
常住
まず構えてみるとディープフェースかつ洋梨のような形状で、上級者が好みそうな顔をしています。
まずはコースと同じ感覚で、1球目は左に飛び過ぎないようにフェードを打つ感覚で振ってみましたが、正直言うと少し振り遅れてしまい、瞬間的に「右に吹ける!」と思ったものの、結果はパワーフェードになりました。
インパクトの感覚がかなり独特で、フェース面の球の手持ち感が強いんですね。それによって球が滑らずにつかまってくれたのが理由だと思います。
2球目は反対に球をつかまえにいきましたが、こちらも左に飛び過ぎず真ん中に収まってくれました。純正シャフトは60g台なので私にとっては軟らか過ぎてスピン量が増えてしまうのですが、その割には球も吹けずに打ち出し角12.8度と強い弾道になっています。
フェース面の第一印象はスタッドレスタイヤのように見えたのですが、聞くと今作はフェース面に細かい網目状のパターンを入れる手法(クロスハッチング)を使ったミーリング(スリップレスバイトミーリング)になっていて、フェース面の食いつきが上がっているとのこと。球持ちが長く、感覚に反して球が曲がらないのはそういういうことだったんだと納得がいきました。
次に実験として、敢えてどスライスを打つイメージで振ってみました。データからも分かるように、スライスを狙った分、スピンが4000回転近くなり、飛距離も前の2球より落ちましたが、コースだったら普通にナイスショットです。1球目同様、フェースが開いて当たっても球が滑らない。左右のミスが圧倒的に少ない印象です。
最後に思い切り振ってみました。今度は若干ヒール寄りの上側に当たったのでミート率が落ちましたが、意外にも初速が約69m/sと出ており、スピン量も2650回転。ミスヒットへの強さを証明してくれました。
『B2HT』を試打(ロフト:9.5度、シャフト①:VANQUISH BS50・S/シャフト②:SPEEDER NX BS40w)
常住
構えた印象はフェースのトップラインが若干左を向いていて、つかまえさせようという意図が見て取れます。さらに『B1ST』に比べてシャロー形状なので球を上げやすくしているのが分かります。
まず『VANQUISH BS50』のシャフトで打ってみました。1球目は何も考えずにフルスイングしてみましたが、やはり予想通り球がつかまって高弾道になりました。
シャフト重量は50g台なので、今度はターゲットのゴルファーを想定して2球目はヘッドスピード(HS)42m/sくらいで打ったところ、242ヤードと飛距離も出ました。
最後はHS42m/s程度で、どスライスを打ちにいきましたが、しっかりとフェアウェイセンターに着弾しています。
以上の結果から、HS40~43m/s程度で、ドライバーで球が上がりにくい、もしくは球が真っ直ぐ飛ばないゴルファーには持ってこいのモデルということが分かります。特にスライサーはかなりストレートに近い球筋になると思います。
次に軽量の『SPEEDER NX BS40W』のシャフトで、今度は38m/sくらいに抑えて数球打ってみたところ、いずれもスピンが安定して理想的な球筋になりました。このシャフトはHS40m/s前後の方が最も恩恵を受けられると思います。
スイングタイプで棲み分ける対象ゴルファー
常住
今回両モデルを試打しましたが、共通して言えるのはとにかく易しいということ。フェースの特殊なミーリングでミスヒットも含め左右の球の散らばりが抑えられるので、ドライバーが苦手な方にはとにかく使ってほしいです。
『B1ST』は強弾道が出やすくインパクトでクラウンがたわみ過ぎないので、HSが速い方、直線的に攻めていきたい方には合っています。逆にウエイトを細かく調整できるので、弾道を操作していきたい上級者にも向いているでしょう。とは言えそこまで難しいヘッドではないので、ハンデ15前後の方でも十分使えます。
スイングタイプで言うと、インパクトで頭を残さずに回転動作が多い方、インパクトにかけて腰を切りながら連動的にリストを使っていく方、シャフトの横のしなりを使う方にはドンピシャだと思います。
一方、『B2HT』は、クラウンのたわみがあり、高弾道が出ますので、ボールが上がらない方、スライスの方、フェアウェイウッドが苦手な方、アベレージゴルファーの方には当然合います。
スイングタイプでは、ハイトップかつ、インパクトで頭を残して、シャフトの縦のしなりを使って打つ方、体重移動が多い方には向いています。
2種類のシャフトを試打しましたが、『VANQUISH BS50』は、全体的にしなりつつタメが作られやすいシャフトなので、タメを作って打つタイプの方、シャフトの縦の動きを使う方、つま先を閉じてボールを真ん中寄りに置く方には合うでしょう。
一方、『SPEEDER NX BS40W』はトップから関節を多用してシャフトの横のしなりを使っていく方、つま先を開いてボールを左側に置く方に合うでしょう。